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ICC KYOTO 2026 カタパルト・グランプリに登壇いただき、見事優勝に輝いた、EEFULホールディングス 森山 穂貴さんのプレゼンテーション動画【今日も現場で働く300万人の職員にエールを! 介護業界で“規模の経済”創出に挑む24歳「EEFULホールディングス」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2027は、2027年3月1日〜3月4日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。
▶【速報】小規模事業者のM&AとAIネイティブ経営で、介護業界の未来を切り開く「EEFULホールディングス」がカタパルト・グランプリ優勝!(ICC KYOTO 2026)
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【登壇者情報】
2026年8月31日〜9月3日開催
ICC KYOTO 2026
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
森山 穂貴
EEFULホールディングス
代表取締役
公式HP
2002年生まれ。13年間を香港・シンガポール等で過ごし、アジアの急成長社会をその内側から体験したのち、日本に帰国。東京大学入学後、在学中にLINE株式会社(現・LINEヤフー株式会社)にてLINEアプリの開発に従事し、生活インフラとして使われるプロダクトの設計・運用を経験する。その後、在学中に介護事業を創業した。創業の背景にあるのは、伸びていく社会と縮んでいく社会の双方を若くして見てきた原体験である。高齢化と担い手不足が同時に進行する日本の介護領域を、社会的インパクトが最も大きく、かつテクノロジーの実装が最も遅れた産業と捉え、後継者難に直面する地域介護事業者の連続的な承継を通じて、地域の介護インフラを守り、束ね、再設計する事業を推進している。同時に掲げるのが、AGENTIC AI NATIVEな介護事業の実現である。記録・請求・シフト管理・ケアプランといった現場業務をAIエージェント前提で再構築し、介護を「人手不足に耐える産業」から「テクノロジーによって拡張される社会インフラ」へと転換することを目指す。著書に『未来をつくる介護』(クロスメディア・パブリッシング)。
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起業の失敗を経て、家業である介護の現場へ
森山 穂貴さん こんにちは、EEFULの森山です。

テクノロジーと連続的な承継で介護事業に取り組んでいます。
東京大学在学中の2年生の頃に始めた事業が、うまくいきませんでした。

その時に、(実家に帰り)家業の介護事業に出会いました。

施設イベントで生きる喜びを見出した利用者さん
現場は、もともと思っていた印象と違いました。
例えば現場では、毎月20本のツアーを開催しています。
昨年(2025年)は、2,000人の高齢者を大阪・関西万博にお連れしました。

先日は、デイサービスで屋台寿司をやりました。

考えたのは、現場の管理者です。
「ほんまにお寿司屋さんに来れたみたい」と、多くの利用者さんが喜んでいました。
万博にお連れした方が、帰り道に、こう言ってくれました。

「今まで自分の生きる意味、ようわからんかったけど、今日この瞬間、この世界を見るために生きてたんやな」
20年働いても待遇が変わらない構造と介護職員不足
介護は、もうすでに十分素晴らしいサービスを提供しています。
提供しているのは、現場の職員です。
しかしその職員が、報われていません。
20年続けても、肩書きも報酬も変わらない現状があります。

これは、1つの職場の話だけではありません。
2040年には、介護職員が57万人足りなくなります。

事務処理に追われる介護職員の一日
現場では、こんな声があります。
「もっと稼げると思ってたけど、稼げなかった」

その上、職員はこう言っています。
「人を見たいのに、パソコンばかり見ている」

介護職員の1日を見ると、記録、レクリエーションの準備、シフト作成、家族への連絡に、時間が使われていました。
目の前の1人に使える時間が、ほとんど残っていません。

「どうせ変わらない」と言われる環境を変える
よく聞く言葉があります。
「どうせ変わらない」

「どうせ」は、報われないことを知っている人の、口癖です。

でも、職員は悪くありません。
変えるべきは、環境のほうでした。

介護施設向けレクリエーションクラウドを300事業所へ
だから最初は、その環境を作る・変えるSaaSを作ろうと思いました。

最初に取り組んだのは、レクリエーションのプロダクト(シニアカレッジ)です。

企画も撮影も編集も、全部自分で始めました。
できたものは、自分の足で届けました。

1年で300の事業所を回り、たくさんの現場で導入してもらいました。

昨年のICCサミット FUKUOKA 2025では、スタートアップ・カタパルトで優勝もしました。

▶レクリエーションを超えて、豊かな高齢者社会への産業創出に挑む「emome」(ICC FUKUOKA 2025)
介護業界の課題と希望を、多くの人に伝えることができました。
ツールを届けるだけでは現場は変えられない
それでも、足りませんでした。

外から道具を届けるだけでは、現場は、大きくは変わらない。

本気で環境を変えるなら、自分たちで現場をやらなければいけない。
そう思って昨年、家業の介護会社をグループに迎えました。

引き受けた時は、毎年2,000万円の赤字が続いている状況でした。

日次決算で実現する、働く人の即時インセンティブ
そこから変えたのは、「環境」だけです。

決算を日次で回しています。

月次で回す会社が多いですが、日次で回すことで早いPDCAになります。
数字以上に、現場の努力がその日のうちにわかります。
シフトを組むと、頑張った人のインセンティブまで、その場で決まります。

頑張りが、しっかり報酬に反映される仕組みなのです。
拠点の管理者は、徹底して育てます。

勉強会で産業の課題を学んで、どうやって良くするかを、みんなで議論しています。
介護現場のOSを目指す独自システム「Qaito」の開発
次に、ITの話です。
介護には、これまでOSがありませんでした。

