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ICC FUKUOKA 2025 ソーシャルグッド・カタパルトに登壇、6位に入賞した、Tomoshi Bito 廣瀬 智之さんのプレゼンテーション動画【Z世代に届く動画メディアで、社会課題への行動変容を生む「RICE MEDIA」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。
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【登壇者情報】
2025年2月17〜20日開催
ICC FUKUOKA 2025
Session 11A
ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 –
Sponsored by ICCパートナーズ
廣瀬 智之
Tomoshi Bito
代表取締役社長
公式HP | 公式X① |公式②
1995年滋賀県生まれ。学生時代報道写真家を志し、取材活動に取り組む。情報過多な現代において、社会的な発信が届きづらくなっている現状に課題意識を持ち、Tomoshi Bito株式会社を創業。社会課題を企画やキャッチコピーなどの力で分かりやすく、面白く届ける動画メディア「RICEメディア」を展開している。3年間で再生回数3.2億回を記録し、YouTubeが発行する「YouTube Impact Report」に時事問題やニュースを広げるクリエイターとして掲載。SNSフォロワー数は約50万人(2025年1月時点)。社会課題解決に取り組むZ世代・ミレニアル世代を表彰する「BEYOND MILLENNIALS 2024」に選出。第7回日経ソーシャルビジネスコンテストにて大賞を受賞。
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廣瀬 智之さん 皆さん、こんにちは。
RICE MEDIAのトムと申します。
フォロワー50万人、Z世代に社会課題を届けるメディア
「RICE MEDIA」は、1分間のショート動画で、若年層に社会課題を届けたい、そのような思いで始まった、動画メディアです。

総フォロワー数は、50万人です。

視聴者の約半数を、Z世代が占めており、企業・団体より依頼を受けて、社会に取り組みを1分間で紹介する、そういった広告動画を配信するビジネスを展開しております。

自分が興味のあるものしか見ない行動が分断を生む
さて、皆さんに、お伺いです。
現在、世界が直面している、最大の社会課題――そう聞いて、皆さん、何が思い浮かびますか。

それは、社会の分断です。

トランプ大統領を支持する人としない人、気候変動やマスコミを信じるという人とそれらはフェイクニュースだと言う人など、私たちの生きる社会では、大きな分断が起こっています。

では、なぜ、分断は起こるのでしょうか。
それは、自分が興味のあるものや知りたいことしか見ないという行動によるもので、そういった行動を引き起こしているのが、SNSです。

SNSは、アテンションの集めやすい、刺激的な意見やフェイクニュース、また、自分が興味のあるものが優先的に表示されるアルゴリズムによって、面白いコンテンツを見る人が、増えています。


真剣なテーマは興味を持ってもらうのが難しい
実際、現在の日本では、ニュースに関心がある人は、半数以下です。

若年層の行動を見ても、主に、お笑いやゲームなど、エンタメを視聴している状況があります。
一方で、僕たちが取り組む社会課題は、とても真剣で、本質的なテーマです。

だからこそ、なかなか届かないのです。

興味を持ってもらうことは、とても難しいです。
社会課題に興味のない人に知ってもらうには?
しかし、本当は、より多くの人たちに知ってもらわなければならない分野ではないでしょうか。
社会のことを真剣に考えて真面目に取り組んでいる方々が、冷笑されたり、共感されなかったりする、そのような世の中は、僕は、おかしいと思います。
現在、社会の課題に興味がない人も含めて、届ける発信が必要です。

