【NEW】ICC サミット FUKUOKA 2027 開催情報詳しくはこちら

海外依存から脱却する国産輸送インフラを起点に、宇宙製造市場の創出に挑む「ElevationSpace」(ICC KYOTO 2026)

▶カタパルトの結果速報、ICCサミットの最新情報は公式Xをぜひご覧ください!
▶新着記事を公式LINEで配信しています。友だち申請はこちらから!
▶過去のカタパルトライブ中継のアーカイブも見られます! ICCのYouTubeチャンネルはこちらから!

ICC KYOTO 2026 カタパルト・グランプリに登壇いただき3位に入賞した、ElevationSpace 小林 稜平さんのプレゼンテーション動画【海外依存から脱却する国産輸送インフラを起点に、宇宙製造市場の創出に挑む「ElevationSpace」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2027は、2027年3月1日〜3月4日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。

▶【速報】小規模事業者のM&AとAIネイティブ経営で、介護業界の未来を切り開く「EEFULホールディングス」がカタパルト・グランプリ優勝!(ICC KYOTO 2026)

▼
【登壇者情報】
2026年8月31日〜9月3日開催
ICC KYOTO 2026
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング

小林 稜平
ElevationSpace
代表取締役CEO
公式HP | 公式X

秋田高専在学中の19歳の時に宇宙建築に出会い人生が変わる。その後、東北大学にて建築学と宇宙工学を専攻し、修士号(工学)を取得。大学在学中には人工衛星開発プロジェクトや次世代宇宙建築物の研究に従事し、宇宙建築関連コンペティションにおいて日本1位、世界2位を獲得。宇宙ベンチャーを含む複数社でのインターンを経て、株式会社ElevationSpaceを起業。アジア地域から世界を変える30歳未満のリーダー Forbes 30 UNDER 30 Asiaに選出。第23回Japan Venture Awardsで「地域貢献特別賞」受賞。
▲


小林 稜平さん 宇宙と地球をつなぐ“新たな交通網”を構築するElevationSpaceの小林です。

よろしくお願いします。

宇宙交通網の次の進化と地球への輸送 

「宇宙での交通網」と聞くと、何を思い浮かべますでしょうか?

ロケットではないでしょうか?

SpaceXは上場し、打ち上げは加速。

世界では、年間300回以上の打ち上げが行われています。

国主導の宇宙開発から民間主導に変わり、ロケットは商業化され、高頻度化されました。

ただロケットは、人工衛星を宇宙に「運ぶ」までがゴールです。

ロケットのその先の輸送システムが、今後商業化されていきます。

それが、宇宙から地球への輸送です。

人工衛星を狙った地点へ帰還させる再突入技術 

しかし宇宙から地球への輸送は、圧倒的に量が不足しています。

打ち上げ300回に対し、年間たったの10回未満。

「ロケットは戻ってきてるじゃん」

そう思うかもしれませんが、戻ってきているロケットは一部のみです。

私たちが取り組んでいるのは、宇宙を回っている人工衛星がエンジンを噴射し、軌道を離脱し、制御して狙った場所に戻ってくる技術になります。

通常の人工衛星は大気圏突入すると燃え尽きてしまいますが、燃え尽きない耐熱材料を使い、狙った場所にピンポイントで戻ってきます。

東北大学とJAXAの技術で挑む小型高精度再突入機 

(戻ってくるロケット)が少ない理由は、これまで人が乗る大型の宇宙船が中心だったからです。

1回にかかるコストは、数百億円です。

より高頻度で、いろいろな場所に、低コストで運ぶことが今求められています。

そこで私たちは、東北大学の小型人工衛星技術とJAXAの再突入技術を活用します。

小型の、宇宙から地球への輸送サービスを開発する日本で唯一の企業です。

ElevationSpaceが世界シェアをつかむ未来 

どのくらい小さいのかというと、従来の人が乗る9m程度の宇宙船に対し、1/50のサイズです。

従来は大型で高性能な宇宙船と対比し、小型では精度が低く使い道が限られていました。

そこに対し、日本は小型かつ高精度に戻ってくる技術を、世界で唯一実証しています。

自動車にて後発ながら、高性能な小型車で世界を席巻したように、ElevationSpaceは高性能な小型再突入機で世界ナンバーワンのシェアを取ります。

無重力の宇宙製造市場は2040年に3兆円規模へ拡大 

では、何を戻すのか?

