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「BABY JOB」は、保育にまつわる保護者と園の課題を解決し、子どもと向き合う時間を創出する(ICC KYOTO 2022)

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ICC KYOTO 2022 D2C & サブスク カタパルトに登壇いただき、見事優勝に輝いた、BABYJOB上野 公嗣さんのプレゼンテーション動画【「BABY JOB」は、保育にまつわる保護者と園の課題を解決し、子どもと向き合う時間を創出する】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2023は、2023年2月13日〜2月16日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターはプレイドです。

【速報】保育施設向けおむつサブスクで手ぶら登園を実現!「BABYJOB」がD2C&サブスク カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2022)


【登壇者情報】
2022年9月5〜8日開催
ICC KYOTO 2022
Session 12A
D2C & サブスク カタパルト
Sponsored by プレイド

上野 公嗣
BABYJOB株式会社
代表取締役

2003年大学卒業後、ユニ・チャーム株式会社に10年勤務。2012年「ママの笑顔をつくる環境を提供し続ける。」の理念でS・S・M株式会社を起業。2013年地域型保育事業を中心に全国で45施設を運営。2017年:保育士資格取得。2018年ぬくもりのおうち保育株式会社 設立、BABY JOB株式会社設立、武庫川女子大学大学院 臨床教育学研究科卒業。2019年働くママが抱える「平日やる事多すぎ問題」による痛みの軽減の為に、紙おむつ・衣類・シーツ等の登降園準備のタスクを減らす、紙おむつの定額制サービス「手ぶら登園」を開始。2020年:幼稚園教諭免許取得。2021年日本サブスクリプションビジネス振興会公認サブスクアンバサダー就任。2022年NPO法人全国小規模保育協議会 理事長就任。


上野 公嗣さん BABY JOBの上野 公嗣と申します。

本日は保育施設向けおむつのサブスク「手ぶら登園」について、事業紹介をさせていただきます。

私は2003年にユニ・チャームに新卒入社し、仕事をする中でお母さんたちの活躍を目の当たりにする機会が多くありました。

そこで、お母さんの人材活用ができる企業を作ろうと思い、10年前にBABY JOBの前身となる、株式会社S・S・M(Super Strong Mother)という会社を起業しました。

今よりも待機児童問題がとても深刻で、なかなか働きたくても、活躍したくても、保育所がないから活躍できないという保護者がたくさんいたので、まずは保育所作りから始めました。

現在直営で45カ所の保育所(ぬくもりのおうち保育)を運営しています。

仕事と家庭と子育てのタスクに追われる毎日

保育所をたくさん作りさえすれば、保護者が元気良く働けると思っていましたが、そうは甘くはいきませんでした。

仕事と家庭と子育てを両立する中で、保護者は一日中様々なタスクに追われています。

また、0、1、2歳児に関しては夜泣きもするので、夜は細切れの睡眠をし、また朝がやってくる、これを延々と繰り返す中で、保護者はものすごく疲弊しています。

保育所は本来「仕事」「家庭」「子育て」の3つを両立するためのインフラであるはずですが、保育所に通うことで増えてしまっているタスクもあります。

保育所には、保護者が登園時と降園時に、必ず2回来てくれます。

我々は保育所を運営しながら子どもたちの発達や成長を約束してきたのですが、保護者にもうちょっと手を差し伸べてあげることができたら、保護者が抱えている負担を軽減し、元気よく働くことが出来るのではないかと思いました。

おむつの名入れ・持参が不要になる「手ぶら登園」

最初に始めたのは、「おむつに名前を書いて保育所に持っていく」という負担を解決するための、おむつのサブスク「手ぶら登園」です。

「保護者の決済」をシステムで提供して、メーカーが直接保育所におむつを届ける仕組みを作りました。

今まではおむつをメーカーから卸店、卸店から小売店、小売店から保護者が買って、名前を書いて保育所に持っていっていました。

それをメーカーから直接保育所におむつを届けることで、保護者は名前を書いて持っていく必要がなくなりました。

保育士の在庫管理やストレスを減らすサービス

また、手ぶら登園は保育士にとっても負担軽減に繋がるサービスになっています。今までは保育士が個別でおむつの在庫管理をして、無くなったら保護者に「持って来てくださいね」と言っていましたが、その必要がなくなりました。

保護者がなかなかおむつを持ってきてくれなかった時は、保育所にあるおむつを貸し借りしなくてはいけなかったり、もうちょっとお尻を拭いてあげたいけれど、おしりふきの残りが少ないから拭いてあげられなかったり、といった問題も解決することができて、保育士の満足度が非常に高いサービスになっています。

保育士も保護者も負担が軽減される、保育所はタダで導入できる、使わない理由はないですよね?

