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医療器材の再生処理を徹底する安全試験で、手術の安全に貢献する「SALWAY(名優)」(ICC FUKUOKA 2026)

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ICC FUKUOKA 2026 ソーシャルグッド・カタパルトに登壇した、SALWAY(名優) 山根 優一さんのプレゼンテーション動画【医療器材の再生処理を徹底する安全試験で、手術の安全に貢献する「SALWAY(名優)」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。

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【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 11A
ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 –
Sponsored by ICCパートナーズ

山根 優一
SALWAY(名優)
代表取締役
公式HP

1991年生まれ。千葉県出身。千葉大学経済学科卒。2016年4月、株式会社リクルートメディカルキャリアに新卒入社。遠隔医療アプリの営業や、大学病院との共同研究、後継者不在の医療機関への第三者事業承継支援などを経験。その後、2020年4月にPwCコンサルティング合同会社へ入社。ヘルス・インダストリー・アドバイザリー(HIA)に所属し、製薬会社のシステム導入や、医療機関の経営改善を支援。2021年11月に株式会社名優に入社。中央材料室向けプロダクトブランド『SALWAY』の立ち上げなどを担当。2022年4月より社長室 室長。2024年10月より代表取締役。


山根 優一さん 医療器材による感染をゼロに。

SALWAYの山根です。

皆さんは「医療課題」と聞いて、どんなものをイメージしますか?

今日は皆さんがまだ知らない、けれども全員に関係する重要な社会課題についてお話しします。

「手術部位感染」の発生率は3.7%、死亡リスクは最大11倍

こちらは、脊椎の病気で背中が痛くてたまらない70代の女性です。

「元気な生活を取り戻したい」と、希望を胸に手術を決意しました。

しかし、この女性を待っていたのは絶望でした。

12回も、追加で手術することになったのです。

何が起きたのでしょうか?

原因は、「SSI(Surgical Site Infection)」でした。

SSIとは「手術部位感染」のことで、発生率は3.7%、死亡リスクは最大11倍になると言われています。

経済的な損失も大きく、年間300億円以上の追加医療費が発生しています。

感染する原因は、患者に元々いた菌だけではなく、医療器材などを通じて外部から持ち込まれることもあるのです。

手術で使われている器材の多くは「使い回し」

「器材って新品じゃないの?」

そう思う方もいらっしゃるかもしれません。

実は手術で使われる器材の多くは、他の患者からの使い回しです。

使用後の器材は、このように血液などで汚染されており、安全に再使用できるように洗浄、滅菌されて再び現場に戻ります。

未滅菌の器材で患者が感染

これを「医療器材の再生処理」と言い、再生処理は病院の「中央材料室」という部署で行われています。

今、この中央材料室で大変なことが起きています。

2024年、沖縄県の病院で、洗剤を使用せず洗われた器材が、187人の患者に使用されました。

埼玉県の病院では、滅菌できていない器材で7人の患者を手術し、1人が感染症になりました。

「現場の怠慢」ではなく「構造上の欠陥」

これは、「現場の怠慢」ではありません。

日本の医療制度が抱える「構造上の欠陥」なのです。

オランダでは再生処理に関する法律が整備されており、安全を保証するための試験の実施が病院に義務づけられています。

一方、日本では法律や規制がありません。

利益を生まない中央材料室には、必要な予算すらつかず、安全を保証できていないのが現状です。

30年前の滅菌器を、騙し騙し使っている病院もあります。

医療器材の再生処理先進国、オランダ

なぜ日本はこんなに遅れていて、オランダは先進しているのか?

オランダの滅菌の権威、ヤン・ハュスさんは、私に言いました。

「不十分な再生処理が原因で、5人の患者が亡くなった。それで政府が動いた」と。

これは、5人の命と引き換えに、再生処理の質が患者の命に直結することが認知され、起こった社会変革です。

では、私たち日本は、患者が亡くなるのを待つのでしょうか?

