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「できる喜びが巡る日々を届ける」——ブランドを空間で語る、ナレッジワークのオフィス

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ICCサミット KYOTO 2026のDAY1、Session 3Dで開催するセッション「人が集まり、力を発揮するオフィスとは(シーズン2)」に登壇する企業のオフィスを訪問するシリーズ、シーズン2の第4回目は「ナレッジワーク」です。ぜひご覧ください。

この記事は ICCサミットKYOTO 2026で青山スタイル / natがスポンサーするセッション「人が集まり、力を発揮するオフィスとは。」に登壇する企業のオフィスを紹介するシリーズです。

ナレッジワークのオフィスを訪問

麻布台ヒルズのオフィス棟、51階のナレッジワークのオフィスのエントランスを入ると、正面の窓から東京タワーを見下ろすことができる。

白と黒を基調にしたストイックなデザイン、物音のない静寂、51階という高さに、地上の世界にあるさまざまなことから一旦距離を置いた、別世界のような印象を受けるナレッジワークのオフィスを、エキスパート PRの高野 葉子さんにご案内いただいた。

イネーブルメントを理解・体感・議論・発信する「デジタルイネーブルメントパーク」

営業生産性向上のための、コンサルティングからエージェントまでさまざまなAIソリューションを提供するナレッジワーク。そのオフィスは「体感」に重きを置いている。

Photo: Masaki Ogawa

来訪を告げると応答してくれるベイリーとひとしきり話してみると、その精度の高さからこれが来客対応インターフェースだけではないことがわかる。これは商品のひとつであり、営業マンが商談のロープレ、会話のトレーニングができるツールとして開発されたものでもある。

ベイリーがいる壁は奥に向かってアールを描き、それに沿って進むとイネーブルメントを理解する「WAY」というエリアが現れる。壁に示されているのは、人類が技術によって労働をどのように進化させてきたかを紹介している。

この”イネーブルメントの歴史”監修は、25年にジョインした元Poetics代表で人文学をバックグラウンドに持つ、CAIO(Chief AI Officer)の山崎 はずむさん

この”年表”の最新地点は現在の「8 知性のイネーブルメント ー仕事の再定義」。そこに記されている発明の道具は「AI」で、これがナレッジワークの提供しているサービスへとつながる。

この壁の内側には、セミナーやワークショップなどが開催できるような大きなフリーエリア、イネーブルメントを体感する「ATRIUM」が広がる。

Photo: Masaki Ogawa

「ここは、お客様とAIによるイネーブルメントを共創する空間『デジタルイネーブルメントパーク』と呼んでいます」という。オフィスは、この「デジタルイネーブルメントパーク」と執務スペースの「ワークエリア」で、面積を二分している。

「ロジックから設計まですべてを独自開発したビジネスシミュレーションゲーム『セールスイネーブルメントゲーム』を作りました。営業現場の方にワークショップ形式で、この大画面を使って実際のビジネスに近い意思決定を体験いただける予定です」

このオフィスは移転から約半年ぐらいだが、エグゼクティブ向けのデジタルイネーブルメントツアーが人気を集めており、いかにAXを推進していくかや経営のディスカッションを重ねているそうである。ゲームが完成した今後は、営業担当向けのデジタルイネーブルメントワークショップなどを予定している。

このデジタルイネーブルメントパークには、ダイニングスペースも存在する。

英語のロゴにあるアンダーバーをモチーフにした壁面デザイン
Photo: Masaki Ogawa

このロゴの壁の向こう側が、キッチンも備えたイネーブルメントを議論するダイニングスペース「DINING」。

WAYからATRIUM、そしてDININGと体験設計し、食を楽しみながらAXやイネーブルメント、経営の未来を語り合う。夜は席から東京タワーの夜景も楽しめる。

Photo: Masaki Ogawa
Photo: Masaki Ogawa

オフィスはブランドとしての長期投資として重要

残念ながらワークエリアは非公開だったが、見学できたデジタルイネーブルメントパークはオフィス移転にあたって、事業への直接投資として位置づけたそうである。高野さんにオフィス作りの背景を聞いた。

