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ICCサミット FUKUOKA 2020 スタートアップ・カタパルトに登壇し、2位入賞に輝いた MiddleField 中山翔太さんのプレゼンテーション動画【4億SKUのパーツ情報を人力データベース化!自動車アフター業界のDXに挑む「モタガレBusiness」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2020 プレミアム・スポンサーのラクスル様、プラチナ・スポンサーの日本アイ・ビー・エム様にサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2020年2月18〜20日開催
ICCサミット FUKUOKA 2020
Session 1B
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門
Supported by ラクスル & 日本アイ・ビー・エム
(プレゼンター)
中山 翔太
MiddleField株式会社
CEO
公式HP | STARTUP DB
1988年8月生まれ。法政大学キャリアデザイン学部卒。自動車のアフターパーツメーカーである株式会社SARDにて、同社が運営するレーシングチーム“LEXUS TEAM SARD”のスポンサー営業やプロモーション等の運営業務に携わる。モータースポーツに関わるファンやレーサー、スポンサーとの接点を多く持つ中で、自動車アフター産業は日本の自動車産業を支えている重要な産業にも関わらず、IT化の遅れや労働人口の減少、業界の高齢化等の多くの課題を抱えていることを目の当たりにし、それらを解決すべく起業を決意。2015年12月にMiddleField株式会社を設立。
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▶「ICC FUKUOKA 2020 スタートアップ・カタパルト」の配信済み記事一覧
中山 翔太さん(以下、中山) 皆さんこんにちは、MiddleFieldの中山です。
本日は、自動車アフター業界を制覇するBtoBプラットフォーム「モタガレBusiness」をご紹介します。
皆さんは、自分のクルマが壊れてしまったらどうしますか?
ほとんどの方は、自分で修理できずに専門家に修理してもらうと思います。
その専門家達がいるのが、自動車アフター業界です。
「自動車アフター業界」は非常にアナログで非効率
クルマの修理にはパーツの仕入れが必要なのですが、これが大変なのです。
実際にどれだけ大変なのか動画で見てみましょう。
整備士は最初に、壊れているパーツを探します。
そして、そのパーツの発注から取り付けまでを全てやらなければなりません。
膨大な種類の中から該当パーツを探すのは容易ではなく、通常はこのようにカタログを使ってパーツを探します。
パーツを見つけたらメーカーに問い合わせ、商品の情報を聞いたり、在庫や納期の確認をしたりします。
在庫があることが分かると、見積依頼書をFAXで送信します。
皆さん、想像できますか?
見積をもらうためにFAXを送るのです。
当然その他の連絡も全てFAXで行わなくてはなりません。
そして商品が届いてやっと、修理に取りかかることができるのです。
ご覧の通りこの業界はアナログな世界なのです。
問題は更にあります。
まずメーカーに問い合わせても、在庫を把握していません。
次に、FAXで送った発注書を見ていなかったりします。
そして最後に、電話に出ません。
この業界はアナログで、生産性が非常に低いのです。
自動車アフター業界の業務効率化ツール「モタガレBusiness」
そこで私たちは、自動車アフター業界に特化したオンライン受発注システム「モタガレBusiness」をローンチしました。
早速デモをご覧ください。
発注側の画面では、IDとパスワードを使ってログインします。
このサービスの便利なところは、車検証の写真を登録しておくことで、クルマの種類ごとにどのパーツが適合しているかがすぐにわかるところです。
トップページの検索バーからタイヤを検索し、並んでいるタイヤから欲しいタイヤを選びます。
商品情報を確認し、オプションと価格を選びカートに投入し、あとは住所などの必要情報を入力して、確定ボタンを押せば注文は完了です。
続いて、受注側の管理画面では、車種ごとの商品情報の登録や在庫の管理などをすることができたり、これまでExcelで行っていた注文や売上の確認も簡単にすることができます。
もちろん、面倒な請求書のやりとりも、クラウド上で管理することが可能です。
このサービスは、月額利用料と従量課金でメーカー側から利用料を徴収するビジネスモデルになっています。
4億SKUのデータ手入力、パーツメーカーへの営業活動
さて、この会場のほとんどの方が「普通のECサービスじゃない?」という印象をお持ちになったはずです。
確かに、見た目は普通のECサービスです。