使用するソフトが全てバラバラで、何度も何度もコピペやCSVの出し入れをしています。
だから、介護に特化したOSを自分たちで作りました。
それが「Qaito」です。

誰でも初日から使えるバリアフリーUI
介護保険証は、「撮る」だけで記録が終わります。

記録は、「話す」だけです。
ITが苦手な職員でも、初日から使えます。
ITをバリアフリーにして、誰でも簡単に触れるようにしたいのです。
実際の現場です。

記録はタブレットで、「声」だけで、その場で終わっています。
バイタルチェックも一瞬でデータベースに入力
次はバイタルです。

着けるだけで、全員まとめてSPO2、血圧、体温まで計測でき、Qaitoのデータベースにつながります。
職員の言葉です。

「(動画内音声)時間的には減りました。
(ーーぐっと減ったかなとは思う?)
多分半減ぐらいはしてるかなとは、思うんですけど」
そうやって環境を変えていったら、数字より先に職員が変わりました。

全職員に聞きました。

「考える力をもらって毎日が楽しい」
「チームが一丸になってきた」
そういった声が、増えてきました。
職員が変われば、数字は後からついてくる
職員の変化は、業績にも現れました。

1年でEBITDA(※)プラス1.2億円、利益率は11.4%まで上がりました。
▶編集注:EBITDA(イービッター)とは、「Earnings before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization」の略称で、利払前・税引前・減価償却費前の利益を指す指標のこと。

順番は、いつも職員が先です。

数字は、その後をついてきます。
介護職の専門性を正当な肩書きと報酬へ
介護において、利用者さんはもうすでに満足しています。
足りないのは、職員の環境です。
経済性のある介護事業所を作る一番のキーポイントは、 エンゲージメントです。

多くの利用者さんを見るためには、職員の総力が必要なのです。
まだまだ、やりたいことは残っています。

教育体制、キャリアプラン、そして「超プロフェッショナル」というポジション。
介護の専門性が肩書きと報酬になる、そういった環境をもっと作りたいのです。

介護業界の課題は「規模の経済」を扱う経営力の不在
これをやり切るためには、規模が必要です。

そう、介護業界の本当の課題は、「規模の経済を扱う経営力(※)」なのです。
▶編集注:「規模の経済」とは、たくさん作る(売る)ほど製品1つあたりのコストが安くなり、儲かりやすくなる仕組みのこと。

そして、これは私一人が言っている話ではありません。

業界を見ると、介護事業所の倒産と休廃業が過去最多です。

経営の人材もいません。
一方で、介護は国内50兆円の市場です。

30万の事業所があっても、最大手は0.8%のシェアです。
規模の経済が働いていないのです。
協働化・大規模化で強い介護業界を作る
国は、はっきり言っています。
今年から骨太の方針で、「協働化・大規模化による規模の経済」と何度も何度も言っています。
▶介護施設・事業所の協働化・大規模化(厚生労働省)

莫大な社会保障費を抑えていくための国策なのです。
現場は、管理者よりも上のポジション、専門性を活かすキャリア、利用者さんへのもっと多様なサービスを求めています。

どれも規模が必要です。
だから私たちは、後継者のいない事業所を承継しながら、規模の経済を活かした介護事業を営み、本質的に強い業界を作っていきます。

それが現場の人に報いる一番の方法だと思っています。

売上120億円超のM&Aパイプラインと、売上400億円への挑戦
実現はもう始まっています。

事業承継の相談が絶えず届いており、本格的な検討だけで毎月20社あります。
パイプラインには、売上合計120億円以上があります。
業績は、1年前の1億円から大きく変わりました。
今期売上は36億円、EBITDAは1.2億円です。
来期は売上100億円、5年後には400億円を見据えています。

それでも、もっとスピードを上げたいのです。
どの業界にも、産業を支えるバーティカルのプレイヤーがいます。
介護には、まだいません。

ここを私たちが獲りににいきます。
連続的な承継と先端的なテクノロジーで、時価総額は低くとも5,000億円を目指していきたいです。
介護は限りある時間を豊かにする最高の仕事
なぜ、そこまでやるのか。
理由は、この画面の、うちの職員たちです。

メディアではいつも「人手不足」「3K」など、介護業界がネガティブなように語られます。
そのほうが楽だからです。
わかりやすいからです。
気づいたら、介護職員はそれに慣れてしまいました。
批判するのも、もうしんどくなってしまいました。
だけど、本当にそうでしょうか?
私はそう思いません。
介護は、限りある時間を豊かにする最高の仕事です。
そう胸を張って言えるような産業にしていきたいのです。

高齢社会は、悪いことではありません。
長寿の証だからです。
けれども、それは日本が世界に先駆けて高齢化したからこそ、証明できることではないでしょうか。
現場にエールを!介護業界を世界に冠たる産業にする
今日、私は皆さんにお願いしたいことがあります。
今日も全国で働いている300万人の介護職員がいます。
その人たちに、エールの声をください。
その声は、必ず今日明日を頑張る理由になります。
そしてその空気は、これから高齢化が進む世界に必ず届いていくはずです。
ICCの場を通じて、介護産業は少しずつ自信を取り戻していくはずです。
そして、その先で私たちは介護業界の未来を切り開き、世界に冠たる産業にしていきます。

EEFULでした。
ご清聴いただきありがとうございました。
▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美


