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2021年3月23日〜24日、ICCオフィスにて、ICC FUKUOKA 2021の最後のイベント、運営スタッフ打ち上げが2回に分けて行なわれました。そこで開催された運営スタッフがチームごとに自分たちの仕事をプレゼンする「チーム・カタパルト」の書き起こし記事をお届けします。特別プログラム「唐津 陶芸 & 美食体験ツアー」に同行したのは、受付リーダーの能任 花林さんです。ICCサミットの運営を担うスタッフがどんな人たちで、どんな役割を担っていたかわかる内容です。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2021は、2021年9月6日〜9月9日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本編
能任 花林さん 今回はICCサミットの3日目に、丸1日かけて「唐津 陶芸 & 美食体験ツアー」(※) に参加してきましたので、その概要、唐津焼について学んだこと、CRAFTED 少人数ツアーの魅力をレポートさせて頂きます。
▶編集注:2021年2月18日に特別プログラムとしてツアーが開催された。
今回はメディアチームの同行はなかったのですが、ゆきさん(石井 悠紀子さん)が撮影してくださった素晴らしい写真と共にお届けしますので、写真もぜひ注目して話を聞いてください。
唐津焼の2つの窯元を訪問
当日朝、(ICCサミット会場の)ヒルトン福岡シーホーク を出発した後、午前中はお二人の陶芸家の窯を訪問させて頂きました。
村山健太郎さんと、三藤るいさん。お二人は同じ師匠(川上清美さん)に学んだ兄妹弟子だそうです。
その後に、唐津焼を使用してお料理を提供して下さるお食事処「あるところ」でランチを頂いた後、午後は中野さんの窯にて、実際に陶芸体験をさせて頂きました。
「窯ってどんなところ?」と、私も想像がつかなかったのですが、午前中にお邪魔した2つの窯は、まずこのように小さなギャラリーのようなお茶の間があります。
そこで、お茶とお茶菓子を頂きながら、陶芸家のお二人に唐津焼の特徴、どうして陶芸家を目指されたのか、焼き物の魅力、どんなふうに見て楽しむのかなどのお話を伺いました。
陶芸家自身が山に入り良い土を探して作る唐津焼
唐津焼の特徴として、唐津は地層が豊かなので、色々な種類の土が採れるそうです。
一般的な陶芸では、粘土や土など均一化された市販の材料を買ってきて、その配合を調整して形を作るそうですが、唐津の陶芸家の皆さんは、自分たちで土を山に掘りに行くそうです。
雨の日の後、土砂崩れの後に長靴を履いて入っていって、これまで出会ったことがない土を探しに行く。そのようにして、常にいい陶器の元になる、いい土を探されているそうです。
自然のものは扱いにくく、焼くのが難しい分、色々な表情、質感、柄、景色、色を出すことができるので、見る側も豊かになるということでした。
登り窯を見学
ギャラリーの外には作業場があって、お弟子さん方が作業されているところを見せて頂きました。
こちらは焼く前に寝かせている作品です。
その外には作品を焼く大きな窯があります。
登り窯と呼ばれて、3段階の階段のようになっています。
ここに作品を入れて、1回焼くのに48時間くらいかけるそうです。
三藤るいさんの窯では、実際に窯をたくところを見せて頂き、窯の外にある煙突から出る煙の色で、窯の中の温度を確認するというお話などを伺いました。
短い時間で打ち解けられる少人数ツアー
こちらが今回ツアーに参加したメンバーで、ゲストの方4名と、スタッフ2名で丸一日を過ごしました。
車内では、窯を訪問した感想や意見をシェアしたり、それ以外にも皆さんの普段のお仕事のお話やICCで良かったセッションについて語り合ったりなどして、午前中の時点で、もうすっかり家族のような密な関係になっていました。
丸一日五感を使って、少人数でディスカッションしながら移動できるのは、少人数ツアーの醍醐味で、ゲストの4名も、「大人の修学旅行みたいだ!」「僕たち、もう旅仲間ですよね!」と大変満足されていました。
お食事処「あるところ」でランチ
すっかり仲良くなった皆さんと、お昼は「あるところ」というお食事処にお邪魔して、唐津焼を使ったお料理を提供して頂きました。
お食事は、地元の食材をふんだんに使ったお料理でした。
まず、お野菜や海鮮の味がものすごく濃く、お野菜はシャキシャキしていて海鮮はぷりぷり。
