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コミュニケーションに徹底投資するオフィスから、事業と組織のカルチャーを発信する「freee」

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ICCサミット FUKUOKA 2026のDAY2、Session 8Fで開催するセッション「人が集まり、力を発揮するオフィスとは。」に登壇する企業のオフィスを訪問して、紹介いただくシリーズ、第1回目はクラウド会計ソフト等の開発・販売を行っているフリー株式会社(freee)です。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2026は、2026年3月2日〜3月5日 福岡市での開催を予定しております。詳しくは、公式ページをご覧ください。

この記事は ICCサミット FUKUOKA 2026で青山スタイル / natがスポンサーするセッション「人が集まり、力を発揮するオフィスとは。」に登壇する企業のオフィスを紹介するシリーズです。

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ICCサミット FUKUOKA 2026のDAY2、Session 8Fで開催するセッション「人が集まり、力を発揮するオフィスとは。」に登壇する企業のオフィスを紹介するシリーズ、第1回目は、「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げるクラウド会計ソフトなどを提供している「freee」。大崎のオフィスをnatの町田瑞穂ドロテアさんと、佐村ふみさんとともに訪れた。

”五反田バレー”のイメージを担っていた一社でもあったfreeeが大崎に移転したのは2022年8月のこと。コロナ禍でリモート勤務となりコミュニケーションが減ったことで生まれた課題から、オフィス回帰の流れを生むために、オフィス移転のプロジェクトが始まった。

アートヴィレッジ大崎セントラルタワーは、2012年7月の設立から数えて5回目の移転となるオフィス。左手前に写るJR大崎駅から直結した通路があり、中央のビルに、現在は4フロアで、1フロアを増床中だ。

エレベーターの扉が開いた瞬間からビルの共用スペースまでカスタマイズされており、freeeの世界観が表現されている。たとえば18Fは「海」を象徴するブルーがテーマカラー。これは訪問時に他のフロアで扉が開き、あまりの違いに驚くほどだった。

カーペットや階数のボタンまでテーマカラー

freeeのオフィスはどのフロアも明るく清々しく、天井は躯体・設備を現したスケルトンで開放感が増幅する。ご案内いただいたフロアの紹介とともに、CHROの川西 康之さんと、人事基盤事業部Work Assist部の豊村 麻美さんに、このオフィスに込められた理念をうかがった。

freee成長と重なるfreeeの移転の歴史

フロアガイドもfreeeらしく四則演算で方角を表している

エレベーターを中心に、ワンフロアが広々としたオフィス。直前の五反田のオフィスは9フロアに約480名で、2020年からコロナ禍でリモート勤務が始まり、その時期に入社が増えて社員数はほぼ倍となり、いよいよ入りきれなくなって移転プロジェクトがスタートした。

川西さん「創業者の家から麻布十番の神社の裏にある小さいオフィスビル、そして麻布十番に行き、五反田のSTビルからファーストビルへ。ファーストビルでは当初は3、4フロアだったのが、最終的にはビルの管理会社さん以外の全9フロアを占めるまでになっていました。

五反田近くにこだわったのは、仕事上での繋がり以外にも、複層的な従業員のコミュニティ化が進むことによってより強い会社になっていくという考えがあり、それを象徴する福利厚生制度として、オフィスから2km圏内に居住すれば家賃補助があるからです。

そこでオフィスが全く違う場所へ移動したら対象外になってしまうから、その制度移行をどうするのか。もちろん移動となったらそうなるしかないですが、制度を維持できるところがいいと、五反田を優先的に検討しました」

natの最高デザイン責任者 町田瑞穂ドロテアさんと、佐村ふみさん

スタートアップらしさ、freeeらしさへのこだわり

立地の他にも、オフィスビルを選ぶうえでこだわりがあったという。

川西さん「佐々木(大輔さん、創業者・代表取締役)が、過度に華美であることを非常に嫌うというか、オフィスグレードが高すぎると、スタートアップらしくない、チャレンジャーらしくないと、自分たちの身の丈に合ったところにするのにすごくこだわりました。

