【終】アクイ・ハイヤー(人材獲得)型M&Aの是非を徹底議論【F17-7A #9】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

【終】アクイ・ハイヤー(人材獲得)型M&Aの是非を徹底議論【F17-7A #9】

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「M&Aによる成長を実現する組織統合マネジメント」【F17-7A】9回シリーズ(その9)は、会場からの質問を受け付け、アクイ・ハイヤー(人材獲得型)のM&Aの是非やロングリストの作成方法など、実践的な経営を議論しました。最後の各登壇者からのメッセージも素晴らしいです。是非御覧ください。

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【登壇者情報】
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
2017年2月21日・22日・23日開催
Session 7A
M&Aによる成長を実現する組織統合マネジメントの秘訣

(スピーカー)
上原 仁
株式会社マイネット
代表取締役社長

留目 真伸
レノボ・ジャパン株式会社 代表取締役社長
/NECパーソナルコンピュータ株式会社 代表取締役 執行役員社長

平尾 丈
株式会社じげん
代表取締役社長

(モデレーター)
青柳 直樹

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最初の記事
【新】M&Aによる成長を実現する組織統合マネジメントの秘訣【F17-7A #1】

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グローバル企業のPMI(組織統合)で活かせる日本人の”傾聴力”とは?【F17-7A #8】

本編

青柳 残り時間が10分程度になりました。

ここからは、会場の皆さんから質問をいただきたいと思います。

では、ラクスル松本さんお願いします。

質問者1 ラクスルの松本です。


松本 恭攝
ラクスル株式会社
代表取締役

1984年富山県生まれ。慶應義塾大学卒業。A.T.カーニーに入社し、コスト削減プロジェクトに従事する中で、印刷費が最もコスト削減率が高いことに気づき、印刷業界に興味を持つ。業界の革新を志し、 2009年にラクスル株式会社を設立。2013年より印刷機の非稼働時間を活用した印刷の E コマース事業「ラクスル」を開始。また、2015年12月より物流のシェアリングエコノミーサービス「ハコベル」を開始。「仕組みを変えれば、世界はもっとよくなる」をヴィジョンに巨大な既存産業にインターネットを持ち込み、産業構造の変革を行う。

事業統合の話があったと思うのですが、アクイ・ハイヤー(Acqui-hire:企業や事業の買収に伴って人材を獲得すること)という視点でぜひお聞きしたいです。

買われた会社の中に、非常に優秀な方々が沢山いらっしゃると思います。

ヤフーさんのようなイメージになりますが、この優秀な方々を買った側の経営に活かしていく。人材という点で、買収した対象の会社にレバレッジをかけていく。

このような成功事例や、どのような環境を用意すればそのような事が可能なのか、事例がある方はぜひ教えていただければと思います。

青柳 アクイ・ハイヤーについて、そもそも賛成派、否定派があると思います。

アクイ・ハイヤーは有効だと思っているかどうか、5段階で評価するとどれ位になりますか?

アクイ・ハイヤー(Acqui-hire)型M&Aの是非

上原 2でしょうか。

青柳 低いですね。(笑)

上原 アクイ・ハイヤー目的で購入しようとすると、買収の価格がつり上りすぎるということは、明確にそうだなと思います。

ただ、弊社の直近事例でいうと、クルーズ社の有能なプロデューサーやディレクター陣は、私にとってはいくら払ってでも欲しかったという位の存在です。

何億円もかかるようなアクハイアリングという意味ではなく、あくまで事業を構成する有能な人材という意味合いでは有効です。

質問者1 そのイメージです。

上原 その意味合いであれば、2ではなく4ぐらいでしょうか。

青柳 いわゆるピュアなアクイ・ハイヤーが価値なのではなく、事業とともにその人たちが活きるという意味でのアクイ・ハイヤー型の買収をするということですか。

上原 そうです。それであれば、スコア4になります。

そして、そのような人にはポジションつけます。

一人スターを作り、このチームカラーの役員といった立場に置く。

このようなことを、意図を持って行います。

青柳 留目さん、いかがでしょうか?

留目 M&A、事業を作っていくという意味では、シナジーを出さなければならないですし、統合のレベルにもよりますが、結局買った方も買われた方も今までの事業から違うものに変化しります。

今までの事業で成功していた人が、変化した後の事業で成功するかは分からないですし、多分アクイ・ハイヤーをした所でフィットが悪ければ自ら辞めてしまうと思います。

そのような意味で、やはり「事業ありき」だと思います。

上原さんがおっしゃるように、変わっていく事業に関して強い人材が多い会社は欲しいと思いますが、私はやっぱり「人ありき」というよりは「事業ありき」だと思いますね。

青柳 平尾さんの会社はオーナー会社からの承継も多い?

