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「物を売る」ではなく、「日本の伝統を伝える」(和える 矢島)【A16-2 #4】

ICCx AIESEC 2016 Session 2 「社会課題を解決する起業家になる」

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「社会課題を解決する起業家になる」【A16-2】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!10回シリーズ(その4)は、「和える」の矢島さんに商品の魅力を紹介いただきました。是非御覧ください。

「ICCx AIESEC カンファレンス」は、NPO法人アイセック・ジャパン(AIESEC)とICCパートナーズが共同で開催した、AIESECに所属する大学生を対象としたカンファレンスです。当日は高い志を持った大学生250名が、ビジネスリーダー/社会起業家たちのパネルディスカッションと、質疑応答セッションに参加しました。

本年も、2017年9月15日(金)に「ICCx AIESEC 2017」を開催する予定です。参加を希望される方は、ぜひ全国25大学のAIESECの各委員会に所属ください。

Aiesec Logo


【登壇者情報】
2016年9月13日開催
ICCx AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス2016
Session 2
「社会課題を解決する起業家になる」

(スピーカー)
白木 夏子
株式会社HASUNA
代表取締役兼チーフデザイナー

矢島 里佳
株式会社和える
代表取締役

山田 敏夫
ライフスタイルアクセント株式会社
代表取締役

(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ株式会社
代表取締役

「社会課題を解決する起業家になる」の配信済みの記事

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【本編】

日本の精神性や考え方を伝える「和える」の商品

矢島 色々な商品があるので、ここからは写真を順番に紹介します。

「こぼしにくい器シリーズ」は、中に返しがあり、離乳食をすくいやすいよう工夫がしてあります。

この様に大人になっても使い続けていただけるよう、シンプルなデザインを心がけています。

自分が赤ちゃんの時に使っていたものを、大人になっても使い続けられたらいいなと考え作りました。

皆さん障子や襖に穴を開けたことありますか?

障子や襖は和紙ですが、今はお家に障子も襖もないことが多いです。

現代の子ども達は、ほとんど和紙を触ったことがありません。

そこで、子ども達に自然と和紙に触れていただける商品を考え、和紙のボールができました。

そして私達がもう一つ大事にしているのが、お直しです。

お茶碗とかコップが割れたら捨てるという方、手を挙げてください。

(多くの方が挙手)

やはりそうですよね。

割れた物を直せるということは、あまり知らないですよね。

でも、割れた器やお茶碗は直すことができます。

木の樹液である漆を塗り、割れた部分を接着し、その上に金や銀を撒いてお直しします。

「和える」の商品は、この様なお直しが可能です。

企業として利益を追求することだけ考えると、お直しせず新しいものを売った方が良いのですが、それでは「和えるくん」が生まれた誕生の想いが達成できません。

先程お話したように、「和えるくん」は日本の伝統を次世代につなぐために生まれました。

それは、物だけではありません。

精神性や考え方といった先人の持っている智慧を含め、日本の伝統と私達は考えています。

物が壊れても、永く使い続ける智慧を日本人は持っています。

この智慧を活かし、私達は割れたら捨てるということの繰り返しではなく、壊れても直したいと思えるものを一つでもいいから手にし、それを長く使うという考え方も伝えていけたらと考え、このようなお直し事業を行っています。

結果的に、「和えるの商品は直せるから安心して買える」とおっしゃってさるお客様も増えており、お直しは発展する可能性のある事業だと考えています。

日本の伝統を次世代に伝える仕事を自ら作る

矢島 最後に、私がなぜこの事業を始めたのかをお話して終わりにしたいと思います。

先程もお話したように、私は日本の伝統を次世代に繋ぎたいと考えていますが、これは職人さんの所を回り始めてから考えたことです。

私は東京で生まれ、千葉のベッドタウンで育ったので、日本の伝統にほとんど出逢う機会がありませんでした。

中学の部活動で茶華道部に入ったのですが、それがすごく自分に合っていました。

お茶室はとても心地良い空間で、なぜなのか考えたところ日本の伝統工芸品で構成されている空間であることに気が付きました。ジャーナリストになりたいと思い、大学に進学したのですが、その際に、何を伝えたいのか考えました。

大学1、2年時にOBOG訪問をさせていただき、新聞記者やニュースキャスターの先輩方にお話を伺ったのですが、やはり専門性が必要だと感じました。

ただ「伝える」という仕事ではありませんでした。

何を伝えたいのか、どうして伝えたいのか、伝わった人や社会がどう変わるのか、そこまで考えていかなければ仕事にはならないと感じました。

そこで私は、憧れ、興味を持っていた伝統産業の職人さんに会いに行きたいと考えました。

でも皆さん大学生は、時間はあるけどお金はないですよね。

そこで私は、企画書を書き、職人さんを取材しに行きたいということを色々な方に、想いを語りました。

JTBさんの会報誌で、連載をさせていただけることになり、、20歳頃から職人さんの連載を始めることができました。

学生時代3年間、職人さんの元を巡る中で、とても魅力的な伝統にたくさん出会うと同時に、色んな課題があることも見えてきました。

日本の伝統や先人の智慧をどのように繋いでいこうかと考え、先程お話した、子ども達にまず伝えるということに至ったのですが、そのためには、それらを提案する場所を作らなければならないと考えました。

学生時代、そのような仕事がないか色々探したのですが、見つかりませんでした。

結果自分で仕事を作る、新たな職業を作るという選択肢を選び、「和える」が誕生することになりました。

「物を売る」ではなく、「日本の伝統を伝える」

矢島 当初は、オンライン直営店としてスタートしたのですが、2014年東京の目黒に東京直営店「aeru meguro」を出すことができました。

ここはただ物を売る場所ではなく、日本の伝統を伝える場所です。

ただ、伝統を押し付けるのではなく、ここに来たお客様の価値観が少し変容するような働きかけができる場所にしていきたいと考えています。

だから「和える」の社員は、物を売る人ではなく、目の前のお客様の価値観を変容させるというとても難しい仕事をしてくれています。

2015年には、京都直営店「aeru gojo」もオープンいたしました。

もし京都にいらっしゃる機会がございましたら、ぜひ遊びにいらしてくださいね。

「aeru meguro」は「和えるのお家」、「aeru gojo」は「和えるのおじいちゃん、おばあちゃんのお家」というコンセプトで作りましたので、お店だとは思わず、ぜひ「和える」のお家に遊びに来ていただければ嬉しいです。

ありがとうございました。

小林 ありがとうございます。

先程、ユーグレナの永田さんと、和える目黒店の近所に住んでいたことがあるという話で盛り上がりました。

意外に繋がるものですね。

矢島 ご近所でしたね。

小林 ご近所トークをしていましたね。

小林 では最後に、ファクトリエ 山田さんお願いします。

(続)

続きは 工場の息吹を伝えるアパレルブランド「ファクトリエ」 をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/鎌田 さくら

【編集部コメント】

当初目指していたジャーナリストとしてではなく、「和える」の商品を通してジャーナリストと本質的には近い仕事をなさっているんですね。(横井)

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