そんなことは、絶対にあってはならない。

そこで、私たちはSALWAYを立ち上げました。

世界の高品質プロダクトを国内に提供

再生処理を向上させるために、3つの取り組みを行っています。

まずは、プロダクトで現場を守ります。

世界中から高品質な製品をセレクトし、国内に提供しています。

例えば「洗浄工程インジケータ」という製品は、器材を洗う時に一緒に洗浄器に入れて使います。

ちゃんと洗浄できていると色落ちし、万一洗剤が入っていない場合は、全く色落ちしません。

現在、約300の病院が採用しています。

これまでに7つの洗浄不良を見抜き、事故を防ぐことができました。

滅菌の安全試験実施率はわずか33%

製品提供だけでなく、プロセスの開発も行っています。

ある調査報告書によれば、滅菌の安全試験の実施率はわずか33%です。

つまり、およそ70%の病院は、本当に滅菌できるか分からない状態で運用しています。

安全試験を行うには、「データロガー」と呼ばれる専用機器が必要ですが、数百万円の費用がかかり、実施できるのはほんの一部の病院だけです。

「やらなければいけないけれど、予算がないからできない」

そんな諦めが常態化しているのです。

20分の1のコストでできる安全試験を開発

そこで私たちはお客様と一緒に検証を重ね、データロガーがなくても実施できる安全試験の方法を開発しました。

従来の1/20のコストで実施できるようになりました。

これにより、新たに7つの病院が安全試験を実施しました。

年間23,000件の手術の安全を保証することができました。

私たちの製品で安全を保証できている手術は、100万件を超えました。

今後は大手洗剤メーカーや再生処理業務を代行する滅菌代行企業と協業し、安全試験の実施を加速させていきます。

「再生処理」を知ってもらうイベントを実施

でも、まだまだです。

日本では年間1,000万件以上の手術が行われています。

現場へのアプローチだけでは、限界があります。

重要性が認知され、制度まで変わらなければ、全ての命は守れません。

だから私たちは、再生処理そのものの啓蒙に根気よく取り組んでいます。

「医療現場の滅菌の日」を記念日登録し、「滅菌しナイト!」というイベントを開催しています。

日本仕事百貨と共同で、再生処理の仕事を知ってもらうイベントも開催しました。

今年(2026年)は東京科学大学病院と中央材料室の見学ツアーも開催します。

ひたむきな現場の声をすくい上げ発信

私たちが一番力を入れているのは、現場の声を届けることです。

200件以上の中央材料室を訪れて出会ったのは、「ありがとう」と直接言われなくても、ひたむきに患者の安全を支える現場の方々でした。

彼らの情熱を届けられれば、社会を変えられるかもしれない。

私たちは真剣に取り組む方を一人一人丁寧に取材し、その重要性を社会に発信し続けています。

嬉しいお知らせがありました。

インタビューを読んだ病院の理事長が、その方の取り組みを評価し、中央材料室の部長に任命してくれたのです。

小さな変革が、起こり始めています。

このような取り組みを評価していただき、2024年グッドデザイン賞の金賞を受賞しました。

医療器材の再生処理プロダクトブランド「SALWAY」が2024年度グッドデザイン賞 金賞受賞(PR TIMES)

様々なメディアにも、取り上げていただけるようになりました。

救急車で運ばれる時、病院は選べない

最後に、私の想いを聞いてください。

昨年の3月26日、私は親友を脳出血で亡くしました。

33歳という若さでした。

彼が教えてくれたのは、「人はいつ死ぬかわからない」ということです。

救急車で運ばれるとき、私たちは病院を選べません。

搬送された病院がたまたま滅菌できていないなんて、そんな不条理は絶対あってはいけない。

それを懸命に食い止めているのが、中央材料室です。

でも、私の話を聞くまで、皆さんも知らなかったと思います。

予算のない現場で咲く「泥中の蓮」

あるお客さんが、私に言いました。

「山根さん、私たちは泥中の蓮(汚れた環境の中でもそれに影響されずに、清らかさを保っていることのたとえ)なんだよ」と。

中央材料室がなければ、安全な手術はできません。

でも、患者を守るための予算すら与えられない。

数億円のロボット手術は導入するのに、数百万円で実施できる安全試験は行わない。

この歪んだ優先順位を正さなければ、患者のための医療は実現できません。

だから、私たちはお客さんとともに、日本の再生処理を変えていきます。

皆さんの声が毎年1,000万人の安全を守る

オランダは、5人の患者の犠牲で変わりました。

私たちは、どうしますか?

そう、変えるのは他でもない、ここにいる皆さんの声なのです。

皆さんが声をあげてくれて、もし制度を変えることができれば、毎年1,000万人の安全を守ることができるのです。

それは、皆さんの大切な人を守ることでもあります。

これは、私たち全員が向き合う社会課題なのです。

皆さんの力を貸してください。

中央材料室は“超大事”、医療器材による感染をゼロに

最後に1つだけ。

命を支える中央材料室は“超大事”です!

医療器材による感染をゼロに。

SALWAYでした。

ありがとうございました。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成

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