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ICC KYOTO 2026 ネクストステージ・カタパルトに登壇いただき、見事優勝に輝いた、ザブーン 戸高 克也さんのプレゼンテーション動画【Wi-Fi普及で加速する世界の海上DXに、船舶管理プラットフォームで挑む「ザブーン」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。
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【登壇者情報】
2026年8月31日〜9月3日開催
ICC KYOTO 2026
Session 2A
ネクストステージ・カタパルト
Sponsored by AGSコンサルティング
戸高 克也
ザブーン
代表取締役CEO
公式HP | 公式X① | 公式X②
新卒でIT系人材サービス企業のBtoB営業を経て起業を経験。その後10年間、家業の船舶管理会社で船舶管理責任者に従事。海事産業のやりがいや魅力を発信し業界の課題解決へ取り組むべく、2018年に株式会社ザブーンを設立。船舶管理SaaS「MARITIME7」を通じて、これからの若い世代やスタートアップが参入し易い環境構築を目指す。現在は拠点をシンガポールへ移し、グローバル事業に挑戦中。
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島国日本の輸出入の99%以上は海上輸送
戸高 克也さん 皆さんが今日着ている服、移動で使用したタクシーのガソリン、そして毎日口にしている食べ物、その多くが船によって運ばれています。

島国日本の輸出入の99%以上は海上輸送です。

しかし、その船を動かしている現場では、今も紙、Excel、メール、FAXが残っています。
私たちは、海上輸送に関する課題を解決しているスタートアップです。
改めまして、ザブーンの戸高です。

私が進めている事業は、船舶管理のプラットフォーム、「MARITIME7」です。
船が安全に運行するためのマネジメントを行う
船舶管理という言葉は、聞き慣れないと思います。

船舶管理は、船が安全に運航するためのマネジメントをする仕事で、サービス対象はこのような商船です。

商船による国内輸送は約40%を占め、輸出入については99.6%とほぼ全て船に頼っているのが、島国日本の現状です。


商船を運航するためにはさまざまなステークホルダーがいます。
私がターゲットにしているのは、船を保有している船主、航路や貨物を決める用船者、運航に関わる全ての業務を船主から任される船舶管理会社です。

船舶管理はDXが鍵
なぜこの領域に、ザブーンが取り組むのか。
私は、この写真に写っている街で生まれました。
大分県佐伯市で、船の仕事が盛んな街です。
そして、私の実家の家業は船舶管理業であり、私自身も船舶管理の責任者として12年目になります。

商船は、船の先端が海に潜るような天候でも、世界中の物流活動のために動き続けます。

そんな重要な使命を持っている船の業界ですが、現場は至ってアナログで、紙での管理が圧倒的主流な、DXが必要なバーティカル領域です。

さらに、管理者を悩ませているのが頻繁なルール改正です。

ルールが増えるごとに、マニュアルや手順書やチェックリストが更新され、それらは5年間の保存義務があります。
また、国内の船員数は数十年前に比べて激減し、半数がシニア層です。

このままでは十分な管理ができず、重大な事故につながります。

不安定な通信環境でもストレスなく使えるアプリを開発
ここまででも、業界の課題の深刻さが分かったと思いますが、なぜこれまでIT化が遅れていたのか。
船のデジタル化が進まない最大の理由は、通信インフラです。

連絡手段は衛星システムを使ったメールのみで、クラウドなんて夢のアイテムです。
だから私たちは最初から、オンライン前提での開発を行ってきました。
特に厄介なのが、絶妙に陸の近くを運航するケースです。
皆さんにも経験がありませんか、電波が悪い状況でローディング状態になること。

絶妙に陸に近いと、あの状態がずっと続いてしまうのです。
そこで私たちは、微妙なWi-fi環境になると、自動的にオフラインモードに移行し、船員にストレスなくご利用いただけるアプリを提供しています。

細かい対応策も、私たち自身が船に乗って試行錯誤しながら開発しました。
海上でのwi-fi普及を見据え、船上のクラウドサービスに挑戦
こんな通信対策をこれまで行ってきたのですが、2年前、ついに革命が起きました。
インターネット時代の到来です。

スターリンクの登場で、海上でもWi-fiが普及しつつあります。
これにより、世界中で一斉に船上のクラウドサービスを検討する企業が増えています。
私は、この世界が必ず来ると信じていました。
この始まったばかりの市場に、私たちはMARITIME7という船舶管理プラットフォームで挑戦しています。

