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2月13日~16日の4日間にわたって開催されたICCサミット FUKUOKA 2023。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。このレポートでは、昼間のセッションに加えて、夜の19時15分から始まるナイト・プログラム、Co-Creation Night2会場の模様を写真とともにお伝えします。ぜひご覧ください。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回400名以上が登壇し、総勢1,000名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
2会場で開催、Co-Creation Night
ICCサミットは”エクストリーム・カンファレンス”と銘打っているが、それを体現するようなプログラムの1つがCo-Creation Nightだ。
朝9時から19時15分まで7会場で同時進行、カタパルトやオフレコ情報を含む昼間のセッションだけでも十分にエクストリームだが、3日に渡ってそんな84のプログラムがあるうえに、ICCサミットは夜にも議論の場が用意されている。それがCo-Creation Night(以下CCN)である。
ICC FUKUOKA 2023では2会場、2夜に渡ってCCNは約500人を動員した。ホテルのフロアを貸し切り、部屋ごとにホストとテーマを決めて、ゲストとともにひたすら議論する。メイン会場でのセッションが終わったあと、各会場へ移動してだいたい23時ごろまで続く。
WITH THE STYLEのCo-Creation Night
会場の1つ、WITH THE STYLE FUKUOKAはリゾート感のあるおしゃれなホテル。コロナ禍の影響で、福岡はタクシー数が激減していたため、CCNに参加者のためにチャーターバスが用意され、一行は昼間の議論の熱気もそのままに移動。バスの中でも会話が続き、にぎやかなまま会場に到着した。
この会場のCCNに参加できるのは、レッド・パス参加者のみ。2夜に渡った議論のテーマは下記の内容で、当日朝にはゲストのためにテーマが明記された限定数の参加チケットが配布された。なお、21時半からはシャッフルタイムとなり、部屋を自由に移動することができる。
第1夜
SaaS ビジネスの今後を語り合う部屋 |
地方創生を語り尽くす部屋 |
D2Cビジネスを語り尽くす部屋 |
組織マネジメントを語り合う部屋 |
第2夜
CTO と VPoEが語り合う部屋 |
AI/データ・ビジネスについて語り合う部屋 |
ソーシャルビジネスやサステナビリティを語り合う部屋 |
スタートアップの組織マネジメントについて語り尽くす |
グロース戦略を語り尽くす部屋 |
CFOが語り合う部屋 |
ベンチャー投資やインパクト投資の今後を語り合う |
プレイヤーが多いテーマや人気のテーマは、部屋が複数に分かれているものもある。写真は第1夜の模様で、最初に紹介する「SaaSビジネスの今後を語り合う部屋」はなんと7つもある。
SaaSビジネスの今後を語り合う部屋(7部屋)
主に在京のSaaS企業がこの夜、WITH THE STYLE FUKUOKAに集結していたわけだが、部屋ごとにさまざまなステージの企業が意図的に組み合わされていた。知見の共有や共通の悩みを話がわかる相手にできる、横とのつながりができるという意味で、今後の切磋琢磨に期待がかかる。
地方創生を語り尽くす部屋(3部屋)
地場産業として、または技術や文化をつなぐために日本各地で事業を行っている経営者や、プラットフォームやハブ的存在となり地方の良さを広める事業を行っている人たち、地方というアプローチではない新しいサービスで、人を地方に集めようとしている事業者といったテーマで部屋割りがされていた。
D2Cビジネスを語り尽くす部屋(2部屋)
「D2Cビジネスを語り尽くす部屋」の2部屋も、注目の経営者たちが集まっていた。消費者に対するマーケティング的な議論もあれば、ものづくりへの真剣な議論もある。他者のサービスや課題を聞くことで、消費者側の視点に立った意見も聞けるし、課題も相談できる。
組織マネジメントを語り合う部屋(4部屋)
4つの部屋に分けられており、ペントハウスに収まった11人の大軍団と、3つのスイートルームに分かれた経営者たち。
ペントハウスでは3つのテーブルに分かれて議論。お酒も飲まずに、夢中で話している人たちもいる。
一方スイートルームでは、落ち着いた議論が進んでいた。半年に一度の再会やアップデートで、同じ課題に向き合う仲間との貴重な時間になっているようだ。
ヒルトン福岡シーホークのCo-Creation Night
もう1つの会場、ヒルトン福岡シーホークでは、セッション会場から上層階に移り、スイートルームのフロアでCCNが行われた。密室感のあるWITH THE STYLEとはまた異なる雰囲気で、シャッフルタイムには移動もあり、さまざまな議論や交流を楽しんでいる様子だ。こちらは当日の朝、ゲスト参加券を獲得したブルー・パスの参加者もいる。