しかし、この業界に特化した普通のECサービスを作ることは非常に大変なのです。
大変だったことの1つ目は、正確な商品データベースを作ることでした。
なぜなら、オンライン上に情報がないからです。
私たちは、この写真のような膨大な量の雑誌やカタログから手打ちでデータを入力し、データベース化することに成功しました。
その数なんと4億SKU(Stock Keeping Unit)、こんなことは誰もやりたくないと思います。
僕ももうやりたくはないです (笑)。
2つ目は、日本全国のパーツメーカーに足を運ぶことでした。
「お兄さんのクルマ、かっこいいですね」と声をかけて仲良くなります。
今では1,300社と取引がありますが、これも私たちだからこそできたことです。
なぜできたのか? それは、私もメンバーもクルマが大好きだからです。
私は元々、LEXUSのレーシングチームで働いていました。
だからこそ、この業界のデジタル化の遅れを実感し、現状を変えるために起業しました。
そして最初に取り組んだことが、インターネットで安心してカーパーツを買えるようにするということでした。
私もネット通販で様々なパーツを買ってきましたが、説明文に「適合」と記載があるにも関わらず取り付けられないということもよくありました。
被害総額はなんと10万円以上です。
インターネットでパーツを買うのは本当に大変なのです。
BtoCからBtoBに拡大、自動車アフター業界の制覇を目指す
そこで、まずはコンシューマー向けにECを始め、GMV(Gross Merchandise Value、流通取引総額)はここ1年で9倍にまで成長しました。
コンシューマー向けにサービスを展開していく中で、業界の人達も私たちのECサイトでパーツを購入していることが分かりました。
そこで、ビジネス向けのサービスをローンチしました。
皆さんのご想像の通り、BtoCよりBtoBの取引の方が圧倒的に多い業界です。
コンシューマー向けのサービスで培ったノウハウを生かし、BtoBのマーケットに参入していく、それが自動車アフター業界を制覇することに繋がるのです。
カーシェア普及による稼働率の上昇を追い風に
皆さんは、自動車アフター業界をニッチな市場だと思われていませんか?
実は、全体では20兆円もある巨大市場なのです。
パーツの市場だけを見ても3兆円の規模があります。
β版をローンチ後、プロモーションをしていないにも関わらず、発注側の登録数は半年で500工場を超えました。
さらに、ガソリンスタンドを2,000店舗持つ大企業との提携も決まり、導入数は一気に2,500工場まで増える見込みです。
整備工場の月間のパーツ取引額は100万円ほどありますので、4倍の10,000工場に導入されるだけで、ARR(Annual Recurring Revenue、年間経常収益)100億円も夢ではありません。
しかし一方で、皆さんの中には、「この先もカーパーツに需要があるのか?」と疑問に思われている方もいらっしゃるかもしれません。
実際、日本の自動車保有台数は微増しているとはいえ、ピークに達しています。
しかし想像してみてください。
Uberなどが普及していく未来では、自動車1台に対する稼働率が大幅に上昇していきます。
稼働率が上がれば当然、パーツも消耗も激しくなります
そんな時代に必要になるのが、メンテナンスであり、カーパーツなのです。
だからこそ今、私たちが自動車アフター業界を新しい時代に向けてアップデートしていく必要があるのです。
「クルマの電子カルテ」でアジアのBtoBマーケットプレイスを!
私たちはこの「受発注システム」を軸に、様々なツールをクラウドで提供し、クルマに関するデータを集め、「クルマの電子カルテ」を作ることで、自動車アフター業界をデジタル化します。
そして国内の自動車アフター業界をアップデートしたその先に目指すのが、アジア市場です。
グローバルでは自動車保有台数はどんどん増加していきます。
特にアジアでの伸びは圧倒的です。
日本車のシェアはなんと80%以上です。
しかし、アジアの自動車アフター業界は、この成長速度について行けていないのが現状です。
この写真のクルマは、彼らにとっては商品なのだそうです。
無理やり修理して売るにせよ、解体してパーツを売るにせよ、使えるものを使うというのは素晴らしいことです。
しかし、これでは安全だとはいえません。
アジアでは、クルマを直したくても、パーツの流通構造が複雑で、価格が高く、粗悪品や偽物だらけで仕入れが大変なのです。
だからこそ私たちが、日本とアジアをつなぐ越境のマーケットプレイスを展開することで、アジア中に日本の良質なパーツを届けていきます。
しかし、私たちの力だけではまだまだ実現できません。
この想いを実現するためには、皆さんの力が必要です。
ぜひ皆さんの力を貸してください。
以上です。ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/フローゼ 祥子/道下 千帆/戸田 秀成
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