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2. haccoba佐藤さん「あえてここでやるからこそ、地域の希望になる」(能登コネクテッド)

9月22日〜24日の3日間、石川・能登にて開催された「ICC石川・能登コネクテッド」。ICCサミットの登壇者・参加者たちが3日間にわたって石川や能登を訪れ、ディスカッションを重ねました。この記事では、DAY2の「ICC能登コネクテッド」のプログラムから、東日本大震災大震災から復興事例のケーススタディ②から、haccoba佐藤 太亮さんのプレゼン書き起こしと、会場からのQ&Aをご紹介します。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2026は、2026年3月2日〜3月5日 福岡市での開催を予定しております。詳しくは、公式ページをご覧ください。


9月22日〜9月24日開催
ICC石川・能登コネクテッド
Session 3 東日本大震災大震災から復興事例のケーススタディ②
Sponsored by ICCパートナーズ

<スピーカー>
和田 智行
OWB
代表取締役

佐藤 太亮
haccoba -Craft Sake Brewery-
代表

<モデレーター>
荒木 珠里亜
ICC運営チーム

白井 智子CHEERS
代表取締役

本セッション記事一覧

  1. OWB和田さん「負のループを逆回転させ、100の事業を創って地域の自立を目指す」
  2. haccoba佐藤さん「あえてここでやるからこそ、地域の希望になる」

能登とつながりがある、haccoba佐藤さんプレゼン

佐藤 太亮さん(以下、佐藤) 皆さん、こんにちは、よろしくお願いします。

haccoba -Craft Sake Brewery-という名前の酒蔵を福島でやっている佐藤 太亮です。


佐藤 太亮
haccoba -Craft Sake Brewery-
代表

「酒づくりをもっと自由に」という思いのもと、ジャンルの垣根を超えた自由な酒づくりを行う酒蔵「haccoba -Craft Sake Brewery-」を福島県の小高・浪江というまちで営む。かつて日本でつくられていた自家醸造酒「どぶろく」のレシピや文化を現代的に表現したお酒を展開。JR東日本と連携し、最寄りの無人駅を醸造所兼パブリックマーケットとして生まれ変わらせるなど、まちづくりにも取り組む。慶應経済学部卒。楽天やWantedlyを経て独立。クラフトサケブリュワリー協会副会長。酒づくりの修行先は、世界一美味しいと思っている新潟県の酒蔵「阿部酒造」。

僕は個人的に、能登とのつながりが誰よりもあると思っています。

そのくらい、僕にとって大切なふるさとの一つです。

僕は学生の時、先ほども紹介していただいていた御祓川(みそぎがわ)という七尾市の会社の森山(奈美)さんのところで、住み込みのインターンとして、1年弱くらいこのまちで暮らしながら、まちづくりに携わりました。

僕はここで、日本のお酒だけでなく発酵文化の美しさ、ローカルで事業を創っていく格好良さを知り、惚れて、結果的に東北に行きついているのだなと思います。

自分にとって大切な原点となるまちで、こういった機会を頂けることを本当に嬉しく思います。

外から来ている人間の役割は「軽やかに突破する」こと

佐藤 僕らは、福島の南相馬と浪江町の2カ所で酒蔵をやっています。

酒蔵といっても、こういう見た目で、民家をリノベーションしています。

浪江では、避難していた方が使っていた仮設住宅の廃材を使わせていただいて、それをまた別の景色で蘇らせるという形を取り、新しく作るのではなく、まちの文脈を受け繋いでいく形で酒蔵を作っています。

僕らがやっている挑戦は、「人口がゼロになったまちで、ゼロからSakeを醸す」という挑戦です。

大就さんからも話がありましたが、僕は日本酒産業においても、地域においても、外から来ている人間で、外から来ている人間の役割は、「軽やかに突破する」というところに一番役割があるなと思っています。

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2. 東の食の会 高橋さん「日本の各地でそれぞれ頑張り、つながって素晴らしいコミュニティを」(能登コ... 9月22日〜24日の3日間、石川・能登にて開催された「ICC石川・能登コネクテッド」。ICCサミットの登壇者・参加者たちが3日間にわたって石川や能登を訪れ、ディスカッションを重ねました。この記事では、DAY2の「ICC能登コネクテッド」のプログラム、Session 2 東日本大震災大震災から復興事例のケーススタディ①から、東の食の会 高橋 大就さんのプレゼンを書き起こし記事でご紹介します。最後に紹介される映像も必見です。ぜひご覧ください。

