【最終回】著名ベンチャーキャピタリストが考える「2020年のベンチャー市場」【F17-10B #10】 – INDUSTRY CO-CREATION(ICC)

【最終回】著名ベンチャーキャピタリストが考える「2020年のベンチャー市場」【F17-10B #10】

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「ベンチャー・ファイナンスはどのように変わっていくのか?」【F17-10B】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!10回シリーズ(その10)は、キャピタリスト中期計画と題し、各登壇者に2020年のベンチャー市場の予測とそれに向けた2017年以降のアクションプランについてお話しいただきました。業界必見の締めくくりです。是非御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
2017年2月21・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
Session 10B
ベンチャー・ファイナンスはどのように変わっていくのか?

(スピーカー)
今野 穣
株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ
ジェネラルパートナー, 最高執行責任者(COO)

永田 暁彦
株式会社ユーグレナ
取締役 財務・経営戦略担当
リアルテックファンド 代表

本間 真彦
インキュベイトファンド
代表パートナー

(モデレーター)
武田 純人
UBS証券株式会社
マネージングディレクター

「ベンチャー・ファイナンスはどのように変わっていくのか?」の配信済みの記事

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【本編】

武田 では、今日最後の議論にいきたいと思います。

「キャピタリスト中期計画」ということで、いつもは投資先に中期計画を作るように言っているキャピタリストの方達に、日本のベンチャー市場の中期計画を立てて頂こうという企画です。

皆さんにお願いをして、2020年に日本のベンチャー市場はこうなっているはずだという予想を描いて頂きました。

今野さんが考える、2020年の日本のベンチャー市場はこんな感じです。

これはポジティブサイド。

もう一つはこんな感じです。

ファンド人員を今後、倍増したい

武田 これ、リスクヘッジされました?

今野 いえいえ。

冒頭にあったのですが、幸せな未来と、不幸せな未来は、両方同じ確率で起きうるなと思っています。

では我々はどうするかというと。実は僕らの中では両方の可能性に対するアクションが共通していたりしします。

あまり外では言っていないですが、ファンドの規模も人員も数年で倍にしたいと思っています。

状況がポジティブであればどんどんアグレッシブにいくということですし、不幸せな方に振れた場合のために、ディープポケット(Deep pocket=十分な財力)という、辛い時でも支えられる十分なお金をファンドとして持っておこうと思っています。

キャピタリストを倍増しようと思っているのは、カバレッジが広がるのでジェネラリストだけれども得意領域を持つキャピタリストがあと倍は必要だろうという判断をしたからなのです。

ですから、2020年や2022年くらいには、ファンド人員を倍増したいです。

且つ、その時は、シリーズAからC以外のところもやっているかもしれません。

幸い我々は現状においては好調ですが、現状最適化ではなくて、成長志向でしっかり歩んでいこうと話しています。

武田 ありがとうございます。

今野さんが描く2020年には、新しい力強い投資テーマが生まれています。

その前提条件として、グロービス・キャピタル・パートナーズは人を増やすと言い切ってしまってよいのですか?

今野 是非(笑)。

今年5人くらい採用したいと思っています。

▶ グロービス・キャピタル・パートナーズの採用情報はこちらです。

武田 そうなのですね。ということで、2017年から頑張られるそうです。

今野さんでした。

次に、永田さんが考える2020年の日本のベンチャー市場は、こちらです。

テクノロジーなしには評価されない時代になる

武田 もはやテクノロジー無しには評価されない、と。

永田 ポジショントーク抜きで本当にそう思っています。

ビジネスをする上で英語を話せなくては世界で勝てないというのは当たり前だと思っているのですが、ベンチャーというかビジネスをやる上で、ネット領域だけでいいよねという会社が生き残れるとは絶対に思えないんですよね。

ですから、テクノロジーというものに関して学び、興味を示し、投資をして取り入るというアクションを起こさない企業は評価されなくなると考えていて、特に日本のITネット系のベンチャーの人達は、そこを明確に意識して2020年に臨むべきではないかなと思っています。

必ずそういうことになると考えています。

武田 そんな2020年に向けて、永田さんがこの2017年に頑張られるのは、どんなことになりそうですか?

