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ICC FUKUOKA 2023 カタパルト・グランプリに登壇いただいた、FUNDINNO大浦 学さんのプレゼンテーション動画【日本の投資の流動性を高め、ベンチャー投資の市場拡大を目指す「FUNDINNO」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜 9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。
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【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
大浦 学
株式会社FUNDINNO
代表取締役COO
HP | STARTUP DB
2011年明治大学商学部卒業。2013年明治大学大学院グローバルビジネス研究科修了。大学院での研究テーマは「マーケティング」。同研究科で後の株式会社日本クラウドキャピタル代表取締役CEO柴原と出会い、柴原とともに、システム開発・経営コンサルティング会社を起業。2年目には黒字化を達成。その後、ベンチャー企業の育成に貢献したいという強い思いにより、2015年株式会社日本クラウドキャピタルを柴原と設立。代表取締役COOに就任。FUNDINNOの事業責任者としてサービスの拡充や改善などを牽引し、現在まで、業界トップの実績を維持する。2020年情報経営イノベーション専門職大学客員講師就任。2022年2月1日株式会社日本クラウドキャピタルから株式会社FUNDINNOへ社名変更。
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大浦 学 さん(以下、大浦) 「フェアに挑戦できる、未来を創る」FUNDINNOです。
よろしくお願いします。
右肩上がりで拡大傾向のベンチャー投資
ICCサミットもそうですし、今、スタートアップがどんどん盛り上がってきていると思います。
このベンチャー投資という市場は拡大傾向にあり、2021年度は0.8兆円で、右肩上がりで大きくなっています。
皆さんに質問があります、アメリカはどのくらいの規模だと思いますか?
日本が0.8兆円で、倍の1.6兆円なのか、はたまた10倍の8兆円なのか。
実は、日本円で換算すると、アメリカは約38兆円のマーケットです。
アメリカと比較すると、今の日本は約50分の1のマーケットしかないのです。
これだけ差が出ている中、成長企業を応援する0.8兆円のマーケットを絶対に大きくしなければいけないのです。
日本のベンチャー投資の2つの課題
なぜここまで差が開いてしまったのか、我々は2つの課題を認識しています。
1つ目は、投資家の多様性です。
スタートアップの資金調達は今、ミドル、レイターに何十億円といった大型ファイナンスが集中してきており、アーリーに対する資金提供が圧倒的に不足しています。
アーリーステージの場合、実績がうまく作れておらず、トラクション、PMFなど勝ち筋があまり見えていない状態ですから、どうしても「これくらいの実績が出たら投資します」「これくらいのトラクションがなければ投資できない」という状況が多くなってしまいます。
企業からすれば、その実績を出すために、トラクションを作るために資金を調達しなければいけない場面があるのです。
そこで、投資家の多様性が必要になるのです。
多様な投資家が非上場企業にアクセスできる仕組みを構築
我々は、個人がIT、インターネットを通じて、非上場企業に直接投資ができる仕組み、多様な投資家が非上場株式市場にアクセスできる仕組みを、株式投資型クラウドファンディングFUNDINNOとして、作ってきました。
我々は証券会社として、金商法という枠組みの中で、年間1億円未満の調達、1社あたり50万円までの投資ということで、個人投資家が直接プライマリーマーケットに投資ができる仕組みを、2017年度から提供しています。
トラクションは累計で、成約額94億円、成約数307件、投資家数11万7,000人で、月間流通額は最高額で3.8億円を2022年11月に記録しました。
投資家数、案件数は右肩上がりで増えており、シェアも約81%です。
投資家の多様性を実現することで、アーリーステージの企業に資金提供するのが、我々が絶対にやらなければいけないと思っていることです。
非上場株式の流動性が低い日本で、初のセカンダリーサービス
2つ目の課題は、非上場株式の流動性が低いことであり、これは絶対に解決しなければいけないと思っています。
これもアメリカとの比較になりますが、アメリカには、非上場株式を売買できる市場が存在しています。
アメリカにおける非上場企業への投資とは、ナスダックに上場するまでの10年間、株式を購入してから待ち続ける、持ち続けるというものではなく、途中で売れる仕組みがあるのです。
売りやすいから買いやすい、だからマーケットとして盛り上がっていくわけです。
日本はどうかというと、非上場株式を売買できる市場は、ほとんど存在していないのです。
日本で非上場企業に投資をすると、IPOをするまで10年間、待ち続け、持ち続けなければいけない。
かつ、IPOするのは年間100社だけなので、その100社に入るかどうかもチェックする必要があり、投資のハードルが高いままなのです。
つまり、上場するまで待ち続ける前提があるからこそ、投資しづらくなっています。
我々は、この非上場株式を流動化させることが絶対に必要だと思っています。
そんなことが本当にできるのかと思うかもしれませんが、できるのです。
我々が作りました。
非上場株式が売りやすく買いやすくなる、セカンダリーサービス「FUNDINNO MARKET」を2022年リリースしました。
日本で初めての事例です。
これによって、日本でも非上場株式が売りやすくなるので、買いやすくなる。
だからこそ、マーケットを大きくしていける。
ベンチャーキャピタルも、ファンドの償還期限が近づいた時に株式を得ることができれば、より投資しやすくなります。
このように流動性を作ることが、もう一つ、我々が取り組んでいることです。
法律改正でプレIPO企業まで支援可能に
今日は会場にプロの方もたくさんいらっしゃいますが、我々の仕組みで課題を解決できるのか。
「1億円未満しか調達できないし、50万円までしか投資できないので、小口の投資家が多くなる」という声をよく頂きますが、法律改正によって大型の調達が可能になっています。
約11万人のユーザーのうち、資産要件とリスク許容度の高い一定数の富裕層を集めることで、1億円以上、5億円でも10億円でも資金調達ができるようになっています。
これによって、これまではシード企業、アーリー企業がメインでしたが、プレIPO企業まで支援ができるようになりました。
我々が目指す世界は、IT、インターネットを通じて、多様な投資家が非上場企業に直接投資をし、その企業が資金調達によって成長し、IPOやM&Aを経なくても株式を売れる状況を作り、それによって再投資を生み、資金を循環させることで0.8兆円マーケットを大きくするというものです。
色々な金融機関、ベンチャーキャピタル、事業会社から応援していただき、新しい金融、仕組みを作っていこうと思っています。
資金調達規模を大きくし、新しい挑戦が生まれる世界に
スタートアップ育成5カ年計画として、0.8兆円のマーケットを2027年度には10兆円にしていこうという、政府方針も出ています。
0.8兆円のマーケットのうち、年間30億円を扱う我々のシェアは約0.3%です。
10兆円にまで拡大する市場の中で、約0.3%だと約300億円になりますし、シェアを1%獲得できれば約1,000億円になります。
「フェアに挑戦できる、未来を創る」というビジョンを掲げ、日本の失われた30年間の中で、資金調達の規模を大きくし、新しい挑戦が生まれる世界を絶対に創らなければいけないと思っています。
皆さん、ぜひ、応援をよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成