何かに忖度する必要がなく、軽やかに突破できるというのが僕らの役割だと信じて、この地域で活動しています。

日本酒産業の課題は、岡住さんも話をしてくれていて、新規参入が減っているし、酒蔵の数も減っていて、どんどんイノベーションが起きないような構造になってきています。

一方で海外では、酒蔵が増えていたりする中で、日本酒の産業において日本人がイニシアチブを取っていきたいと、僕は思っています。

この辺りの話は、地域とは若干関係がないので、飛ばしながら話をさせていただきます。

原発事故の地域災害については、和田さんも話してくださいましたが、自分が学生の時に東日本大震災が起きて、一番もやもやしたポイントは構造で、それがすごく嫌だなと思ったのですよね。

原発事故が起きた時に、関東に住んでいる自分たちが、そこで賄われている電気で生きていて、それは都市が依存しているというのもあるし、逆に福島が都市の経済に依存しているという構造があったのだと思いました。

そこの共依存の関係性を、どうにか解消していきたい。

そこのビジョンが、多分和田さんのおっしゃっていたことなのかなと思っています。

自立した地域経済を作っていく、その一つとして、酒の産業で、それを成り立たせていくことを僕らは目指しています。

新しいジャンルの日本酒で規制を突破していく

僕らがやっているのは、岡住さんと全く一緒で、「Craft Sake(クラフトサケ)」という今までなかったオルタナティブな日本酒の新しいジャンルを、ゼロから作っていくということです。

そうすると、新規参入が規制されている日本酒の業界において、ある意味で規制を突破していくことができるというのが、僕らがやっている挑戦です。

色々な米以外の原料を使って、お酒を造っています。

このジャンルで、めちゃくちゃ面白いのは、Co-Creationがやり放題であるし、研究開発がびっくりするぐらいのスピードでやれることです。

僕らは、創業4年ほどですでに100種類ぐらいプロダクトを作っていて、まだ、良いレシピの開発がかなりのスピードでできることが、僕らのお酒のジャンルの面白さかなと思っています。

僕らがクラフトサケというジャンルのお酒を造っている中で、大事にしていることがあります。

日本人は、家で酒造りができないのが当たり前だと思っています。

僕らの世代はそうですけれども、それは全然当たり前のことではなくて、明治時代に禁止されてそうなっている状況です。

実は日本でも、家で酒造りを楽しんでいた時代があって、これは、僕が大好きすぎていつも持ち歩いている『諸国ドブロク宝典』というレシピ本です。

お酒を家で造るのが違法な50年前ぐらいの昭和時代の本ですが、この中でお酒を造っているおじいちゃん、おばあちゃんは、端的に言うと、どうしてもお酒が造りたくて造り続けているという闇のレシピ本みたいな本です。

(会場笑)

でも、ここにこそ、本当に土着で生きている人たちの造りたい酒が詰まっているのではないかと思っていて、そこを活かして、そのメンタリティというかスピリットを取り入れて、自由な精神性でお酒を造っていくことが、僕らのクラフトサケにある文脈だと思っています。

少しずつクラフトサケを造っていく中で、この間も情報番組で大きく取り上げていただいて、中田 英寿さんをはじめ色々な方に協力とサポートをしていただきました。

▶︎幻の酒・十四代…120蔵が集結。中田英寿が手がける日本酒の祭典「CRAFT SAKEWEEK」開催(GOEHE)

クラフトサケのチームでみんな一緒に、『dancyu』で何回も特集を組んでいただいたりといった形で、少しずつムーブメントを起こせているかなと思います。

酒蔵とスタートアップでは時間軸が異なる

佐藤 もう一つは、地域での取り組みの形です。

僕らが能登で学んで大きかったことは、酒蔵で生きている人たちは、一般的なスタートアップの起業家とは、時間軸が全然違うのかなということで、出会った時にそう思いました。

何世代もつないでいる、自分もつないでいくことが当たり前ということが、すごく生き様に刷り込まれていて、そういった人たちは、自分たちだけではなく、地域や文化的な産業の担い手として、地域をどう盛り上げていけるか、発酵させていけるかということに取り組んでいます。

僕らもそれをしっかりと全うしたいと思っています。

この間、本当にこれが一番嬉しかったことですけれども、震災以降、ずっと有機栽培ができなくなっていた地域の農家さんがいたのですが、そこで一緒に酒粕を使った有機肥料の開発に一昨年ぐらいから取り組み、ようやく去年、その田んぼで有機栽培を再開することができました。