永田 ICCに「Real Tech Fund」が来ているというところもそうなのですが、僕達は明確に、この業界・領域においてテクノロジーに投資する、あるいは知りたければ「Real Tech Fund」だというポジションを明確化したいと思っています。

これはソーシング(案件発掘)の意味でももちろんそうですし、連携という意味でもそうですし、やはりネット系の中に素晴らしい人材が沢山いるので、そこをブリッジするということでもそうですね。

ですから、2017年は、とにかくこちら側からメッセージを発信していって、ポジションを作っていきたいと考えています。

それが一番、様々なコストを下げることに繋がるという風に考えています。

武田 ありがとうございます。

永田さんの2020年プランと2017年のアクションでした。

最後に本間さんにも教えて頂きたいと思います。

本間さんが考える2020年。

すみません、回答がものすごく長かったのでまとめたのですよ。

(会場 笑)

本間 まとまってないということですね(笑)。

武田 無理やり、数行にまとめてしまいました。

サービス/金融立国として日本がもっと世界に出ていく

本間 正直、これを読んでもよく分からないと思うのですが(笑)、2020年の日本の社会をイメージした時に、やはり今僕が住んでいるアジアや北米に比べると、内需サービスの高度化というところにすごく興味があります。

実際そうなるのではないかなと思っている節もあります。

例えばコンビニエンスストアにしても、最後の最後の生活拠点がどう豊かであるべきかということを解決しようとする能力やイノベーションというのは現に沢山溢れているような気がしています。

これに今のIoTやビッグデータというものが入ったらどうなるのかというと、やはりセンサーのようなものが街にきちんとディプロイ(deploy=展開)されているような状況と、それに対するフィードバックがきちんとかかるようなサービスがもっと増えると思います。

多分日本でも、「あ、こんなものがあるんだ!」という事例が沢山出てくるのではないかと思います。

自分としても、日本においてラストワンマイル、サービス業の内需というところをもっとコード化するサービスなり、技術ベンチャーなりというところに取り組んでいきたいと思っています。

もう1つは、金融国としての日本をイメージした時に、やはりこれだけお金を持っている国というのは世界でも稀であるという反面、どのように使っていくかということに関してはまだまだで、特にこのベンチャーマーケットの観点からすると非常に謙虚だというか、もっとお金が流れるべきだなと思っています。

日本のお金がアジアのベンチャーにも流れた方がいいと思っていますし、アメリカにも流れた方がいいと思いますし、そういう金融サービスの業者・産業としての日本が、2020年くらいにはもう少し強くなっているのではないかなと考えています。

オリンピックのお話もありましたが、それはすごく強い契機になるような気がしていて、3年、5年後のイメージというのはこんな感じで捉えています。

武田 ありがとうございます。

そんな2020年ビジョンに向けて、今年はどんなことを仕掛けていきましょうか?

本間 例えば、シニアマーケットに対してどう取り組むかという分野で一例を出しますと、「MIKAWAYA21」という会社への投資があります。

MIKAWAYA21株式会社 | 「まごころ」の力で「お困りごと」を「笑顔」に

新聞販売店の販売員さんがいらっしゃいますが、「MIKAWAYA21」は、彼らを使ったシニアサポート、具体的には、おじいちゃんおばあちゃんのお宅に伺って、保険適用外の買い物代行などの業務を代行サービスする会社をやっています。

販売店さんの、「もっと地域に溶け込みたい」、「その地域の大事なインフラになりたい」という思いというか方向性と一致して、当初は朝刊と夕刊の配達時間の隙間を活用して人材が派遣されるサービスでした。

現在は、4Gの通信を利用してドローンを制御する技術を発表したNTTドコモらとオフィシャルなライセンス契約をして、新聞販売店がドローンを使っておばあちゃんの家に新聞販売店から荷物を運ぶというような実証実験を始めていたり、新聞社がボタンを押したら販売店の方が来るというような、最後のデリバリーの部分のIoT化をされているんですね。

