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【速報】均一構造の高分子ゲルで効果的な再生医療の実現を目指す「Gellycle(ジェリクル)」がリアルテック・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2021)

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「ともに学び、ともに産業を創る。」エクストリーム・カンファレンス 「Industry Co­-Creation(ICC)サミット KYOTO 2021」(2021年9月7日〜9月9日開催)、9月8日の午前に「REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える」 Sponsored by KOBASHI HOLDINGS が開催されました。

第一線で活躍する審査員が注視する中、9社が各7分間の熱いプレゼンテーションを繰り広げました。審査員の投票の結果、「Gellycle(ジェリクル)」が優勝いたしました!


結果速報

ICCサミット KYOTO 2021 Session 7A 「REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える」優勝は、均一構造の高分子ゲルで、効果的かつ安価な再生医療の実現を目指す「Gellycle(ジェリクル)」でした!

第2位は、衝突技術を活かした新素材の床で、高齢者等の転倒による骨折事故を防ぐ「Magic Shields」でした。

第3位は、「分子標的型」で安全性と薬効を両立する農薬を創る「アグロデザイン・スタジオ」でした。

同率4位は、蚕のタンパク質からワクチンやサプリメントを創出する「KAICO」でした。

同率4位は、”フィルム状のインク”で、生産性向上・安全な塗装と印刷を実現する「関西巻取箔工業(KANMAKI)」でした。

当日の中継映像もぜひご覧ください。

登壇サービス・プロダクト一覧

優勝:均一構造の高分子ゲルで、効果的かつ安価な再生医療の実現を目指す「Gellycle(ジェリクル)」

ジェリクル株式会社は、「テトラゲル」の再生医療への応用を目指す2018年設立の東大発バイオベンチャー。コンタクトレンズなどに活用されてきたゲル素材は、体内使用が望まれてきたが障害を起こすことがあり不可能だった。その障害理由である高分子ゲルの不均一な構造を均一にした、同社のテトラゲルは生体適合性が極めて高く、生成と分解を独自に完全制御できる。このゲルを利用した医薬品・医療機器(Gel Medicine)を用いると、短時間での止血、今まで再生不可能とされていたアキレス腱の再生や組織接着などが可能になるなど、すぐ治せて、コストが安く、簡単な治療が実現するという。


増井 公祐
ジェリクル株式会社
CEO
HP

1986年生まれ。東京大学在学中、再生医療やDDSを専攻。2011年レバレジーズ株式会社に入社。4.5年に渡り事業の戦略立案・新規事業の立ち上げ、事業部長への就任、全社のマーケティング統括を経て、実質的に会社のNO.2となり、売上20億円から100億円までのグロースを行なった。その後ITスタートアップを起業し、40カ国以上を回る世界一周の旅を行う。日本帰国後、学生時代に自らが研究していた内容でジェリクルを創業。「ゲルで医療に革新をもたらす」ことを目標に、医療機器や再生医療を変革する技術を提供している。

第2位:衝突技術を活かした新素材の床で、高齢者等の転倒骨折を防ぐ「Magic Shields」

株式会社Magic Shieldsは、高齢者向けの歩行安全性を保ちながら、転倒したときだけ柔らかくなる置き床「ころやわ」を販売する2019年設立のスタートアップ企業。同社の「ころやわ」は、歩くときは硬く安定性があり、転んだときは柔らかく衝撃を吸収する素材で、内部の可変剛性構造体は特許出願中である(2021年7月現在)。個室全面に設置するタイプと施工不要のマットタイプがあり、医療機関・介護施設で使用されている。代表取締役の下村氏は、ころやわの提供を通して、高齢者の転倒による骨折リスクを軽減し、本人と家族の日常生活を守り、日本の医療費・介護費用の削減に貢献したいと語る。


