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ICC KYOTO 2024 カタパルト・グランプリに登壇いただき5位に入賞した、エスマット 林 英俊さんのプレゼンテーション動画【IoT重量計でリアルタイムに在庫管理、日本式の製造DXを推進する「エスマット」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2025は、2025年2月17日〜 2月20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。
▶【速報】障害への支援的な構造を逆転するアートIPカンパニー「ヘラルボニー」がカタパルト・グランプリ優勝!(ICC KYOTO 2024)
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【登壇者情報】
2024年9月2〜5日開催
ICC KYOTO 2024
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
林 英俊
エスマット
代表取締役
サービス公式HP | 公式X
コンピューターサイエンス修士、製造業中心の戦略コンサル(ローランドベルガー)、ECのプロダクトマネジメント(アマゾン)を経て、2014年にスマートショッピング創業。代表取締役として経営全般を舵取りしつつ、IoT x SaaSビジネス、Webメディア・D2Cビジネスの事業立ち上げなどグロース中心に実務も担う。製造とデジタルの交差点に立ち、製造DXを業界レベルで進めるための外部協業、日本全国のコミュニティ活動も積極展開。DX・IoT・在庫関連の講演・執筆・メディア発信も多数。ICCカタパルト優勝。重さの男。製造DX協会代表理事、三重大学リカレント教育の講師。
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林 英俊さん 「重さの再発明」で製造業の在庫管理を変える、世界初のサービスを紹介します。
新しい重さの量り方は「のせっぱなし」
突然ですが、皆さん、「重さ」を量ったことはありますか?
重量計にのせるだけ、小学生にもわかる基本概念です。
エスマットは、「重さを再発明」しました。
人が毎回重量計にのせるのが常識、その常識を壊して、“のせっぱ”で量り続ける。
これを在庫管理に応用します。
IoTに在庫をのせたまま24時間365日管理
IoT重量計に在庫を“のせっぱ”、1個5gのネジが合計15gだと、割り算すれば、ネジが3個だと分かります。
IoTが24時間、監視、記録します。
「重さの再発明」と「在庫管理」は、抜群の相性です。
なぜなら、在庫管理の課題は、実物を24時間365日見つづければ、決して起こらないからです。
誰もがその真理を知りつつ、100種類のネジ、300m先の物など、人間業ではないため諦めてきました。
諦めの結果、あらゆる企業で、「足りない・あふれる・データがない」のが現実です。
それが、色々な深刻な課題につながっています。
例えば、在庫が足りなくて生産ラインが止まると、1分100万円の損害というシビアさです。
エスマットは、「重さの再発明」で、この諦めを突破。
在庫管理を根本解決します。
見える在庫管理でさまざまな経営課題を解決
具体的には、IoTが在庫を把握、頭脳にあたるクラウドソフトが見える化を担い、データで変革もできるサービスです。
デモを見てください。
IoT重量計に、ネジを“のせっぱ”。
25個ある在庫から5個取り出すと、在庫は20個だと自動で把握します。
発注点を下回ると、アラート、自動発注、システム連携も可能で柔軟です。
消費データは、改善に使えます。
グラフから直感的に発注点を変更して、在庫を減らせます。
動かない在庫や商品も、一目で分かります。
在庫金額を見て、キャッシュフローを改善できます。
在庫管理を超える応用機能も、2、3存在します。
例えば、品質管理に役立つ「レシピずれ防止」です。
レシピを登録すれば投入ミスを重さで検知するので、1,000万円レベルのロスを防げます。
サービスの原点はAmazon時代の気づき
なぜこのサービスを始めたのか。
私は以前、Amazonのプロダクト責任者でした。
まず定期購入については、自分の消費ペースが分からないのに購入頻度を選んでも、本当に必要なタイミングでは届かないのです。
そして、ひと押しで買うDash Buttonは、大変な残量確認はそのままで、買う作業だけを楽にしたものでしたが、このサービスは終了しました。
▶Amazon Dash Button、8月31日に役割を終える。ボタン注文を終了 2019年8月2日(ImpressWatch)
モノの消費量・残量が見えれば、買い物が変わると確信して起業しました。
