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ICC FUKUOKA 2023 カタパルト・グランプリに登壇いただき、3位に入賞した北三陸ファクトリー下苧坪 之典さんのプレゼンテーション動画【Made by Japanを世界へ。「北三陸ファクトリー」はうにの再生養殖で水産業の新時代を創る】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜 9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。
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【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
下苧坪 之典
株式会社 北三陸ファクトリー
代表取締役 CEO
HP
1980年岩手県洋野町生まれ。大学卒業後、自動車ディーラー、大手生命保険会社を経て帰郷。2010年に水産加工会社「ひろの屋」を創業。その後3.11で洋野町が大きく被災。 震災後「地域と水産業の未来を創る」というミッションを新たに掲げ、2018年に戦略的子会社「北三陸ファクトリー」を設立。近年は世界共通の課題として深刻化している「ウニによる磯焼け」の解消に取り組み、その解決策として「うに再生養殖 × 藻場再生」を推進。2023年4月には同課題に直面するオーストラリアにて現地法人を設立予定。朝日新聞出版誌「アエラ」日本を突破する100人(2014年)/はばたく中小企業・小規模事業者300社(2016年)/地域未来牽引企業(2018年)/東北ニュービジネス協議会東北アントレプレナー大賞(2021年)
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下苧坪 之典さん(以下、下苧坪) Regenerative Ocean Farming、地域と水産業の未来を創る北三陸ファクトリーの下苧坪(したうつぼ)です。
世界で唯一の“うに牧場”で高品質のうにを水揚げ
私は今日、岩手県洋野町からやってまいりました。
岩手県洋野町には、世界で唯一が存在します。
それが、“うに牧場”です。
うに牧場では、約200人の漁師が本州水揚げ第1位のキタムラサキを水揚げし、弊社加工場で大切な仲間と共に、自慢の製品を提供させていただいています。
本日、皆さんの手元にあるうにバターを、是非、美味しくお召し上がりください。
▶編集注:ここで審査員席には試食が配布されました
うに事業を始めてからこれまで約7年間、豊洲市場を始めとする、高級レストラン、寿司屋、百貨店などとの取引を、国内外で展開してまいりました。
餌の開発に成功、うにを2カ月間で100倍の価値に
私たちの存在意義は、「地域と水産業の未来を創る」です。
しかしながら、今、日本の地域が非常に危うい状態となっています。
特に水産業は、担い手不足、資源管理、産地偽装、漁価低迷、魚食離れ、温暖化、DX、磯焼けという課題があります。
特に磯焼けは、海の中の二酸化炭素を吸収する大切な海藻が焼けてしまい、皆無となってしまう現象です。
当然のことながら、ここに生息するうにには、全く身が入っていないわけです。
うに事業を始めた7年前、私は、この現状を何とかしなければならないと思い、北海道大学の門を叩きました。
真ん中に写っている浦(和寛)先生、そしてコンソーシアムを組んだ仲間、研究者の皆さんと共に、うにの餌「HAGUKUMU-TANE®」の開発に成功しました。
うにの餌、かご、全てにおいて特許を取得することができ、北海道から三陸にかけ磯焼け海域に生息するうにを、2カ月間で100倍の価値を生み出す事業を作り上げることができました。
世界のうにの関係業者と議論
今から2週間前、私はオーストラリア、タスマニア島にいました。
タスマニア島では、全世界からうにの権威、うにの研究者、うにの加工業者が一堂に会したのですが、UNI is Universal Agendaを解決するため、私は日本から唯一、スピーカーとしてうに再生養殖の必要性を問うてきました。
今、タスマニアでは、ジャイアントケルプと呼ばれる、重要な海藻がうにに食い尽くされており、水揚げされる90%以上が捨てられている状況が広がっています。
▶参考:世界最大の海藻ジャイアントケルプ 1/2/有賀 祐勝 | 海苔百景 リレーエッセイ | 一般財団法人 海苔増殖振興会 (nori.or.jp)
オーストラリアに会社を設立する目的
美味しくないから、オージーはうにを食べないという話が世界中に広がっています。
実は、私は知っているのです、美味しいのです。
皆さんから見て左側の小さなうにはショートスパインと呼ばれ、非常に甘みがあって、コクがあって、間違いなく世界で通用する食材です。
しかしながら、右側のロングスパインと呼ばれるうには、先ほど見ていただいた通り悪いうにで、決して美味しいとは言えず、あまりお勧めできません。
私は、日本とオーストラリアを繋ぎ、うにの再生養殖で、地域と水産業の未来を創ってまいります。
2023年4月、新会社がメルボルンにできます。
豪州の水産ベンチャー企業と共創し、東京ドーム17,000個分のエリアで彼ら作る「カゲキノリ」を牛に食べさせて95%以上のメタンガスを削減し、その際に生まれる海藻の副産物を使って餌を作り、うにに食べさせ、循環型の新たなビジネスを創ってまいります。
4月に会社ができ、今後はメルボルン、タスマニア、シドニーに工場ができ、今後はビクトリア州政府、タスマニア州政府、そしてシドニーのあるニューサウスウェールズ州や各大学機関と連携し、美味しいうにと不味いうにをビジネス化してまいります。
Made by Japanで世界の市場を目指す
まずはショートスパインで、年間売上200億円を目指します。
Made by Japanを世界市場へ。
具体的には、初年度5億円で、2030年までの6年間をかけて、200億円の市場を作っていきます。
今、海の中に1万トンのうにが放置されています。
誰も獲らないのです。
そしてロングスパインは、食べても不味いです。
日本は少子高齢化社会でありますが、出産時に欠かせないのが葉酸です。
水産物の中で、葉酸が最も多く含まれるのが、うになのです。
妊活サプリメントのグローバル市場3,548億円の10%のシェアを狙い、我々は年間500億円の売上、経常利益100億円、時価総額1,000億円を目指してまいります。
水産業の新時代を創っていく
最後に、時は1950年、私の曽祖父は何のインフラもない時代に、スライドの写真いっぱいに見える乾燥アワビを自ら船で香港に渡り、現地の商人らと取引をしていたそうです。
これが僕の全てです。
当時のパイオニアとして、何のインフラもない時代に香港に渡った曽祖父と同じような思いを、私は持っています。
今、70年の時を超え、これから展開する事業で得た収益を、地元三陸の子供達、また、子の世代、孫の世代に投資をし、新たな水産業を創り、新時代を創っていく、そんな思いで本日はこのICCの舞台に立たせていただきました。
是非この事業に投資をしていただき、新しい日本の水産業を皆さんと共に創っていきたいと思っております。
ご清聴ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/正能 由佳/戸田 秀成