田植えを一緒に農家さんとすることができたり、酒蔵を営むことで、こういった形で若者が集うような空間を作ることができました。

あとは、JRと一緒に地域で無人駅になってしまったところに、醸造所とパブリックマーケットを開設し、地域の玄関口になっている駅を新しい形で地域に開いていきました。

無人駅ではあるのですが、人がなぜか行き交っている光景が作れたらいいなと思い、ワークショップを開くような空間やショップを作っていくことで、駅に人が行き交う光景を作っています。

haccoba 小高駅舎醸造所&PUBLIC MARKET(福島県相双地方振興局)

地域で新しいお祭りを作る

僕らは地域で新しいお祭りを作っていくという文化にも、チャレンジしています。

僕らの地域も他の地域と一緒で、どんどん祭りがなくなっていく中で、もちろん、もともとあった祭りを復活させることもすごく素晴らしい、美しいことだと思っていますが、一方で、今、暮らしている若者たちの感覚で作りたい祭りをゼロから起こしていくこともやっていきたいと思っています。

それに共感していただいたASIAN KUNG-FU GENERATIONのGotchさんやchelmicoのお二人だったり、色々な方々にご協力いただいて、祭りを一緒に作る活動をしています。

YoiYoi(haccoba)

めちゃめちゃメシもうまくて、来年もまた4月にやるので、ぜひ来てください。

世界に通じるブランドを目指す

佐藤 そんな形でずっと活動してきていますが、僕らはこれからのアクションとして、こういった酒造りや福島の素材の美しさを、先ほどプレゼンされた岩佐(大輝)さんの、「世界に通じるブランドへ」というところに通じるのですが、そういったチャレンジをしっかりとやっていきたいと思っています。

東京にもお酒を発信する拠点を作ります。

福島の素材の美しさもそうですし、クラフトサケというカルチャーをしっかりと文化にしていく一歩にしたいなと思って、取り組みを進めています。

あとは準備が遅れてしまっていますが、ベルギーでも醸造所を作ることを決めて動いているので、

これもしっかりと実現させて、ドブロクの世界観で土着の酒をヨーロッパで造っていき、しっかりと自分たちが世界のブランドになっていくことを目指してやっていきたいと思っています。

あえてここでやるからこそ、地域の希望になる

佐藤 いつもはここで終わるのですが、最後に、僕らが能登の方々に対して何を伝えたいかなと思った時に、僕が一番最初に言われて腹が立ったし、覚えていることがあって、その話をします。

色々な方に相談させていただいて、もちろん真摯にアドバイスを聞きながらやってきているのですけれども、言われて一番悔しかったのは、食の事業なのに、なぜわざわざ原発の近くでやるのかということでした。

能登でもなんでわざわざまた輪島でやるのかとか、多分色々なことを言われて、ここにいらっしゃる方々もみんなそれを言われ続けて生きているのかなと思います。

僕が描いた最初の事業計画を和田さんに持っていった時、和田さんは地域にビールの醸造所が欲しかったということを言っていたのですが、僕が日本酒とビールを合わせたような酒を造りたい、それが必ず地域のリブランディングにつながっていくはずなんだというプレゼンをさせていただいたら、「なんか、わからないけど、面白そうだね」と絶対に否定しないような形で、僕らを受け入れてくれたのです。

それで、この地域で酒を造ることができたのだと思っています。

食の事業なのに、わざわざ原発の近くでやる意味があるのかということに対して、うまく言えないのですが、僕の中の答えは、だからこそ地域の希望になるんだという、それが僕らが伝えていきたいことかなと思っています。

わざわざやる必要があるのかと言われると、ないなとめっちゃ思うのですが(笑)、でも、ないなと思いつつも、結局、僕が好きなヘラルボニーとか、彼らもそうですし、なんでわざわざそれをやるのか問われると、それが希望になると思っているからだと思っています。

僕らはやっぱりここで世界に通じるブランドを作っていくことで、しっかり地域の希望となって、福島の復興にも最終的に寄与できるといいなと思い活動しています。

能登の皆さんも絶対希望になると信じているので、皆さんに何か、少しでもエールになればいいなと思って、最後にお話しさせていただきました。

こんな形で僕らは、「福島浜通りというフロンティアから、1000年続く産業・文化をつくる」ことに本気で挑戦しています。

ありがとうございました。

(会場拍手) 

