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ICC FUKUOKA 2025 カタパルト・グランプリに登壇いただき3位に入賞した、テラ・ルネッサンス 鬼丸 昌也さんのプレゼンテーション動画【元子ども兵の支援施設「スマイルハウス」を通して、平和をつくるビジネスに挑む「テラ・ルネッサンス」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。
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【登壇者情報】
2025年2月17〜20日開催
ICC FUKUOKA 2025
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
鬼丸 昌也
認定NPO法人テラ・ルネッサンス
創設者・理事
公式HP | 公式X① | 公式X②
認定NPO法人テラ・ルネッサンス創設者・理事。大学4年生の時に、初めてカンボジアを訪れ、地雷被害の現状を知り、「すべての活動はまず『伝える』ことから」と講演活動を始める。同年10月、大学在学中に「全ての生命が安心して生活できる社会の実現」を目的に、「テラ・ルネッサンス」設立。同団体では、カンボジア、ラオス、ウガンダ、コンゴ、ブルンジ、ウクライナ、ハンガリーで元子ども兵や難民、地雷被害者などの自立に必要な支援を実施している。また、平和の大切さを伝える講演を、これまでに約23万人もの人々に届けた。遠い国の話を身近に感じさせ、ひとり一人に未来をつくる力があると訴えかける講演に共感が広がっている。
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鬼丸 昌也さん テラ・ルネッサンスの鬼丸です。
この動画は、先日2月15日にコンゴ民主共和国で大きな戦闘があって占拠された町の様子を、住民が撮影したものです。
皆さんのご記憶にもある通り、ウクライナではまだ紛争が終わりません。

つまり、世界中には争いが起こり続けています。
カンボジア訪問で立てた問い「今、自分にできることは?」
こんな世界、どうしたら平和になるのだろうかと、私は小さい頃から考えてきました。

その問いを抱えながら、2001年、大学4年生の時、初めてカンボジアに行ったのです。

地雷除去現場に行った時、カンボジアでの地雷除去に600年もかかること、地雷被害の悲惨さを目の当たりにし、自分に今何ができるのだろうと考えてみました。


平和への願いを23万人に伝え、約26万人に支援を届ける
大学も新聞奨学生として通っていたのでお金はなく、地雷除去の技術もなく、まして英語も話せない、そんな状況でも、できることが一つだけありました。
それが、人に伝えること。

カンボジアに1週間滞在した後、日本に戻り、呼ばれれば幼稚園、老人ホームなどあらゆる場所で語り続け、この24年間で約23万人の方々に話を届けてきました。

すると、寄付をしたい、支援したいという人が現れてきて、「すべての生命が安心して生活できる社会(世界平和)の実現」を掲げて、テラ・ルネッサンスを設立し、今年で24年になります。

今、世界7カ国で紛争被害者の自立支援を行っています。

スタッフは100名ほど、年間予算は約5億円で、その6割は寄付で賄っているNGOです。
これまで、約26万人の方々にサポート、支援を届けてきました。

子ども兵の社会復帰を支援する場をウガンダに設立
中でも僕らが重要視して関わっているのが、子ども兵です。

▶子ども兵(少年兵)(テラ・ルネッサンス)
世界には18歳未満なのに、武器を取って戦わされている子どもたちが約30万人います。

特にウガンダでは、1986年からの内戦で、36,000人の子どもたちが武器を取って戦わされてきました。


一番年下の子ども兵は、5歳です。
5歳だと十分、AK-47、M18の小銃が持てるからです。
そんな元子ども兵たちに出会って、僕らにできることをしようと考え、2005年から元子ども兵の社会復帰のためのプロジェクトを、日本の団体として初めて、アフリカのウガンダで始めました。

心のケアと基礎教育、職業訓練や起業支援を実施
その場所を、スマイルハウスと呼びます。

心のケアを行い、

生活に必要な基礎教育も行い、

そして手に職をつけるための職業訓練も行って、

その技術を活かした起業支援を3年間かけて行ってきました。

元子ども兵にどんな変化があったのでしょうか?
月収56倍、人とのつながりは3倍、自尊心が1.7倍に
まず月収は56倍です、これはウガンダの公務員の平均月収をはるかに超えています。