平尾 はい。

青柳 あまり印象はないのですが、「このような会社であればアクイ・ハイヤー(型のM&Aを)しても良いよ」というものはありますか?

平尾 アクイ・ハイヤー自体が手段でしかないので、私はスコア3でしょうか。

相対的価値の話で、それは社内で採用し育成ができるのであれば、どのマーケットから調達するかだけですので、資本市場や、会社を買収しなければ付いてこない人なのかどうかということが一つあります。

弊社は組織に力を入れていて採用マーケットである程度強いと考えていますし、育てる所にも力を入れているので、それだけに頼る必要はないのかなと思っています。

現状では、弊社はまだ8件の実績ですので、それだけを目的に獲得しているケースは発生していません。

私たちはどちらかというとケイパビリティを拡張するような形で買収を行なっているので、その意味では人が付いています。

ただ、あまり属人化しないようなバリューチェーンの再構築を行なっているので、組織や人の力は非常に重視していますが、M&Aにおいては、そのバリューチェーン自体や無形資産を含め買わせていただくということに力を入れています。

青柳 あと2問くらいに限定したいと思います。

では、溝口さんどうぞ。

買収候補先をいかに見つけるか

質問者2 FiNCの溝口です。

大変勉強になりました。ありがとうございます。


溝口 勇児
株式会社FiNC
代表取締役社長CEO

1984年生まれ。高校在学中からトレーナーとして活動。今日までプロ野球選手やプロバスケットボール選手、芸能人等、延べ数百人を超えるトップスリート及び著名人のカラダ作りに携わる。トレーナーとしてのみならず、業界最年少コンサルタントとして、数多の新規事業の立ち上げに携わりまた数々の業績不振企業の再建を担う。再建を託された企業に関しては、その全てを過去最高業績へと導く。2012年4月にFiNCを創業。一般社団法人アンチエイジング学会理事、日経ビジネス「若手社長が選ぶベスト社長」に選出、「ニッポンの明日を創る30人」に選出。

お三方に質問ですが、ロングリスト(買収候補先のリスト)をどのように作っているのかということです。

流入経路別の割合などを教えていただけると嬉しいです。

実際、クロージングした案件に関してみると、流入経路の傾向があるのか?

もしあるのであればその理由まで聴きたいなと思います。

青柳 グッドクエッションですね。では平尾さんからお願いします。

平尾 結構変わってきています。

例えば、私たちがこのような場に登壇することは、メリットがあります。

M&Aは、これまでインターネット業界ですとビッグ4の方々が国内中心に買っていたと思います。

上場後から弊社はM&Aを加速させ、「M&Aの買い手としてじげんがあるんだよ」ということをお伝えしたいという気持ちもあり、今回もICCに登壇させていただいています。

最初は本当にドアノック、プッシュという手法で、ロングリストも流入経路も自分たちが創っていくしかなかった段階から、インバウンドが増えている段階になっています。

3年を経て大分変わってきているのですが、初期のM&Aは私の知人や後輩の会社が対象でした。

最近の規模の大きな案件では、証券会社さんですとか、ブティック系のコンサルティング・ファームさんとのお付き合いがあるので、小さい案件が成功した後「もう少し大きい案件はどうですか?」とお声がけいただく案件も増えてきました。

弊社がギリギリの規模かもしれませんが、銀行の方々からの案件も増えてきており、ソーシングルートは拡がっています。

ベンチャーキャピタルの方々も、投資が加熱している中、投資先が増えているので、そのような金融機関の方々からのお声がけも最近は増えてきています。

きちんとディールが成立しているものに関しては、結局早い者勝ちの状況ですので、どの会社を通すかです。

ロングリストは、ほぼデータベースができているんです。どこ経由で行ったほうがいいか、そんな話にしかなっていないのかなと思います。

私たちの案件としてクローズできているところは、独自ルート半分に対して外部半分といった状況です。

ありがとうございます。

”ものになる”案件は持込みよりもむしろ自社発掘

留目 弊社はそこまで件数が多くないのですが、ロングリスト自体は存在します。

リストとしては持込案件が多いのですが、実際ものになるものはむしろ自ら「ここだ」と決めていくものしかありません。

上原 大体似たような話になるのですが、弊社の場合は本当にゲームの事業者ないしはタイトルを買収しにいくので、App Storeのランキングがそのままリストになっているという感じです。

