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初開催! ICC×ヘラルボニーのライブオークション

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9月4日~7日の4日間にわたって開催されたICC KYOTO 2023。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。このレポートでは、ICC×ヘラルボニーで初開催したライブオークションの模様をお伝えします。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2024は、2024年2月19日〜 2月22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


ことの発端は、今年2023年の5月20日から約1カ月間、大手町・三井住友銀行東館 1F アースガーデンで開催されたヘラルボニーの展覧会『ART IN YOU アートはあなたの中にある』を、運営スタッフの有志とともにICCが見学に行ったことに始まる。

大手町の展覧会を見学するICCチーム

松田 崇弥さんに作品を解説いただきながら見学することで、作品の背景がわかってより一層面白く見え、その場でICC小林 雅は作品を1点購入。そしてこういったことがICCサミットでもできないかという話になった。7月に盛岡を訪問する機会があり、話は実現に向けて動き出した。

今回ICCとヘラルボニーはオークションだけでなく、オリジナルのエコバッグでもタッグ。来場者の方々や運営スタッフチームにも松本真由美さんの『プール』という作品をモチーフにしたバッグが配布された。

運営チームは全員点呼のときに、参加者の皆さんにはアワード会場入口などで配布

ICCサミット会場の一角がアートギャラリーに

作品の展示とオークションの場所はメイン会場の入り口付近、壁の片面をギャラリーにして、6点を展示した。

9月5日はギャラリートークとして、松田 崇弥さん、松田 文登さんが作品を紹介。購入意欲のある人や、ヘラルボニーの活動に興味のある人たちが集まり、作品に見入っていた。2日目は松田さんたちとともに、ICC小林がオークショニアとなり作品を販売。今回3点の作品を出品した作家・衣笠 泰介さんの母親の珠美さんも会場を訪れた。

ギャラリートークの模様

9月6日の13時からはいよいよオークション。作品の紹介が終わり手順などを説明していたところ、聞いたことのある声で「1億!」という声が飛んだ。今年の7月から経営顧問に就任したばかりのユーグレナ/ リアルテックファンドの永田 暁彦さんである。

6期目を迎えるヘラルボニー、ユーグレナCEO 永田暁彦が経営顧問に就任。「福祉実験ユニット」から「福祉実験カンパニー」へ(PR TIMES)

偶然に通りすがった永田さんが経営顧問としてしっかり場を盛り上げたあと、オークションが始まった。どんな作品が紹介され、誰が落札したのか合わせてご紹介していこう。

落札された作品一覧

『花の小物』 国保 幸宏

今回のための描き下ろし作品。京都在住で、指の力を使って絵の重量が増すほど幾重にもオイルパステルを塗り込めながら描く。ゴリゴリとパステルを擦り付けるときに揺れて、指が痙攣して動いてしまうのが独自のタッチに表れている。ポコラート審査員特別賞 奈良美智賞の受賞歴があり、著名ギャラリストの小山 登美夫さんもコレクションしているのだとか。

希望者が挙手!

この作品を落札したのは、五島列島なかむらただし社の中村 直史さん。

中村さん「どの作品も本当に素晴らしいです。僕もものを書いたり作ったりする仕事をしているのですが、自分の持っている特徴が行きたまま作品になっているので、この作品が本当に素晴らしいなと、自分が仕事をする際の指針になりそうだなと、仕事場にぜひ置きたいなと思います」

『Scratch Works Yay!Yay! 2023 AOZORA』 岡部 志士

10色のサクラクレパスを使って全色を均等に減らしながら描くという特徴があるが、クレパスの削りかすを集めてできたかたまり(本人曰く「コロイチ」)こそが本人にとっての作品で、描き終わると絵画に興味はないという。SHIPSがコラボレーションするディズニーコレクションにも採用された、今、非常に人気の高い作家とのこと。haccobaの日本酒のラベルにもなっている。

これがコロイチ

この作品を落札したのは、BACKSTAGE / BreakingDownの溝口 勇児さん。

溝口さん「昨日からこの絵がほしいなと思って見ていて、今日はこの絵狙いで来ました。お世話になっているクリニックの壁に飾っていただければと思います。絵を見にぜひクリニックにお越しください(笑)」

『青いトビラ』 藤田 望人

日本橋三越の350周年記念のキービジュアルにも抜擢された作家のコラージュ作品。さまざまなものを貼り付けた立体的な作品で、作家自身が大好きなローマ字や数字を切り貼りして作品を作る。非常に人気の高い作家で、作品が完成するとすぐ売約済みになるのだそう。

この作品を落札したのは、ICCパートナーズの小林 雅。

小林「僕も入札していいですか? ICCブルーっぽくていいですよね? 最初からほしかったんですよ! 僕のためにあるんじゃないかと思っていました(笑)。オフィスに飾るので、いつでも遊びに来て見てもらえれば」

『金閣寺』『銀閣寺』 衣笠 泰介

当初作家の衣笠さんご本人が来場の予定だったもの、旅行が好きで会場のホテルに来ると歩き回ってしまうことが予想されたため、衣笠さんの母親が代理で来場。二条城を遊び場として育った泰介さんは、こちらも幼いころから親しんできた金閣寺(写真右)と銀閣寺(同左)を連作で描いた。いずれも油絵の具での描き下ろし作品。

写真左が衣笠さんの母親、珠美さん

この連作を落札したのは、慶應義塾 常任理事 / 株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ山岸 広太郎さん。

山岸さん「家に絵がたくさんあって、どこに飾ろうかな。ポップな色合いが直感的に好きでした」

『祇園祭だ、京都へ行こう!』 衣笠 泰介

こちらも今回のための描き下ろし作品。衣笠さんは祇園祭が行われるエリアの中心部に住んでいるそうで、真ん中に京都タワー、金閣寺や京都駅の混雑などをリズミカルに描いている。国内外の評価が高い作家で、ヘラルボニーと最初にタッグを組んでからもぐんぐん価格が上がっているのだそう。京都上御霊神社と京都御所内白雲神社の絵馬所には、大作絵馬が奉納されている。

こちらも慶應義塾 常任理事 / 株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ山岸 広太郎さんに落札いただいた。

オークションが終了したあとは、落札者が作品とともに記念撮影。現在作品は各落札者へ届いており、ICCオフィスにも飾られている。

ICCサミットとしては初の試みであったが、全作品が落札されてオークションは終了した。カタパルトの登壇から、近年ではオリンピックやさまざまな企業とのコラボレーションなど、急成長を続けているヘラルボニーだが、今回のために作品を描き下ろした作家の方々含めご協力いただいた。

作品の背景が伝わるアットホームな雰囲気の中で、共感できるビジョンを持った企業に、ただ好きな作品のために、自分のために、よいことのためにお金を投じる。そんなことが自然と行われている会場を見て、この先こういったことが、もっと広がっていくだろうと予感した。

この場に集まっている人たちは、アーリーアダプターともいえる感度の高い人たちで、世の中の流れを必ず先取りしていく。その流れを確かめるために、次のICC FUKUOKA 2024でも、同様の企画を開催する予定である。

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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