コロナ禍が終わったら、訪問での営業活動を積極的にしていきたいという意向もあったので、ここであれば駅から雨に濡れにくいし、行き来しやすいだろう、そのメッセージも矛盾なく発信できるというのが重要なポイントとして選定したと聞いています。

会社としても転換点であったので、非常に大きなこととして背景にある考え方など丁寧に伝えてきたと思っています。それからまたこの4年間でも、再び倍ぐらいの1000人前後が入社してきています」

立派で大きい新しいビルで働くと思って入社してくることで、カルチャーは変わらなかったのか。

川西さん「周囲の環境は確かに変わりましたが、内装の世界観は大きく変えていないので、カルチャーが大きく変わったというのはないと思います。

佐々木のこだわりとして、自分たちの世界観はオフィスに反映させたいけれど、それを華美なものにせず、価格は抑えたいというのはすごくこだわっていました。

五反田ファーストビルの内見に行った今から10年ぐらい前のころ、ちょうど工事中で天井の板が抜けていたらしくて、今から工事して塞ぐというのを、塞がないでほしい、このままでいい、こっちのがおしゃれで開放感もあるし、わざわざそんな工事して閉じないでくださいと現状維持のままにしてもらったんです。

私も初めて入った時に、おしゃれだなと思ったんですが、それを今回は工事して開けないといけなくて、逆に高くなりました(笑)」

天井板のない躯体現しのエントランススペース

この躯体現しは、freeeのオフィスにとって象徴的なものとなっている。

川西さん「どんどん執務フロアを増やしていった時に、普通は天井が隠れているものですから、改めて見ると圧迫感あるな、と思ったのが印象的でしたね。

しかしそれが、freee社としての世界観、手作り感や、いかにリーズナブルに抑えられるのか、みたいなものを象徴してるのかなと思います。

会議室などは基本的に開放感があるというか、ほとんどがすりガラスで、 何らか”見える”ところにこだわっていて、オープンなカルチャーを体現するものになっています」

すりガラスの両側は会議室

豊村さん「弊社のロゴはツバメですが、ツバメが海を渡って大地を抜けて、森を通って空に飛び立つというコンセプトで4フロアがあります。海・大地・森・空というテーマでそれぞれのフロアは構成されています。

エレベーターを開けたときからカーペットの色を変えて、それぞれのテーマにしています。執務フロア各階にリフレッシュカウンターを2箇所ずつ配置していますが、テーマの色合いを反映して、名称をそれぞれつけていて、例えば空は『キラキラ』、海なら『ぷかぷか』とか、名前をつけて呼ぶ工夫をしています」

「ぷかぷか」のリフレッシュカウンター

ちなみに増床中のフロアは10階で、他のフロアと離れることもあり「島」。好調な業績と相まって、入居当時には想定していなかった事業の拡張により、センシティブな情報を扱う事業部に関しては一定、出入り管理がより厳密にできるような環境が必要となったためという。

川西さん「それまではオフィスマネージメント上、極めて非効率で、従業員が運用でカバーするような負荷をかけてしまうような形でした。

業法対応ができるような、そしてそのチームが大きくなったとしても、比較的柔軟に壁の場所を変えられたりできるようにして、従業員数の単純な拡大だけではなく、事業の質的変容にも対応できるようなものにしたいと10階を作っています」

会議室のネーミングは、freeeのビジネスと関連したものや、「インショク」「ソウショク」などスモールビジネスに基づいており、事業者の写真が飾られている会議室もある。会計ソフトの体験ではシンプルで効率化されたサービスのイメージだが、オフィスは人の温かみが印象的だ。