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「クラフトサケ」を通して、福島や日本酒文化に軽やかな視点をもたらす「haccoba」(ICC KYOTO 2022) ICC KYOTO 2022 ソーシャルグッド・カタパルト - 社会課題の解決への挑戦 -に登壇いただいた、haccoba -Craft Sake Brewery- 佐藤 太亮さんのプレゼンテーション動画【「クラフトサケ」を通して、福島や日本酒文化に軽やかな視点をもたらす「haccoba」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

会場からのQ&A

白井 智子さん(以下、白井) ありがとうございました。

先ほどのお二人(岩佐 大輝さんと高橋 大就さん)とはまたちょっと違うというか、リーダーシップでやっていくんだみたいなところから、お二人は何というか、すごく希望というか、日々の暮らしの中の美味しいとか気持ちいいとかって、本当に大事なことですよね。

もちろん復興していくには、強い力や推進力、強いエネルギーが大事ですが、ネイルをするとかちょっとバーで楽しむとか、コスプレもすごく楽しそうにしている写真がありましたけれど、そういう日々の暮らしが、もともとそこにはあったからこそ、歯を食いしばってというより、すごく寄り添いながら対話を続けて今日があるのだなということを感じました。

では、お二人に質問をされたい方は、いらっしゃいますか?

では、加藤さん、お願いします。

さまざまな応援企業との協業をいかに進めるか?

加藤 愛梨さん(以下、加藤) 最近佐藤さんとご一緒させていただく機会が増えて、改めて、私も慶應の学生だった時に震災を経験しているので、親近感を持ちながらお話を聞かせていただきました。

今日も佐藤さん以外の方も含めて、不動産を建ててという話をさらっとおっしゃっていたと思いますが、実際それはどう実現されているのか気になりました。

というのも、私は能登にいますが、応急復旧のようなフェーズでは、色々な会社さんが支援という形で見返りを求めずに色々なリソースを貸してくださいます。

これから地域を再生させていく観点からいうと、やはり相互的に交換できるものであったり、企業にとっても恩恵がないと続けていけないと思っているので、私はどちらかと言うと、最初からそういった視点で色々な企業さんとお話したいなと、交流の場を大事にしてきました。

今、1カ月で300枚、名刺を消費するくらい色々な企業さんが被災地ということもあって関心を持ってくださっています。

ただ実際に一緒に事業を立ち上げるという形にするということにおいて、どんな流れで、どんなスキームでやられてきているのかなということを教えていただきたいなと思います。

企業側の課題と自分たちのやりたいことを接続する

和田 大事なのは、やはり企業側のニーズを探ることは必要かなと思います。

僕らがこういうことをやりたいから協力してくださいという形だと、なかなか通らないのかなと思います。

例えば先ほどのガラス工房の始まりは、HARIOさんでしたが、別に復興支援という文脈で入ってきたのではなくて、HARIOはHARIOで職人の高齢化という企業の課題を抱えていました。

職人がこのまま技術を継承していかないと、メーカーとして立ち行かなくなると。

それに対して僕らが小高で職人を自分たちで雇用して育成するので、技を教えてくださいというようなアプローチで、その仕事を頂くようになりました。

企業側の課題と自分たちのやりたいことをどうくっつけていくかという視点は、非常に大事かなと思います。

佐藤 僕らは、まだそんなにちゃんとやれていないなと思っています。

僕らはそもそも実績がなくて、和田さんの会社のようにしっかり年数をやられていたりとか、過去の実績もない中で、例えば、ついこの間もサッポロビールさんと一緒にお酒を造らせていただいたりというラッキーパンチがたくさんあって、それがそもそもなぜなのかは、僕もあまりわかっていません。

▶︎福島の酒蔵 haccobaの定番酒「はなうたホップス」。サッポロビールの契約ホップ生産者の畑でとれたソラチエースホップを使用した特別バージョンを、9月19日より発売。(PR TIMES)

多分本当に、バイブスだなってめっちゃ思っているんですけど。

(会場笑)

いや、でも本当に結構冗談抜きで本当にそうだなと思っています。

どんな大きな企業や役所や国においても、やはりパッションが共有できる方が絶対いると思っています。

僕はそんなに人づきあいも決して多様ではなくて、共鳴できる人とたまたま出会える人生なのだろうなという感じですが、それでバイブスを共有して、そうですね、バイブス…

(会場笑)

大企業ではできないことを、僕らが代わりにやってあげているのかなと、そういう役割だと僕は理解していて、そういうことを大企業の方に伝えています。大資本に飲み込まれたいとは思っていないと面と向かって伝えたうえで、それでも一緒にやってくださる方と一緒にやるというスタンスで、僕らはやっています。

荒木 今のお話もそうですが、まず心にある、これをやりたいとか、やったら面白そうみたいなものの、そこのセンスみたいなものがすごくいいなと思っています。

和田さんはコスプレとかもご自身はされないのに、それをやろうというのは、何が決め手となるのでしょうか?

