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ICC FUKUOKA 2026 カタパルト・グランプリに登壇いただき3位に入賞した、Polyuse 岩本 卓也さんのプレゼンテーション動画【施工の知恵を蓄積する3Dプリンタで、全国の建設現場をアップデートする「Polyuse」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。
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【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
岩本 卓也
Polyuse
代表取締役
公式HP
1993年生。 信州大学理学部卒(理学学士)、一橋大学大学院商学研究科(経営学修士)、東京工業大学グローバルリーダー教育院修了。専門は自然科学を応用した自律分散型組織、循環型組織構造論。 一橋大学大学院在学中に人材マッチングアプリのスタートアップを共同経営。その後、ベイカレント・コンサルティングに新卒入社し、経営戦略・事業戦略・業務改善等の各種業務に従事。2019年に国内初の建設用3Dプリンタメーカーの株式会社Polyuseを創業し、代表取締役に就任。Polyuseは国内最多の建設用3Dプリンタ施工実績を作り出し新たな建設業界のあり方を共に創り出している。 国土交通省インフラD X優秀賞、経済産業省J-Startup選出、ICC Fukuoka 2022 デザイン&イノベーション アワード優勝、MIT technology review Innovators Under 35 Japan 2022、日経アーキテクチュア10大建築人2023など各種受賞等。
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岩本 卓也さん Polyuseの岩本です。
建設業界の産業基盤を3Dプリンタで作り変える
私たちは「コンクリート」を「3Dプリント」する技術で、建設業界をアップデートすることを掲げています。

実際に開発しているマシンが、こちらです。

そして今回のICCサミット FUKUOKA 2026では、会場入り口にモニュメントを設置しています。

私たちの技術で作ったものです。
さて、お手元にあるサンプルの穴の中をぜひ覗いてください。
品質管理で内部が一体であることを確かめるのですが、一体であることが分かっていただけると思います。

そして強度は、実に従来の3倍なので安全です。

この技術で建設業をアップデートしていきたいと思っています。

「アップデート」というと、皆さんもよく使われる言葉ですが、私たちが言うアップデートは「産業基盤そのもの」を作り変えることです。

今日は私たちがコンクリートの業界をどう作り変えているのか、お話しできればと思います。
「工法選択の常識」に変化をもたらす第3の選択肢
そもそもコンクリート施工は、「型枠」という手法を長年用いてきています。

型枠を作るには、職人が現場で木材を組み上げて作るか、工場で金属を金型に流し込んで量産品を作るかのどちらかでした。

どちらにもメリット、デメリットがあります。

職人が作ると安くて自由度が高いですが、人に依存します。
一方、量産品は速くて安定するのですが、一定の形状しかできません。
そこで私たちは第3の選択肢として3Dプリンタをこの業界に持ち込み、工法選択の常識に変化を与えているのです。

2035年までに建設現場の職人が半減
旧来、人口増加の時代は人海戦術に価値がありました。

一方で、現状では人手不足で職人が大幅に減少しています。

職人の半数が2035年までにいなくなると言われています。
もはや過去の合理性は成立しません。

半減する職人に代わる「施工供給能力」を補う使命
そこで私たちは、職人の減少に対して「人を増やす」という方法ではなく、「施工供給能力が足りないのだ」という認識で、代替手段としての3Dプリンタを提案しています。

そのマーケットの規模は、およそ3兆円です。

どういうことでしょうか?
コンクリートの施工は年間7.5兆円で行われているのですが、実にその80%を職人が担っています。

その半数がいなくなるわけですから、40%=3兆円、これを今後どうにかしていかなければいけない、そういう規模感です。
私たちはこれを3Dプリンタで補いたいと考えています。

国とともに3Dプリンタ施工の品質基準を策定
とは言え、人の命を守るインフラの領域に新しい技術を持ってくるには、非常に高い壁があります。

品質基準、安全性、認証、実績、どれを取っても必要です。
私たちは、これらを作り上げてきました。
国とともに何がOKで何がダメなのか、様々な品質基準を作りました。

安全性のためのバックデータとして、大学機関あるいは国家機関とともに検証データを取得してきました。

今日お持ちしているサンプルは、その一端です。
認証の段階では国土交通省とともに、技術認証を登録し、表彰というお墨付きを頂く形で実績につなげてきました。

▶【国内初】Polyuse「建設用3Dプリンティング」が国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」に登録(PR TIMES)
▶Polyuse、令和4年度 国土交通省 インフラDX大賞(旧:i-Construction大賞)で「優秀賞」を受賞(PR TIMES)
スーパーゼネコンも認める良き「相棒」に
実績数はすでに300件あり、色々な現場で使っていただいています。