機能は至ってシンプルで、私が行ってきた業務をそのまま機能として開発すれば、マーケットそのものが存在します。
本日、一部の機能を簡単にご紹介します。
まず、船員の労務管理機能。
勤怠や免状、研修状況、シフトを一元管理、世界の海上労働法に対応し、どんな国籍の船でもご利用いただけます。
次に、船の保守機能。
船体の整備状況を可視化、検査機関からの認証も獲得し、車検のような定期検査にも対応する仕様になっています。
最後に、調達管理機能。
船上にある数万点の在庫確認、発注から予実管理まで一気通貫。
無駄な在庫を減らし、コスト削減に貢献しています。
船舶管理デジタル市場は世界で1.3兆円規模
私たちが挑戦している船舶管理デジタル市場はTAMで1.3兆円です。

世界では船が130,000隻運航している中で、日本市場はその約8%を占めます。

また、船舶の運航ルールは世界共通のため、世界単一市場です。

トラクションは4年間で、導入船舶数が920、国内シェア10%、ARRは1.5億円です。

オフライン環境という逆境の中、ここまでシェア率だけにこだわり、耐え抜いてきました。
直近では、エンタープライズのお客様からのお問い合わせも多く、1機能で面を獲得した今、ここからはクロスセルで売上を伸ばしていきます。
サービスの継続率は99%以上をキープしています。

信頼の根底にあるのは泥臭い現場主義です。
こちらは、私がインドネシアのバタム島で、船員に直接オンボーディングを行った時の写真です。

今後はオンライン活用で効率化を図りますが、現場体験こそが、ザブーンの持つ圧倒的な優位性です。
さらに、去年からは自治体との連携を強化し、国内ナンバーワンの海事都市である今治市がある愛媛県の実証実験枠に2期連続で採択され、現在、企業とAIを活用した新たな機能の搭載に挑戦しています。

▶︎TRY ANGLE EHIME
▶︎船舶管理プラットフォーム「MARITIME 7」がPMS(保守メンテナンス)管理機能をリリース(ZABooN!)
こちらが、運航管理AIエージェントで、船の位置情報をリアルタイムで把握し、24時間365日、船の運航リスクを自動でチェックします。
リスクはタスクとして管理され、船を止めないためのツールとなり、数百、数千万円の損失を未然に防ぎます。
2年間で海の世界は激変、海事国家シンガポールで法人設立
前回私が参加したICCからの2年間で、海の世界が劇変しました。
▶︎船体メンテから船員・法律管理まで多様な船舶管理をDXし、島国日本の暮らしを守る「ザブーン」(ICC FUKUOKA 2024)

先ほどもお伝えした通り、インターネット時代が到来。
これは冗談ではなく、Netflixが船の上でも観られるようになりました。
そして休む間もなく、AIの登場。
日本も国を挙げて海洋産業に力を入れています。
さらに、記憶に新しいと思いますが、世界情勢の悪化によって安全運航への意識が高まるなど、これまでの海上輸送の常識が何もかも変わろうとしています。
こんな激変の時代を好機と捉え、私たちは2025年から勝負を仕掛けています。
世界有数の海事国家シンガポールに法人を設立し、政府とシンガポール大学が運営するインキュベーション施設に籍を置き、私自身もこの1月に移住し、グローバル展開を進めています。

今年4月の本格稼働から、既に130隻以上のトライアルと、21隻との契約を獲得、トライアルを含めたARRは5,000万円にもなっています。

営業員は私1人でカスタマイズなし、海外での単価は国内の3倍以上で、確実な手応えを感じています。
また、なぜシンガポールかと言うと、東京23区と同じ面積に、日本とほぼ同等の市場があり、世界中の海事関係者が集まる情報集積地だからです。

シンガポールで認められる=世界で認められると言っても、過言ではありません。
集めたデータを活用し、船に関わる未開拓分野へ事業展開
今後はSaaS、海外展開、AIエージェントの開発を経て、データベースプラットフォームへと事業を展開していきます。

これまでブラックボックス化されていたデータを集めていくことで、船に関わるさまざまな分野への展開が可能です。

例えば、データベースを活用した売船ではリーチ可能な保有船舶アセットがあり、来年には1兆円が見えています。

こんな、誰も手を出していない未開拓の分野へと舵を切ります。
最後に、島国日本は輸出入の99%以上を船に頼っており、重要な産業です。

それに気がついている人は、この会場や日本の中に何人いるでしょうか。
私たちザブーンは船に関する業務を効率化させることで、当たり前の生活を海上から支えていきます。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/原口 史帆/浅郷 浩子/戸田 秀成


