ビビッドガーデン「食べチョク」は、オーガニック農家と消費者を直接つなぎ、農業の流通課題を解決する(ICC KYOTO 2018)【文字起こし版】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

ビビッドガーデン「食べチョク」は、オーガニック農家と消費者を直接つなぎ、農業の流通課題を解決する(ICC KYOTO 2018)【文字起こし版】

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ICCサミット KYOTO 2018 スタートアップ・カタパルトに登壇した、ビビッドガーデン 秋元里奈さんの【ビビッドガーデン「食べチョク」は、オーガニック農家と消費者を直接つなぎ、農業の流通課題を解決する】プレゼンテーションの文字起こし記事をぜひご覧ください。

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。参加登録はICCサミット FUKUOKA 2019をご覧ください。

ICCサミット KYOTO 2018のプレミアム・スポンサーとして、IBM BlueHub様に本セッションをサポート頂きました。


【登壇者情報】
2018年9月4日〜6日開催
ICCサミット KYOTO 2018
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門
Supported by IBM BlueHub

(プレゼンター)
秋元 里奈
株式会社ビビッドガーデン
代表取締役社長

神奈川県相模原市の農家に生まれる。 「農家は儲からないから継ぐな」と言われていたため、慶應義塾大学理工学部を卒業後は新卒でDeNAへ入社。WEBサービスのディレクター、営業チームリーダー、新規事業の立ち上げを経験した後、ゲームアプリ『キン肉マン マッスルショット』の宣伝プロデューサーに就任。順風満帆にITサラリーマン生活を送っていたが、次第に家業である農業を盛り上げたいという想いが強くなり、DeNAを退職。「農業の抱える課題をIT技術を活用し解決する」をミッションに掲げ、2016年11月に株式会社ビビッドガーデンを創業。2017年8月よりオーガニック農家のマーケットプレイス「食べチョク」を展開。小規模の生産者でも簡単に消費者と繋がれるプラットフォームとして、全国から150軒以上のオーガニック農家が参画。2018年2月には赤坂氏、家入氏などの個人投資家からシードラウンドで4,000万円の資金調達を実施。

「ICC KYOTO 2018 スタートアップ・カタパルト」の配信済み記事一覧


秋元 里奈氏(以下、秋元) ビビットガーデンの秋元です。

私が提供している「食べチョク」というサービスについてご説明します。

食べチョクは、オーガニック農家が集まるマーケットプレイス(インターネット上の取引市場)です。

こだわりをもって育てられた野菜が出品されており、消費者は好きな農家から、直接野菜を取り寄せることができます。

食べチョクは、WEB上のファーマーズマーケット

このサービスを一言で言うと、“WEB上のファーマーズマーケット”です。

農家さんはフリマサービスのような感覚で、手軽にWEB上に商品を出品することができ、そして消費者の方々と直接つながることができます。

Oisix(オイシックス)などの既存のサービスとは異なり、食べチョクはマーケットプレイス型のモデルを取っています。

▶編集注:Oisixは、(株)オイシックス・ラ・大地が展開する有機野菜などの食材配達サービス。Oisixが契約農家が生産した商品を購入可能な定期宅配サービスであるのに対して、食べチョクでは、農家が販売価格を決め、それを直接消費者が購入可能なモデルとしている。

集荷場を介さずに、農家さんから農作物を直送するため、同程度の価格でより鮮度の高い野菜を楽しむことができます。

また、メリットは鮮度だけではありません。

マーケットプレイス型にすることで、農家と消費者が直接、やりとりすることができます。

農家さんからの発信によって、畑の情報や美味しい食べ方などを知ることができたり、消費者側からも、商品について質問をしたり、感謝の気持ちを直接伝えたりすることができます。

