「社会課題を解決する事業を創るには?」リクルートとヤフーの挑戦【K16-3C #1】 – INDUSTRY CO-CREATION

「社会課題を解決する事業を創るには?」リクルートとヤフーの挑戦【K16-3C #1】

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「社会課題を解決する事業を創る」【K16-3C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!6回シリーズ(その1)は、リクルートマーケティングパートナーズ山口さん、ヤフー宮澤さんにご自身が取り組む社会課題についてのお話を頂きました。是非御覧ください。

ICCカンファンレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級の招待制カンファレンスです。次回ICCカンファレンス FUKUOKA 2017は2017年2月21〜23日 福岡市での開催を予定しております。

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登壇者情報
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016「ICC SUMMIT」
Session 3C
「社会課題を解決する事業を創る」
(スピーカー)
江幡 哲也
株式会社オールアバウト
代表取締役社長兼CEO
 
長谷川 敦弥
株式会社LITALICO
代表取締役社長
 
宮澤 弦
ヤフー株式会社
上級執行役員
メディア・マーケティングソリューションズグループ長
 
山口 文洋
株式会社リクルートマーケティングパートナーズ
代表取締役社長
 
(モデレーター)
池谷 大吾
株式会社スマートエデュケーション
代表取締役社長

池谷大吾(以下、池谷) みなさんこんにちは、スマートエデュケーションの池谷です。

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池谷大吾
株式会社スマートエデュケーション
代表取締役
 
2011年に「世界中の子どもたちのいきるちからを育てたい」をテーマにスマートエデュケーションを創業。子ども向けの知育アプリや幼稚園・保育園向けのICTカリキュラムを手掛け、国内マーケットでトップシェアにまで成長。2012年12月のIVS LaunchPadで優勝。AppStore「Best OF 2013」やGoogle Play「ベストアプリ2013」を受賞。2000年に明治大学大学院を修了後、日本ヒューレットパッカードに入社。 2004年にサイバーエージェントグループのシーエー・モバイルに入社。後に同社取締役に就任。2011年にスマートエデュケーションを起業し、現在に至る。

見渡す限りのたくさんの人に来ていただいていますが、先程テーマがテーマなので集客が厳しいのではないかという話をしていたのですが、予想は超えた感じですかね。

これから私たちだけで盛り上がっていきますので、万が一誰もいらっしゃらなくても僕たちのモチベーション的には問題はありません。

(会場笑)

今日の登壇者の顔ぶれは結構豪華だと思っています、社会課題を解決するというと何か崇高で、例えばエデュケーションとかだと儲からないと思われますが、皆さんちゃんとビジネスとしてマネタイズされている会社さんです。ヤフーさんはもちろんご存知の通りですから、非常にユニークでいいスピーカーの方が集まっていると思うので、一生懸命モデレートしたいと思います。

一番最初は自己紹介ということで、各社さん社会課題を解決するといっても教育だったり福祉だったりメディアだったりしますので、まずどんなことをされているのかということと、最近のトピックス、どの辺に注力されているのかということを伺いたいと思います。

ではRMP(リクルートマーケティングパートナーズ)の山口さんからお願いします。

「スタディサプリ」が取り組む社会課題

山口文洋(以下、山口) 私がチャレンジしている社会課題はオンラインの教育サービスで、スタディサプリというサービスを通して日本の教育環境格差の解消にチャレンジしています。

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山口 文洋
株式会社リクルートマーケティングパートナーズ
 代表取締役社長
株式会社リクルートホールディングス
 執行役員 教育事業担当
Quipper Limited Chairman
 
1978年生まれ、2006年リクルート入社。2011年度リクルートの新規事業提案制度「New RING」にてグランプリを獲得、教育環境格差の解消を目指し、月額980円で予備校講師の講義動画が見放題の高校生向けオンライン学習サービス『受験サプリ』の立ち上げを手掛ける。2015年には、小中学生向け『勉強サプリ』をリリース、英国法人QuipperをM&Aし、現在9カ国300万人が無料で利用。「世界の果てまで最高の学びを届けよう」というビジョンのもと拡張を続ける。2012年に同社執行役員に就任し、2015年4月から現職。

月額980円でいつでもどこでも学べるというオンラインエデュケーションのサービス「スタディサプリ」を4年前に立ち上げました。

【参考資料】
スタディサプリの誕生秘話は 特別対談 「R25」「スタディサプリ」を産んだリクルートの新規事業コンテスト「New RING」の秘密をぜひご覧ください。

高校生からチャレンジをして、今高校生が約300万人いるんですが、10人に1人の25万人強ぐらいが今日現在980円払って勉強していただけるところまできています。

離島の方や収入が低いご家庭の方もスマートデバイスさえ持っていれば、カリスマ教師といわれる有名な予備校出身の先生の授業を受けたり、必要な日々の勉強コンテンツ、受験コンテンツを以って勉強できるところまできています。

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最近のチャレンジに関してですが、この25万人の約半分が放課後の個人利用ではなくて、学校の授業、もしくは予習復習のインフラツールとして使われています。

全国に高校は5,000校あるんですが、今年で既に1,000校弱がこのツールを取り入れ始めています。

その中で、ICTを使って先生の公務管理の効率化、一人ひとりの学力に合わせた予習復習環境を作るといったアダプティブラーニングのチャレンジをしているのですが、一番のチャレンジは、このICTを使えるWi-Fiの通ったインフラがRMP調査で約15%しか全国の公立学校にはありません。

ということで、僕のチャレンジはビジネスというより、文科省さん、総務省さんに掛け合って、1秒でも早く全ての学校にWi-Fiの環境が入るということの陳情している昨今です。

