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【速報】竹のお箸を、もういちど日本の食卓へ。伝統と竹林を守り続ける「ヤマチク」がクラフテッド・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2022)

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「ともに学び、ともに産業を創る。」エクストリーム・カンファレンス 「Industry Co­-Creation(ICC)サミット FUKUOKA 2022」(2022年2月15日〜2月17日開催)、2月16日に「CRAFTED CATAPULT
豊かなライフスタイルの実現に向けて」Sponsored by Makuakeが開催されました。

第一線で活躍する審査員が注視する中、8社のものづくり企業が各7分間の熱いプレゼンテーションを繰り広げました。審査員の投票の結果、「竹のお箸を、もういちど日本の食卓へ。」という想いのもと、伝統と竹林を守り続ける「ヤマチク」が優勝いたしました!


結果速報

ICCサミット FUKUOKA 2022 Session 8A 「CRAFTED CATAPULT 豊かなライフスタイルの実現に向けて」優勝は、「竹のお箸を、もういちど日本の食卓へ。」という想いのもと、伝統と竹林を守り続ける「ヤマチク」(得点:36点)でした!

第2位は、創業1793年から技術継承と現代へのアップデートを続ける越前漆器工房「漆琳堂」(得点:31点)でした。

第3位は、デザイン性と機能性に優れた鉄フライパンをはじめ、豊かな暮らしを提案する「藤田金属」(得点:13点)でした。

当日の中継映像もぜひご覧ください。

登壇プロダクト一覧

優勝:竹のお箸を、もういちど日本の食卓へ。伝統と竹林を守り続ける「ヤマチク」

株式会社ヤマチクは、熊本県南関町にある1963年創業の純国産の竹箸メーカー。同社の箸は、有名店やシェフなども認める質のよさを持つ。竹は生育が早くエコ資材と言われるが加工難易度が高く、安価な輸入素材の台頭から、竹を切り出す切子や竹材屋は数えるほどになってしまったという。竹にまつわる仕事を持続可能なものとするために、同社は切子や竹材屋から良質な素材を適正価格で買い取り、竹箸ならではの満足感を消費者に届けて、適正な対価を得られる循環作りを目指している。また、竹の切り出しは、竹林に定期的に人の手が入ることから、地域の生態系の保全につながるという。


山﨑 彰悟
株式会社ヤマチク
専務取締役
HP

1989年生まれ。立命館大学法学部を卒業後、大阪のIT企業へSEとして就職し、銀行の顧客システム開発に従事。その後24歳の頃に熊本県南関町に戻り、家業である株式会社ヤマチクに就職。
竹のお箸の製造に関わる中で、携わっている人達が働きに見合った対価が得られていないことに疑問を感じる。竹を切る切り子や、竹を材料に加工する竹材業者、そしてヤマチクで働く社員。関わる人全てが物心両面のやりがいを得られるお箸づくりを目指し、自社のリブランディングに着手。2019年にリリースした初の自社ブランドokaeriは、NY ADCやPentawardsなどの国際的なデザイン賞を受賞。現在では国内はもちろん、海外からも多くの受注を獲得し、自社ブランドの売り上げ比率を全体の40%までに成長している。製造やPOP-UPでの接客販売の傍ら、ミシュランの星を獲得した一流シェフたちのお箸や一流企業のサスティナブルなノベルティの企画・設計も行っている。

第2位:創業1793年から、技術継承と現代へのアップデートを続ける越前漆器工房「漆琳堂」

株式会社漆琳堂は、福井県鯖江市にある1793年(寛政5年)創業の越前漆器の塗師工房。越前漆器は、漆の樹液採取、素地づくり、塗り、加飾等の生産工程が高度に専門化され作られる、美しさと堅牢さを兼ね備えた国の伝統工芸品。代表取締役の内田 徹氏は、2012年に産地最年少で伝統工芸士となった漆琳堂の8代目で、塗師屋としての技術の継承とともに、食洗機で洗える漆器など、現代のライフスタイルに合った漆器作りを続けている。


