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“頭痛専門医”不足を、AI医療機器による診断と治療アプリで解決する「ヘッジホッグ・メドテック」

ICC KYOTO 2024 リアルテック・カタパルトに登壇した、ヘッジホッグ・メドテック 川田 裕美さんのプレゼンテーション動画【“頭痛専門医”不足を、AI医療機器による診断と治療アプリで解決する「ヘッジホッグ・メドテック」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2025は、2025年2月17日〜 2月20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは 慶應イノベーション・イニシアティブ です。

【速報】アルツハイマー病の治療に光! 新薬で世界規模の課題解決を目指す「Neusignal Therapeutics」が「リアルテック・カタパルト」優勝(ICC KYOTO 2024)


【登壇者情報】
2024年9月2〜5日開催
ICC KYOTO 2024
Session 7A
REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Sponsored by 慶應イノベーション・イニシアティブ

川田 裕美
ヘッジホッグ・メドテック
代表取締役社長
公式HP | 公式X

医師、医学博士、産業医。 2014年に厚生労働省入省。 2017年にメドレーに参画し、オンライン診療に関して、 Government Relations、アカデミアとの連携を推進。2020年からソフトバンクにて、 DTx領域の投資検討及び海外企業とのJV設立を担当。2021年にヘッジホッグ・メドテックを設立。


川田 裕美さん ヘッジホッグ・メドテック代表の川田です。よろしくお願いします。

我々が解決する課題は「頭痛」です。

この会場にも、「私は頭痛持ちだ」という方がいらっしゃるのではないかと思います。

頭痛持ちの人が病院で直面する問題

実は、日本人の2人に1人が月に1日以上頭痛に悩んでいるという結果があります。

頭痛が月1回以上起こる人は59.8%(エスエス製薬)

では、病院に行けばすべてが解決するのかというと、残念ながらそうではありません。

これはあくまでも一例ですが、頭が痛くて病院に行ったとします。

医師はくも膜下出血や脳腫瘍など、緊急性の高い頭痛かどうかを慎重に診ます。

痛み止めも出してくれます。

ただ、「痛みがひどくなったらまた来てください」といった形で帰されてしまって、患者さん側としては 、「この痛み止めだったら薬局でも買えたのに」「そもそもなぜ頭が痛くなるのか教えてほしかった」というようなもやもやを抱えて帰るケースが非常に多いです。

これには原因が2つあります。

1つは、非常に患者さんが多い一方で、頭痛の専門医は日本に約1,000人しかいません。

そのため、短時間で非常にたくさんの患者さんを診ざるを得ない状況があります。

2つ目は、頭が痛いという非常に主観的な症状を、そもそも患者さん側がうまく伝えられません。

結果として、医師側も評価できないといったところに大きな問題があります。

「プログラム医療機器」で課題解決

患者さんとしてもうまく訴えられない、お医者さんとしてもうまく評価ができないというこの課題を解決するために、我々は「プログラム医療機器」という、頭痛を定量的に評価し、かつ治療していく機器を開発しています。

「プログラム医療機器」は「医療機器として承認を得たソフトウェア」を指します。

従来、医療機器は例えばCTやペースメーカーなど、デバイスが存在するものを指していました。

それが薬機法の改正によってソフトウェア単体でも、例えば下の写真は我々の製品ですが、こういったご自身のスマホに入れていただくようなソフトウェア、アプリでも医療機器としての承認が得られることになりました。

医療機器プログラムについて(厚生労働省)

ただ、このためには安全性や有効性をきちんとデータとして示す必要があります。

我々がターゲットにしているのは「頭痛」です。

先ほど日本人の2人に1人が頭痛持ちだとお話ししましたが、これは決して日本に特有の現象ではなく、だいたいおしなべて10%程度の方が全世界的に頭痛持ちだといわれています。

40億人の広大な市場、比較的若い人が多いことも特徴で、30〜40代がボリュームゾーンです。

その結果として直接的な医療費の損失だけではなく、働けないことによる生活、経済的な活動への影響で、国内では2兆円を超えると試算されています。

診断と治療補助のアプリを開発

そこで我々が提供するのは、診断と治療を補助する医療機器です。

1つ目が診断補助の医療機器です。

正しい治療を開始するためには、まず正しい診断が必要です。

患者さんの問診情報を入力いただくと、自動的に5つのタイプに頭痛を分類します。

プロトタイプではすでに精度の検証を終えており、非専門の先生だともともと半分以下の正診率だったところが、これを併用することによって8割以上の正解にたどりつけることが検証されています。

2つ目が片頭痛の治療用のアプリです。

これはそもそもどういうふうに頭が痛いのか、どれぐらいの頻度で頭が痛くなっているのか、何かきっかけがあるのかなど、まず定量的にデータを取ります。

その上でどういったところがトリガーになっているのか、それに対してどう対処をすればいいのかを、アプリ側がアドバイスしてくれます。

また、痛いという辛い気持ちを緩和することによって「痛くなったらどうしよう」ということ自体がストレスにならないように、心理的にケアする機能も包含されています。

対面でのカウンセリングは頭痛に対して効果があることはすでにエビデンスとして分かっていますが、それをアプリの中に実装していっている状況です。

もともと週に1回、1回1時間程度のセッションが必要だったところをアプリが伴走することによって、いつでも好きなタイミングでこういった治療にリーチできることを目指しています。

今、診断と治療は医療機器としては別々に開発していますが、最終的にはこれらが受診前から診断、治療、その後のフォローアップとつながる一連のプラットフォームになるように開発を進めているところです。

実現すれば、頭が痛いと医療機関を訪ねた瞬間に、その人にとって最適な治療が提案できるようになるというところを目指しています。

アプリ利用料は健康保険でのカバーを目指す

ビジネスモデルです。

これは医療機器ですので、患者さんが病院に行って医師がアプリを処方するところがスタート地点になります。

一般的なアプリですと、アプリ内に課金するというモデルがあるかと思いますが、我々の場合は健康保険の中でカバーすることを目指しています。

患者さんが医療機関の窓口で支払う金額の中に、アプリの金額が包含されているという形が最終的なゴールです。

これを目指し到達することによって、患者さんは3割の安価な負担で、かつ医療機関としては診療報酬上で補填されることによって、アプリを処方すると儲かるというところを実現することが可能になります。

各大学との探索的な試験については、それぞれ順調に進行しております。

治療のアプリについても、頭痛の日数が減少することも確認できており、今、治験に向けて準備をしているところです。

医師が複数在籍する強力なチーム体制

私自身も実は医師でして、バックグラウンドとしては医療的な知識、もともと厚生労働省にいたので薬機法の改正や制度面の変化に対応できるところを強みにしています。

私以外にも複数名の医師が社内におりますし、ファイナンス面やプロダクト開発、医療機器としての承認取得についても非常に強いメンバーが揃っています。

アドバイザーとして日本頭痛学会の代表理事の竹島 多賀夫医師、認知行動療法の専門家である端詰 勝敬医師を迎えており、すぐに頭痛の最前線の情報にアクセスでき、作ったものを試していける非常に強いチームを持っています。

ただ、これから大きな治験が必要です。

出資をご検討いただける方、販売であったり、共同開発に関心をお持ちの方がいましたら、ぜひお声がけください。

ありがとうございました。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成

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