下村 明司
株式会社Magic Shields
代表取締役
HP | STARTUP DB

2006年からヤマハ発動機にて14年間にわたり、主にバイク開発を実施。特にレース用バイクに携わり、各部品の研究開発からプロジェクトチーフまでを行う。またデザイン部門での新規事業開発を行い、デザインエンジニアとして人と機械の新しい関わり方について、コンセプトデザインを提案。一方プライベートでは、友人の事故やテロをきっかけに世界から事故や暴力を無くすことを志しし、「人を守る発明」を多数行う。その後2019年11月、株式会社 Magic Shieldsを創業。現在は高齢者の転倒による骨折を減らすため、転んだときだけ柔らかい新素材「ころやわ」を開発し、床やマットとして販売を行う。MBA、ロボット工学修士。

第3位:「分子標的型」で安全性と薬効を両立する農薬を創る「アグロデザイン・スタジオ」

株式会社アグロデザイン・スタジオは、安全性と薬効を両立する農薬の研究開発をする2018年設立のスタートアップ企業。同社は、駆除したい対象のみが持つ酵素を同定し、その酵素特異的に結合する化合物をコンピューターでデザインする、独自の創農薬のプロセスを取る。駆除対象は生存に必要な活動を阻害され、ピンポイントで効果を発揮するという。代表取締役社長の西ヶ谷氏は、バイオサイエンスを基盤とした農薬開発・農業バイオ技術で持続的農業に貢献したいと語る。


西ヶ谷 有輝
株式会社アグロデザイン・スタジオ
代表取締役社長
HP | STARTUP DB

1981年静岡生まれ。2016年東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了、博士(生命科学)。大学院博士課程テーマとして研究を始めた農薬(硝化抑制剤)の実用化のため、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)を経て、2018年にアグロデザイン・スタジオを起業。2019年には国内農薬スタートアップ初となるVCからの資金調達に成功。大学発ベンチャー表彰2020アーリーエッジ賞受賞。タンパク質の結晶構造解析技術を活用した毒性リスクの低い分子標的農薬を開発中。

同率4位:カイコのタンパク質からワクチンやサプリメントを創出する「KAICO」

KAICO株式会社は、蚕(カイコ)にバキュロウイルスを注射し、蚕の体内でタンパク質を生産する技術を持つ、2018年設立の九州大学発ベンチャー。同社の技術によって生産された高品質なタンパク質は、動物用の経口型ワクチン、ヒト用のノロウイルスワクチン、サプリメント、自己採血した血液で抗体の持続期間が分かる新型コロナウイルス抗体検査キットに利用されている。現在は医療従事者やワクチン管理の負担を軽減する、蚕のサナギを活用した経口ワクチンや、サプリメントを研究開発しており、将来的にはアプリなども活用してカイコの力を最大限に引き出したパーソナルヘルスケアシステムの実現を目指す。


大和 建太
KAICO株式会社
代表取締役
HP | STARTUP DB

1991年横浜国立大学経営学部卒業。三菱重工業入社、ブリオ起業、九州大学大学院経済学府MBAコース(ビジネススクール)、同大学大学院特任准教授を経て2018年より現職。

大学卒業後、15年間勤務した三菱重工では長崎造船所で調達、本社で営業や調達部門などを担当。三菱重工勤務時代に調達活動で接した中小企業の経営者がいきいきとはたらいているのを見て自分も経営する立場になってみたいと考えるようになり、起業を決意し退職。起業後はネット通販事業にチャレンジし、九州の特産品を全国にネット販売する事業を開始するも、一度、事業の継続を断念した。その後は働きながら学べる九州大学のビジネススクールに入学し、そこで産学連携マネジメントの講義を受講。そこで九州大学の技術シーズをもとにビジネスプランを練ったのが現在の会社起業へつながっている。

同率4位:”フィルム状のインク”で、生産性向上・安全な塗装と印刷を実現する「関西巻取箔工業(KANMAKI)」

関西巻取箔工業株式会社(KANMAKI co.,Ltd.)は、金属粉と顔料を混ぜたインクと真鍮粉を使用し、日本初の乾いた”フィルム状のインク”「ブロッキングホイル(転写箔)」を開発した1952年設立の企業。同社の顔料と樹脂を主成分とする「顔料箔」は、熱転写でプラスチックなどに印刷することができ、液体油性インクの印刷工程(調色/調合・印刷・乾燥・機械洗浄)と比較すると、大幅な工程短縮ができ、生産性向上が図れるという。加えて有機溶剤を用いた印刷・塗装工程での人体への危険性が少なく、廃棄する際の環境負荷への削減にもつながる。