内田 徹
株式会社漆琳堂
代表取締役
HP

229年の歴史を持つ漆琳堂の現代表8代目、最年少で越前漆器の伝統工芸士となる。漆塗りの技術を継承しながら、若手職人の育成や地域の産業観光にも取り組んでいる。

1976年 福井県鯖江市出身。大学卒業後、六代続く塗師屋家業に就き、祖父、父に漆器づくりの下地と塗りを習う。2012年産地最年少で伝統工芸士となる。若い世代に向けた自社ブランドを発表。2019年漆琳堂8代目代表就任。漆塗りの技術を継承しながら、若手職人の育成や地域の産業観光にも取り組んでいる。

第3位:デザイン性と機能性に優れた鉄フライパンをはじめ、豊かな暮らしを提案する「藤田金属」

藤田金属株式会社は、「これまでの暮らしを豊かにする金属」をスローガンとする大阪府八尾市にある1970年設立の家庭用金物製品メーカー。同社は、盛一郎氏を含む3人兄弟と父とで、金型製造、製品加工、販売を一貫して行っている。町工場が作る鉄フライパン「ジュウ」は、取っ手をスライドすると外れて、フライパンにも皿にもなるデザイン性と機能性に優れたフライパン。お客さんが購入して写真を撮りたくなるような商品となり、広告宣伝費をかけずに人気商品となった。その流れを組むのがインテリア雑貨のプラントポット「ハチ」、テーブルランプ「イチ」。画期的で職人技が光る製品を作り出し、以前は4000個しか売れていなかったフライパンが、発表以来2022年1月の時点で12万個売れているという。


藤田 盛一郎
藤田金属株式会社
代表取締役社長
HP

1981年生まれ、大阪府出身。大学卒業後、2003年に家業である藤田金属株式会社に入社し営業・開発を主に担当。2020年、四代目代表取締役社長に就任。2021年創業70周年を迎え、工場を見下ろせる自社SHOP「フライパンヴィレッジ」をOPEN。工場の見える化によりスタッフのモチベーションUPと品質UPを実現。商品では2019年は発売した「フライパンジュウ」がデザインと機能を備えたフライパンとして2021年に世界三大デザイン賞であるレッド・ドット・デザイン賞(Red Dot Award 2021)とiFデザイン賞(iFdesign award 2021)をW受賞。現在では金属加工の培った技術を活かしアウトドア商品からインテリア雑貨・園芸用品や文具・家具ツールといった幅広い分野に拡大し、海外にも力を入れています。


「白い恋人」から、100年先も北海道に愛される会社を目指す「石屋製菓」

石屋製菓株式会社は、北海道札幌市にある1947年創業の菓子メーカー。同社のロングセラー商品「白い恋人」は誕生から40年以上の歴史があり、北海道土産として有名。創業以来、良質な道産の原材料を使い、手間暇かけた菓子作りにこだわってきた。2018年には道産バニラの試験栽培を開始。2020年には新型コロナウイルス感染症流行による休業時に、菓子作りの原点である原材料の生産現場を学ぶ目的で、道内の農業法人の協力のもと、若手社員の農業研修を実施した。「しあわせをつくるお菓子」の企業理念のもと、「100年先も、北海道に愛される会社へ」を長期ビジョンに掲げている。


石水 創
石屋製菓株式会社 代表取締役社長
石屋商事株式会社 代表取締役社長
サザエ食品株式会社 代表取締役社長
HP
1982年、札幌市生まれ。2004年に東洋大学法学部経営法学科を卒業後、石屋製菓株式会社に入社。1年間イギリス、スイスへ留学し、語学・製菓技術を学ぶ。その後、2013年に小樽商科大学大学院(商学研究科アントレプレナーシップ専攻)修了。同年8月、石屋製菓株式会社、石屋商事株式会社 代表取締役社長に就任。理念は「しあわせをつくるお菓子」