(会場笑)

それは本当にフラットなリストです。

その上で、按分すると5割は自分たちから行く。

4割はインバウンドといいますか、まさにこのような場(カンファレンス等)で「そろそろどうですか?」というと、「ちょっと東京の方で話をしましょうか?」となることがリアルにあります。

残り1割は金融機関です。

最終的なクロージングの確率を今考えていたのですが、あまり変わらないですね。

インバウンドでは、相手側も弊社のあり方を理解した上で声がけして下さるので、角度が高いです。

PMIは、経営の原理原則を押さえていく仕事

青柳 ありがとうございます。

最後にお三方から、今日の感想でも良いですし、PMIを実践されている皆さんの自社アピールでも良いですし、抱負でも構いません。ぜひポジティブなメッセージをお願いします。

上原 はい、すごく楽しかったです。

お二方のお話が、ほぼ全て私、共感・共鳴だったんですよね。

PMIという仕事は、経営の原理原則を押さえていく仕事だなと思っているのですが、そのことを今日再確認できてすごく良かったなと思います。

市場全体が成熟してきていることもあり、PMIはインターネット業界の周りでもきっと増えてくると思うんですよね。

経営の原理原則に則る仕事として、一緒にこの仕事を楽しめる人、仲間が増えていくと良いなと思います。

どうもありがとうございました。

青柳 ありがとうございました。

(会場拍手)

事業の再定義を続けなければいけない

留目 M&Aは、今後、皆さんに身近に関係することになっていくんじゃないかと思います。

今はまだあまり関係がないと思っている方もいると思いますが、業界構造は本当にすぐ変わってしまいますし、事業の寿命は本当に短くなっていると思うので、企業体を継続していくためには事業の再定義を続けなければならない。

そのために必要なリソースを集めようと考えると、やはりM&Aは有効な手段ですし、どこの企業にとっても選択肢として必要になってくると思うんです。

そして皆さんがおっしゃっていた通り、ロジカルに考え、気合を入れ、熱い想いでそれをきっかけとした変革に取り組むということです。

先程も申し上げましたが、日本人はM&Aにすごく向いていると思うので、やはり産業構造が変化しなければならない中で、皆がその力を身につけ、積極的に新結合を求めて、そして変えていくということをすべきだと思います。

それにより、ICCのコンセプトそのままですが「Co-Creation」が起こるんじゃないかなと思います。

今後とも、ぜひ一緒に取り組みしていければと思います。

ありがとうございました。

青柳 ありがとうございました。

(会場拍手)

平尾 私は、会社を19歳の頃から15年位経営してきているのですが、15年経ち、IT業界といった業界の区切りがなくなってきていると思います。

おっしゃるように、ICCさんの名前の通りかもしれません。

IT企業と言っても、カッコつかない時代になってきていると思うんですね。

ITはコモディティ化し、どなたもツールとして利用し、使わない日がないという世界の中で、それが故に会社経営者からすると全世界がリソースになってきていると思います。

未完成なところを補い、共に高みを目指す経営を

平尾 今までは、自社の中で頑張っていじくりまわし、色々な取り組みをリソースを見ながら行なっていました。

私は会社オタクなのですが、世の中にはすごく素晴らしい会社さんがあります。

特にゼロイチのステージや、1→10のステージ、特にこのステージは100点を目指す経営は難しいです。70、80点が取れれば満点という世界で取り組みしていらっしゃるので、どこかしらが未完成です。

未完成な所同士を融合することで、共に100点を目指していけるような世界を作っていけるんじゃないかと私は思っています。

社外、社内と分けずに考えることであったり、色々な会社の選択肢を組み合わせながら、群で経営していくあり方があるのではないかと私は思います。

そこにパラダイムの転換が起こり得るのだと思いながら経営しています。

経営という答えがない、総合芸術のような世界において、これまでにない新しい経営のスタイルの創造を目指せしたいと考えています。

その実現のため、引き続き精進してまいりたいと思います。

ありがとうございました。

青柳 ありがとうございます。

(会場拍手)

お三方と会場の皆さんのおかげで、非常にICCらしい、これからの時代に本当に必要なお話ができたかなと思っております。改めてお三方に拍手をお願いします。

どうもありがとうございました。

(会場拍手)

(終)

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/鎌田 さくら

【編集部コメント】

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