和田 みんなで話しているうちにそういうアイデアを出す人がいたりするので、それを先入観なく、面白いと思ったら、それをやろうということにしています。

全部僕が考えているわけではなくて、色々な人と話しているうちに、そういうアイデアが出てくる感じですね。

荒木 実際に実行するのも、思いついた方が先導してやってくれるのですか?

和田 結局それは僕がやります。

(会場笑)

荒木 和田さんの受け入れ力というか、和田さんが「いいですね」と言うと、アイデアを出した側はあまり自信がなかったけれど、いいのかもと思えるのではないでしょうか。先ほどの岡住さんの池田さんの話(※)じゃないですが、色々な人の応援者でいらっしゃるなと思いました。

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(池田さんの話は後半)

他に質問はありますか?

Q さまざまな人たちと未来への目線をどう合わせる?

質問者2 石川樹脂工業の野関です。

有意義なお話を、ありがとうございました。

僕たちも石川県加賀市という、人口63,000人の都市で、石川樹脂工業自体は、創業60年くらいですけれども、それより長く企業を経営されている方もいらっしゃれば、最近始められた方もいらっしゃる中で、企業はまだまだなくなってはいないし、地域の文化、文脈が結構共有できていると思っています。

ただ、文化、文脈は共有されているけれども、目線が違ったりとか、やりたい方向、エネルギーをかけていきたい、未来を一緒に創っていきたい度合いはやはり違います。

そういう中で、皆さんはどう方向性を一緒にして、まちの未来に向けて一緒に考えていけるかという、ある種の編集力といいますか、まちの皆さんの目線だったり、視座、視野を共有する力、それをするきっかけ、観点などについて、こういう風にしたら、うまくムーブメントが巻き起こるかもしれないということがあればお伺いしたいです。

正しいことをやっていれば、自然と融合してくる

和田 もちろん、みんながみんな同じ方向を向いているわけではなくて、今でもそうですが、やっているうちに、そういう人たちの意見はそういう人たちの意見として尊重しつつ、自分たちは自分たちの目指す世界をちゃんと形にしていくという風にやっていると、そのうち、接続されていきます。

僕らと違う価値観の人たちの中から、やっぱり、こっちのほうがいいよねという人が出てきたりとか、あとは、実はそういうことが潜在していて、いや、だから今、この組織をこっちのほうに変えたいんだみたいなことは、後から出てきたりするので、そうやって、だんだん融合してくる感覚はありますね。

あとは長くやっていると、世代交代が進んでいくので、しっかり正しいことをやっていけば、そっちのほうに地域が引っ張られていくみたいなことは起きてくるかなと、僕は、11年やってきて、そのように感じています。

佐藤 大就さんや和田さんと今一緒にやっているのですが、PRコンソーシアムみたいなものの旗を立ててくださってやっていて、福島浜通り、被災した地域でどういう風にエリアブランディングしていくかということを、今まさに在野でやっていたりします。

僕らはすごくずるい言い方をしていて、フロンティアから、今、カオスなフェーズだと思っています。よくわからないぐらい色々な事業が立ち上がってくるような状況で、実際多分そうなのだろうなと思っていて、それが一回転を迎えつつあるような状態という言い方をしています。

一旦どういう地域かと括ることから、逃げていると言えば逃げているような気もするのですが、でも実際に、はたからから見たらそう見えるだろうし、そういう地域はスタートアップや、新しいチャレンジをしたい人が集まってきてくれると思っているので、それが今、僕らが外からの視点も入れながら、編集しているような状況かなと思います。

白井 ありがとうございます。

では、続いて、質問をされたい方はいらっしゃいますか?