山間の廃校プールから絶品キャビアを作る「キャビア王国」

株式会社キャビア王国は、宮崎県椎葉村にあるチョウザメの養殖・加工・販売会社。家業である建設業、鈴木組の3代目である鈴木 宏明さんは、建設技術と地元椎葉村の雄大な自然をもとに、淡水で育ち、キャビアとなる卵を産むチョウザメ事業を開始した。日本の魚卵市場は約1兆円といわれている一方、キャビアを食したことのある人は3人に1人の割合。そこで市場の拡大をにらみ、養殖には近隣の廃校となった小中学校のプールを活用し、IoTの導入と高い加工技術で、日本人の味覚に合わせた臭みがなく、一流料理人からも認められる高品質の「平家キャビア」を作り上げた。将来的には全国の廃校プールを活用した安定供給と、すでに29種中21種が絶滅しているチョウザメを、これ以上絶やさないサステナブルな世界の実現を目指す。


鈴木 宏明
株式会社キャビア王国
国王(代表取締役)
HP

宮崎県でチョウザメの養殖とキャビアの製造を行う株式会社キャビア王国の国王(代表取締役)。宮崎県椎葉村という日本3代秘境の村に生まれ大学卒業後NTT東日本に就職も留学を機にUターン。その後家業の建設業のかたわらチョウザメ養殖業に従事。平家キャビアというキャビアブランドを立ち上げ国内の有名レストランに多数採用。その後都農ワインを使った世界初のキャビアにフレーバーを付ける技術を開発。2021年7月に都農ワインキャビアの製造工場として株式会社キャビア王国を建国。また後継者不在で無くなるはずだった地域の名物商品「ねむらせ豆腐」などの商品を第三者事業承継しヒット商品に生まれ変わらせた。
ビジネスピッチ受賞歴:アトツギ甲子園最優秀賞、AVSピッチコンテスト最優秀賞&オーディエンス賞、九州山口ベンチャーマーケット活性化賞、BEPPU DREAM AWARDファイナリスト等

離職したプロの縫製職人がリモートで小ロット対応「ヴァレイ」

株式会社ヴァレイは、奈良県上牧町にある2016年創業のアパレルベンチャー。同社は、メーカーから受注した小ロットの商材の縫製を、工場の廃業や家庭の事情で離職した縫製職人に委託する「MY HOME ATELIER」を2017年から全国に展開している。手間のかかる裁断やボタン加工は同社のマザー工場で処理し、縫製職人は自宅で縫製、同社が検品を行いメーカーに納品する。2020年には、デザイナー支援のために、デザインした服を「MY HOME ATELIER」で製造し、販売までワンストップで行うプラットフォーム「新-ARATASHI-」プロジェクトを立ち上げた。これらの取り組みにより、衰退する日本の服作りを次世代につなぎ、消費者に着たい服をしっかり届けたいとしている。


谷 英希
株式会社ヴァレイ
代表取締役社長
HP

テレビドラマの演出家として活動していたが、廃業寸前の母の縫製工場のアトツギを断られたことがきっかけに起業。廃業や子育てなどにより働けなくなった縫製職人が在宅で服作りができる仕組み「MY HOME ATELIER」を立ち上げる。コロナ禍で航空会社のANAとともに、不足していた医療用ガウンを同仕組みで10万枚製造して、国からの感謝状を拝受する。経歴を活かしたメディア戦略を得意とし、創業以来ガイアの夜明けなど有名番組を含め100以上のメディアに掲載されている。
国内で課題の小ロット生産を可能にする同仕組みと、日本の若手ファッションデザイナーの需要をマッチングさせ、不足するデザイナーのリソースを工場で埋める新事業「新-ARATASHI-」を2021年12月よりリリースした。

