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ICC KYOTO 2025 ソーシャルグッド・カタパルトに登壇いただき、見事優勝に輝いた、Earth Company 濱川 知宏さんのプレゼンテーション動画【“インパクトヒーロー”を育成し、世界中で小さな革命を起こし続ける「Earth Company」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2026は、2026年3月2日〜3月5日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。
▶【速報】“インパクトヒーロー”を育成し、世界中で小さな革命を起こし続ける「Earth Company」がソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2025)
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【登壇者情報】
2025年9月1〜4日開催
ICC KYOTO 2025
Session 11A
ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 –
Sponsored by ICCパートナーズ
濱川 知宏
Earth Company
共同創設者・最高探究責任者
公式HP | 公式X
ハーバード大学卒業後、NGOスタッフとしてチベット高原で働き、後ハーバード大学ケネディ行政大学院で修士号取得。英国大手財団CIFF、国際開発NGOコペルニク、世界銀行バングラディシュなどの勤務を経て、ソーシャルイノベーション、インパクト評価、サステナビリティ教育を専門とする。2014年、ダライ・ラマ14世より「Unsung Heroes of Compassion (謳われることなき英雄)」受賞。元東京大学特任助教。国際会議での登壇や国際ジャーナルにおける論文出版の実績多数。国内外のソーシャルベンチャーやNPO団体のアドバイザー・理事として従事。B corp認証ホテル「Mana Earthly Paradise」共同創設者。
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濱川 知宏さん 皆さん、こんにちは。
インドネシアのバリ島から参加しております、Earth Companyの濱川 知宏です。
人類はどこへ向かう?
唐突ですが、人類は、どこへ向かうのでしょうか。

便利さの最果てに、何があるのでしょうか。

AI世界で、人間の役割は何でしょうか。

2050年までに地球環境はさらに悪化
2050年までに、地球環境は、さらに悪化していくと言われています。

北海道の気温が40℃に到達した今年(2025年)だからこそ、いずれも現実味を帯びてきました。

あらゆる意味で、危機的な状況です。
人類の軌道は変えられる
Earth Companyは、我々人類の軌道を変えたい、小さな革命を起こして変えたい。
そして、変えられると信じています。

「それは国連とかが取り組むことじゃないの?」と笑う方もいらっしゃるでしょう。

しかしながら、我々は本気です。
覚悟を決めた小さな集団、Earth Companyは本気です。

ベラの夢、東ティモール初のエコ・スクール開設を支援
このような壮大な挑戦は、2014年、東ティモールの友人、ベラ・ガルヨスの夢から始まりました。

▶東ティモールに国内初のエコ・スクールを開設したい!(READYFOR)
アジア最貧困の地域に、環境教育学校を建てたかったのです。

政府からの支援金は、そのような支援を女性には届けたことがないという信じがたい理由で破談となりました。
憤慨した我々は、クラウドファンディングを含む500万円の資金を集め、学校を完成させました。
人類の軌道をともに変える仲間「インパクトヒーロー」
ベラを支援させていただき気づいたことは、「ために」ではなく、「ともに」の醍醐味です。

我々は、このように「ともに」歩む仲間を、「インパクトヒーロー」と名付けました。

人類の軌道を変える、協働事業者の方々です。

20カ国から52人のインパクトヒーロー
当初、我々は、(支援対象の方を)勝手に選び、支援させていただいておりましたが、現在は公募制です。

毎年、アジア太平洋中の約100人からご応募いただき、その中から約10人を選出して、1年間の支援を行っております。
▶インパクトヒーロー支援事業(Earth Company)

地球を守るインパクトヒーローは、ゴ(5)レンジャーをはるかに超え、52レンジャーになりました。
世界人口の半分以上が住むアジア太平洋の各地で、小さな革命を起こし続けています。

アジア版ICC ソーシャルグッド・カタパルトと言い換えられるかもしれません。

我々は、さらに毎年1人の優勝者を選び、1,000万円以上の資金提供を含む、包括的なサポートを、3年間、全力で届けます。

直近10年間で、インパクトヒーローとともに、災害支援、平和構築、難民支援など、11カ国で35プロジェクトを実施、614万人を支援してきました。

並外れた変革力を持つチェンジメーカーたちを支援
強者揃いですが、本日は、そのうちの2人を紹介させてください。
1人目は、フィリピンやインドネシアで活動する、現代のマザー・テレサ、ロビン・リムです。

彼女が設立した、駆け込み寺のような助産院兼医療施設(NGOブミセハット国際助産院)の事業拡大のため、我々が5,000万円の資金調達を代行することによって、彼女の活動を大きく飛躍させることができました。
2人目は、東南アジアで現代奴隷の撲滅に奮闘する、タイ人の人権活動家、パティマ・タンプチャヤクルです。

実は、彼女はノーベル平和賞候補者です。
▶︎映画『ゴースト・フリート 知られざるシーフード産業の闇』
支援事業は、半分冗談・半分本気で、国家元首の育成アクセラレーターになりつつあります。

初代インパクトヒーローのベラと、モンゴルのオユナ(オユンゲレル・ツェデブダンバ)は、大統領選挙に出馬予定で、もし当選すれば、両国初の女性大統領となります。

鳥肌ものです。
リジェネラティブなあり方を体験できるホテルを開業
「インパクトヒーロー支援はいいが、自ら実践しなくては、新たな軌道を見せられないのでは?」――はい、まさにそのとおりです。

