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ICC FUKUOKA 2026 カタパルト・グランプリに登壇した、AiCAN 髙岡 昂太さんのプレゼンテーション動画【「虐待予防のSaaS」で、守られるべき子どもたちと現場のエッセンシャルワーカーを支える「AiCAN」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。
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【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
髙岡 昂太
AiCAN
代表取締役
公式HP | 公式X
教育学博士、臨床心理士、公認心理師、司法面接士
児童相談所の現場で、命に直結する支援判断と、限界まで疲弊した組織を見続けてきました。「志のある人が壊れていく構造」をビジネスで終わらせると決め、産総研AI研究センター発スタートアップとしてAiCANを創業。全国の自治体に、児童福祉SaaSを展開しています。児童福祉は日本でも世界でも、まだ誰も本気で産業化・基盤化できていない巨大市場です。私はこの領域を“社会課題”で終わらせず、日本から世界への社会インフラに仕上げます。
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髙岡 昂太さん 子ども虐待を解決するエッセンシャルワーカー向け虐待予防SaaSの株式会社AiCAN、高岡です。
よろしくお願いいたします。

国内で、世界で、繰り返される痛ましい事件
2026年に入り、このようなニュースをご覧になったのではないでしょうか?
6歳の男の子がスーツケースに閉じ込められて亡くなった事例。
土浦市で起こった、洗濯機の中に落ちた2歳の男の子が放置されて亡くなった事例。

こういう事例が、日本で最近発生しています。
この裏には「虐待」という問題があり、「この子、大丈夫かな?」という形で、市役所や児童相談所に、年間50万件の連絡が来ています。
同様の課題は世界でも起こっています。
増える件数、取れない人材育成時間
この問題を解決するには、早期の対応と予防が大事です。

しかしながら、現場には非常に大きな課題があります。
対応するエッセンシャルワーカーの業務が急増し、この20年を振り返ると、対応件数が約20倍に増えています。
密室で起きているからこそ、高い専門性を持って調査しなければいけませんが、このように忙しいと、人材を育成する時間すらないのが現状です。
では、どうなるでしょうか?
離職、人手不足が起こります。
離職率40%、人の経験と感覚に強く依存している現場
新人の離職率は40%です。
民間企業であれば、15%前後ですので、離職率が約3倍という状況が、この現場で起きています。
つまり、判断に必要な「記録」「評価」「連携(共有)」が、現場で分断される構造が課題としてあるのです。

言わば、この現場の構造は、人の経験と感覚に強く依存している、世界でも共通した“DXがまだされていない最後の社会インフラ”なのです。

タブレットを用いて業務を効率化
私たちはエッセンシャルワーカーに向けて、虐待予防のソリューションを提供しています。

限られた専門知識でも、難しい調査が実行できるようにAIと伴走サポートによって支援し、かつ業務自体を効率化するソリューションです。
子どもの目の前で使えるタブレットを用いて、SaaSとして提供しています。
セキュリティが高く、微妙な情報も、訪問先で確認することができます。
ICTとAIを搭載しており、業務の効率化はもちろん、専門人材の育成と業務の見直し(BPR)を一緒に行い、ユーザー支援をしています。

17自治体で導入中、来期は30自治体に
こちらはARRの実績とトラクションです。

来期は30自治体で利用、ユーザー数は2,000人です。
この数字は、潜在ユーザー数の0.2%です。
将来的には、ARR6億円を超える見込みです。
実際、今年度(令和7年度)導入いただいているのは17自治体で、160万人の児童人口をカバーしています。

即時共有できる仕組みと専門的研修で伴走
さらに、自治体の子どもたちの安全に貢献したいと思っています。
それは、どのような機能で実現できるでしょうか?
例えば、訪問先の家庭で、右手に傷痕がある子がいたとします。
これまではデジタルカメラで撮影し、SDカードに書き込んだ状態でデータを持ち帰っていましたが、AiCANのSaaSであれば、すぐその場で児童相談所や警察、病院などに傷痕の情報を共有できます。

さらに、その子どもに対して、どのように調査をすればよいか、どのような聞き取り方をして、どのように評価するかという専門的な研修を行います。
どのような時間軸で情報が共有できたらいいのか、そのKPIまで合意形成しながらモニタリングをします。

