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ICC KYOTO 2025 カタパルト・グランプリに登壇した、ジェイキャスエアウェイズ 梅本 祐紀さんのプレゼンテーション動画【2026年秋就航!観光客の新たな人流を創出し、地域創生に挑む航空スタートアップ「ジェイキャスエアウェイズ」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2026は、2026年3月2日〜3月5日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。
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【登壇者情報】
2025年9月1〜4日開催
ICC KYOTO 2025
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
梅本 祐紀
ジェイキャスエアウェイズ
代表取締役
公式HP | 公式X
株式会社ジェイキャスエアウェイズ共同代表取締役。2023年9月より現職。Denso Ten、GREE、FreakOut、and factoryといった企業で、マーケティング、ITサービス開発、インバウンド向け宿泊施設開発など多岐にわたる経験を積む。特に0→1フェーズにおけるマーケティングや事業開発を得意とする。2度のIPO経験を背景に、航空スタートアップの実現に向けて、2026年に関西国際空港と富山・米子を結ぶ空路を開設を事業準備中。人流創出だけでなく、就航先の企業や行政との共創による地域創生にも注力している。
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梅本 祐紀さん 「日本のローカルが、もっと活きる路を。」

ジェイキャスエアウェイズの梅本です。よろしくお願いいたします。
2026年秋就航の航空スタートアップ
私たちは2026年秋に、観光ハブ空港として、関西国際空港-富山空港、関西国際空港-米子空港の2路線から就航する航空スタートアップです。
就航から約5年で、7機、15路線まで日本全国に路線を拡大していきます。

使用する機材は、エアバス・グループのATR 72-600になります。

この機材はジェット機に比べて燃費が良いため、地方路線のような需要が細い路線にも対応することができる最新の機材です。
また、高度が低いところを飛ぶため、体への負担が少なく、眺めが良いという特徴があります。
気になる価格(チケット代)ですが、年間平均11,000円を予定しています。

この価格は既存の交通手段と比較しても、非常に魅力的な価格だと考えています。
新しい人流を生みだす地域創生コミットエアライン
次に、私たちが切り開く「空路の価値」についてお話しします。

まず富山空港ですが、北陸のみならず白馬や妙高といった非常に広域な観光エリアをカバーすることができるポテンシャルが高い場所にあります。
また、山陰については既存の車や鉄道といった手段では、大阪から4時間近くかかりますが、我々であれば関西国際空港と米子空港を60分でつなぐことができます。
新しい人流を創出することが、非常に期待される路線となっています。
私たちの目的は、ただ飛ぶことだけではありません。

リージョナルエアによって新しい人流を作り出して、就航先の皆様と一緒に地域創生に取り組みます。
日本初の地域創生コミットエアライン、これを目指しています。
日本の地方の素晴らしい体験と出会うための架け橋になることを考えています。
日本にはまだまだ魅力的な地域がある
訪日インバウンドは、昨年3,600万人を超えました。
ますますの盛り上がりを見せています。

しかしニュースでは連日、オーバーツーリズムが報じられており、東京、大阪、京都などのメジャー都市においては社会問題化しています。
では、私たち日本は、これ以上インバウンドを受け入れることができないのでしょうか?
答えは「NO」です。

日本にはまだまだ世界に誇る魅力的な地域があります。

例えば、私たちが就航する富山は、『ニューヨーク・タイムズ』が選ぶ「2025年に行くべき52カ所」に選出されています。
▶ニューヨーク・タイムズ「2025年に行くべき52か所」に富山市が選定されました。(富山市観光協会)
さらに、山陰も日本の原風景と神話が息づく地として、近年非常に注目を浴びています。
アクセスの悪さが地域創生の最大の壁
官公庁の調査においても、都市部に集中していたインバウンドの宿泊先が年々地方にシフトしています。

さらに、DBJ(日本政策投資銀行)の調査においても、アジア圏のリピーターのうち約9割が「次は日本の地方に行ってみたい」と答えています。

しかし、実際は地方にインバウンドは行っていません。
なぜ彼らは地方を訪れないのでしょうか?
理由はアクセスが悪く、時間がかかりすぎること。

このアクセスの悪さこそが、地域創生の最大の壁だと思っています。
関西国際空港に目を向けますと、昨年(2024年)は、約1,900万人のインバウンドが利用しました。