久保 昇平
関西巻取箔工業株式会社(KANMAKI co.,Ltd.)
取締役COO
HP

1980年京都府生まれ。2005年まで舞台演劇の脚本・演出を中心に120作品以上に関わった後、2006年(財)京都高度技術研究所の支援を経て、起業。京都府デザインインキュベーションプロジェクト「KYOTO STYLE」参画等を経て、祖父が創業した関西巻取箔工業株式会社(KANMAKI Co.,Ltd.) に2012年入社、現職。西陣織の金糸がルーツである“顔料箔”に改良を加え、自動車部品をはじめあらゆる工業製品の装飾材料として採用される品質にアップデート。経済産業省「始動 Next Innovator 2018」にてピッチコンテスト最優秀賞を受賞。2021年京都市「これからの1000年を紡ぐ企業」認定ほか。


多種多様なコンクリート構造物をオンデマンド3Dプリンターで製造可能にする「Polyuse(ポリウス)」

株式会社Polyuse(ポリウス)は、建設用3Dプリンター「ASHIGARU」を開発する2019年設立のスタートアップ企業。生活環境や上下水道など生活インフラにあるコンクリート構造物は、現在100年前から変わらない型枠工法と熟練職人により製造されてきたが、標準化した量産が不可能で、職人が減少する一方、老朽化した集水桝などインフラの交換が増加していく課題を抱えている。同社は、老朽化した集水桝の取り換え用の桝を、「ASHIGARU」を用いて現地で造形し埋設に成功した。テクノロジーの活用により、職人であっても難しかった形状のものなどさまざまな形に対応ができ、オンデマンドでの生産方式を可能としている。


岩本 卓也
株式会社Polyuse
代表取締役CEO
HP | STARTUP DB

1993年大阪府生まれ、東京都育ち。
信州大学理学部物質循環学科卒(理学学士)、一橋大学大学院商学部経営学修士コース卒(経営学修士)、東京工業大学グローバルリーダー教育院修了。専門はTeal組織等を含む自然科学的観点を応用した自律分散型組織、循環型組織構造論であり、卒業後も研究を続けている。
幼少期は母が日本舞踊や箏奏者などの文化的活動と出版社の経営を行っており、文化活動と中小企業の経営を直近で見る、サポートするなどして育つ。一橋大学大学院在学中に人材マッチングアプリのスタートアップを共同経営。その後、ベイカレント・コンサルティングに新卒入社し、経営戦略・事業戦略・業務改善等の各種業務に従事。2019年に株式会社Polyuseを創業し、代表取締役CEOに就任。

3分充電で10km走る!超急速充電バイクで電動モビリティ社会を目指す「ナチュラニクス」

株式会社ナチュラニクスは、電動バイクのシェアリングサービスの提供を目指す2015年設立のスタートアップ企業。同社は創業以来、主に環境省、名古屋大学トヨタ講座とともに次世代の環境性能を実装した電気自動車を開発し、車両技術を蓄積してきた。2030年に向けたモビリティの脱ガソリン化、電動モビリティ普及に対する、充電時間、バッテリーの劣化、航続距離といった課題に着目し、コンセントと蓄電池の電気を足し合わせ電気を増幅させる「超急速充電モバイルバッテリー」を開発。3分の充電で10km走行が可能で、充電サイクルも飛躍的に多いリチウムバッテリーを活用した電動バイクのシェアリングサービスの事業展開を目指しており、2025年までに全国に充電ステーションと電動バイクを配置したいとしている。


金澤 康樹
株式会社ナチュラニクス
代表取締役CEO
HP

2015年5月25日に、島根大学博士後期課程在学中にナチュラニクスを設立。
大学在学中に岡山理科大学の笠教授のもとで学んだ車載用モータ制御技術、名古屋大学の山本真義教授のもとで学んだパワーエレクトロニクス技術を生かし、現在は、名古屋大学トヨタ講座の再委託先として、環境省の次世代EV研究開発事業に参画して、名古屋大学天野浩教授が開発したGaN(窒化ガリウム)を使用した高効率のモータコントローラ開発を行っている。
また、EV事業にて蓄積した車載回路技術ノウハウを生かし、小型軽量化・高出力化させた、運べる蓄電池を2021年にリリース。シリーズ累計110台を突破。高出力蓄電池と車載技術を生かし、短時間でバッテリの充電が完了する超急速充電社会の実現に情熱を注いでいる。
現在は、名古屋大学トヨタ講座の招へい教員として車両の開発にも従事している。