私たちは、こういったコミュニケーションによって、農家と消費者の距離が近づき、日々の食生活がより豊かなものになると考えています。

「農業は継ぐな」という母からの言葉

次に、なぜこのサービスを始めたのか、簡単にお話しします。

私は、農家の長女として生まれました。

この写真に写っているのは、私の母と祖母、そして双子の弟です。

小さい頃は畑が遊び場で、私たちは自然に囲まれて育ちました。

私は、色とりどりの野菜がある、生命力にあふれた畑がとても好きでした。

しかし、物心がついた頃、母から「農業は継ぐな」と言われます。

理由は単純で、「儲からないから」です。

結果、私たちは農業とは関係のない業界に進み、実家の農業を継ぐ人はいなくなりました。

私は新卒でディー・エヌ・エーという会社に入社し、マーケティングや新規事業を担当していました。

しかしある日、久しぶりに実家に帰った際、ふと、変わり果ててしまった農地を目にします。

その時、思ったのです。

「こんなに立派な農地があったのに、なぜ農業をやめてしまったのか」

「私の好きだった畑は、もう戻ってこないのか」

そんな思いを抱いたことが、サービスを立ち上げるきっかけになりました。

“こだわるほど儲かりづらい”という流通課題を解決

それから私は全国の農家を訪問し、こだわりを持った数多くの農家に出会いました。

しかし皆さん口を揃えて、同じ悩みを口にしました。

「こだわるほど、儲かりづらい」

農作物の流通に課題があったのです。

通常の流通ルートは多くの中間業者を挟むため、農家の粗利は低く、かつ、販売価格が固定で決まってしまいます。

そのため、いくらこだわりを持って生産しても、それが一切価格に反映されません。

そこで食べチョクは、農家と消費者を直接結ぶことで、販売手数料20%がかかったとしても、農家に粗利80%を保証し、価格を自由に設定できるようにしました。

配送の手間はかかりますが、それを加味しても手取りは1.8倍で、農家によっては2倍、3倍にもなります。

つまり、私たちは、こだわって育てた野菜を適正な価格で販売でき、かつ農家にファンがつく仕組みを作っているのです。

自分の売りたい価格で、野菜を売ることができる世界を

私が事業を始めた時、農家の知り合いはほとんどいませんでした。

しかし、実際に足を運んで想いを伝えているうちに、多くの農家さんが私たちのサービスに賛同してくれるようになりました。

サービスをリリースして1年が経った今、登録農家数は160件を突破しています。

農家直送のECサービスの中では最大規模で、オーガニック農家が最も集まっているサービスです。

私たちが取り組んでいる市場の大きさについて説明します。

オーガニック農作物の市場規模は1,300億円、農家さんが朝採れ野菜を持ち寄って販売する農産品直売所に至っては、何と8,000億円以上と非常に大きいものです。

そして、直売所のほとんどは、リアル店舗です。

私たちは現在オーガニック農家に特化していますが、いずれはオーガニック農家だけでなく、直売所での“体験”をオンライン化することを目指しています。

「農家さんが当たり前に、自分の売りたい価格で野菜を売ることができる世界」を作っていきたいと思っています。

こちらが、チームメンバーです。

ディー・エヌ・エーをはじめ、IT系のバックグラウンドを持つ6人の社員で構成されており、サービス開発の知見のあるメンバーが揃っています。

データベースを活用して農家と買い手をマッチング

私たちはただ単に野菜を販売するだけではなく、より売り手に歩み寄る仕組みを取り入れています。

それは、栽培情報のデーターベースを活用し、ユーザーとマッチングするというものです。

どの農家さんがどのような品目を作っており、いつ出荷できるのかといった情報は、国やJAも把握していない、私たち独自の情報です。

この情報により、農家と買い手のニーズとのマッチングが可能になります。

また、「農家から直接野菜を買いたい」というこだわりを持った飲食店とのマッチングも可能です。

私たちの目的はあくまで「農家の所得向上」なので、C向け、B向けといった区別なくサービスを展開しています。

具体的なC向けサービスは、好みに合わせて農家さんから定期的に野菜が送られてくる、サブスクリプション形式を採っています。

このサービスは、翌月定着率が95%という高い定着率を誇ります。

飲食店向けにもほぼ同じ形式で、先月8月に、ベータ版としてサービスをリリースしました。

既に、1店舗で月に25万円購入という実績も出ています。

生産者が正当に評価される世界へ

最後に、食べチョク農家さんの事例をご紹介します。

現在、農家4代目の森藤さんは、食べチョクでの販売を開始したことで、野菜部門の利益を2倍に伸ばしました。

利益が上がったことで、「これなら娘に継がせても大丈夫だ」と仰って頂けました。

森藤さんのように利益をしっかり上げていれば、後継者問題や空農地問題のような様々な問題を解決できると私は考えています。

「自分の実家のように枯れていく畑を、これ以上増やしたくない」

その一心で私は今、事業を行っています。

農業は自然の声を聞き、食材を生み出す、非常に尊い職業です。

ですから、生産者が正当に評価される世界を目指したいと思っています。

ぜひ、応援をお願いします。

ご清聴、ありがとうございました。

(終)

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/上原 伊織/尾形 佳靖/大塚 幸

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