ゴールデンウィーク明けに総務省から2020年迄に公立の小中高全てにWi-Fiの投資をすると発表されたので、今はそれがいち早く進むように現場を巻き込んでいる最中です。

池谷 ありがとうございます。

Wi-Fiなんて全然コストがかからない話しですよね。

ネットは来てるわけですから、ルーターつければいいだけですよね。

山口 面白いのがWi-Fiという議論ではなく、1人1台タブレットやセルラーフォン等ハードの議論になってるんですが、ハードがあってもソフトがあってもネットが繋がっていないと動けないよ、ということを議論を巻き戻して教育再生実行委員に言ったり、文科省、総務省に協議会などで意見を伝えていたら、ちょっと方針が変わってきたので、一歩進んでいるかなというところです。

池谷 今日はよろしくお願いします。

続いてヤフー宮澤さん、台風13号が気になりますね。

ヤフーが取り組む社会課題

宮澤弦(以下、宮澤) そうですね、ヤフーといえばやはり台風がくると非常にアクセスしていただけるという特長がありまして、セッションよりも13号の動きの方が気になっています。

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宮澤 弦
ヤフー株式会社
 上級執行役員 メディア・マーケティングソリューションズグループ長
 
1982年生まれ、2004年東京大学卒業直後に株式会社シリウステクノロジーズを創業、代表取締役に就任。モバイルSEO事業や位置情報に連動したモバイル 向け広告配信事業を手がける。2010年8月、ヤフーにより買収後はYDN(インタレストマッチプロジェクト)のプロジェクトリーダー、2012年7月よりマーケティングソリューションカンパニー事業推進本部長、2013年4月よりメディアサービスカンパニー検索事業責任者に就任。2014年4月より執行役員(最年少)、検索サービスカンパニー長に就任。2015年4月より検索に加え、トップページやニュースなどを含めたサービスを管掌するメディアカンパニー長就任を経て、2016年4月に2つのカンパニーをグループ化したメディア・マーケティングソリューションズカンパニーグループ長に就任。北海道札幌市出身。

メディアを作っている社員も台風が来ると、こういう時に役立たずしていつ役立つんだ、という気合いでやっていまして、待ち構えているというのが率直なところです。

色々経緯があるのですが、3.11が起こった後に信頼できる情報源はどこでしたかというアンケートをどこかの会社がとってくださって、1位は確かNHKで2位はポータルサイトということで、うちだけではありませんがポータルサイトが役立ったということでした。

これは確かに新聞が翌朝来るまで待てない状況だったり、テレビを持って逃げるわけには行かない状況だったり、といった中でスマートフォンだけ持って逃げた時にぱっとヤフーにアクセスすれば情報があった、というのが1つの社会課題に寄り添った形かなと思います。

日本は地震も噴火も水害もあれば台風も沢山くるということで、こういう時にできることを一生懸命考えていこうということで、日本の天候や気象の社会課題に寄り添うサービスづくりを心がけています。

ヤフー天気というのがあり、雨雲レーダーやハザードマップ等しこたま買ってるんですが、全くROI(Return on Investment, 投資利益率)は合わないんです。

%e3%83%a4%e3%83%95%e3%83%bc%e9%9b%a8%e9%9b%b2出所:ヤフー Webサイト

去年も1億円以上買ったんですが、投資稟議を上げても回収はなかなか難しく、特に天気は広告をベタベタ貼るとユーザーにとっては「天気見に行ったのに何で広告を見なければいけないんだ」ということになってしまうのであまり貼らないようにしているのですが、そうするとP/L(Profit and Loss Statement, 損益計算書)真っ赤ですよね。

それでも他のメディアで回収して、天気は何とか投資し続けようということでやっています。

iPhoneが出た時に天気のアプリがデフォルトで入っていてずっとそれが1位だったんですが、最近ヤフーの天気アプリがiPhoneのデフォルトの方を超えるという状況になったのは、そういう投資が日本人には受けたのかなと思っています。

いかにP/Lの算段を合わせながら社会課題に投資をし続けるか、というのが今日色々とディスカッションできればいいかなと思っています。

池谷 雨雲レーダーは僕もユーザーなんですが、見ちゃいますよね。

スマフォにピッタリで見てるとどきどきする感じがしますよね。

宮澤 最近日本全体の温度がどんどん上がってきています。

100年で1.16℃上がっていて、95年以降熱中症が急激に増えていますが、そういう状況になると突発的な雨やゲリラ豪雨の頻度が高くなってきます。

そうすると傘を持ってきていないとか色々ありますが、雨雲レーダーを見ればビルの影に隠れて濡れなくてすむとかそういうことが起こります。

今後突発的な雨等は更に増えると思うんですが、そういうのをどうITで回避させてあげるか、というのは結構いいテーマだと思います。

池谷 先程投資対効果の話しが出ましたが、長年インターネット業界で圧倒的な巨人で、スマホでも倒れない、というのも含めてどうやってこのような素晴らしいメディアができるのか、というのを聞いてみたいと思いますのでよろしくお願いします。

(続)

続きは 「人工知能で自殺予防を」障がい者支援のLITALICOが挑む新しい取組み  をご覧ください。

【編集部コメント】

続編(その2)ではLITALICO長谷川さんに障がい者支援でご自身が取り組む社会課題に関してお話を頂きました。実用化されつつある「人工知能(AI)を使った自殺予防」は驚きです。是非ご期待ください。感想はぜひNewsPicksでコメントを頂けると大変うれしいです。

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/城山 ゆかり/戸田 秀成

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ICCパートナーズ(ICC Partners Inc.)は産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンフ ァレンス「Industry Co-Creation(ICC) カンファレンス」の企画・運営および新規事業創出・アライアンスなどのアドバイザー業務を行っています。