こういうことは既にオンゴーイングな未来だなと思っています。アレクサ(Alexa、Amazonが開発する音声アシスタント)があるから来るという訳でもなくて。

日本は日本の既存のインフラがあって、それにどういう高度化、どういうデバイスが乗ってきていくかという世界がもう来ているので、こういう事例がどんどん増えていくと面白いし、そういうことが僕の投資先でも起こっています。

武田 ありがとうございました。

2017年の本間さんでした。

最後に、スピーカーから全国3,000万の日本のベンチャーマーケットファンの方達にむけたメッセージを頂いてセッションを終わりたいと思います。

今野さんからお願いします。

VCもリスクを取って未来にコミットする

今野 ありがとうございます。

僕が一貫して考えていることは、不確実性、二極化、多様化がある中で、その都度どう判断をして動いていくかということです。

とはいえ起業家もリスクを取られている中で、僕らもしっかりリスクを取って明るい未来に対してコミットしていきたいなと思っています。

2017年の計画にもう一つ、永田さんのリアルテックファンドの投資先企業に投資するというのも入れておいたほうがいいかなと。(笑)

ありがとうございます。

武田 グロービス・キャピタル・パートナーズの今野さんでした。

ありがとうございました。

では永田さんお願いします。

新たなファンドとして「滅茶苦茶やりたい」

永田 今日3名が登壇して何が最大の違いかというと、実は投資のユニバース(母集団や規模)ではないんですよね。

僕達は1号ファンドなので、何も成し遂げていないファンドなんですよね。

お二方は成し遂げている方々なんですよね。

そういう意味で言うと、上場して黒字化しているベンチャーと、ファイナンスだけ終わらせた、まだ何も成し遂げていないベンチャーみたいな大きな立場の違いがあると思ってます。だから逆に何でも言えるんです。

今日は会場にLP(ファンドの出資者)の方もいらっしゃいますが、発言を気にせずに言うと、僕は資金をゼロにしてもいいから滅茶苦茶やってやろうと思っています。

先ほど今野さんから、ファンドの40パーセントを(テックベンチャー投資で)失敗しましたというお話がありましたが、100パーセント失敗してもいいから皆が「本気か?!」と驚くようなことに取り組まないとテクノロジー領域とIT領域が混ざるような回転は起こらないと思っています。

それでも僕は結果的にファンド自体も成功させたいと思っていて、だからこそ、皆が「えーっ?!」と驚くようなことをどれだけやれるかが、僕達の一つの指標になるなと思っています。

10年後にはもしかしたら大失敗ファンドとして消えているかもしれないですけれども(笑)、なるべく生き残れるように全力で滅茶苦茶やりたいなと思っています。

ですから是非皆さん、応援をよろしくお願いします。

ありがとうございます。

武田 ありがとうございました。

では最後に本間さんお願いします。

ベンチャーの量がまだまだ圧倒的に足りない

本間 日本のベンチャーというか、日本には本当にチャンスが多いなと思っているんですよね。

民泊でもいいですし、遠隔診療でも、ビットコインでも、先ほどの宇宙でもよいのですが、例えば宇宙関連のベンチャーが日本に何個あるのかというと、多分10個くらいしかないと思うんですね。

こんな状況が他の国にあるかどうかを、あるリサーチのツールを使って調べてみたことがあるのですが、宇宙の関連のベンチャーを調べると、例えば北米だと本当に1,000くらい出てくるんですよね。

ベンチャーを供給ととらえるかどうかは分からないのですが、その時、(日本では)圧倒的に供給が足りないと思いました。

あらゆる分野において、僕はベンチャーの供給量が足りないと思っていて、そこをきちんとやっていくというチャンスがまだまだあると感じています。

僕もそこに対して積極的にお金を投資していきたいと思っているので、是非皆で頑張っていきたいと、そんな感じですね。

武田 本間さんありがとうございました。

皆さん、長時間お付き合い頂きありがとうございました。

2020年に、また皆で集まって先ほどの未来予想が正しかったのかというところを確かめ、詰め合いながら、そして更に遠い将来、「どうや!」とパフォーマンスを数字プラスアルファで誇り合えるような、そんなベンチャーマーケットにみんなの力でみんなで汗をかいてしていきたいと思います。

またお会いしましょう。

今日はありがとうございました。

(終)

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/Froese 祥子

【編集部コメント】

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