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ICC KYOTO 2022のセッション「徹底討論!ガチ勢による”新卒採用”を成功に導く戦略とは?」、全6回の⑤は、キュービックの世一 英仁さんが登場。Great Place to Workの「働きがいのある会社」ランキング1位、100名以上のインターンが在籍する組織での新卒採用について紹介します。インターンからとそれ以外の2系統でのプロセスがあるのだとか。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2023は、2023年2月13日〜2月16日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
ICC KYOTO 2022
Session 9E
徹底討論!ガチ勢による”新卒採用”を成功に導く戦略とは?
Supported by リブ・コンサルティング
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▶「徹底討論!ガチ勢による”新卒採用”を成功に導く戦略とは?」の配信済み記事一覧
【キュービック】“縁”から“ガチ”の新卒採用へ
加藤 では、キュービックの世一さん。
世一 はい、よろしくお願いします。
突然、フォントが丸い、ファンシーなスライドで恐縮です(笑)。

キュービックは、デジタルメディア事業を中心に展開しており、最近は新規事業にも頑張って取り組んでいる会社です。

色々なデジタルメディアがありますが、ユーザーは、大小かかわらず、何らかの課題を抱えてインターネットに接続していると考えています。
それを、きちんと解決できる社会を作っていきたいと思い、「インサイトに挑み、ヒトにたしかな前進を。」というミッションを掲げています。
▶キュービックの考え方や行動の原点(CUEBiC)

特に、デザインとマーケティングをきちんと組み合わせていこうと考えているのが特徴です。
「インサイトに挑み」というのは、デザイン思考につながります。
ですから、新卒デザイナーの採用を行っているのも特徴です。
2022年6月末期では、売上が120億を少し超えました。

既に17期目(2022年9月登壇当時)なので、自分たちをベンチャーと呼んでいいか分かりませんが、心はベンチャーということで経営しています。
グラフの青い線を見て頂ければ、人員が一気に増えた時期があることが分かると思いますが、1年半で50人から250人に増やした時期がありました。
これはインターンも含めての数字ですが、当時、組織で起きてはいけないことが全て起きたと思います(笑)。
(会場笑)
当時はまだ、そこまで真面目に新卒採用は行っていませんでした。
インターンのうち、縁のあった学生だけを採用していましたが、カルチャーがゆるくなってしまうときもあって、新卒採用をきちんと行おうと方向性を正していった記憶があります。
Great Place to Workの「働きがいのある会社」ランキング中規模部門において、先日、若手ランキングで第1位を頂きました。
▶人事評価に1,000時間以上!?『働きがいのある会社』若手ランキング1位に輝いたキュービックの人事施策の極意を大公開(CUEBiC)

また、総合ランキングでも、5年連続で入賞させて頂きました。
インターン登用と一般新卒採用の2枠
世一 採用活動におけるこだわりポイントについて話す前に、新卒採用の歩みについて話します。

それまではインターンの中で縁のあった学生だけを採用していましたが2018年卒業者から本気で新卒採用をしており、インターンから新卒社員への登用と、インターン以外からの採用を組み合わせています。
インターンからの登用が多かった時期と、インターン以外からの採用が多かった時期が入り乱れています。
PDCAを回しているといえるほど計画的ではありませんが、それぞれのパターンでの結果について毎年振り返りながら、翌年の計画を立てています。
基本的には10~15名の採用ですが、期待しているインターンが何人いるかをまず確認し、一般でどれだけ採用する必要があるかを考え、スライドの一番右の数字を大事にしながら、採用活動を進めます。
インターンからの登用と、インターン以外からの採用で、プロセスをこのように分けています。

一般新卒採用(インターンシップ以外からの採用)の場合も、例年、インターンシップを経て採用をするケースが多いです。
社内では100名以上のインターンが働いているので、そこにそのまま入って5日間(※)働いてもらい、最終日に僕と面接をし、合否を決めるというプロセスです。
▶編集注:日程は1dayインターンシップから短期インターンシップなど、業種や採用年によって変動するとのこと
ちなみに今、会場には、一般新卒採用で入社した社員が1人いますが、歴史上初めて、5日間のインターンシップをお代わりし、計10日間のインターンシップを経て入社した方です(笑)。
一番大事にしているのは、「一緒に働く」というポイントです。

というのも、入社後、やっぱり違ったと思っても、取り返しがつかなくなることがお互いに多いと思います。
ですから、活躍するイメージがお互い持てるか、働く仲間としてお互い信頼できるか、仕事と、自分がやりたいことやなりたい姿をきちんと接続できるかを、一緒に働いて、お互い見極めようということを大事にしています。

入社後の活躍イメージをふくらませる4つの取り組み

世一 取り組み事例を紹介させて頂きます。
リブ・コンサルティングの後だと、かなり雰囲気が違うのですが……。
(会場笑)

こういう元気な会社だと思って頂けたらと思います(笑)。
大学1、2年生をインターンとして採用していますが、インターンが成長して活躍できるように、オンボーディング時、長い人では1カ月強ほどの研修を行ってから現場に入ってもらうようにしています。

