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【新】世界の農業の頭脳になる「ファームノート」【K16-5D #1】

ICC KYOTO 2016 S5D

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「1次産業(農業水産業) × ITから生み出されるビック チャンス 」【K16-5D】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!9回シリーズ(その1)は、ファームノート小林さんに事業紹介を頂きました。クラウドで牛を管理する驚異の仕組みを是非御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております


2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016「ICC SUMMIT」
Session 5D
「1次産業(農業/水産業) X ITから生み出されるビック・チャンス」

(スピーカー)
小林 晋也
株式会社ファームノート
代表取締役

藤原 謙
UMITRON PTE. LTD.
Founder / Managing Director

安田 瑞希
株式会社ファームシップ
代表取締役

(モデレーター)
椿 進
Asia Africa Investments & Consulting Pte.Ltd.
代表取締役/CEO

「1次産業(農業水産業) × ITから生み出されるビック チャンス 」の配信済み記事一覧

椿進氏(以下、椿) それではセッションを始めさせていただきます。モデレーターの椿です。

ICC KYOTO 2016 S5D


椿 進
Asia Africa Investments & Consulting Pte.Ltd.
代表パートナー/CEO

(株)ボストンコンサルティンググループ(BCG)、パートナー・マネージングダイレクターとして、ハイテク、情報通信、インターネット、メディア・コンテンツ分野において、事業戦略、M&A戦略、新事業立ち上げ、グローバリゼーション等のプロジェクトを実施。95年-96年にはサンフランシスコオフィス勤務。大手通信会社、大手携帯電話会社、大手電機メーカー、大手ハイテク部材企業、大手ゲーム会社、大手テレビ局、IT・ネット企業、消費財企業などのコンサルティングを15年にわたって経験。
2006年より上場会社代表取締役社長に就任。(株)タカラトミー、(株)竜の子プロダクション、(株)アトラス 等 などの社外取締役を歴任。

2008年に現アジア・アフリカ・インベストメント&コンサルティング(AAIC)社を設立。代表取締役社長/代表パートナー就任
中国・東南アジア・インド・中東・アフリカなどの新興国において、新規事業育成、市場参入支援、M&Aおよびパートナー探索支援、事業転換支援など、コンサルティングと投資を通じて実施。2014年には日本初のアフリカ専用のファンドを組成し運営を実施。
執筆、講演多数

ビジネスブレークスルー大学、 ビジネスブレークスルー大学大学院
経営学研究科経営管理専攻(MBA) アントレプレナーコース長、教授
東京大学教養学部基礎科学第一学科卒

椿 午前中の(スタートアップコンテスト)「カタパルト」で、実はこの組から第一位と第二位が出ましたが、第一位はファームシップ安田さん。

安田瑞希氏(以下、安田) ありがとうございます。

(会場より拍手)

椿 素晴らしいと思います。そして第二位はウミトロン藤原さん。

藤原謙氏(以下、藤原)ありがとうございます、一次産業がきてます。

(会場より拍手)

椿 私も多少農業に海外で投資をしているのですが、本日は日本において若手の方々から先端の一次産業のお話しが聞けるということで大変楽しみにしております。また、本日会場に聞きにきてくれた方には、弊社の商品ですがお土産も差し上げたいと思います。

まず、皆さんが今どんなことをやっているのか、事業の紹介から入りたいと思います。

では、小林さんからお願いします。

「世界の農業の頭脳になる」ファームノート

小林晋也氏(以下、小林) ファームノートの小林と申します、よろしくお願いします。

ICC KYOTO 2016 S5D


小林 晋也
株式会社ファームノート
代表取締役

北海道帯広市出身。
機械部品の商社で営業を担当し、2004年株式会社スカイアークを創業、代表取締役に就任。
日本シェアNo.1 CMS「Movable Type」の拡販を行い、160社の大企業顧客開拓と1000社を超える製品販売実績を達成(代表取締役は現任)。2014年に株式会社ファームノートを立ち上げ、代表取締役に就任。

小林 裏番組(編集注:同時間帯の他セッション)が強烈すぎますが、(ICCパートナーズの)小林雅さんには「来場者が10人を切っても最後までやりきる」と伝えましたので、絶対面白いので裏番組を後悔させてやろうと思っています。

簡単に我々の事業を説明させていただきます。我々ファームノートは世界の農業の頭脳になることを目指しています。

何でもいいから農業のデータをとにかく集める、ここが一番重要でして、その中から知識や智恵を生み出して、極端な話し、私でも明日から農業ができる、そんな世界を創り上げたいと思っています。

我が北海道は、日本の農生産の多くを賄っていて牛も33%、我が十勝は牛の飼養頭数が約10%総数が日本全体の10パーセント、生乳生産も15パーセントと、非常に大きな市場です。

