▶平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから!
▶ICCの動画コンテンツも充実! Youtubeチャネルの登録はこちらから!
ICCサミット FUKUOKA 2019 スタートアップ・カタパルトに登壇し、同率5位入賞に輝いた、Laboratik・三浦豊史さんのプレゼンテーション【「We.」はSlack内のコミュニケーションを分析し、チームのエンゲージメントを可視化する】の文字起こし記事をぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 プレミアム・スポンサーのラクスル様、プラチナ・スポンサーのIBM BlueHub様にサポート頂きました。
▼
【登壇者情報】
2019年2月19日〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 1B
STARTUP CATAPULT
スタートアップの登竜門
Supported by ラクスル & IBM BlueHub
(プレゼンター)
三浦 豊史
Laboratik Inc.
代表取締役社長
公式HP|STARTUP DB|LinkedInページ
2004年にニューヨーク市立大学芸術学部卒業後、現地のクリエイティブエージェンシーR/GA New Yorkでデザイナーとして勤務。2007年に帰国後は、GoogleにてインダストリーマネージャーとしてAdWordsやYouTubeの広告営業・コンサルに携わる。2015年に同社退社後Laboratik Inc創業。早稲田大学大学院商学研究科(MBA)卒業。
▲
▶「ICC FUKUOKA 2019 スタートアップ・カタパルト」の配信済み記事一覧
三浦 豊史氏 今日お話ししたいのは、「チームが見える」を当たり前に、簡単にする「We.」というプロダクトです。
最近開発して、現在クローズドで提供中です。
私たちはメンバー10名程度の小さいチームなのですが、現在オランダ、ポーランド、ベトナム、そして日本の4拠点でオペレーションをしています。
ビジネスチャットツールの「Slack」をどんどん使って、リモートワークで協働しています。
私たちの「働く」を取り巻く負の要素
そんな私たちのミッションは「『働く』を進化させる」ということです。
ではなぜ今「『働く』を進化させる」必要があるのか、例えば次のような理由があるからです。
「68%」
これは何を意味している数字だと思われますか?
この数字は、ちょうど今月(2019年2月)結果が発表された日本能率協会の調査において、「働き方改革を実感していない」と回答した社会人の割合です。
▶参照:第9回「ビジネスパーソン1000人調査」【働き方改革と副業編】結果(一般社団法人日本能率協会)
企業も政府も頑張って推進していますが、社会人の7割はその働き方改革をを実感していないことが分かります。
では、この「62%」というのは何を意味する数字でしょうか?
これは、自社の人事評価制度に不満を持っている社員の割合です。
▶︎参照:「人事評価制度」に関する意識調査(Power of Work | アデコ株式会社)
過半数を超えている社員が、人事評価制度に不満と言っていることが分かります。
これはほんの一例ですが、「働く」にまつわる負の要素は私たちの周りに数多くあります。
世界の先進企業が取り組む「ピープルアナリティクス」とは?
これを解決する方法はないかと考えたときに、大きな可能性を秘めているアプローチを1つ見つけました。
それは「ピープルアナリティクス」です。
組織や人事のデータを分析して、職場のクリエイティビティ、つまり生産性向上につなげるものです。
このピープルアナリティクスの可能性を認識したのは、私が古巣であるGoogleにいた時代でした。
Googleではピープルアナリティクスは10年ほど前から活用されていました。
特に、データが何より大事とされており、発言力のある人の意見よりも、客観的なデータに基づいた決定が重視されることも多々ありました。
この意思決定は人の感覚に依存しませんので、確かに公正な解決策であると、自分自身でも感じました。
ですので、こうした仕組みがもっと広がれば、働き方も大きく変わって不満も減っていく可能性があると思ったのです。
実際、世界の先進企業は、専門部署や人員を抱えてこの「ピープルアナリティクス」の分野に取り組んでいます。
日本でもここ最近で増えてきている取り組みです。
コミュニケーションから、組織を可視化する「We.」
このような時代背景の中、私たちは「ピープルアナリティクス×コミュニケーション」という切り口でプロダクトを作っています。
「We.」は、自然言語処理を通じてチャットコミュニケーションを解析することで、組織の特性の可視化を可能にします。
こちらの動画をご覧下さい。
「仕事=コミュニケーション」の側面が非常に多いと思います。
そこで私たちは、コミュニケーションの量や質からチームを理解する、そういったプロダクトを作っています。
「We.」の仕組みですが、Slack上でのコミュニケーションである「チャット」を解析して、組織の関係性を可視化します。
