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ICC KYOTO 2025 クラフテッド・カタパルトに登壇いただき3位に入賞した、道の駅とよはし 吉開 仁紀さんのプレゼンテーション動画【農業・オリジナルみやげ・体験型観光で、行きたくなる道の駅をつくる「道の駅とよはし」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください！
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2026は、2026年3月2日〜3月5日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはJ．フロント リテイリングです。
▶【速報】規格外食材や地域課題を美味しく詰めこんだ“現代ソーセージ“をつくる「ハヤリソーセージ」（流行）がクラフテッド・カタパルト優勝！（ICC KYOTO 2025）
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【登壇者情報】
2025年9月1〜4日開催
ICC KYOTO 2025
Session 8A
CRAFTED CATAPULT 豊かなライフスタイルの実現に向けて
Sponsored by J．フロント リテイリング
吉開 仁紀
道の駅とよはし
副駅長(取締役）
公式HP
1988年生まれ、愛知県岡崎市出身。（株）道の駅とよはし 常務取締役 副駅長、（合）バンザイ 代表。大学卒業後、2011年に豊橋市役所入庁、2015年から経済産業省に出向し地方創生事業、地域経済政策を担当。2017年より豊橋市の農業政策に携わり、2019年より株式会社道の駅とよはしへ副駅長として着任。年間来場者数100万人を目標としていた道の駅をコンテンツの創造、広報戦略を強化することで、年間220万人以上が来場する施設にプロデュースし、数々のメディアにとりあげられる人気施設に成長させた。新商品開発／場づくりが得意。民間公園バックヤードパーク開業に向け仲間集め進行中
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吉開 仁紀さん ご紹介賜りました、愛知県豊橋市にございます道の駅とよはしからやってまいりました。
吉開と申します、本日はどうぞよろしくお願いいたします。
私は日頃、道の駅とよはしの経営、運営に携わりながら、全国に数多くある道の駅に無限の可能性を感じております、道の駅おじさんでございます。
全国の道の駅の数はいくつある？
まず、スクリーン192という数字が映っておりますが、何の数字かお分かりでしょうか？
審査員の方に聞いてみたいと思います。
「道の駅の数」？
では、お隣の方はどうでしょうか。
「道の駅の数」、ですね。
この数字はですね…私の身長です！
（会場笑）
受けて良かった（笑）、ありがとうございます。
（会場拍手）
これで受けなかったらどうしようかと思い、すごく緊張していました（笑）。
そうなんです、私がお伝えしたいのは192という身長ではございません。
全国の道の駅は、北海道から沖縄まで、実は1,230、ございます。
多いと思った方が多いのではないでしょうか。
マーケット拡大中、道の駅の意外な現実
もともと道の駅は、皆さんも一度は利用されたことがあるようなサービスエリアやパーキングエリアのような、休憩所としてスタートしております。
それが30年の時を経て、どんどん、どんどん、どんどん増えまして、気づいたら全国1,230箇所にまで増えたということです。
数が増えているので、約1県あたり2箇所だった道の駅は、現在25箇所にまでなっています。
今も、年10箇所以上増えているような業界です。
数が増えているので、マーケットサイズも大きくなっています。
2011年に2,100億円だったマーケットは、2025年には3,500億円を突破したと言われています。
一見、道の駅の業界は良いことばかりではないかと思われるかもしれませんが、実はこの業界、補助金などの公金が入らなければ、7割は赤字とも言われているのです。
皆さん、道の駅と聞いてどんなことをイメージするでしょうか。
よくあるのはお野菜などの産直売場、そして地元の果実を使ったジャムやドリンク、その他にも、先ほどお伝えしたようにドライバーの休憩所、田舎にしかない、こういったことを想像されるかと思います。