しかし、約9割は都市部を観光して帰国してしまっています。
関西国際空港から地方に行くのは、わずか7%です。
撤退や減便が繰り返される地方便
では、なぜメジャー都市から地方便が少ないのでしょうか?
それには航空業界の構造的な課題があります。
フルサービスキャリア(FSC)やローコストキャリア(LCC)が使う機材は、150席から250席ほどの中型・大型機が中心になります。
この機材では、地方の細い路線においては採算が取れません。
事実、過去に就航していた実績があっても、不採算を理由に撤退や減便が繰り返されることが続いてきました。
これは地方のビジネス・観光において非常に足かせとなっています。
地域への貢献が最優先だった地域航空
次に、地域航空についてです。
地域航空は自治体が投融資する、いわゆる第三セクターとなっています。
そのため、地域への貢献が最優先です。
日本全国に自由に路線を伸ばすことには、経営上の足かせがあります。

しがらみのない経営と最新鋭の小型機材が強み
私たちの強みは、2点あります。

1つ目は、100%民間資本によって運営されているため、柔軟な意思決定としがらみのない経営ができることです。
2つ目は、路線に合わせた最新鋭の小型機材を用いることができる点です。
これによって、大手の航空会社が参入できない、事業性の高いローカルの独自路線展開が可能になります。
では、既存の航空会社が飛ばさない市場にも、マーケットはあるのでしょうか?
それは、あります。

まず、TAM(実現可能な最大の市場規模)ですが、国内航空と観光インバウンドを合わせて18兆円あります。
さらにその中でも、既存の航空会社がカバーしていない路線、つまり我々が狙っている路線とその先の観光インバウンドで1兆円の市場があります。
さらに、我々の5年間の就航計画、7機、15路線で120億円を予定しています。
航空と事業立ち上げのプロ集団
私たちには、この事業を実現する強いチームがあります。

JALを経てスカイマークの立ち上げを担った共同代表の白根(清司さん)。
そして、2度のIPO経験を持つ私。
さらに、航空と事業の立ち上げのプロを中心に、金融、IT、行政、それぞれの領域の専門家が集結しています。
就航に向けた提携が本格化
そして、私たちはすでに具体的に事業の準備に取り掛かっています。
1号機のリース契約を昨年7月に、シンガポールのAvation PLC社と締結しています。
▶ジェイキャスエアウェイズとして初の機材となるATR72-600型機のリースに関する正式契約を締結、2025年10月に機体の受領が決定(ジェイキャスエアウェイズ)

富山県も強い味方です。
昨年11月に連携協定を締結しました。
▶ジェイキャス、富山県と連携 インバウンド誘客など(日本経済新聞)

さらに、就航先の富山、山陰の地元有力企業約21社から、5億円を出資いただいています。

先月には、エアトリと資本業務提携も実現しています。
▶株式会社エアトリと資本業務提携を開始(ジェイキャスエアウェイズ)

地域創生にも取り組んでいます。
行政、大手旅行代理店、日本ガストロノミー協会の会長(柏原 光太郎さん)とともに、ツーリズムを企画中です。

就航4年後の黒字化が目標
「事業計画」です。

就航から約4年で、売上96億円、営業利益7億円の単年黒字化を目指し、さらにその先で路線と事業の拡大を計画しています。
元気を失くす故郷に悩む日々
最後に、私がこの事業に懸ける思いを伝えさせてください。

私は神戸出身ですが、帰るたびに少しずつ元気を失くす故郷に心を痛めています。
何とかしたい、でも何をすればいいか分からない、そういうふうに悩んでいました。
そんな時、白根と出会い、70を過ぎた白根が少年のような目で私に語ってくれました。

「日本の隅々に毛細血管のように広がる、そういう地域航空会社を作りたいんだ」、その言葉が私の心に突き刺さりました。
地方創生はみんなの力で実現するもの
この会場にいらっしゃる皆様にも、大切にしたい故郷の風景があるのではないでしょうか?
地方創生は、誰かがやってくれるものではありません。

人と人、地域と地域をつなぐ架け橋となって、未来への道をみんなで切り開かないといけないと思います。
どうか私たちに、力を貸してください。
私たちは資金も協業パートナーも、まだまだ足りておりません。
JCAS(ジェイキャスエアウェイズ)の挑戦に共感いただける方は、ぜひ応援をよろしくお願いいたします。
ご清聴ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/原口 史帆/正能 由佳/戸田 秀成