豊村さん「どんな人たちに弊社のプロダクトを使っていただいてるかを忘れないようにということで、飾っています」

「ソウショク」会議室の中に、ICCに参加したことのあるWABARAの写真を発見

“山車”から会計の歴史資料館まで

続いてオフィスの4フロアをご案内いただいた。まずはエントランス正面の「フリダシ」。これはスタート地点という意味と、freeeの山車という意味を兼ねていて、freeeのグッズ各種などが集められており、購入も可能、山車のごとく可動式だ。

大人用・子ども用のTシャツや様々なロゴ入りグッズ、書籍などが並ぶ

エントランスの左手にある「フリカエリ」は、ちょっとした歴史資料館だ。世界の会計の歴史を辿る年表や、その時代に使われていた道具などを見ることができる。これらの歴史を経た上で、現在のfreeeの事業があるというメッセージが強く伝わるスペースである。

手前の座敷スペースでは写真撮影も可能。ファミリーデーなどで喜ばれているという

豊村さん「TVチャンピオンで3連覇した文具王の方に監修していただき、買い揃えるものをアドバイスいただき、完成時には生中継でその方に特別講座をしていただくイベントもしました。お金の進化とクラウド会計の年表は、ダイバーシティを考慮して点字を入れたり、音声案内がQRコードから聞けるようにしています」

共有スペースとしては、19Fの「asobiba」が圧巻のスケールで、200人超収容するセミナースペースや、思い思いの場所でランチや休憩ができるようなスペースがある。ランチタイムには、弁当の販売や松屋の自販機も利用することができる。

セミナースペース後方には同時配信ができるスタジオ設備も

「たのしさダイバーシティ」を体現!コンセプト会議室

訪問当日は、執務スペースにずらりとfreeersが並んでいた

freeeのオフィスの中心は、もちろん広大な執務スペースだが、その随所に社員から集めたアイデアが散りばめられている。「たのしさダイバーシティ」というコンセプトのもと、「どういうオフィスだったら来たいですか?」と呼びかけたところ、 200件以上のアイデアが集まったという。

豊村さん「自由なカルチャーで 、例えばサウナが欲しいとか、キリンの首をフロアを貫いて出したいとか様々な面白いものが出た中で、コミュニケーション施策に効果的なものを選びました。

コンセプト会議室といって、駄菓子屋さんみたいな会議室や、パーティー会議室があります。それぞれ違う楽しさを持っていることがfreeeで働いているメンバー、freeers(フリーヤーズ)っぽい、それぞれが好きな楽しみを見つけて楽しく過ごせるオフィスにしよう、というテーマです」

各フロアに機能としてあるだけではなく、見て楽しく、心和むうえに、自然と交流が生まれるような配慮がさりげなく施されている。

川西さん「ドリンクは基本無料で、それぞれのリフレッシュカウンターでジュースのメニューやコーヒー豆も変えています。あのジュースが欲しいと、違うカウンターに行って、そこで久しぶりに会う人がいるのでは?と、配置を工夫したりしています」

まるで花屋のような四方が透けている21Fの会議室「ザイコカンリ」

豊村さん「昼は会議室として、夜はオフ活といって部活動があるんですけど、活動の方々を中心に使っていただいています。キッチンのある会議室でお料理してもらったり、ゲーム好きがゲーム会議室に集まったり。そういうコミュニケーションに効く会議室をいくつか用意しています」

川西さん「キッチン会議室は、社内の懇親会や飲み会で、外に行く代わりに使ってもらっています。外でやるよりも安上がりですし、チームビルディングにもなる。

鍋でも食べながらお酒飲んで、例えば 5、6 人プラス、仕事が終わった人が集まってきてみたいな感じで盛り上がる。期中、期末のプチオフサイトみたいな感じで、みんなで何か作りながら」

七面鳥を焼ける本格オーブンや浄水器も備わるキッチン会議室「シャショク」は3カ月先まで予約いっぱい

豊村さん「公募の時にアイデアを出してくれた人を、移転プロジェクトにも一緒に入ってもらい、予算をお伝えして設計にも関わってもらいました。こだわりがあって、本格的だと思いますね。