では、どのようにして、「RICE MEDIA(メディア)」は、そのような発信を実現しているのでしょうか。

視聴者の約半数がZ世代、驚異の再生回数の動画
実際の動画を、お見せしていきたいと思います。

「いったい、なぜ、せっかく獲れた高級魚を海にリリース
漁師さんが魚を逃がす驚きの理由を紹介します!
「RICE MEDIA」トムです。
今回、僕は、深刻な海の問題に挑む、
新しすぎる漁師がいると聞きつけ、岡山県玉野市にやってきた!
実は、魚の獲りすぎや気候変動により減少を続ける魚介類。
2048年には、食用魚がいなくなるとの論文も発表され、
世界で対応が求められる現状があります。
そんな問題に立ち上がった富水さん。
もともとは獲れた魚を市場に卸す一般的な漁師さんでしたが、
今年から開始したのが、
消費者からネットで注文を受けた分だけ魚を獲る、完全受注漁という方法です。
受注以上に獲れた魚は、その場で逃がす。
漁獲量は、3分の1に減少」
このように、明るく元気なテンションで、全国の社会のよい取り組みを、紹介しています。
そのほかにも、1カ月使い捨てプラスチックを使わない生活に挑戦する企画は、総再生回数3,000万回を獲得しました。
こうした、様々な社会派エンタメ企画にも挑戦しています。
その結果、現在、総フォロワー数は50万人、月間のユニークユーザーの平均は400万人にも上ります。
そして、主な視聴者層は、Z世代です。
視聴者の約半数(48%)が、24歳以下の若者で構成されています。
課題を伝えるレポーターもZ世代
直近3年間で、レポーターも増えました。
約200名からご応募いただき、数万人フォロワーを持つZ世代の3名を、新たなレポーターとして迎え、300本の動画を配信し、累計再生回数は3.2億回を突破しました。



なぜRICE MEDIAの動画は届くのか
では、どのような方々に、動画が届いているのでしょうか。

この点が、最も重要です。
興味がある人に届いているのではないか?と、思われるかもしれません。
実際の声を、ご紹介します。
「普段、自ら情報の媒体に触れないので、本当に助けられています。」
「ああいうタイプの動画の大半に、拒否反応を覚えるけれども、『RICE MEDIA(メディア)』だけは楽しんで見られるから、よいですね」
「SDGsもエコもガチでクソ喰らえだけれど、『RICE MEDIA(メディア)』は好き」

こういった方々に、情報が届けられているのです。
では、なぜ、届くのでしょうか。
着目したのは、「届け方」や「伝え方」です。

まず、「届け方」について、僕たちは、拡散性の高いショート動画を、活用しています。

社会課題を伝えるRICE MEDIAの工夫
しかし、もちろん、どのような動画でも届けられるわけではありません。

TikTokやYouTubeを研究して、仮説・検証を繰り返し、フォーマットを作ってきました。
工夫①冒頭3~5秒のコピーや映像にこだわる
例えば、動画の冒頭3~5秒の視聴選択率は、再生回数に、大きな影響を与えます。

僕たちは、社会課題を扱っていますが、キャッチコピーや映像のインパクトによって、「どういうことなのか続きを知りたい」という感情を引き起こし、まるで、これからエンタメが始まるような入りで、社会課題に関心がない人にも、リーチをしています。

▶編集注:左は「【まさかの】大量の使い捨てカイロで汚水を綺麗する会社があった」(Instagram)

▶編集注:左は「男にはなかなか想像がつかない生理痛 もし、同じ痛みを体験することができたら…?」(Instagram)
結果、約7割の方が、動画の視聴を選択しています。

工夫②テンポ感とストーリーテリングで視聴継続率73%
また、平均視聴維持率も、重要なポイントです。

離脱を防ぐために、あえて速いテンポで展開をしたり、また、ストーリーテリングのスキルを磨いたりしました。


その結果、視聴維持率は73.2%、よい動画としてアルゴリズム認知され、高い再生回数を獲得しています。

1本の動画から大量のシェアが発生
また、シェア数も、非常に多いです。
YouTubeで生まれたシェア数は、約13万件です。

単純計算で、1本あたり、約400件のシェアが発生しています。

UGCを大量に生成して、良質な認知を広げることが可能です。
※UGCとは、User Generated Contentの略称で、ユーザーが生成したコンテンツのこと。
社会課題に取り組む様々な企業、団体とタッグ
こちらが、ビジネスモデルです。