第1夜
モビリティの未来を語り合う部屋 |
クリエイティブ・ディレクターと語り合う部屋 |
日本酒・ビール・コーヒー・お茶を語り会う部屋 |
Well-Beingを語り合う部屋 |
グロース戦略を語り尽くす部屋 |
M&Aや業務資本提携について語る部屋 |
CFOとファンドマネジャーが語り合う部屋 |
第2夜
医療系スタートアップの経営を語り尽くす部屋 |
ディープテック・スタートアップの経営を語り尽くす部屋 |
グローバル・ビジネスを語り合う部屋 |
リテールの今後を語り尽くす部屋 |
美食を語り尽くす部屋 |
一次産業・フードビジネスを語り尽くす部屋 |
モノづくりの今後 |
ご覧いただくとわかるように、こちらのCCNではより細分化されたテーマで部屋が分かれている。昼間のセッションの発展版のようなものもあれば、セッション未満のようなテーマもある。産業のトレンドもあり、今後昼のセッションのテーマとなるかどうかテスト的な意味合いのものもある。
ここからの写真はヒルトン福岡シーホークの第2夜の模様。カタパルトやアワードでの登壇を終えた人が多く、リラックスした表情が印象的だった。
ディープテック・スタートアップの経営を語り尽くす部屋(2部屋)
リアルテック系の人々のアイスブレイクはゆっくりと進むが、徐々に議論はヒートアップ。新しいテクノロジーには商標なども重要となるため、内田・鮫島法律事務所の鮫島 正洋さんにも加わっていただいている。
グローバル・ビジネスを語り合う部屋(1部屋)
海外を拠点に活動するベテラン経営者から、最近グローバル展開を開始した経営者まで、昼間のセッションのような豪華な顔ぶれが集まったこの部屋。これから海外を考えている企業は、どんなことが語られたのか知りたかったに違いない。
医療系スタートアップの経営を語り尽くす部屋(1部屋)
集まった参加者たちを見て、改めてICCサミットにはこんなに医療系の人たちが多かったのかと驚いた。日本の高齢化も人間の医療も、ペットの医療も課題が山積している分野だ。こういった出会いの場で、新たなブレイクスルーが生まれることを願ってやまない。
一次産業・フードビジネスを語り尽くす部屋(4部屋)
このテーマは4部屋。肉系、野菜系、ソーシャル色のあるフードビジネス、フード×テクノロジーのフードビジネスなどにゆるやかに分けられていたが、どの部屋も和やかに、楽しそうに議論が進む。
クラフテッド・カタパルトやフード&ドリンクアワードが盛り上がっている証拠でもある。
プリンセスルームのような内装のスイートで盛り上がっていたのは野菜系フードビジネス。楽しそうな笑い声がいつまでも聞こえていた。4部屋に渡ってこれだけいろんなジャンルのフード系の人たちが集まることもなかなかないのではないか。
モノづくりの今後(3部屋)
モノを作っているようで、実はコトを作っているような人たちが集まったこの部屋。運営スタッフも自然と議論に加わらせていただき、大きな盛り上がりを見せていた。理念の強いモノづくりをする経営者たちとの議論は、若いスタッフたちにも大きな刺激となったと思う。
少人数で熱く語り合える場、尊敬する経営者に意見を聞ける場、同じ志を持つ仲間に出会える場、会期中にそんな機会をどれだけ創出できるかを考えてデザインされているICCサミットだが、CCNは特にそんな場になっているのではないかと思う。
美食を語り尽くす部屋&九州 SAKE NIGHT
CCNの中でも異色の、でも極めてエクストリームな議論がこの先にある部屋で行われていた。
2つのテーマの合同で大部屋ではあるが、ニッチなテーマのセッション以上に集客していそうなこの会場のホストは……。
「美食」セッションでおなじみのこの二人、ハセマコさんと西井 敏恭さんのコンビ。セッションのようなスライドまで用意して、一人でも多く美食道に引きずりこむべく情報サイトの読み方をレクチャーしている。とめどなくあふれる知識は半端なく、参加者たちは美食道の険しさにおののいたのではないか。
この部屋の一角で日本酒3種(福岡の田中六五、佐賀の東一、熊本の産土)、九州プレミアムハイボール3種(宮崎の尾鈴ジンソーダ、尾鈴ジン カカオ、鹿児島の伊良コーラ酎)を「九州 SAKE NIGHT」として振る舞った住吉酒販の庄島さんも、面白そうに議論に耳を傾けていた。
◆ ◆ ◆
ICCサミットに集まる人たちの多様性と、昼夜続くエクストリームなディスカッションという非日常、それによるインプットと刺激の嵐。それを強烈に体感できるのが、このCCNである。少人数での密な交流を目的としているため定員はあるものの、もし機会があったらぜひ参加をしてみてほしい。
ここでの出会いが生むものは有形無形、さまざまなものがあるだろう。次のあるべき社会や産業を生み出すための奮闘、葛藤、努力が実を結ぶことを目指して学び合い、語り合う。青臭いほど前向きで、その真剣さを楽しめる人たち、そして何より本気でビジョンの実現を目指す人たちがこの場には集まっている。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成