さとうきび由来のバイオインディゴ(染料)で石油依存脱却・持続可能な地球を目指す「マイクロバイオファクトリー」

マイクロバイオファクトリー株式会社は、植物を原料としたバイオ化学品の開発・製造をする2018年設立のスタートアップ企業。ジーンズの染料として使用される化学合成インディゴは石油を原料とし、製造過程で使用されるアニリンには発がん性がある。またアパレル産業の環境汚染は世界的に問題視されており、同社はその課題解決のために、さとうきびの糖からインディゴを作る微生物発酵法を開発した。同社は、さとうきびの産地沖縄でデニムプロジェクトを行っており、将来的には染料だけでなく、さとうきびから繊維も作りジーンズを製造したいとしている。代表取締役社長の清水氏は、再生可能な植物バイオマス資源を利用して、安全で環境に配慮したバイオ化学品を生産したいと語る。


清水 雅士
マイクロバイオファクトリー株式会社
代表取締役社長
HP

2013年東京理科大学大学院 基礎工学研究科 生物専攻修了(工学修士)。
2014年Green Earth Institute株式会社入社。研究員、事業企画を担当。同社ではコリネ型細菌を利用したアミノ酸やアルコール発酵に関する研究開発及びスケールアップに従事。2018年マイクロバイオファクトリー株式会社を設立、代表取締役に就任。創業時より地方独立行政法人大阪産業技術研究所と共同研究を行いながら、微生物発酵による化学品生産の研究開発を実施。デニム染料として利用される”インジゴ”、抗菌・抗酸化作用を有する”ヒドロキシチロソール”の発酵生産の商用化に向けた開発に取り組む。2021年、マイクロバイオファクトリー株式会社で開発したインジゴの発酵生産技術の商用化を目指すため、さとうきび未利用資源を活用したアパレル製品を開発する株式会社Rinnovationの山本社長と共同でCurelabo株式会社を設立し、取締役CTOに就任。

食品廃棄物を活用して、植物性タンパク質マーケットを作る「AlgaleX」

株式会社AlgaleXは、食品の製造工程で出る食品残渣を藻の餌にして培養し、植物性のタンパク質・DHA・コレステロールを生成する2021年設立のスタートアップ企業。同社は、食品の製造工程で出る食品残渣の廃棄コストが企業の負担になっていることに着目し、残渣を利用して植物性のタンパク質・DHA・コレステロールを多く含む藻を培養することに成功した。現在、筑波大学と共同で、成分を抽出する工程を研究中である。2021年12月には、泡盛の製造段階で出る残渣を活用して製造した藻類DHAサプリメント「REGENE」の販売を予定している。CEOの高田氏は、廃棄される資源を活用して価値あるものを生み出し、企業の負担と環境負荷を低減することに貢献したいとしている。


高田 大地
株式会社AlgaleX
CEO
HP

早稲田大学法学部卒。大手総合商社に入社後、穀物部隊に所属。財務経理、M&A、事業再生、ベンチャー投資などを幅広く担当。事業再生時に担当した南米案件や、スタートアップ投資を通じて、世界の一次産業における環境負荷の問題や、日本の水産業の危機的状況知り、商社の視点から各種課題を解決すべく志す。その後、商社在職時投資したスタートアップ企業の一つであるPT MoBiol Indonesia にCFOとして転職し、経営全般を統括。該社はファウンダー逝去に伴い、休眠化。課題に対して解になり得る所に迫りつつ、ここで可能性を閉ざす訳にはいかないという思いから、ビジネス化を引き続き志すメンバーと株式会社AlgaleXを2021年3月に創業、現CEO。

表彰式

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/古川 琢郎/榎戸 貴史/板橋 今日子

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