2019年に、サステナビリティ実践の場所を、ホスピタリティ素人の我々が、立ち上げました。
しかも、パンデミック直前という最悪のタイミングでした。

我々のエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」は、新しい木を1本も切らずに家屋の廃材で建設し、照明は太陽光発電を用いて、雨水を貯め、野菜を育てるという循環を体現しています。
3年前から、インパクトヒーローのファイナリストが集まる、未来の扉を開く作戦会議の場にもなっています。

おかげさまで、パンデミックを生き延び、現在では、研修施設として稼働しており、3年前にホテルとして、B-Corp認証(※) を獲得しました。
▶編集注:株主だけではなく、従業員、消費者、地域社会、環境に対して包括的な利益を生むビジネス活動を国際的に認証する制度。米国の非営利団体「B Lab」が2006年に開始。

過去5年間で、58カ国、約3,700人が宿泊、10万人近くのお客様が、レストランを訪れてくださっています。


資本主義からリジェネレーションへの転換の象徴です。

まさに、このようなリジェネラティブな世界に関する、私へのインタビュー記事が、5日前(2025年8月30日)の毎日新聞の朝刊に、大きく掲載されました。
▶人と自然、あり方問う アースカンパニー 濱川知宏さん(毎日新聞 有料記事)
言い換えますと、“令和版五方よし”です。

学校と企業へ研修を提供
「人類の軌道を変えたいのであれば、次世代を育て、企業が変わらないとだめなのでは?」――はい、まさに、そのとおりです。

そのため、我々は、世界各国の幅広い年齢層に、越境体験、課題解決、リーダーシップやグローバルマインドを育む体験を、対面・オンラインを通じて提供しています。
▶インパクトアカデミー研修事業(Earth Company)


国内においては、中学校、高等学校、大学、企業に、研修を提供してきました。

たとえば、立命館高等学校の場合、引率した中西 美佐先生は、「まさか、これほどまでに凄まじい研修とは」と驚かれ、生徒たちは5年連続、バリ島に渡航しています。

また、企業研修に関しては、サントリーホールディングスとの超大型案件が現在進行形で実施中です。
2024年は250人、本年(2025年)は320人の新卒2年目の社員全員が、バリ島に渡航し、サステナビリティ研修に参加しています。

▶2024年より、新卒2年目の全員を対象に海外研修を開始!(サントリーホールディングス)
パナソニックの次世代リーダー育成も、バリ島が舞台で、30歳前後の悩める優等生の方々が、越境体験を通じて、鎧を脱ぎ、アンラーンしています。
▶NGOがバリ島で次世代リーダーを志すパナソニックグループの若手メンバーに越境研修を提供(PR TIMES)

小さな革命は、確実に起きています。
悲しみや極限の体験を乗り越えて
そもそも、なぜ、こういった取り組みをしているのか。
私は、日本生まれ海外育ちの人生を、45年間、生きてきました。

著名な大学を卒業し、信じられない賞(※) を頂き、立派な国際機関で働くという、いわゆる世界最高峰を味わわせていただきました。
▶編集注:「Unsung Heroes of Compassion (謳われることなき英雄)」のこと。受賞の経緯は団体設立背景・ビジョン・ミッション(Earth Company)に詳しい。

そうした一方、月給8万円でマイナス40℃という極寒のチベットの地でNGO活動を行ったり、インドの奥地でドキュメンタリー撮影をしたりと、さまざまな修羅場もかいくぐって生きてきました。

人生の酸いも甘いも体験して実感したのは、我々人類は、クリティカルな岐路に立たされているということです。

Earth Companyを立ち上げる少し前のある日突然、私は、5歳上の兄を病気で亡くしました。

享年35歳でした。
小さい頃から憧れていたヒーローを失い、心に穴があきました。
このような深い悲しみや極限の体験を乗り越えたからこそ、この短い命を懸けていく決意が固まっています。
地球は子孫から借りているもの
普段、私はバリ島に住んでいます

12歳、10歳、7歳、4歳の4人の子どもがいます。

子どもたちに、この地球を受け渡していくには、この言葉が何より大事だと思っています。

美しい地球を返していって初めて、人類の軌道は変わります。
人類の本気と可能性が試される時代
皆さん、人類はどこへ向かうのか。
Earth Companyは、直近10年間、アジアを中心に、無数の小さな革命を巻き起こしてきました。

最初は根拠のない自信しかありませんでしたが、今では、バリ島と日本の2拠点で、仲間は70人に増え、結果的に、アジアのみならず世界においても、オンリーワンの存在になったと、誇りに思っています。


今後の10年間は、地球にとって最重要と言われています。

気候危機、世界紛争など、すべてにおいて修羅場で、人類の本気と可能性が試される時代に突入します。
地球船号Earth Companyでともに航海を!

地球船号Earth Companyは、次の10年間の航海に向けて、まもなく出航予定です。

この7分間に、何か根源的なことを感じてくださった方、ワクワクした方は、ぜひご乗船いただきたいです。

色々な乗組員をお待ちしております。
これほどまでに大きな志ですので、人類みなコラボレーターという思いです。
バリ島に、ただ遊びにくるのも大歓迎です。
乗ってみたい方は、ぜひ挙手、お願いします!
人類の軌道、一緒に、変えていきましょう!
ご清聴ありがとうございました
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/正能 由佳/中村 瑠李子/戸田 秀成


