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ICCサミット FUKUOKA 2019 スタートアップ・ダイジェスト(後半)に登壇した、カラクリ 小田志門さんのプレゼンテーション【「カラクリ」は“顧客と一緒に育てる”AIチャットボットで日本のカスタマーサポートを効率化する!】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 プラチナ・スポンサーの日本マイクロソフト様にサポート頂きました。
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【登壇者情報】
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 12B
スタートアップ・ダイジェスト – 注目スタートアップを一挙紹介!(後半)
Supported by 日本マイクロソフト
(プレゼンター)
小田 志門
カラクリ株式会社
代表取締役CEO
公式HP|STARTUP DB|LinkedInページ
1980年京都府生まれ。2006年よりサイバーパトロール・インターネットのコールセンターBPOのイーガーディアンにて、取締役として営業部門を統括。インターネットサービスやゲームアプリなどのコミュニティのモニタリング・パトロールや、コンタクトセンターサービスの提供などに従事。その後同社で関連会社の代表や営業を担当し、2017年10月にAIビジネス開発を支援するカラクリ株式会社のCEOに。カラクリではコンタクトセンター向けの自動応答のAIを提供している。
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▶「ICC FUKUOKA 2019 スタートアップ・ダイジェスト」の配信済み記事一覧
小田 志門さん カラクリ株式会社の小田です。よろしくお願いします。
我々は、カスタマーサポート分野に特化した、業界初となる“正答率95%保証”のAIチャットボット「KARAKURI(カラクリ)」を提供しています。
私はエンジニアではなく、13年ほど、人の手でカスタマーサポートを行う会社の経営と実務をしていました。
「50%」
この数字は何かお分かりでしょうか?
これは、カスタマーサポートの業界で、入社した月に辞めてしまう現場のオペレータの割合です。
1年間ではなく、入った月に辞める割合です。
なぜ、こんなに簡単に辞めてしまうのでしょうか?
実際にオペレータの現場を見てみると、ユーザーさんから次のような質問がきます。
「ログインできません」
このような質問に対して、「ログイン方法はこちらでございます」といったやりとりが日々続きます。
極端な話だと、8時間ずっとこのやりとりになります。
先ほどのような、答えを選んで送信する、コピー&ペーストレベルの単純作業が占める割合が、カスタマーサポートの現場によっては、最大95%を占めるところもあります。
チャットボットサービスの課題は「回答の正しさ」
「同じ仕事がつらい」といったコールセンターの現場、カスタマーサポートの現場にAIが出てきました。
IBMの”Watson”をはじめ、「AIをカスタマーサポートにいろいろ使えるのではないか?」という形で、3年前くらいから市場が盛り上がってきています。
このようなカオスマップも存在していて、約90社ぐらいがチャットボットサービスを提供しています。
非常に多くのサービスがありますが、導入がうまくいっているケースは実に少ないです。
現場にヒアリングすると、皆さん同じような疑問を抱いていることが分かります。
「本当に正しく答えてくれるの?」と。
実際にチャットボットを導入したお客様に伺っても、チャットボットが正しく答えてくれないので、余計に問合せが増えて、仕事が増える、そんな本末転倒なことがよく起きていました。
業界で唯一、正答率95%を保証する「KARAKURI」
そのため、我々は2018年に業界で唯一、正答率をしっかりと保証し、成果にコミットするチャットボットサービス「KARAKURI」をリリースしました。
昨年リリースしてこの正答率を保証をしているのですが、後追いで同じように保証してくるような会社は、まだ存在していない状況です。
ここで、我々のチャットボットのイメージを、実際のお客様であるWOWOWさんの事例で説明いたします。
インターネットでもLINEでも、お客様の操作のみでやりとりができます。
WOWOWさんの場合、チャットボットで約8割が解決するのですが、残りの2割程度はどうしてもAIでは解決できないので、人にバトンタッチしていきます。
このような設計も含めて、我々が提供しています。
成果が出るチャットボットの2大要因:設計力と運営力
半年くらいやって、だいたい分かってきたことがあります。
それは、成果の出るチャットボットには、2つの要因が必要であるということです。
1つは、リリース前にチャットボットを育てる「設計力」です。
我々は自分たちでチャットボットエンジンをつくり、さらに私のようにカスタマーサポートの現場の経験が長い人間が、AIの設計をしています。
しっかりチャットボットを作り込めることが我々のポイントです。
もう1つは、チャットボットのリリースした後、データを見ながらAIをレベルアップさせる「運営力」です。
我々は、コールセンターの現場から、データのラベリングなどをお教えいただきます。
そのラベリングには、コールセンターの現場の方々のITリテラシーがそこまで高くなくても、簡単にデータを振り分けられるものを提供しています。
データを振り分ける管理画面は、UI特許取得済みとなっています。
このように、実務経験とテクノロジーで、カスタマーサポートの現場の生産性を上げています。
管理画面について少しだけムービーをお見せしたいと思いますが、日々このような形で、ユーザーの問合せが入ってきます。
AIがどれくらいの自信で回答しているかが表示されるので、合っていれば、「いいね」ボタンを押すだけ、間違っていれば別の回答をAIがリコメンドしてくれるので、それを紐付け直すことを行います。
IT企業大手から証券会社まで、幅広い導入実績
昨年2月のICCサミットでリリースを発表させていただき、1年間で約30社のお客様に導入していただくことになりました。
チャットボットとしては、カオスマップにたくさんあった通り、我々は後発です。
しかし、しっかりとサービス提供をしている会社は、意外と少ないということが分かりました。
その中で、KARAKURIを使いたいと考えているお客様の数は、増えていると思っています。
こちらはSBI証券さんの事例です。
証券会社さんは法律が変わったり、新しい決済方法が増えたり、様々なことで回答内容がどんどん変わっていきます。
そのような状況でも、コールセンターの現場で活用できることを評価していただきました。
著作権の問題で写真全体をお見せできませんが、かわいいぬいぐるみをコールセンターに置いていただき、社員証を掛け、「このぬいぐるみがチャットボットだよ」という形で、仲間の一員として迎え入れていただいています。
最初は何百人といらっしゃる現場の方々から「AIが入ってくると、何か自分の仕事が奪われるので怖い」という声があったそうですが、今は本当に「仲間」として仕事をしているそうです。
我々がやり始めた当初は、「効率化」がメインの価値かなと思っていました。
しかし実際やってみると、本当にAIを1人の「仲間」として捉え、実際に単純作業が減り、やるべき仕事に向かえる比率が上がったことで、現場の働き方改革にもつながると考えています。
狙うは、カスタマーサポートのオートメーション化
次に、トラクションです。
MRR(月間経常収益)については、だいたい1社当り40万円程度、1人分の月収ほどです。
それが30社ほどになっています。
市場規模に関しては、コールセンターのアウトソーシングの市場が約8,000億円存在するのですが、内製している部分もあるので、その一部を狙っています。
実際、約100万人が現場で働いているのですが、我々はまだ300人くらいの影響力しかないので、もっとしっかりやっていきたいと思っています。
サービスの展開については、現在はチャットボットだけやっているのですが、より現場の生産性向上につながるオートメーションを、全部行う予定です。
もう単純な質問に答える必要はありません。
AIは敵ではありません。
業界初、正答率95%を保証するAIチャットボット「KARAKURI」をよろしくお願いします。
(終)
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編集チーム:小林 雅/花本 夏貴/尾形 佳靖/戸田 秀成/小林 弘美
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