味付けは、特徴があるというよりも、日本人の舌にすっと馴染むような、味は溶ける無くなるけれど、どこかに残っていて余韻でいっぱいみたいな、そんな素晴らしいお料理でした。
お出汁の味が効いていて、柔らかくてと、溶け込む味で最高でした。
午後の陶芸体験
午後は中野陶痴窯で陶芸体験をしました。
当たり前ですが、聞くのと自分たちでやるのとでは全然違ってとても難しいです。
けれども、参加者の方々と「こういう形いいよね」「完璧でないほうが、自分らしさが出ていいよね」とお話やディスカッションしながら体験できました。
丁寧に作り方を教えて頂きながら、完成させていきました。
まず、唐津焼はどんなものなのかを知る→それを体験してみる→作ってみる、この一連の流れを、この順番で行うことで、唐津焼というものにどっぷり浸かった1日でした。
私が伝えたいCRAFTEDツアーの魅力
最後に、私が大好きなCRAFTEDの魅力をお伝えしたいと思います。
私はこういう現場を訪問するCRAFTEDツアーが大好きで、これまでも行けるものは全部参加しているくらい大好きです。
その理由は結局、モノづくりの素晴らしさみたいなところに行きつくのですが、モノづくりで作り上げるのは、たった一つの「もの」ですよね。
けれども、それを作るまでには、想像できないくらいの作り手のストーリーが隠れています。
私たちが普段何気なく手にする「モノ」の奥には、実は作り手の皆さんの
- ものすごく時間をかけて磨き続けている技術
- ただ「良いモノを作りたい」というシンプルだけれど強い想い
- そして、このモノづくりをずっとやり続ける継続性
この3つが重なり合って、掛け合わされて初めて、この「モノ」が存在しています。
そして私たち使い手は、その奇跡のように誕生した「モノ」を見て、触れて、使って、体験して、食べ物の場合は味わって、人生を豊かにすることができます。
作り手と使い手を繋ぐ交差点のようなものが、この「モノ」なんだなあということです。
そして、CRAFTEDツアーの場合は、普段は交わらない作り手と使い手が、この「もの」を通してお互いのストーリーをシェアします。
使い手側も、例えば参加者の皆さんとディスカッションしながら、この良さを語り合うことができます。
ストーリーの濃さを何倍にもできるというところが、CRAFTEDツアーの最大の魅力だと思います。
だから大好きです。
唐津焼でお重を作るという挑戦
最後に一つ、素敵なエピソードのご紹介です。
今回訪問した陶芸家の三藤るいさんの夢は、唐津焼で「お重」を作ることだそうです。
お重は、おせち料理を入れる、四角い箱ですね。
お重は重ねて使うので、側面をまっすぐにして、蓋になる部分とぴったり合わせないと意味が無い。
それを自分の手で形づくって、窯で焼いて完成させるのは、ほぼほぼ不可能なことだそうで、何年も前から、師匠に相談して、毎年毎年作っては失敗しているそうです。
けれども、日本の文化の中で一番おめでたいお正月に、家族で囲んでお祝いする時に使うお重を、唐津焼でいつか必ず作りたい、とチャレンジし続けているそうです。
まさに、「技術」と、「作り手の想い」と、やり続ける「継続性」というキーワードが詰まった、まさに本物の「モノづくり」のお話だなと、とても心を打たれました。
「モノづくり」に目を向けると日常が豊かに
唐津焼は材料の調達から焼いて完成させるまで1人で行うので、その非効率性から産業として成り立つことが難しく、今のお弟子さんの仲間も十数人しかいないそうです。
効率性やどんどん広がる目に見えないサービスなどではなく、小さくても、こんなに、こんなに強いモノづくり産業のファンが少しでも増えたらいいなと思います。
それと同時に、皆さんの周りの「モノ」にも、必ずストーリーがあるので、少し興味を持って生活できたら、皆さんの生活が豊かになるのではないかなと思います。
ということで、機会があれば、CRAFTEDツアーにぜひ参加してみてください。
本当にお勧めです!!
▶編集注:唐津焼にご興味のある方は、ICC FUKUOKA 2021の下見レポートDAY3【特別プログラム「陶芸体験」・美食「あるところ」編】もぜひご覧ください。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/北原 透子/戸田 秀成/小林 弘美
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