発案しているので思い入れがあり、完成後も月イチで見回ってくれていて、使い方のガイダンスや食器の増減の管理も、自主的にやってくれているんです」

ちなみにこのキッチン会議室は、商談ブースと執務スペースに囲まれた執務フロアのど真ん中にある。その他にも、室名から予想もできない細部まで凝った内装の会議室の数々は、おしゃれな商業施設にも引けを取らない完成度の高さに驚かされる。

オフィスは社員が活躍する舞台装置

本物と見まごう図書館は、社費のサポートで社員が購入した本なども並ぶ

遊び心と細部にまでこだわりが詰まったオフィスは、見てまわるだけでも楽しく、利用シーンが浮かぶ。オフィスにここまで投資して、リモートやハイブリッドもありつつ、原則出社を促したことと、好調な業績との関係はどう考えているのだろうか。

川西さん「両輪だと思っていて、ビジネスとして、ビジネスモデルやプロダクトを磨いていくことや、より良くしていくのはもちろん大事ですが、もう1つの、それを実行する人たち、その組織がどのようなものであるかは同じく重要です。

人数を大きくする、例えば1,000人が2,000人になるのは、想像するだけではどれぐらい大変なのか分かりにくいですが、本当に大変なことです。100が200になるのも大変ですが、じゃあ同じ2倍かというと、また全然違う困難さがある。

その組織作り、大きくしていくこと自体も大変ですし、ビジネスを大きくしていくことも大変で、両方回していくのが、とても難しいことなんですけど、そこはみんなで力を合わせてやっています。オフィスはその舞台装置になってるんじゃないかなと思いますね」

エントランスのfreeeのロゴ裏には、freeeの裏側という意味でコードが書かれている

オープンにつながるプラットフォームで業務の効率化を計り、スモールビジネスの経営者を支えるfreee。経営者のペインを取り除くサービスを磨く一方で、従業員同士のコミュニケーションは効率化できないという考えのもと、創業当初からコミュニケーションには徹底的に投資してきたという。

川西さん「オフィスに限らないですが、あらゆる組織や人事制度は、freeeならではの価値基準と矛盾がないこと、言ってることと行っていることが同じことが極めて重要だと思っています。

freeeはユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えることをする『マジ価値』という、オープンでフラットであるべきという考えで組織を作っていて、ビジネスを行っています。

▶︎カルチャー(freee)

そういうものを体現しているオフィススペースがあるべき働く場所で、人事制度であるべき。あらゆる点でそれが矛盾しないことが重要だと考えています。

その矛盾のない考え方も矛盾なく発信する。その極めて重要なメディアというか、仕掛けの1つがオフィスなのかなと捉えています」

その仕掛けの効果は大きく、freeersは積極的にオフィス作りに参加し、オフィスへのオーナーシップも愛着も生まれ、原則出勤の呼びかけは好調で、それが業績にもつながっている。作り込んだ会議室や仕掛けはどれもよく利用されており、社員は増え続けているが、当面はスピード重視でオフィスを使い尽くしていくという。

▶︎freee、楽しさの多様性と働きやすさを追求したオフィスを公開 出社率は80%超、社員が自ら考えた楽しい会議室でさらに成長を加速させる(freee)

オープンでフラットで自由だが、細部まで目が行き届いており効率的。その結果、本質的なことに集中できる。freeeが提供するサービスの特徴や価値観を、サービスを提供する側の従業員がいち早く体現している。それがfreeeの強さであり、サービスの一貫性となっているのを実感できるオフィスであった。

【freee オフィスデータ】

オフィスフロア平米数11,444㎡ (4フロア合計)
設立2012年7月設立
オフィス入居時期2022年8月
従業員数1,901名(2025年6月末時点)
事業内容「freee会計」「freee人事労務」「freee販売」などの開発・販売

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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