We.のウェブサイトより、私どものサービスにお申し込みいただくことができます。
次に、実際の機能をご紹介いたします。
上記の動画でお示しするのは、部署と部署、人と人との関係性を可視化するソシオグラムと呼ばれるものです。
1つの丸は1つの部署を表していて、動画には5つの組織がマッピングされています。
丸のサイズは部署内のコミュニケーションの量、丸と丸をつないでいる線の太さは部署同士の関係性の濃さを表しています。
丸をクリックすると、その部署と関連するチームとの関係性や、さらには個人間の関係性も確認ができます。
また、独自のアルゴリズムによりチームの「エネルギー量」や「つながり量」を数値に置き換えたり、過去2週間にわたってその値がどう変遷しているのかをグラフで確認できたりします。
部署や個人のつながり量の変遷も、注目すべき変化として通知することも可能です。
「エンゲージメント・スコア」と「レポート機能」
ここで、We.の活用シーンを2つほど、簡単にご紹介させていただきます。
1番目はコミュニケーション・データを利用することです。
コミュニケーション・データの「エネルギー量」と「つながり量」を掛け合わせ、「エンゲージメント・スコア」を算出します。
このエンゲージメント・スコアにより、チーム内のコミュニケーションの活発性を確認できます。
こちらの例では、左側が「コミュニケーションが不足しているチーム」を、右側が「コミュニケーションが密で良い状態にあるチーム」をそれぞれ表しています。
2番目は、チームの全体の状況を定期的にレポートで確認することです。
コミュニケーション・データを基に、チームのコンディションを可視化し、それを年単位、月単位で俯瞰して見られる形になっています。
私たちは、この変化を、チームのマネージャーに留まらず、チームメンバー全員での共有をお勧めしています。
これにより、チームのコミュニケーションが促進され、コンディションの改善を目指すことが可能となります
Laboratik独自の「3つの強み」でプロダクト開発を推進
独自の強みについてです。
We.の前に取り組んでいたプロダクトの実績から通算して、私たちは約1,000万件のコミュニケーション・データを収集しています。
このデータを利用して、機械学習の精度を向上させています。
またこの技術は、特許申請も行いました。
さらに、いくつかの学術機関とのパートナーシップを組み、We.のプロダクト開発をさらに進めていきます。
「可視化」から「アクション改善」までをサポート
ビジネスモデルについては、「SaaS×ピープルアナリティクス」を軸に、2つのモデルを用意しています。
1つは「サブスクリプション」です。
こちらは組織の可視化のために利用いたします。
もう1つはコンサルオプション。
こちらはアクションを改善するためにあります。
詳細をご説明いたします。
サブスクリプションについては、3種類の料金プランをご用意しています。
50人以下のチームの場合は、一番左のライトプランで月5万円、200人以下の場合は、中央のスタンダードプランで月12万円、それ以上のチームの場合は、プレミアムプランとしてご提供しています。
コンサルオプションについては、もともとパーソルやリクルートで経験を積んだ弊社のコンサルタントが、仮説設計、We.を利用したデータ分析業務、研修を含めた改善アクションまで一気通貫でサポートいたします。
料金は社員数によっても異なりますが、月約30万円程度から提供しています。
ここ直近のトラクションについてですが、4ヶ月ほど前よりクローズドで提供を開始しています。
直近では15社にお使いいただけるようになりました。
拡大するHR Tech市場から「働く」を進化させる
HR Tech市場は、引き続き盛り上がっております。
2018年はグローバルで1.8兆円、日本で250億円だったこの市場が、2023年にはグローバルで3兆円、日本で1,000億円と約4倍にまで拡大すると予測されています。
▶︎参照:「HRTechクラウド市場の実態と展望2018年度版」を刊行、2023年度のHRTechクラウド市場規模は1000億円以上に―ミック経済研究所(IT人材ラボ)
では今後We.がどのようにスケールしていくのかですが、今後はSlack以外にも主流となっているビジネスチャット・サービスにも展開していく予定です。
MicrosoftやFacebookなどもAPI(Application Programming Interface)がどんどん揃いつつあります。
「チームが見える」を当たり前に、簡単にする。
このWe.を通じて、我々は「働く」をもっと進化させていきたいと思っています。
以上です。Laboratikでした。
(終)
▶平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから!
▶ICCの動画コンテンツも充実! ICCのYoutubeチャネルの登録はこちらから!
編集チーム:小林 雅/花本 夏貴/尾形 佳靖/戸田 秀成/chiholic
更新情報はFacebookページのフォローをお願い致します。