さつまいもの生産・加工・販路開拓で、正しい対価が得られる農業を作る「くしまアオイファーム」

株式会社くしまアオイファームは、宮崎県串間市に本社を置き、さつまいもの生産・加工・販売を行う1950年創業の農業法人。「強い農業はこえていく」を企業理念とする。さつまいも農家として、生産、加工、流通、販路開拓までを行い、おいしさと高い収益性を兼ね備えた強い農業を作ることを目指している。「強い農業」を「安心、安全」「おいしい」「安定的で高い収益性」と定義し、「こえていく」には、時代、世代、世界を「越え」、 しがらみ、既成概念、想像、自分自身を「超え」、関わるすべての人々を「肥え(豊かで幸せに)」との思いを込めた。甘さ濃厚系から淡泊系、ほくほく系からしっとり系まで、さまざまな味わいの品種を栽培し、D2Cサイト「OIMALL あおいちゃんのサツマイモ専門店」で、土付きサツマイモから、加工品の冷やし焼き芋「imop」、大学いも、本格芋焼酎まで取り扱う。


奈良迫 洋介
株式会社くしまアオイファーム
代表取締役社長
HP | STARTUP DB

1982年生まれ、鹿児島県出身。高校卒業後、美容師見習いを経てワーキングホリデーでニュージーランドへ。帰国後、鹿児島大学に入学し2010年3月に卒業。同年4月からインドの現地企業で翻訳業務のプロジェクトマネージャーを務める。2012年7月からは東京の貿易商社にて経営管理および食品の輸出業務に従事。他部門への異動内示をきっかけに「さつまいも愛」から台湾で見つけたくしまアオイファームへの転職を決意。2016年1月入社、同年9月から2017年3月までは現地生産の可能性を探るためベトナムに滞在。帰国後は、金融機関や投資家を相手にさらなる成長のための資金調達に奮闘。2018年1月実施の社長内定総選挙で当選。2020年9月より現職。2018年10月より2020年3月まで宮崎大学農学部に設置した共同研究講座「MIYADA TAIYO Aoifarm Lab」において特別助手を務める。世界最大の農業者ネットワークを持つ国際農業奨学金制度「Nuffield」の日本事務局の理事も務める。

佐賀に根ざした豆腐づくりで産業の復興を目指す「佐嘉平川屋」

有限会社平川食品工業は、佐賀県武雄市にある1950年創業の豆腐製造会社。佐賀県は全国有数の大豆の産地で、豆腐作りにに適した大豆「フクユタカ」を豊富に生産、その特徴はあっさりとした上品な味わいだという。同社の人気商品は、温泉水で湯豆腐を作ると豆腐が溶けてつゆが白濁してトロトロになる「温泉湯豆腐」。豆乳もちの「呉豆腐」や、焙煎したごまを使った「ごま豆腐」など、佐賀に根ざした商品を作っている。豆腐屋は薄利多売の儲からない商売となり、ピーク時の10分の1まで減少、毎年400〜500件が廃業しているという状況。同社は「豆腐といえば佐賀」と言われるような商品づくりを続け、地域の産業のロールモデルとなって業界の発展につなげたいという。


平川 大計
有限会社平川食品工業(佐嘉平川屋)
代表取締役
HP

1971年生まれ。九州・佐賀県の豆腐屋、有限会社平川食品工業(佐嘉平川屋)の3代目。九州大学工学部卒業後、旧運輸省(元国土交通省)に入省、港湾行政、航空行政に携わった後、起業しようと2000年に運輸省を退職。その後一時的な腰掛けのつもりで実家の豆腐屋に入社したものの、実質債務超過で倒産寸前であったため、立直しに奔走。佐賀県嬉野温泉の名物である温泉湯豆腐の普及を進め、通販の拡大を図ることにより立て直しに成功。現在は、佐賀の豆腐文化を全国に広めるとともに、次世代の豆腐屋の形を作るべく活動中。一般財団法人全国豆腐連合会理事。

表彰式

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/板橋 今日子/鵜飼 一誠/古川 琢郎

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