これら4項目全てを実現しているのは、Polyuseだけです。

先ほど(職人が半数いなくなった後を)「3Dプリンタで補う」と言いましたが、実際はバイネームです。

つまり、「Polyuseが補う」のです。
施工のシェアは、事実、私たちが圧倒的なシェアを持っていて、シェアをどんどん、どんどん広げていきたいという考えです。

先行開発していたスーパーゼネコンの開発チームからも、「現場の利用においてはPolyuseでいいよ」と言っていただき、すでに使われています。
さらに面白いことに、施工のゼネコン会社からは、毎年入札で取ってきた全ての現場のデータを送るから見てくれと言われます。
私たちは、順番に図面を開いて見ていき、私たちの過去の知見からどこに使えるかを選定し、リストアップして相談に乗ります。
すでに選択肢の一つというよりは、一番最初に相談する「頼れる相棒化」しているのです。

これをどんどん広げていきます。
3Dプリンタの販売に終わらない収益モデル
とは言え、儲からないと意味がないので、しっかり仕組み化します。

私たちは、「マシンを売っているのですよね?」と言われますが、マシン販売だけではないのです。

販売後も1現場、1現場全てにおいて、私たちはデータ作成という観点で必ず介在します。

つまり案件が発生するたびに、私たちに収益が入るのです。
この構造はすでに機能しています。

今年度の売上は15億円強まで到達しました。
全国50拠点に未経験者でも3日で運用できるマシンを配備
さらなるスケールアップのために、今2つの取り組みをしています。

物理的なネットワークを作って生産供給を高める。
そして、施工知をデータベース化して質を上げる。
この2つをに取り組んでいます。
どういうことでしょうか?

実際に私たちのマシンは2トン近くあるので、輸送距離がとても大事です。
距離を短くするために全国にマシンを設置し、輸送時間とコストを削減していきたいのです。
そのためには簡単に使えなければいけないため、マシンの操作性を徹底的に洗練させ、未経験のスタッフ2名が3日間の講習を受けるだけで運用できるレベルまで高めました。

現在、北は旭川、南は石垣島まで全国50箇所にマシンを配備し、必要な場所に必要な量だけ提供できる体制を順次拡大しています。

職人の知恵をシステム化。溜まった知見は各地で転用
蓄えられる各現場の知見は、今まで職人の中にしかありませんでした。

それを今後は「施工の知恵」という形で僕らが集積します。

例えば長崎で施工した波返し、石川で施工した集水桝、山形で施工した擁壁(ようへき)、どれも聞いたことがないと思いますが、これらを次の現場に生かすということです。

長崎で施工したものは石川に、石川で施工したものは佐賀に、山形で施工したものは兵庫に、このように転用できるのです。

しかも溜まっていく知見は、システム化もできます。
難易度の高い形状のものを、ソフトウェアで簡単に作れるツールに変化させ、今までかかっていたデータ設計の時間を30分の1まで短縮することに成功しています。
マシンをどんどん増やしていくことによって、生産供給をネットワーク化し便利にして、そこから培って、取得できるデータベースをより賢くします。
これは、施工供給能力の量と質の観点で高め合い続けられる仕組みなのです。

実際、このネットワークも効果を発揮してきています。
昨年から急激に受注量もきちんとそれに応えていますし、今来年度の入札時期なのですが、その段階で、すでに本年度と同規模の案件数を受注しています。


3Dプリンタ利用の事前指定が始まっている
さらに、その進化の先には、もう1つ先があります。
発注する段階から、図面に「3Dプリンタでやりましょう」と書く段階が始まっているのです。
先ほどまで説明していたのは、入札後の相談でした。
現在は発注者、行政機関から事前に指定して「3Dプリンタでやりましょう」と言っていただく世界が来ています。

例えば、JUNGLIAのオープンに間に合わせるために、道路の拡張工事で私たちが力添えしました。

そして、能登の震災復旧においても多数の現場から相談を受けています。

施工供給能力を担う「インフラのためのインフラ」へ
このように施工供給能力を担う私たちは、「インフラのためのインフラ」として、今まで選択していた施工の方法から脱却して産業構造を作り変えます。

それが僕らの使命です。
だからこそ、皆とともに建設業をアップデートするという使命に向き合って、産業構造を変えていきます。

ぜひ今後もよろしくお願いいたします。
Polyuseでした。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美


