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核融合によるクリーンエネルギーで、地産地消の電力創出を目指す「LINEAイノベーション」(ICC FUKUOKA 2026)

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは 慶應イノベーション・イニシアティブ です。

【速報】放射性廃棄物を抑える核融合で、持続的な電力供給に貢献する「LINEAイノベーション」がリアルテック・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2026)


【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 7A
REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Sponsored by 慶應イノベーション・イニシアティブ

野尻 悠太
LINEAイノベーション
代表取締役CEO
公式HP | 公式X

みずほ証券にて投資銀行業務に従事後、宇宙スタートアップのアクセルスペースにて、CFO・COO等を歴任し、資金調達、事業開発、衛星開発プロジェクトマネージャー等幅広く担当し、同社の成長に大きく貢献した。その後、JDSCのCFOを経て、PEファンド投資先であったナレルグループにCFOとして参画し、上場を主導。2024年8月に当社代表取締役CEOに就任し、現在に至る。


野尻 悠太さん 究極のクリーンエネルギーによる電力の「地産地消」が当たり前の世界を目指します。

株式会社LINEAイノベーションの野尻です。

私たちは核融合によって、エネルギー問題という人類の根源的な課題を解決したいと考えています。

これは、未来の子どもたちに持続可能な地球を手渡すための挑戦でもあります。

「Fusion Energy to the Future Generations」

これが私たちのミッションです。

偏在する燃料資源と深まる電力供給リスク

まず、私たちが直面している世界のエネルギー課題についてお話しします。

現在、世界の電力需要は爆発的な勢いで増加しています。

新興国の経済成長に加え、先進国ではAIやデータセンターが膨大な電力を消費し始めています。

しかし依然として電力の6割は化石燃料に依存しており、燃料資源はわずか十数カ国に偏っています。

この構造が変わらない限り、私たちは常に地政学リスクにさらされ続けることになります。

まさに今日現在(登壇は2026年3月)、中東においてそのリスクが顕在化しているのは、皆様ご存知の通りかと思います。

この課題を根本から解決できる手段、それが「核融合」です。

燃料が豊富にあり、CO2を排出せず、昼夜、天候を問わず安定した電力を生み出す、地球にとって究極のソリューションです。

世界で核融合スタートアップへの投資が急増

核融合には、3つの決定的なメリットがあります。

第一に、燃料が海水などに豊富に存在し、資源争いから解放されること。

第二に、運転時にCO2を排出しないカーボンフリーであること。

そして第三に、万が一の際に反応が自然に停止するため暴走リスクのない高い安全性です。

世界では、核融合スタートアップへの投資が急増しています。

米国では50億ドル、中国でも20億ドルの資金が投じられています。

対して日本は、まだ2億ドルにも達しません。

しかし、これは悲観すべきことではないと思います。

1カ国が保有する核融合実験装置の数では、日本はアメリカに次ぐ第2位です。

この眠れる資産こそが、日本が世界をリードするための大きな伸びしろだと考えています。

独自技術で核融合の3つの課題を解消

現在、核融合の主流である「D-T反応(水素の同位体である重水素(D)と三重水素(T)による核融合反応)」には、避けて通れない3つの大きな課題があります。

天然に存在しない希少な放射性物質「トリチウム」の確保。

発生する中性子による装置材料の劣化と放射化。

そして、巨大な熱サイクルなどを必要とする巨大な設備。

これらは全て商用化における大きなコスト要因となります。

そこで、我々LINEAイノベーションは、これらの課題を全て解決する独自の技術アプローチを採用しています。

我々が挑むのは「p-11B反応(水素とホウ素11の核融合反応)」です。

燃料は、どこにでもある水素とホウ素だけです。

最大の特徴は、「中性子が発生しない」ことです。

中性子が出ないからこそ装置の劣化を防ぎ、放射性物質の管理コストを劇的に抑えることができます。

さらに、熱を介さず、荷電粒子の運動から電気を直接取り出すことが可能になるため、巨大な蒸気タービンを回す必要もありません。

日大×筑波大による「FRCミラーハイブリッド方式」

その一方で、この反応を起こすには、従来の核融合のアプローチではD-T反応より圧倒的な高温が必要とされ、困難だと考えられてきました。

この反応を実現する鍵が、私たちの「FRCミラーハイブリッド方式」です。

▶編集注:LINEAイノベーションによる技術用語解説はこちら

まず日本大学が誇るFRC(Field-Reversed Configuration、磁場反転配位)と呼ばれるプラズマ閉じ込め方式が、ホウ素プラズマを逃さないための「燃料の器」を実現します。

そこに筑波大学のミラー磁場の技術を組み合わせます。

高速で飛び回る水素ビームを跳ね返す強力な磁場の壁として機能します。

この器の中で、水素粒子が壁で何度も跳ね返され、ホウ素に効率的に衝突します。

このように、プラズマ全体を超高温にする必要がありません。

この役割分担こそが、クリーンな核融合を実現する我々の革新的な解です。

これを支えるのが、両大学の研究資産です。

日本大学のFRC装置は日本でも唯一、世界でも3拠点しか存在しません。

さらに筑波大学には、世界最大規模のミラー装置があります。

これら日本の叡智をハイブリッドさせることで、我々の優位性は確固たるものとなっています 。

大都市やデータセンターに直結した「地産地消」の電源

開発する核融合炉は、全長わずか30mです。

大きな蒸気タービンや分厚い遮蔽壁は不要であるため、非常にコンパクトになります。

安全な燃料を使うことで管理コストを劇的に削減し、中性子による劣化がない装置は、圧倒的に長寿命化します。

このシンプルさが、経済性とメンテナンスの容易さをもたらします。

さらには、コンパクトな核融合炉により立地の柔軟性も生まれます。

こちらの想像図をご覧ください。

このようなサイズで、安全性があるからこそ、大都市やデータセンターに直結した電源としての実現が可能になります。

遠くから電力を運ぶのではなく、必要な場所で作り、その場で使う。

これが我々の目指す究極の電力の「地産地消」です。

発電コストは、将来的に1kWhあたり3〜5円を目指します。

複雑な熱サイクルを排除し、中性子フリーを実現することで、既存のあらゆる電源を圧倒するコスト構造を追求していきます。

2040年には核融合発電所の建設需要だけで、年間36兆円以上の巨大なマーケットが誕生します。

我々は、この市場の覇者を目指します。

人類社会の持続的な発展を目指す挑戦

この野心的な挑戦をリードするのは、強力な布陣です。

宇宙スタートアップで開発と経営の両輪を担った私に加え、FRC研究の第一人者である浅井(朋彦)教授、ミラー核融合の権威である坂本(瑞樹)教授、そしてユニコーン企業のSmartHRでCFOを務めた玉木(諒さん)が参画し、ビジネスとしての確実性を担保しています。

私たちのロードマップは明確です。

今後数年で反応実証を完了、2031年に初の発電実証を経て、2035年には商用発電の実証へと突き進みます。

核融合の実現により、人類社会の持続的な発展を約束するこの挑戦に、ぜひお力を貸してください。

当社は投資家の皆様、ともに実証に取り組んでいただける事業者様、さらには当社で一緒に世界を変える取り組みにジョインしていただける仲間を募集しております。

ご清聴ありがとうございました。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/正能 由佳/小林弘美/戸田 秀成

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