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ICC KYOTO 2021 REALTECH CATAPULTに登壇いただいた、ナチュラニクス 金澤 康樹さんのプレゼンテーション動画【「ナチュラニクス」は世界初の急速充電技術で、3分で走る電動バイクを創る】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2022は、2022年2月14日〜2月17日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット KYOTO 2021 ゴールド・スポンサーのKOBASHI HOLDINGS様にサポート頂きました。
▶【速報】均一構造の高分子ゲルで効果的な再生医療の実現を目指す「Gellycle(ジェリクル)」がリアルテック・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2021)
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【登壇者情報】
2021年9月6〜9日開催
ICC KYOTO 2021
Session 7A
REALTECH CATAPULT
リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Sponsored by KOBASHI HOLDINGS
金澤 康樹
株式会社ナチュラニクス
代表取締役CEO
2015年5月25日に、島根大学博士後期課程在学中にナチュラニクスを設立。
大学在学中に岡山理科大学の笠教授のもとで学んだ車載用モータ制御技術、名古屋大学の山本真義教授のもとで学んだパワーエレクトロニクス技術を生かし、現在は、名古屋大学トヨタ講座の再委託先として、環境省の次世代EV研究開発事業に参画して、名古屋大学天野浩教授が開発したGaN(窒化ガリウム)を使用した高効率のモータコントローラ開発を行っている。
また、EV事業にて蓄積した車載回路技術ノウハウを生かし、小型軽量化・高出力化させた、運べる蓄電池を2021年にリリース。シリーズ累計110台を突破。高出力蓄電池と車載技術を生かし、短時間でバッテリの充電が完了する超急速充電社会の実現に情熱を注いでいる。
現在は、名古屋大学トヨタ講座の招へい教員として車両の開発にも従事している。
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金澤 康樹さん (バイクに乗って登場)「やばいよ、やばいよ。充電切れちゃうよ、そろそろ」
このバイクは、テレ東さんの非常に有名な番組、『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』という番組で実際に使用されているE-Vinoという電動バイクです。
出川さんが、「充電なくなっちゃうよ」と言って、民家から充電をさせてもらうと、充電時間に3時間ほどかかります。
2015年、島根大学発ベンチャーとして起業
我々は2015年創業、島根大学でベンチャーを起業いたしました。
まずトゥクトゥク(※3輪の自動車)から始めて、2019年より、ノーベル物理学賞を獲られました名古屋大学の天野 浩先生と一緒に、GaN(ガリウムナイトライド)という次世代半導体を使って、電気自動車の製作をしてまいりました。
▶次世代の半導体材料「ガリウムナイトライド」の謎に挑む(夢ナビ)
そして2021年、6年目にしてこの電動バイクの事業に着手しております。
それでは皆さん、この電動バイクの充電時間が「3分」になったら、どのような未来が描けるでしょうか?
日本は今まで、この「3分」という即席文化に基づいて世界を驚かせ、世界の文化を創ってきました。
そこで2021年9月吉日、このICC KYOTO 2021で世界初公開です、日本の技術は今ここまできています。
新たな「即席充電文化」をご紹介したいと思います。
世界初、電動バイクの3分充電に成功
弊社ナチュラニクスは、世界で初めて3分で電動バイクを充電させることに成功いたしました。
こちら(中央)は3分で充電するための充電ステーション、通称「オベリスク」と呼んでおります。
こちらも新たな時代の象徴として、オベリスクという形を今回採用しております。
皆さん、3分で充電して、さまざまなところに旅に出かけましょう。
電気を増幅して出力する、急速充電ステーション技術
この技術を支える2つの要素技術があります。
1つ目は先ほどの「急速充電ステーションの技術」です。
こういった電動モビリティを急速充電させようと思いますと、約6,000Wから数十kWという非常に大きな電力を必要とします。
しかし、通常家庭用の100Vのコンセントですと、1,500Wを超えるとブレーカーが落ちてしまいます。
そこで弊社ナチュラニクスは、内部に蓄電池を設けることで、いったん内部の蓄電池にエネルギーをため、コンセントの電気と蓄電池の電気を足し合わせて増幅して一気に送り出す「ナチュラニクスパワーアンプシステム(NX-Power-Amp System)」を開発し、今現在特許出願をしております。
そうすることで、急速充電することが可能になります。
大電力の入出力が可能なチタン酸リチウムバッテリー
2つ目の技術は、これだけ大きな電力をバイクのサイズのリチウムイオンに入力しますと、爆発します。
そのため、われわれはリチウムイオンとはちょっと違う、チタン酸リチウムという、少し特殊なバッテリーを採用しております。
それだけ大きなエネルギーを入力する際にはバッテリーのマネジメントシステムが必要不可欠になってきます。
そこでわれわれはバッテリーマネジメントシステムの設計開発も行い、この安心安全な電動バイクの製造を可能としております。
またさらに車両で培ってきたCANという通信規格を用いまして、非常に高電力にも強くノイズ耐性にも強い通信を行うことで、先ほどのオベリスクという部分と電動バイクとの安全な通信を確立しております。
この2つの技術を用いてお客様に提供できる価値としましては、充電時間180分を3分にすること、もう1つがバッテリーが劣化しにくいことです。
通常リチウムイオンは500サイクルしかもたないのですが、われわれのバッテリーは50,000サイクルを保証しています。
こちらは非常に長くお使いいただけますので、SDGsにもピッタリなバッテリーです。
電動バイクシェアサービスに展開
しかし1つ、リチウムイオンバッテリーと比べてデメリットがあります。
リチウムイオンでは29km走りますが、我々のものですと10kmしか走りません。
この問題を解決するために、先ほどのように3分で充電することで、どんどん継ぎ足していっていただき、新たな場所に移動していただくという手段をご提供させていただいております。
そこでわれわれは今電動バイクシェアサービスのビジネスを開始させていただきます。
こちらは、フランチャイズオーナー様向けの有償モデルのプランです。
ユーザー様にはまずクレジットカードをご登録いただきまして、充電1回につき利用料をお支払いいただきます。
そしてフランチャイズオーナー様には、充電1回につき配当金をお支払いさせていただくシステムです。
バイク自体は無償で提供させていただき、先ほどのオベリスクの充電ステーションを有償でご提供させていただくモデルです。
(2021年)9月から先行予約を開始しまして、今現在2社フランチャイズオーナー様からご契約をいただいている状況です。
また、オーナー様向けのサービスとしまして、充電された回数や充電されたお客様の情報などをLINE WORKSのシステムでプラットフォーム化しています。
そうすることで、どんな方が充電されたかという情報を見ていただくことが可能となります。
ユーザー様向けの情報としては、ウェブ上でチャットボットが動いておりまして、充電ステーションの空き情報や充電のバイクの空き情報をご提供させていただいております。
「10km? そんな走らないんじゃないの?」というふうによく皆さんおっしゃられるのですが、今モデルとしては墨田区を想定しますと東京スカイツリーから豊洲までの距離がちょうど10kmの距離になります。
東京スカイツリーからのお客様を豊洲につなごうと思いますと、こちらはシミュレーションですが、1日あたり約4,164名の方に乗っていただきますと、約2年で原価回収することができます。
その後はフランチャイズオーナー様にしっかりと利回りが回るようなビジネスプランでございます。
ぜひともフランチャイズオーナーご希望の方を募集していますので、お声掛け頂ければ幸いでございます。
どうぞよろしくお願い致します。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美
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