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副作用と耐性が出にくい核酸医薬で、がん治療に次の一手を届ける「東京核酸合成」(ICC KYOTO 2026)

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ICC KYOTO 2026 ディープテック・カタパルトに登壇いただき2位に入賞した、東京核酸合成 山本 誠さんのプレゼンテーション動画【副作用と耐性が出にくい核酸医薬で、がん治療に次の一手を届ける「東京核酸合成」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2027は、2027年3月1日〜3月4日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションのオフィシャルサポーターは 慶應イノベーション・イニシアティブ です。

▶【速報】極細ケーブルで超電導を社会実装、電力業界に産業革命を起こす「日本超電導応用開発」がディープテック・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2026)

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【登壇者情報】
2026年8月31日〜9月3日開催
ICC KYOTO 2026
Session 7A
DEEPTECH CATAPULT -ディープテックが世界を変える
Sponsored by 慶應イノベーション・イニシアティブ

山本 誠
東京核酸合成
代表取締役
公式HP

信州大学繊維学部で高分子化学を学んだ後に医学へ転じ、東京医科歯科大学大学院にて博士(医学)を取得。2006年、東京医科歯科大学発の創薬ベンチャー・キノファーマに創業メンバーとして参画。2014年からは東証グロース上場の日本動物高度医療センターで事業開発を担当し、京都大学インキュベーションプログラム事業推進責任者も兼任。創薬13年・事業開発10年を経て、2025年5月に東京核酸合成株式会社の代表取締役に就任。がん細胞の中でだけ組み上がる核酸医薬の開発を進めている。

主な実績と活動
創薬: 抗ウイルス薬について、作用機序不明の化合物から薬剤標的を同定し、非臨床試験、PMDAとの協議、臨床研究の立案までを担当。同薬は現在も臨床試験が進行中。
事業開発: 犬猫用活動量計など2事業をゼロから立ち上げ、全国1,150の動物病院との医療連携を実現。
論文・受賞: 査読付き論文13報。日本ケミカルバイオロジー学会 学会賞。
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山本 誠さん 東京核酸合成と申します。