「麻野とブランドディレクターが、長期的な投資でブランドとして大事なのはオフィスであると考え、そこからオフィスの着想が進んでいきました。

ソリューションを提供するだけではなく、実際にその世界観や価値を体験してもらうための『場所』を持つことに可能性を感じました。そこから、こちらからソリューションを届けるだけでなく、お客様に実際に足を運んでいただき、体験してもらうアプローチを用意したいと考え、プロジェクトが始まりました。

私たちは『ブランド』を非常に大切な経営要素として捉えています。一般的にBtoCでは重視されますが、BtoBの世界では軽視されがちですよね。しかし、欧米のメガBtoB企業は例外なくブランドを極めて大切にしています。なぜなら、大手企業になればなるほど、最終的には『ブランド』で製品やパートナーを選ぶからです。

これまでの日本のBtoBマーケティングは、リードを大量に集めることに終始しがちで、ブランドが後回しにされていました。その結果、大手企業から『自社が付き合うべき企業ではない』と判断されてしまうケースが多かった。

日系のソフトウェアがなかなか大手企業に食い込めなかった歴史は、ここに一因があると考えています。トップ企業と並んで大手企業の一角に入るためには、圧倒的なブランドが不可欠。その最先端の発信拠点が、私たちのオフィスです」

商談で訪問して伝えるだけではなく訪問してもらい、成長する事業や提供できる未来をシームレスな体験として伝える場がこのオフィスなのだという。

Photo: Masaki Ogawa

無駄を削ぎ落としたような内装は、代表の麻野さんや山崎さんをはじめとするナレッジワークで働く魅力的な人材を際立たせ、ブランドのパーソナリティを引き立たせるため。華美な装飾を省き、「イネーブルメント」の思想を、空間体験としてどう伝えるかを重視したそうだ。

麻野さんは、他のオフィスにも積極的に足を運んで学び、内装の素材一つひとつをすべてオフィスに持ち込んで見え方や手触りを確認し、居心地、空気感を含め、五感で感じるものすべてでブランドを表現することを重要視したという。

ナレッジワークの思想を伝えるパークエリアの「WAY」
Photo: Masaki Ogawa

「ブランド作りに関しては、どれだけ自分の時間を取ってもらって構わないと言ってくれていたので、些細な相談も躊躇せずに伝えて、逆に麻野が入っていない話がないくらい連携させてもらいました。弊社のソリューション開発や、お客様に何を提供するかも同じで、基本的に姿勢は同じです」

オフィスプロジェクトメンバー、ブランドディレクター、デザイナーとパートナー企業とも議論を尽くして1つずつ決めて完成したこのオフィス。こだわった空間に、麻野さんは「創業以来、最も良い投資の一つだった」と語っているそうである。

約20万人の視聴者を持つYouTubeチャンネルがあり、ダイニングの対面にあるオフィス内の「STUDIO」で収録している
Photo: Masaki Ogawa

▶︎NEW SALES チャンネル(YouTube)

執務スペースの「ワークエリア」

機密情報を扱うため見学が叶わなかった「ワークエリア」は、座席が約200名分並び、会議室や、それ以外にもコミュニケーションが取れるようなスペースを確保しているそうである。

「ミッション実現のためのスタイルとして、私たちは『Act for People』『Be True』『Craftsmanship』の3つを掲げています。これらは日々の働き方やコミュニケーションのあり方に深く関わっています。オフィス空間でもそれを反映することを意識しました。

業務内容や気分に応じて働く場所や姿勢を変えられるよう、スタンディングテーブルやローテーブルなど、高さの異なるテーブルを用意しています。また、社員同士が自然に会話しやすい懇親エリアも設けています。集中して働くことと、必要なコミュニケーションが生まれることの両方を支える環境を目指しています。

