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「ともに学び、ともに産業を創る。」エクストリーム・カンファレンス「Industry Co-Creation(ICC)サミット KYOTO 2019」(2019年9月3日〜5日開催)、1日目の午後に「REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える」 Supported by 電通 が開催されました。
第一線で活躍する審査員が注視する中、7社の研究開発型ベンチャー企業が各7分間の熱いプレゼンテーションを繰り広げました。審査員の投票の結果、低コストの高密度細胞培養技術で、“細胞が薬になる時代”を支える「セルファイバ」が優勝いたしました!
結果速報
ICCサミット KYOTO 2019 Session 3A 「REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える」優勝は、低コストの高密度細胞培養技術で、“細胞が薬になる時代”を支える「セルファイバ」でした!
第2位は、超高解像X線センサで“見える安心”を届ける「ANSeeN」でした。
第3位は、不揮発性メモリで“あらゆるEdge”に知性を与える「フローディア」でした。
当日の中継映像もぜひご覧ください。
登壇サービス・プロダクト一覧
優勝:低コストの高密度細胞培養技術で、“細胞が薬になる時代”を支える「セルファイバ」
株式会社セルファイバは、東京大学生産技術研究所の竹内昌治教授らの細胞加工技術を応用した細胞培養ソリューションを提供する大学発ベンチャー企業。同社の「細胞ファイバ技術」では、アルギン酸ナトリウム水溶液に懸濁した細胞懸濁液を塩化カルシウムで凝固させることにより、生細胞をチューブ状に閉じ込めることができる。従来の細胞培養に比べて高密度な培養を可能とし、さらにゲルという特性から自動・大量培養が容易という特長を有する。そのため、CAR-T療法など高額な細胞治療の理由の1つである「細胞培養コスト」を大幅に削減する可能性をもつ。ファイバ作製用ノズル・ファイバ作製用装置・培養リアクタなどの開発を進め、培養装置メーカーへのライセンシングを目指すとしている。
(プレゼンター)
柳沢 佑
株式会社セルファイバ
代表取締役
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2007年東京薬科大学 生命科学部 環境生命科学科卒業。2011年3月まで株式会社リバネスにて企画開発業務に従事。2017年12月 東京大学大学院 化学生命工学専攻にて博士(工学)を取得。2018年3月、平成29年度東京大学工学系研究科研究科長賞・東京大学総長賞。専門は高分子化学、材料化学、ソフトマテリアル、ハイドロゲル。2018年5月よりセルファイバ取締役に就任。2018年6月よりAMED「細胞ファイバーを利用した抗体製造のための高密度連続生産技術の開発」研究開発代表者。2018年10月にNEDO Entrepreneurs Profgram(NEP)に採択され心筋ファイバの創薬応用を志向した収縮力測定システムを開発。2019年6月より代表取締役に就任。
2位:超高解像X線センサで“見える安心”を届ける「ANSeeN」
株式会社ANSeen(アンシーン)は、2011年4月創立の静岡大学発ベンチャー。CdTe(カドミウムテルライド)を用いた化合物半導体と超高速LSI設計をコア技術とし、それらを搭載した次世代X線イメージングセンサを開発する。同社のX線イメージングは従来技術の2〜3倍の解像度と100倍の感度を誇り、通常トレードオフの関係にある解像度と感度の双方の向上を実現している。必要な光量が従来の100分の1となるため、医療機器やセキュリティ用途での人体への被爆量を激減させることができる。医科・歯科領域における画像機器のほか、空港手荷物検査、製造業における非破壊検査、インフラ検査用の画像機器など、幅広い展開を狙う。
(プレゼンター)
小池 昭史
株式会社ANSeeN
代表取締役
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1984年、群馬県前橋市出身。群馬工業高等学校から静岡大学情報学部に編入し、修士課程から電子工学研究所にて電子式ホログラフィを用いた3次元ディスプレイの研究に従事。X線CTの3次元データの表現方法の研究を通じて、X線センサとも関わりを持つ。同研究所研究員としてX線センサ開発をしつつ、微小電子源に関する研究で博士号取得。博士課程在学中の2011年に同研究所の教授と共にANSeeNを設立し、取締役として参画。2012年に代表取締役に就任。2019年静岡大学客員准教授。化合物半導体プロセス、MEMS、3次元LSIの先端技術の組み合わせにより実現できる自社製の大面積X線カラーカメラの普及を通じ、X線カラーカメラの技術を用いて、生産や輸送が自動化される社会における、人と機械のメディカルチェックを実現し、安心安全な社会の実現を目指す。
3位:不揮発性メモリで“あらゆるEdge”に知性を与える「フローディア」
株式会社フローディアは、ルネサスエレクトロニクス出身のエンジニア7名が2011年に設立した、不揮発性メモリのIPライセンス事業を展開するベンチャー企業。フローディアが開発したG2 CIMは、CPU/GPUでのディープラーニングで必要な積和演算が不要になるため、ディープラーニングの消費電力を従来の1万分の1に削減する。メモリの低消費電力・超小型が実現できるため、ドローンをはじめとした様々なモノ・モビリティにおけるエッジコンピューティングの実装が期待される。アメリカで開催されたFlash Memory Summit 2019で研究成果を発表し、大きな反響があった。「不揮発性メモリであらゆるEdgeに知性を」との想いの基、身の回りの電化製品自身に小型AIを内蔵し、通信しなくとも電化製品自体が判断可能な社会の実現を目指す。
(プレゼンター)
奥山 幸祐
株式会社フローディア
代表取締役社長