宇宙ステーションでの成果物です。  

宇宙ステーションでは宇宙飛行士が滞在し、宇宙環境を活用した様々な研究開発がされています。

宇宙最大の特徴が「無重力環境」、重力がない環境です。

重さが関係ないので、水と油のような、地球上では混ざらないものが均一に混ざります。

空気の流れによる影響もなく、教科書に載っているような理想的な状態で材料を混ぜることができるのです。

実は乳がんの薬作りも、宇宙を使って行われています。

これ以外にも、人工臓器や新たな材料製造など、宇宙で材料を製造し、地球上で使う宇宙製造市場が期待されています。

▶宇宙実験の成果(JAXA)

2040年には、3兆円もの市場になることが予想されています。

海外依存から脱却する小型高頻度輸送インフラ

こうした背景もあり、今ある国主導の宇宙ステーションは運用が2030年で終了し、新たな民間の宇宙ステーションに移行していきます。

宇宙ステーションも、民営化が今進んでいるのです。

しかし、日本は大きな課題を抱えています。

日本は、宇宙ステーションから地球への輸送を海外に依存しているのです。

そこで私たちは、宇宙ステーションから地球への「小型高頻度」な物資輸送サービスを開発しています。

米国宇宙ステーション企業との連携が進む現場

我々の直接のお客様は、米国の宇宙ステーション企業です。

エンドユーザーとして、日本政府や民間企業がいます。

すでに米国の宇宙ステーション企業とは基本合意契約を締結し、サービス化に向けた連携が実現しています。

エンドユーザーの日本政府からも、今の4倍近い物資量を宇宙ステーションから戻していきたいという定量的なニーズが出ており、我々の期待では年間15回に相当する量です。

日本は自立的な輸送インフラを持たないといけない危機感から、25億円の予算をつけて公募され、我々が唯一の事業者として採択されました。

はやぶさ再突入機の開発者が率いる技術チーム

これまで100億円以上の資金を調達し、90名規模のチームで事業に取り組んでいます。

CTOの藤田(和央さん)は、JAXAではやぶさなどの再突入機を開発してきた、この領域の第一人者です。

すでに最初のプロダクトは製造・組み立てが完了し、来年ドイツのロケットを使ってノルウェーから打ち上げ、日本近海に戻ってきます。

サービス化は、もうすぐそこです。

こうした実績も積み重なり、昨年(2025年)は32億円のプロジェクトを獲得し、530%の成長を遂げています。

宇宙輸送インフラを確立し海外市場へ踏み出す挑戦

ただし、これはElevationSpaceの一事業領域でしかありません。

さらなる2つの挑戦を、私たちはしていきます。

1つ目は、輸送インフラ技術としての事業拡大です。

再突入技術は輸送インフラとして必要不可欠な領域です。

宇宙ステーションから物を戻すだけではなく、月や火星から戻ってくる。

また、火星に着陸する時にも、私たちの技術は欠かせません。

当然、物だけではなく人が宇宙に行った時にも戻ってくることは欠かせませんので、人が乗る有人宇宙船を私たちは国産で実現していきます。  

2つ目の挑戦は、海外市場への本格進出です。

すでに欧米の主要プレイヤーと連携しており、今年(2026年)中に欧州に現地法人の設立を予定しており、現地メンバーが稼働し、事業開発を進めています。

これらにより、今期は昨年をさらに超えるプロジェクト獲得を見込んでおり、グローバルで必要不可欠な輸送インフラを日本から実現していきます。

19歳で出会った宇宙建築が人生を変えた   

実は、私は宇宙が専門ではありませんでした。

建築を学んでいた19歳の時、人生を変える大きな転機がありました。

それが、宇宙建築との出会いです。

どうやったら宇宙に人は住めるのか。

どうやったら宇宙に街や経済ができるのか。

19歳の時からずっと考えてきました。

輸送と需要の両輪で創る、宇宙と地球をつなぐ新時代 

たどり着いた答えは、「輸送」と「宇宙に行く理由(需要)」を同時に作っていくことでした。  

阪急電鉄がレールを敷くだけではなく、百貨店や宝塚を作り需要を創出していったように、片方ではなく両方を回すことが必要なのです。

▶阪急電鉄の創業者「小林一三」(阪急阪神ホールディングス)

それが、宇宙から地球へのモノや人をつなぐ輸送サービスの創出と無重力環境を活用した宇宙製造市場の創出です。

私たちはロケットのその先の、人やモノを載せ、軌道上をつなぐ交通網を構築していきます。

これらを通し、地球の機能をさらに拡張し、様々な企業が宇宙に研究所や工場を持ち、出張で宇宙に行く、毎日何便も宇宙と地球を往復する、そんな世界、そんなインフラを日本から実現していきます。

ElevationSpaceでした。

ありがとうございました。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

▶カタパルトの結果速報、ICCサミットの最新情報は公式Xをぜひご覧ください!
▶新着記事を公式LINEで配信しています。友だち申請はこちらから!
▶過去のカタパルトライブ中継のアーカイブも見られます! ICCのYouTubeチャンネルはこちらから!

編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!