当社は、核酸を使った創薬開発と、その核酸自体の超効率的な合成方法の開発を行っております。

本日は、「がんの中で組み上がる」核酸医薬について、ご紹介します。

がん治療は進歩しても、なお残る限界   

がん治療は、確実に進歩しています。

ただ、転移や再発のたびに治療を繰り返し、患者さんは最終的に、こう言われます。

「もう、できることはありません」

がんは、日本の死因の第1位です。

2人に1人ががんになり、世界では年間約970万人もの方が死亡している、まさに世界人類の課題、ディープイシューです。

「がんの中で組み上がる」核酸医薬の働き

患者さんと、そのご家族に、我々ができることは何か。

当社では、「がんの中で組み上がる」核酸医薬を開発しています。

2つの核酸をがんの中に導入すると、がんの中にあるスイッチにより活性化されて、核酸の集合体が自動的に組み上がります。

本来、こんなものは細胞の中にはありません。

そのため、この集合体がもとで細胞死を迎えます。

まず、その様子をご覧ください。

実際にがん細胞の中で集合体ができて、細胞が死んでいく様子です。

黄緑色の集合体がパラパラとできて、がん細胞が死んでどんどん丸くなっていきます。

もう少し拡大して見てみましょう。

集合体ができて、丸くなり、バチュンとはじけて死にます。

免疫細胞を呼び続け、がん細胞を内部から破壊 

では、この集合体は、どうやってがんをたたくのでしょうか。

まず、最もよく使用されている抗がん剤に、「免疫の薬(免疫チェックポイント阻害剤)」があります。

ただ、奏効率は2〜3割です。

そのため、「免疫細胞を呼ぶ薬」が開発されていますが、効果は低いのです。

当社の核酸は、集合体を形成すると、細胞が異常事態だと認識し、細胞内のシステムが作動して、免疫細胞を呼び続けます。

それだけではありません。

もう1つのシステムが作動して、がん細胞を内部から直接壊します。

免疫細胞を呼び続ける、そして同時にがんを直接壊します。

だから強く効くのです。

マウス実験で腫瘍が消失する個体を確認

その効果について、マウスの実験で確認してみましょう。

マウスの背中にがん細胞を移植して、尻尾から核酸を静脈投与します。

こちら、コントロールのマウスには、背中に大きな腫瘍が確認できます。

当社の核酸を投与すると、このように腫瘍がなくなる個体も確認できました。

また、毒性を示す所見は出ていません。

つまり、副作用が低いということです。

正常細胞を攻撃しない「低副作用」の理由 

では、なぜ副作用が低いのか。

実は、この集合体を作るスイッチは、がんにだけ多いのです。

既存の抗がん剤は増殖している細胞を全て攻撃するので、正常細胞も攻撃してしまいます。

一方、当社の核酸は、がん細胞には効果がありますが、正常細胞にはそもそもそのスイッチが限りなく少ないので、核酸を入れても集合体ができません。

そのため、正常細胞は死にません。

だから、副作用が低いのです。

がんの「耐性化」を阻む仕組み 

では、耐性化についてはどうでしょうか。

既存の「分子標的薬」といわれるものは、その標的としている分子が変異すると効かなくなります。

当社の核酸のスイッチとなるのは、がんのがん化、増殖、生存に関与している、がんの生命線ともいえるもの(miR-21という分子)です。

そのため、(がん細胞がmiR-21を)減らしたり変異させたりすること自体が、がんにとって致命傷となります。

だから、耐性が出にくいのです。

このように強く効く、そして副作用と耐性が出にくい、さらに全身投与もできる、これが、当社の「がんの中で組み上がる」核酸医薬の優位性です。

工学の発想と勝てるチーム体制 

では、当社がやれる理由、当社の勝ち筋は何か。

そもそも「細胞内に異常な集合体を自己構築する」という東京大学工学部教授(岡本  晃充教授)の研究から、この発想はスタートしています。

設計思想が、まさに工学の発想なのです。

その教授が、経営にも参画しています。

そして、私自身に13年の創薬経験があり、今回が2回目の創薬になります。

前回は、抗ウイルス薬の作用機序の発見から治験までを主導しました。

そこに大手製薬出身の顧問の方が3名、実働で参画し、東京大学医学部附属病院の病院教授がKOL(キーオピニオンリーダー)として伴走してくださっています。

このチームだから、できるのです。

ステージ4の乳がんに挑む

現在、非臨床試験を実施中で、3年後に臨床へいきます。

そして、このチームで最初に挑む標的が、ステージ4の乳がんです。

全身に転移していて、もう手術では取り切れません。

第1治療、第2治療、第3治療。

治療を重ねるほど選択肢がなくなり、最後の治療に。

効くのは20人に1人、余命は半年です。

そして、次がない。

この患者さんに、まず当社の核酸を、次の一手を届けます。

様々ながん治療に適用できる可能性

ステージ4の乳がんだけで、先行薬の市場が2,270億円です。

私たちの核酸のスイッチは、様々ながんに共通しています。

そのため、いくつかのがんへ、そしてがん種を問わず適用されると、5.2兆円の市場となります。

様々ながんへ広げられ、そして市場も桁で変わります。

ですが、まずはここからです。

創薬研究者としての原点と確信 

写真の男性は、祖父です。

その隣が、私です。

中学生の時、祖父ががんであることを聞かされました。

そして高校生の時、「もう、できることはありません」という、あの言葉を聞きました。

がんという世界的な課題、ディープテック、ディープイシューが、自分自身の命題になりました。

そして、研究者になりました。

薬も創りました。

この技術を初めて知った時、「核酸でこんなことができるのか」と感動しました。

そして、この技術であればディープイシューを解決できる、患者さんに「まだできます」と言える、そう確信しました。

全てのがん患者さんと家族へ、次の一手を届ける

全てのがん患者さんと、そのご家族へ、まだできることがあります。

その次の一手を、必ず届けます。

皆さん、応援をよろしくお願いします。

東京核酸合成でした。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美

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