それにより、周囲の人々との関係性も改善してきました。

また、自尊心が1.7倍に。

なぜこんな状況になったのでしょうか。
簡単です、皆さんと同じです。
ビジネスを行っているからです。
ビジネスは人を信頼し、人から信頼されることを再確認するのに最も適したものです。
僕らは、ビジネスを通して人間性を回復した326人を支えてきました。

職業訓練を経て洋裁学校を設立した女性
例えば、このモニカ(仮名)という元少女兵は13歳の時に誘拐され、兵士にされましたが、テラ・ルネッサンスの支援を受けて洋裁店を開き、繁盛させます。


その様子を見た周りの女性が、技術を教えて欲しいと懇願しました。
彼女が何をしたかと言うと、高利貸しからお金を借り、ミシンを10台購入し、部屋を借りて学校を開いたのです。

彼女は今や、180人の貧しい女性に洋裁を教える校長先生として活躍しています。
傷ついた元子ども兵が教えてくれたこと、それは、「人は変わることができる。いつでも、いつからでも、そして、いつまでも。」です。

暴力以外で紛争を終わらせるという希望
その元子ども兵たちが私たちに、もう一つの希望を教えてくれました。
今、世界に必要なのは、紛争を暴力以外で終わらせることです。

ウガンダで子どもたちを誘拐して兵士にしていた「神の抵抗軍」は、ウガンダからコンゴ、中央アフリカに逃げています。
▶神の抵抗軍(ウィキペディア)


1,500人ほどいますが、彼らがウガンダに戻れないのは、ウガンダに戻っても生活ができないのではないかという不安があるからです。
そこで、私たちが支援した元子ども兵のパトリスを派遣し、「俺を見ろ、お前たちと同じ子ども兵だったが、今はテラ・ルネッサンスの支援を受けてお金を稼げている。だから帰ってこい」と声をかけたところ、151人がウガンダに帰ってきたのです。

単純計算すると、これを10回繰り返せば、1,500人の神の抵抗軍を壊滅させることができます。
紛争以外で紛争を終わらせるという世界で初めての事例を、僕たちは実現します。
「スマイルハウス」で日本人も変わる
このような人物を育てる「スマイルハウス」は、まさに平和をつくる場所です。

スマイルハウスを訪れると、元子ども兵たちがダンスで歓迎してくれます。
このエネルギーはとてもすごいです。
151名の元子ども兵も、このスマイルハウスで一生懸命学び、成長しています。



スマイルハウスは、人が変わる場所とも言えます。

ここを、たくさんの日本人も訪れました。
例えば、高校生の宮村 和輝さんは、なぜ支援をするかと問われると、家族だからと答えるようになりました。

小学校6年生の落合 航太郎くんが元子ども兵に何が幸せかと聞くと、自由という答えが返ってきたので、今は自分もそう思うとのことです。

このように人を変えるスマイルハウスというモデルを、僕は世界に広げていきたい。

紛争や暴力のない世界を実現する、それを日本のNGOが行うモデルを、皆さんと一緒に作っていきたいと思っています。
だからお願いがあります、封筒の中にご案内が入っています。
皆さん、ウガンダに、スマイルハウスに来ませんか。

そこで自分と世界が変化する体験を、一緒に味わっていただきたいのです。
私たちは微力だけれど、無力ではない
最後に、皆さんに申し上げたいことがあります。
僕もそうでしたが、どこかで平和を諦めていませんか?
今、ウガンダで、パレスチナで、ウクライナで、日本の片隅で、声を上げられない子どもたちからすると、平和は今一番欲しい現実なのです。

子どもが今欲しいものは、今、与えなければいけません。
それが大人の役割です。
私は考えます、私たちは世界の大勢に対して微力ではありますが、決して無力ではありません。

平和をつくるというのは、究極のビジネスです。
だから皆さん、一緒にやりましょう。
テラ・ルネッサンスでした、ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成