ブランドパーソナリティが『Joyful』『Natural』『Open』『Edgy』と4つあり、それらも空間作りに、色や形、資材を選定する際にも取り入れました。

オフィスコンビニやコーヒーメーカーなどの設備もありますが、本当に必要なものに絞っており、過度な投資はしていません」

事業をさらにドライブさせるために

「ATRIUM」は開口部が印象的なスペース
Photo: Masaki Ogawa

ナレッジワークらしさを感じたのは、ここに移転する前に、200名でシェアオフィス(WeWork)にいた頃の話を聞いたときのこと。

「一斉に出社ができなかったので、出社日を分けて、結構限界まで頑張っていました(笑)。全社員が入れないので集まる場所もなく、カンファレンスセンターやホールを借りていました。

投資いただいたお金で事業をしていて、身の丈にあったところで、しっかり事業を成長させていくときに、オフィスの空間がすごく立派だと自分の立ち位置を勘違いしてしまうところもあると思うんです。

自分たちはスタートアップで6期目で、まだまだ全然知ってくださってる方が少ない企業で頑張っていかなきゃいけないという、地に足ついた気持ちも非常に大事だとと思っています」

自分たちのオフィスができたことは、働くときの力になっているという。 

「自分たちのアイデンティティが1つ増えました。今までお招きできる場所がなかったので、社員のアイデンティティ形成にも繋がっていきますし、社員をエンパワーメントするものになっているのではとは思いますね。採用候補者の方もご招待できます。

社内のインナーコミュニケーション施策を担当しているのですが、月に一度、『ATRIUM』で全社員で集まって、現在の進捗やメッセージを伝える機会があります。3カ月に1回の懇親会も社内でできるようになりました。一同に会せるのは、こんなにみんなをエンパーメントするんだなと実感します」

5つのカラーをテーマにした5つの来客用会議室。この部屋は「Purple」
Photo: Masaki Ogawa

オフィスは、実際の使われ方を見ながら社員の声を聞き、アップデートしていく予定だという。

「きれいに使おう、大切に使おう、という声がメンバーから出てきたりして嬉しいですね。特に営業メンバーからは好評で、イネーブルメントの思想をお客様にストーリーとして体感いただける場が用意できたので、お客様を自発的にお招きしてディスカッションをする動きも生まれています。それはオフィスじゃないとできなかった業務体験ですね。

社員にとっても自社のブランドやカルチャーを再認識できる場になっているので、コミュニケーションが取りやすくなり、安心して対話ができる環境も生まれてきたんじゃないかなと思います。

移転前やその後のアンケートで印象的だったのは、 社員の皆さんが過度な期待をしていないのが分かったということです。それでなくても麻布台ヒルズという場所ですし、ベネフィットの方に目が向きがちになるかと思いますが、違いました。

会社に対して求めすぎていなくて、とても謙虚な姿勢でいてくださっていて、オフィスプロジェクトを進めてくれててありがとう、声を聞いてくれて嬉しいです、皆さんが進めてくれるなら同意ですなど、プロジェクトメンバーに声をかけてくれるのはとても印象的でした。

こういうオフィスだけれども、会社が前に進むような動きをしてくれていると、ちゃんとフィロソフィーを理解して同じ方向を向けているなと感じました。だから特に大きなハレーションもなく、プロジェクトを推進していけたんです」

「ATRIUM」の壁に描かれた『LIFE WITH ENABLEMENT できる喜びが巡る日々を届ける』という言葉。AIがテーマの事業で、 AIが人を代替していくのではなく、 AIと人がどういうふうに共創していくか、働きやすくなっていくかをコンセプトに事業を推進し、人と技術と仕事の関係性を科学するナレッジワーク。

コーポレートロゴにある最初についているアンダーバーは、様々な仕事へとつながる広がりを示すと同時に、プログラミングで最初に表れる記号を象徴しているそうである。開かれたつながりとテクノロジーの両輪で、新たな「できる喜び」を届ける事業が、ますます加速することを感じるオフィスであった。

Photo: Masaki Ogawa

ナレッジワークオフィスデータ】

延床面積1,699㎡
設立2020年4月
オフィス入居時期2026年1月
従業員数約230名(2026年7月現在)
事業内容営業生産性の向上を実現する「セールスAIエージェント」の構築・運用

(終)

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