これは千葉さん(千葉功太郎氏)にドローンで取っていただいたのですが、これが十勝平野です。

椿 すごいですね。

小林 この辺はうちの農地で、これだけだだっ広い平野があります。「農業王国」というにはふさわしい場所だと思っています。

こんなにだだっ広いものですから駐車場も広い。

椿 直進110キロってすごいですね。

(会場笑)

小林 このスケール感で農業も事業も行っているのが我が北海道です。

クラウド牛郡管理システム「Farmnote」

小林 日本には今390万頭の牛がいるんですが、今、年々牛の数が減っていっています。

牛の総生産額が1.3兆円というのはちょっと古いデータで、昨年度は1.4兆円ということで米と同じ金額の農生産高があるというのが現状です。

我々は産業のなかでも牛に特化して、クラウド牛郡管理システム「Farmnote」というのを作っています。

従来、牛はメモ帳やノートで管理しています。

管理システムもあるんですが、このようにコマンドを打たないと牛のデータを引っ張り出せないので、非常に経営しづらいというのが現状です。

そこで我々は管理をスマートフォンに置き換えましょうということで、牛の情報入力などを、先程のノートをスマートフォンに再現するアプリケーションを展開しています。

入力されたデータが牛のカルテみたいな形で自動的に集約され、いつどんな症状があり、どんな作業をしたか、等を管理できます。

実際に作業をしていく中で、Farmnoteがお客さんに大きく提供できた価値はすごく単純で、「牛の目の前で牛のデータが見られる」というのは非常にユーザーのエクスペリエンスを大きく変えています。

今までだと事務所に戻らなければいけなかったことがスマホで見ることができる、たったこれだけのことですが、農家さんにとっては生産性に非常に寄与しています。

更にこのように色んなレポーティングがあり、このレポートで今牧場の状況がどうなっているかタッチ操作だけで全部分かるので、経営の見える化がかんたんにできます、というのがFarmnoteの大きな特長です。

16万頭に導入済み

今 ファームノートでは日本の3%ぐらいの牛のデータを抱えていて、1年半ぐらいでこのぐらいまでシェアが伸びました。

Farmnoteがやっていることは、データを手入力してもらって見える化し、それに対して対策と取ることで改善を即そう、ということをやっています。

今、データの信憑性がユーザーにかかってくるので、データを自動で集めることに注力しています。

例えば搾乳する機械のデータや、ロボット搾乳というのが今流行っていますが、こロボット搾乳のデータ等を全部自動的に集めて、全部の牛のデータを統合しよう、という取り組みを今行っています。

Farmnoteアンバサダーを作る

小林 最後に戦略をお話して終わりにしたいと思います。

我々の戦略は非常にシンプルで、「アンバサダー」、「センサー」、「グローバル」です。一次産業でこの事業をやっていて特に思うのは、普通のマーケティング手法が通用しない、ということです。

農家さん自体がソフトウェアを買うという習慣が全くない、このような人達にどう買ってもらうか、ということに非常に苦心し、最終的に編み出したのが「アンバサダー」というファンを作る、ということです。

「熱烈なファンの方々を作る」ということが事業を進めていく上で一番重要だと思っています。

特に我々は「カスタマーサクセス」という考え方を持っていて、最近クラウド業界でもこの言葉をよく聞きますが、農家さんが1円でも多く利益を挙げてもらうということが最も重要なので、ディスカッションしながら製品の開発を進めます。

そうすることで、自分もやってる感が出てきて、それが「自分たちが作ったものだよ」と周りに広めてくれて、我々のソフトウェアを使ってくれる、そのような習慣にしていきます。
とにかく、何が何でもアンバサダー、これが一番重要であるというのが我々の戦略です。

アンバサダー作りに、このようなファームノートサミットというイベントを行っています。

普通農業のカンファレンスだとこんな空間ではやりません。ファームノートでは、サイバーな空間で、このICCカンファレンスのような感じで400人以上の農家が集まってパネルディスカッションを行います。

この時にユーグレナの出雲さんやソラコムの玉川さん、ファクトリエの山田さん等、今先端にいるベンチャーの方々に帯広に来ていただいて、農家さんとディスカッションしていただき、それでファンを作る、ということをやっています。

とにかくアンバサダーが我々の経営に最も重要です。

(続)

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/城山 ゆかり

続きは 「農業のGoogleを目指す」ファームノートの挑戦 をご覧ください。

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【編集部コメント】

続編(その2)では、その1に引き続き、ファームノート小林さんに事業紹介と今後の展望をお話し頂きました。「農業のGoogle」をめざす挑戦を是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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