「RICE MEDIA」は、取材動画を、すべて無償で承っています。
ただし、社会によい取り組みに限った、タイアップ動画の制作を承っています。
非営利団体から行政、ナショナルクライアントまで、3年で累計33社・44案件の大多数が、お問い合わせから発生している状況です。

ありがたいことに、 朝日新聞社や日本テレビをはじめ、様々なメディアから、制作支援や勉強会の依頼も頂いてきました。

ユーザーや視聴者増、動員に“結果の出る動画”
また、私たちは、結果を出します。
「食品ロス」削減のためのフードシェアリングアプリ「TABETE」の事例です。
5本の動画配信によって、約13万人のユーザーが増加しています。

国境なき医師団は、イベント動員数が約5,000名と、過去最高に、若年層の集客に成功しました。

株式会社 メルカリの「mercari R4D」チャンネルのコンテンツ制作を受託しています。
平均再生数を、約5300回から約77.7万回まで、増加させることができました。

こうした施策はご好評をいただいており、売上もますます増加しています。

Z世代をコミュニティ化、行動変容の入り口をつくる
次に、成長戦略です。
私たちが見据えているのは、広告だけではありません。
これから、視聴者であるZ世代を、コミュニティ化していきます。

まず、こちらを、ご覧ください。

実際に、視聴者から届いたメッセージです。
なんと「RICE MEDIAが紹介した企業に就職した方が、実際にいらっしゃいます。

紹介した場所に行くために、九州にいらっしゃった方は、神奈川県の高校生です。
実際に、商品購入につながった方も、大勢いらっしゃいます。


このように、紹介しきれないほどの行動変容が、生まれています。
単に見て終わりではない、それが、RICE MEDIAの圧倒的な強みなのです。
社会に何かよいことをしたい、そのようなZ世代に対して、社会をよくする会社で働きたい=就活、現場に行ってみたい=旅行、社会をよくする商品を買いたい=販促、といったように、様々な企業と手を組み、これからの時代を担うZ世代に、行動の入り口を作ることによって、大きなインパクトを生んでいきたいと思っています。
それぞれ、大きな市場が存在します。
採用の広告市場は、7,417億円です。
このうち、1%でも獲得できれば、74億円の売上を生むことが可能です。

これは、Z世代に大きなメディアパワーを持っている、僕たちだからこそ、可能な事業です。
このように、僕たちは、インパクトも売上も、必ずスケールさせていきます。

ソーシャルという言葉を使う以上、本当にインパクトを追い求めなければならないと、僕たちは考えているからです。
20歳でジャーナリストを志す
最後に、僕が、このような事業に挑む理由を、お話しさせてください。
元々、僕は、社会課題の力になりたいと考え、ジャーナリストを志していました。

“自分たちの存在に、世間は興味を持ってくれない”――そのような言葉を、本当に多く聞いてきました。

しかし、そのような世の中は、あまりにも虚しくないでしょうか。
社会の課題への関心がより集まる情報を届ける
社会の課題への関心がより集まる、そのような世の中を、僕は、作っていきたいと思ったのです。
本日、登壇されている皆さんが取り組まれているような活動が、社会に浸透していくことが、本当に大事だと思っています。
そのためには、情報を届ける役割は、誰かが担わなければならないのです。

それこそが、私たち「RICE MEDIA」の使命だと、思っています。
皆さん、Z世代は無関心ではありません。
情報が届いていないだけなのです。
情報が届けられれば、動いてくださる方々が大勢いらっしゃることを、僕たちは、知っています。
情報を届ける役割を、私たちが担います。

▶編集注:右は「【感謝】YouTubeの「青の盾」ゲットしました」(YouTube)
社会をよくする活動をされている皆さんと、力を合わせて、よい社会を、一緒に作っていきましょう。
ご清聴をありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/中村 瑠李子/戸田 秀成