その後在庫管理にピボットし、より大きな手ごたえを感じています。
自動車、化学業界のトップ企業の半数以上が導入
事業は順調に成長し、顧客は1,000社で、売上は約5億円です。
在庫管理レベルが世界一の製造業に1年前から注力し、自動車業界、化学業界のトップ企業の半数以上で導入されました。
製造業3社の導入事例
液体物が多い化学メーカーの事例です。
導入前はメイン業務が頻繁に中断され、危険物も人が管理していましたが、IoTの自動発注で生産性と安全性がアップしました。
▶【業務効率化・生産性向上】試薬・溶剤の発注を完全自動化。液体窒素や廃液処理までも管理する事で、メイン業務である分析に専念(SmartMat Cloud)
今、業界最高峰の自動車の生産ラインの事例です。
導入前は、消費量が予想できない部品を(手作業で数えるという)力技で確認しており、緊急手配の連続でした。
導入後は、IoTで常時在庫が見えるため即対応ができ、生産性を改善し、ライン停止リスクを回避しました。
▶消費スピードの予測が困難な部品在庫数をリアルタイムで把握。管理人件費削減により従来の1.5倍の費用対効果と若手の従業員体験向上を同時に実現(SmartMat Cloud)
最後は、在庫管理を超え、工程改善をした事例です。
導入前は、在庫を運ぶ人が、200mの距離がある現場と在庫置き場の間を走り回り、製造担当も補充業務を兼務しており、製造中に手を止める状態でした。
IoTで右のラインを左の倉庫から遠隔監視したことで、中間在庫をゼロにし、生産物流を変革しました。
競合が不在となる2つの強みとは
市場は注力領域で2兆円、グローバルで35兆円です。
ローンチから6年ですが、競合はいません。
1つ目の理由は、「デジタルネイティブのIoT」です。
「賢いクラウドとシンプルなハード」が肝で、テスラ同等の思想でIoTを作るのは難しいため、結果、内製しがちな自動車業界のトップ企業も我々のサービスを導入しています。
2つ目の理由は、「泥臭いカスタマーサクセス」です。
我々は1,000社の現場を経験し、整理整頓からカンバン方式の設定まで伴走します。
▶参考:かんばん方式|【図解】トヨタの生産方式かんばん方式とは?メリットとデメリットも(SmartMat Cloud)
大手ネット企業とは協業しています。
その強みを、プロフェッショナルファーム、ネット企業、製造業出身の幹部、アドバイザーが支えます。
IoT、クラウド、サポートのSaaSを年額250万円から提供
ビジネスモデルは、IoT、クラウド、サポートを、年250~600万円でセット提供(SmartMat Cloud)しているというものです。
ハードウェア原価を抑えて、収益性はソフトウェアSaaSと同等です。
アップセルは、最初はスローですが後半は青天井に加速し、現プロダクトの拠点拡大だけで1顧客あたり年1億円の余白があるビジネスです。
製造業のデジタルシフトに合致
大きな波にも乗れています。
製造業は、予算は大きいけれど慎重な業種でした。
今まさに、激しい環境の変化を受けてデジタルにシフトし出したところなのです。
今後は在庫管理からサプライチェーンへとプロダクトを進化させるため、既に顧客と実験中です。
導入エリアも自然と海外に広がっており、これは、お手本となる日本のマザー工場から海外の工場に横展開されるためです。
デジタルのプロとして日本の製造業を輝かせたい
最後に、思いを語ります。
今、在庫管理で日本の製造業のど真ん中に触れています。
工場に行く度に感動の連続で、世界一の凄さを実感します。
一方、製造業のDXは遅れています。
製造業もDX企業も個人戦でもがき、デジタル導入は進むが変革は進んでいません。
私たちは、世界一の日本の製造業を、デジタルという面でも輝かせたい。
テスラに負けたくないのです。
私の父はパナソニックで海外勤務をしており、祖父は尼崎の町工場の経営者でした。
「日本式製造DX」をCo-Creation
先人にもらったものを、自分の孫の世代にまでペイフォワード(恩送り)したい。
ただ、それは1社には重いです。
「ともに学び、ともに産業を創る」、これです。
2024年7月に製造DX協会を立ち上げ、私は代表になりました。
▶「一般社団法人製造DX協会」を設立。エスマット代表 林が代表理事に就任(PR TIMES)
政策レベルで市場を創り、団体で商談を生み、日本一のユーザーコミュニティを作ります。
現場を持つ精鋭メンバーが、ICCサミットのように結果を追求します。
思うだけでは足りない、本気の行動で日本を変えます。
将来エスマットは、製造業に鍛えられたプロダクトで社会全体をジャスト・イン・タイムに、そして日本の良さを活かして、インターネットで世界を獲ります。
応援よろしくお願いします。
(終)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/正能 由佳/戸田 秀成