スライドの図でいうと、テクニカルスキルやポータブルスキルはカバーできませんが、それよりも下に記載しているものは、最初にインプットできるよう組み立てています。
表彰制度は、僕らもガチで行っていますが、最優秀インターン賞なども設け、こだわって表彰しています。

賞を受賞した人が正社員登用になるケースが多いです。
優秀かどうかと、入社してくれるかどうか、という2つの軸があったとして、4象限のうち、右上の象限の学生を採用したいですが、全員がそこに入るわけではありません。
ですから、「この会社で活躍できる、承認も得られた、自分はもっと色々なことができるはず」という気持ちをどう作っていくかがポイントだと思っているので、そこを本気で頑張っています。
それ以外の目的もあるのですが、アワードにはすごく大きな効果があると思っています。
インターンにも評価、等級制度
インターンに対しても、評価制度を用意しています。

等級制度もあり、全員同じではなく、3つのグレードに分かれています。
任せる仕事のレベルや時給、あと、ボーナスをインターンにも支給することがあるので、その水準などをグレードごとに定めています。
階段を上がることで成長が実感できるよう、配慮しているということです。
そしてこれは、インターンではなく新卒社員の抜擢事例ですが、新卒社員の早い段階から色々な責任を持つことが、インターンからも分かるようになっています。

入社2年目の新卒社員が、新規事業部の事業部長になったり、4年目で大きい部門の部門長になったりしています。
インターンから見た時、30代や40代の部下50人を束ねている25歳の社員がいるということです。
もちろん、彼らは成果も出しているので、インターンが「頑張れば、自分にもチャンスがあるのかな」と考えられる会社になっていると思います。
働く仲間との信頼関係を構築する取り組み
世一 信頼関係構築については、情報をかなりオープンにしたり、経営陣と現場の距離をなるべく近くしたりすることに力を入れています。

このスライドにあるのはベンチャーであればどこも行っている取り組みかもしれませんが、条件を満たせば経営会議にもオブザーバーとして参加可能ですし、何か提案したいことがあれば、経営会議での起案も誰でも可能です。

開放はしていますが、誰も参加していません(笑)。
こちらのオープンな姿勢を見せるのが大事だと思っています(笑)。
相互理解についてですが、1 on 1重視というのは当たり前のことかもしれません。

僕らが大事にしているのがナナメの繋がりです。
縦のライン、そして同期同士など横の繋がりはもちろんですが、仕事上は直接関係のないナナメの繋がり、例えば年上の社員と入社したばかりの学生インターンの間に、何らかの形で接点を持てるようにしています。
フットサルの部活や飲み会など何でも良いのですが、何らかのナナメの繋がりがたくさん生まれると、シナプスがつながるように、何かあったときに相談できる相手が増えますので、かなり重視して取り組んでいます。
加藤 スライドにある、「聖地巡りのイベント」とは…?
世一 すみません、スライドを作る時間がなくて、社内のメンバーに写真を依頼したらこれらが選ばれました(笑)。
我々は5回ほどオフィス移転をしているので(笑)、社内で有志を募って、聖地巡りイベントとして過去のオフィスの場所を回った時の写真ですね。
加藤 なるほど、ヒストリーがあるのですね(笑)。
世一 はい、上野のオフィスに行ったメンバーの写真だと思います。
写真に写っている3人は全員別の部署に所属しているけれど、こういうイベントを通じて繋がった、というメッセージを伝えるための写真です。

WILLを拾い、一緒に成長していく
世一 最後に、仕事とWILLの接続についてです。

おそらく通常、正社員向けに行っている施策を、インターンに対しても行っています。
目標を決めて振り返りを行い、アクションを可視化するというマネジメントをしています。

若い社員が、彼らよりもさらに若い学生インターンをマネージするにあたり、何もしなければ収拾がつかなくなってしまうので、一定のフォーマットがあったほうがいいと考えています。
それで、このフォーマットを、作って見直して……をずっと繰り返しており、このフォーマットを作ったのもインターンです。
また、正社員向けで制度がある会社も多いと思いますが、インターンでも異動をしやすくしています。

「あの仕事をしてみたい、あのチームで働いてみたい」などのWILLがあっても、気を遣って、部署異動をしたいと言い出せない空気が生まれかねません。
ですから、そういったWILLを簡単に拾えるよう、配慮をしています。
そもそも学生と一緒に働くと、短期的にはコストがかかるので、なぜ行っているのか?とよく聞かれます。

会社の大事な価値観として、将来世代をステークホルダーの1つにしています。
ですから、学生に機会提供をしますし、僕らはやはり若い人たちが次の社会を作っていくと信じています。
社会どころか、僕らの会社の次のステージも、実際若い人たちに作られているわけですよね。
インターンを経てそのまま入社してくれた、3、4年目の社員が大きな売上を作っていることは、みんな知っています。
ですから、「一緒に向き合って、一緒に成長していくことが、会社、社会、学生の三方よしとなる」という考え方が、社内にも定着していると思いますし、よく話しています。
加藤 ありがとうございます。
(続)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