実際、一緒にやってみて、振り返りをして、サポートの分析結果をお話しした上で、どう業務があるべきなのかの合意形成と、見直しからどうユーザーの皆さまの業務に定着させるのかまで、一緒に伴走サポートをしていきます。
この業務は法律で決まっているからこそ、全自治体がやらなくてはいけない業務です。
それを、一自治体だけでなく、「情報交換会」という名前でファンコミュニティ、ラーニングコミュニティとして、自分たちのベストプラクティスをどんどん横展開できる形で伴走支援をしています。
そこで合意が取れた内容については、科学的な根拠をもとに「どういうところを調べたらいいか」もきちんと実装し、さらには蓄積されたデータを利用し、各自治体ごとの特徴をおさえ、リスクを見える化します。

例えば、「右手に傷痕のあるこの子は、身体的虐待だけではなく性的虐待も疑ったほうがいいかもしれない」というように、先人たちの知恵を見える化していきます。
情報共有による安心感、記録時間減少を評価する声
そして、何より大事なのは「この後どうしたらいいのか?」というところです。
独自の基盤モデルを作ることによって、この領域に特化したサポートをしています。
導入いただいた自治体からは、「子どもを守るための情報共有や、記録作成が2.5倍早くできた」という声を頂きました。
ユーザーからは、「現場業務をよくわかった上での仕掛けが多く、記録に追われる時間も減り、子どもに向き合う時間に集中できる」「画面の向こう側で上司に見守ってもらえ、安心してより良い判断ができた。その結果、空気感が変わってきた」というお声を頂いています。

つまり、業務効率化だけではなくて、より速くスマートに、一人で抱えずチームで判断するような業務に変革できたのです。
私たちは「支援者支援」という立場を重要視し、現場の苦しさ、面談の大変さ、上司に相談することの難しさなど、現場ユーザーの緊迫感もわかった上で、組織の専門性向上に貢献します。
そして、現場では人が年度で定期的に替わるからこそ、徹底的に現場に寄り添いながら業務の定着を伴走しサポートしています。
すなわち、私たちは子どもの安全を守るエッセンシャルワーカー専用の支援基盤をユーザーの皆様とともに作り続けているのです。

その結果、忙しい現場でも専門性が高く、チームで判断できるような状態を再現性高く作れる構造を持てています。

ドミナント戦略でサービス普及を加速
プロダクト、運用、そして組織文化の醸成まで設計、実装し切ることによって、エッセンシャルワーカー向けプラットフォームとして、皆様にご利用いただいています。
我々はこれをビジネスモデルとして、to Gov(自治体向け)のSaaSとして提供しています。

実際に、to Gavのビジネスのマーケットについて、少しお話しさせてください。
家庭をはじめ、保育園や幼稚園、学校や病院など様々な場所で、子どもの安全に不安を感じた場合、通報することは法律上の義務となっています。
通報先の一つとして、市区町村に設置されたこども家庭センターがあります。
こども家庭センターでは、軽度から中度までは対応しますが、重度の場合は、保護できる児童相談所にエスカレーションされます。
私たちは、今困っている子どもたちに手を差し伸べるため、調査の法的根拠を持つ市区町村のこども家庭センターと児童相談所にまずサービスを展開します。
ここにサービス展開できると、関係機関まで広げることができるのです。
つまり、「ドミナント戦略」として、多くの自治体に使っていただきます。
自治体を含めた場合、子どもに関わるユーザーは100万人以上現場にいます。
国内市場には、3,000億円の市場があるのです。

培った知見をあらゆる虐待防止の現場へ
虐待対応の現場は「暴力」という構造が共通しており、保護者同士のDVや、被害を受けた子どもたちが成長して非行や性暴力に走ることがあります。
それだけでなく、障害者、高齢者を対象とする虐待が起きることもあります。
これに対し、我々のプロダクトとノウハウを横展開できます。
今まで17自治体で運用してきたからこそ、対象者に違いはあっても共通する課題に挑むことができます。
なぜ、私たちにできるのでしょうか?
私たちは子ども虐待対応の現場に寄り添いながら、ドメイン知識をもとに開発から課題解決までワンストップで対応できるチームだからです。

経験を生かしながら現場を言語化し、サポートします。
未来を支える子どもたちのために
私たちのビジョンは、「すべての子どもたちが安全な世界に変える」こと。

このサービスを再現することによって、未来を支える子どもたちのために、全国、そして世界にサービスを広げていきます。
まだ誰も挑戦していないこの世界で挑戦しながら、共に前に進みたいと思います。
AiCANでした。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美