能登留学で学んだことを南相馬で実践

高橋 大就さん 奈美さんと太亮の感想が聞きたいです。森山チルドレン。

白井 お願いいたします。

森山 奈美さん(以下、森山) 

能登留学に彼が来ていた時は、始めてまだ3年目くらいの時だったと思いますが、君らが、出世すればするほど能登留学の価値が上がるから頑張れみたいなことを言っていた、その状態に今なっているなという風に思います。

震災後のわりと直後に東北のほうへ行った時に、すごく勇気をもらったなという風に思っていて、太亮がうちにインターンしていた時に、議論していたことは、子どもたちが希望を持てる場を一緒に作ろうということで、そのようなことをやってくれました。

今、七尾のコワーキングスペースになっている場所を最初に企画して来てくれたのが彼ですけれども、子ども達への目線というか、復興の時に、そういう声なき声をちゃんと拾うみたいなことはすごく大事だなと感じています。

わりと事業を創るところと、声なき声を拾うというのは遠いところにあるなと思いますが、そこが先ほど出ていたコミュニティの合意を取るのか、事業を創っていくところにコミットするのかというところのバランス感は、永遠の課題だなと思って話を聴いていました。

こんなところでよろしいですか? 一緒に頑張っていきましょう。

(会場拍手) 

白井 では、チルドレンから、お願いします(笑)。

佐藤 ありがとうございました。

これなんか、酒の場でやったほうがいいかもしれない(笑)。

(会場笑)

私的な交流は後でと思ったのですが、能登で教わったことを実践させてもらっているというのが、僕の今の生き方かなという風に思っているので、能登で教わったことの答え合わせをさせてもらっているなという感じなので、本当にありがとうございます。

森山 今度は学ばせてもらいます。

能登の人たちと競い合いたい

荒木 (ICC小林さんが岡住さんを指名)では、岡住さん、お願いします。

岡住 修兵さん 太亮のことをリスペクトしているし、いつも勇気をもらっているし、逆に僕が何か与えられたらなと常に思っているし、太亮とは常に競い合っているし、なんなら最近は和田さんとも競い合っていて、そういう関係性を持っています。

震災はすごく悲劇的なことで悲しみが絶えないのかもしれないけれど、それに勝る楽しさやそういうものを連鎖させていくのが、我々起業家の仕事なのかなと思っています。

常に競い合って、最後はお互いの地域が一番だと言い合いながら、多分死んでいくんだなと思っています。

(会場笑)

ぜひ能登の方にも僕たちと競い合って、俺のほうがすごいと言い合えるような人が、今日生まれると嬉しいなと思っています。

僕は絶対に負けないので、負けずに頑張っていただける方が一人でも出てくるのが希望かなと思いました。

小高で作る理想の社会が、能登の希望になれば

荒木 ありがとうございます。最後に、ぜひ、またお一人ずつ皆さんに向けてメッセージをいただいて、セッションを締めたいと思いますので、よろしくお願いします。

和田 今日は、こういった機会を頂きまして、ありがとうございました。

僕らが、能登でできることはそんなに多くないとは思いますが、絶対できると思っているのは、希望を与える、示すということかなと思います。

僕らみたいな地域で、ちゃんと理想の社会を実現して、その過程でできていく一つ一つのコンテンツであったり、生まれてくる人であったり、コミュニティであったりが、能登の皆さんの希望になればいいなと思っています。

そこで希望を感じた方が、また能登で他の地域に対して希望になるような、そういう連鎖が、どんどん生まれていけばいいなと思っております。

大就さんも、おっしゃいましたが、能登と東北は一緒ですので、これからも一緒に頑張っていきましょう。

今日はありがとうございました。

佐藤 ありがとうございました。

僕はセッションに登壇させていただくのもそうですけれども、本当に私的な感情がありまくる地域で、今日、輪島を改めて見てきて、一緒にコラボレーションをさせていただいた日吉さん(日吉酒造店)をまた見て、やっぱり改めて、何ができるか考え続ける必要があるだろうと思いました。

しっかり自分たちの事業でもそうですし、ICCというコミュニティでもそうですし、能登にコミットできるようなアクションであったりとか提案を少しずつ積み重ねていきたいなと思っているので、ぜひ、何かhaccobaとできることがあったら、一緒にやらせていただけると嬉しいなと思っているので、よろしくお願いします。

ありがとうございました。

司会 では、登壇者の皆様、改めて素晴らしいお話をありがとうございました。

改めて、ご起立いただきまして、共創の拍手を大きな拍手でお願いいたします。

(終)

編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成

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