そうなんです、道の駅のイメージは30年来、変わっていません。
産直店もB級グルメもあり、百貨店も兼ねる道の駅
我々が2019年に、道の駅とよはしを創業した際、これらのイメージをひっくり返そうという決意を持ってスタートしました。
皆様が想像するような産直売り場、ございます。
豊橋カレーうどんという、とっても人気のB級グルメも販売しています。
ただ、それだけではございません。
地方に行けば百貨店がどんどんなくなっており、そこに住まう人たちは、お中元やお歳暮、ギフトを送れる場所を失っています。
我々は、道の駅が、百貨店の役割を担えるのではないかという思いを込めて、「te mi yo」というギフトショップを作りました。とっても人気です。
道の駅×農家の取り組み
今年もめちゃくちゃ暑いですよね、猛暑というよりも酷暑のレベルだと思います。
そうなると、地方の基幹産業である農家の農作物はどうなるでしょうか。
高温障害で、良いものが作れなくなってしまいます。
我々はそんな農家と協力し合いながら、所得が増える新しい方法を考えております。
ポップコーンの原料となるとうもろこしの種を栽培いただき、我々が道の駅に作ったポップコーン専門店の原料を買い取って販売するという、業界では初めての取り組みを行っています。
人気のポップコーン専門店となっています。
それ以外にも、子供たちに食と農の楽しさを伝える収穫体験補助を整備しています。
クリエイターとのコラボでお土産を開発
道の駅のお土産と聞くと、皆さん、思うことがあると思います。
「何だかダサい、ちょっと惜しい、買いたいけど買っていいのかな」
そんなイメージを変えるために、20代、30代の方たちが思わず一目惚れする味やパッケージを、全国のクリエイターの皆さんと開発しています。
ソフトコンテンツで地域づくり
ソフトコンテンツにも取り組んでいます。
今日はクラフトビールの会社の方もいらっしゃると思いますが、愛知県で一番大きなクラフトビールイベント、「アワアワアワー」を実施しています。とても人気です。
地方には、たくさんの耕作放棄地がありますよね。
我々も、豊橋市にある耕作放棄地を再生させてさつまいもを栽培し、シンガポール、タイ、香港などに輸出するパイロット事業にも挑戦しています。
それ以外にも、未来ある、農家の担い手の皆さんにスポットライトを当てる広告媒体、道の駅とよはし通信を作っています。
まだまだあります。
豊橋は観光都市ではありませんが、少しでもいろんな方に来ていただいて、魅力ある地域にする取り組みとして、1人乗りバギーでアクティビティを行う、ネクストクルーザーガイドツアーを実施しています。
全国から、若い方たちが集まっています。
さらに、来年の春の開業を目指して、公園作りにも着手しました。
我々は、何億円という投資をしているわけではございません。
ただ、目の前にある課題に真摯に向き合って、それをビジネスにつなげるということをずっと 行っています。
2019年には14.5億円だった道の駅全体の総取扱高は、今年、21億円まで到達しそうです。
道の駅にはまだまだ可能性がある
道の駅の業界平均年商は、4.5億円と言われています。
まだまだ、こんなものでは終わらせたくないです。
もし、ミシュランの掲載店があったらどうでしょうか。
私は行きたいです。
日本で、ここでしか飲めない幻のお酒があったら、私は飲んでみたいと思います。
日本中の道の駅がもっともっと魅力的だったら、地域に行くのがもっと楽しくなるのではないでしょうか。
ただ、先ほども言った通り、マーケティング、クリエイティブ、ファイナンス、この業界は全てが足りていないのです。
ただ、これらは他の業界では当たり前に行っていることだと思います。
先ほど皆さんに笑っていただきましたが、僕は身長が192cmあります。
もう一つの肩書きは、5年前まではビジネス素人の行政職員でした。
こんな私でも、目の前の課題に向き合い続けて結果を出すことができた。この会場にいる皆さんとなら、もっともっと、道の駅業界をよくできるんじゃないかと感じています。
クリエイター、マーケッター、ファイナンス……
もっともっと多くの方に、この業界に関心を持ってもらいたいです。そして、もっともっと、日本の地域を面白くしていきましょう！
そんな、道の駅業界の少し未来の話をさせていただきました。
ご清聴ありがとうございました。
（終）
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編集チーム：小林 雅／浅郷 浩子／正能 由佳／戸田 秀成