2019年7月にサービスを始めた当初は、アポ率0.1%でかなり苦労をしました。

保育所に電話して、「おむつの定額制サービスを始めました」と言っても、多くの保育所は、「いや、おむつに困ってません」「保護者さんが持ってきてくれて、保護者さんが持って帰ってくれて、今まで一切クレームになったことはありません」と言って、ガチャッと切られて終わっていました。

それが、2020年日本サブスクリプションビジネス大賞でグランプリをいただいたことで、多くのメディアに取り扱っていただき、今年(2022年)の6月には2,000園以上でご利用いただいております。

日本一のサブスクは”手ぶら登園”、日本サブスク大賞2020表彰式(PR TIMES) 

公立保育所への一括導入が進む

2022年4月からは、ユニ・チャームだけでなく、花王の「Kao すまいる登園」も我々が扱うようになりました。

保育所がどのように保護者に案内すればいいのか、保護者のクレームが保育所に行かないようにするにはどうすればいいのかなど、我々のカスタマーサクセスチームがノウハウを蓄積しています。

子どもはおむつが外れることで解約になるのですが、保育所はほぼ解約をしないので、毎年毎年園児が入って積み上がっていく事業になっています。

今年に入ってから、自治体が一括導入をしてくれる機会が増えました。

使用済み紙おむつの持ち帰りをなくすプロジェクト

そのために、2つのプロモーションに力を入れています。

1つは「保育園からおむつの持ち帰りをなくす会」の取り組みです。、2022年2月に弊社が行った調査によると、約4割の自治体が使用済みの紙おむつを保護者に持ち帰らせていることが分かっています。

コンビニやスーパーの入り口にあるゴミ箱に、「おむつを捨てないでください」と書いてあるのを見たことがありますか?

僕も最初は「なんでこんなことが書いてあるのだろう」と思ったのですが、おそらく保育所で渡された使用済みのおむつを家に持ち帰らずにごみ箱へ捨てている人がいるからだと思います。

実は、使用済みのおむつを保護者に持ち帰らせる真っ当な理由はありません。

そこで、園で処分しない理由を、公立保育施設がある1,461の自治体に電話をし、調査した結果を可視化できるようにマップにしました。

そのおかげでメディアに取り上げていただき、多くの自治体で、使用済みのおむつを持って帰らせないという方針を決めていただきました。京都市でも先月(2022年8月)におむつを持って帰らせないという方針を決定しました。

公立の保育施設、使用済み紙おむつの公費処分広がる 親の負担減へ(朝日新聞デジタル)

「手ぶら登園」は、おむつに名前を書かなくなるため、おむつを持って帰らせられなくなります。

これによってまず持ち帰りの負担を解決するとともに、おむつの定額制サービスのマーケット自体を広げる効果があるため、この活動をしています。

“食べログの保育所版”で「保活」をサポート

もう1つは、2022年6月から始めた幼保施設の検索サイト「えんさがそっ♪」というサービスです。

今「保活」をする、保育所を探すといったら、まずは自治体にいき、園名、住所、電話番号等が書いてあるリストを受け取ります。

そこからほとんど情報が無い中で、大切な子どもを預ける保育所を探さなければいけません。

それを解決するために、“食べログの保育所版”を作り、2カ月で登録園数が500園を超えました。

このペースでいけば、2022年末までに登録施設数は2,000園を超えます。このサービスを広げていくことで、それぞれの保護者にあった保育施設探しのサポートをすることができます。

さらに、今までは入園説明会で初めておむつを持っていかないといけないとか、持って帰らないといけないということが分からなかったのですが、「えんさがそっ♪」を使うことよって、事前に把握することができるようになりました。保護者が園選びをする基準の一つであることが定量化されることで、マーケットを拡大していきたいと考えています。

コットカバー、食事用エプロンのサブスクも展開

少子化で子どもは減っていますが、園を利用する人の絶対数は増えていて、まだまだ保育所という視点から見たときには、子育ての課題は多くあります。

今年はOEMで保育所で使うコット専用のカバーを開発してサブスクにしたり、来年からは食事用エプロンをローンチします。

手ぶら登園 使い捨てコットカバー(BABY JOB)

食事用エプロンも毎日洗濯が大変です。少しずつ保護者の方のタスクを減らして子どもと向き合う時間を創出しようと、我々は事業として拡大していきます。

▶使い捨てエプロンサービスについて(BABY JOB)

すべての人が子育てを楽しいと思える社会に

僕は日本という国は、すごく子育てに優しくない社会だと思っています。

「子どもは社会の宝だ」と言いながらも、保護者に話を聞くと、「私は子どもを産んでから、やたら謝っている」と。

「レストランに行っても、バスに乗っても、電車に乗っても、やたら謝っている」と。

この社会の雰囲気自体が、すごく優しくないなと思っています。

周りの人に「幸せよね」「いいね」と言われて、「私、これしんどいんだ」と言いづらい社会の雰囲気があります。

今の子どもたち、保育所にいる子どもたち、僕の子どもたちが大人になるまでに、この雰囲気自体を変え、子どもを産みやすい社会、産みたいと思えるような社会にしていきたいと思っています。

これが僕らの責任だと思っているので、まずは「おむつに名前を書いて持っていく」風習を、3年以内に都市伝説にしてしまいたいと思っています。

ありがとうございました。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美

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