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2011年Floadia社創業のメンバー。日立製作所・ルネサスエレクトロニクスにて、自動車エンジン制御用MCUとして、世界で初めてのSplit Gate 型 SONOS Flash の開発をリード。プロセスデバイス開発、信頼性解析の30年以上の経験を有し、現在主流となっているSplit Gate 型 Flashで用いられているソースサイドインジェクション現象の発見者でもある。
多孔性配位高分子(PCP)技術で小型・軽量な“次世代高圧ガスボンベ”を開発する「Atomis」
株式会社Atomisは、1997年に京都大学・北川進教授らによって発見された多孔性配位高分子(PCP)を応用したマテリアル事業・ライフサイエンス事業・エネルギー事業を展開する京都大学発ベンチャー企業。PCPは金属イオンと有機配位子により構成され、1立方メートル中に100京個の孔をもつ材料物質で、この孔にガスが吸着する。Atomisが次世代高圧ガスボンベとして開発するCubiTanは、従来型のガスボンベから大幅な小型化・軽量化を達成し、“ボンベは重くて扱いにくい”という100年間変わらない概念を覆す特徴をもつ。ボンベの輸送費が削減されガスの価格低下が実現する可能性がある。さらにIoT実装により、ボンベ残量のリアルタイム・センシング機能も有する。今後は産業用だけでなく、家庭用エネルギー・モビリティ用の「水素ガスCubitTan」を開発し、ガスボンベを用いた電力シェアリングによってインフラレスなエネルギー社会の実現をめざす。
(プレゼンター)
浅利 大介
株式会社Atomis
代表取締役CEO
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京都大学工学部工業化学科卒、京都大学院工学研究科修士。外資系製薬会社(現サノフィ)の研究員を経て、日東電工株式会社に参画。日東電工株式会社においてはライフサイエンス研究に従事し、新規事業立ち上げに貢献する。2017年1月より現職。大学時代は創業者樋口、COO片岡と共に金属錯体化学を専攻し、企業では一貫して医薬品及びワクチンの研究開発・新規事業立ち上げに携わる。
“DIYエコー”で世界の医療教育とヘルスケアを変える「レキオ・パワー・テクノロジー」
レキオ・パワー・テクノロジー株式会社は、途上国における“医療も医師も存在しない世界”を改善したいという想いから、エコーデバイスの開発を行う2011年設立の医療機器ベンチャー企業。同社のエコーデバイスは、軽量・安価で、USBによる給電が可能なため外部電源を必要とせず、さらにメンテナンスも不要。アプリケーションも開発・提供することで、蓄積したデータによるマネタイズが可能になり、より安価に製品を販売できている。途上国において、一般の人がエコーデバイスを操作して自身の健康状態を知ることができる、健康管理・エコー教育のプラットフォームの構築を目指す。また、中進国〜先進国における超音波エコーの潜在市場にフォーカスし、「お腹ソムリエ」や「妊産婦セルフ」といったヘルスケア・アプリケーションの開発も行う。
(プレゼンター)
河村 哲
レキオ・パワー・テクノロジー株式会社
代表取締役CEO
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1997年3月 京都大学大学院 工学研究科 物質エネルギー化学修了。1997〜2005年、住友ベークライトにてエンジニアとして電気電子部品向け高機能樹脂の開発に携わる。電気電子部品向け絶縁材料の開発リーダーを担当し、1品番で毎年40億円の売上となる製品を開発。2005〜2011年、株式会社ドリームインキュベータにおいて経営コンサルタントとして活躍。数々の大企業の技術系事業戦略策定、新規事業立ち上げ戦略策定、技術系ベンチャー企業の事業運営支援、投資、上場支援、民事再生等の業務を行ってきた経歴を有し、1,000社を超える技術系企業の社長との面談経験を持つ。2011年、日本の誇るアナログ技術を事業化することを目的として、レキオ・パワー・テクノロジー創業、代表取締役就任。2015年、簡易超音波エコーを開発。ジェネリック医療機器事業立ち上げ、途上国を中心に世界に展開。
世界初の“独立型交流電池”でモビリティ・宇宙産業のバッテリーを変革する「AC Biode」
AC Biode株式会社は、世界初の「独立型交流電池」を開発するテック系スタートアップ。独自開発した中間電極“Biode”と粒子加速器に用いられる特殊な電子回路を応用した交流電池「AC Biode」は、通常の直流バッテリーに比べたコンパクト性や交流・直流変換における電力ロスの削減、より高い安全性・寿命などの利点を兼ね備える。製造にあたっては既存材料・製造工程を活用することができ、リチウムイオン以外の電池にも応用可能としている。電池メーカーへのライセンス供与を直近のビジネスモデルとし、将来的にはモビリティー・宇宙産業での用途を見据え自社での製造・販売を見込む。
(プレゼンター)
久保 直嗣
AC Biode株式会社
代表取締役社長
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世界初の単独交流電池と特殊回路を開発するAC Biode株式会社共同創業者兼代表取締役社長CEO。総合商社にて12年間、アフリカ・中南米向けの機械、プラント、再生可能エネルギー等の営業・ファイナンスを担当、途中ブラジルに駐在。退職後英国に留学し、CTO水沢と共同で、英国と日本にて起業(AC Biodeは2社目の起業)、現在に至る。英国Cambridge大学、米MIT、オーストリアScience Park Graz、英国Imagine IF!等のスタートアップコンテスト8件で優勝。欧州Astropreneurs/EU Horizon 2020、ImpacTech/日本財団、Plug and Play Japan等のアクセラレーターに参加。関心領域は、海外展開、クリーンテック、エネルギー、ディープテック。英国Cambridge大学院経営学修士(MBA)、慶應義塾大学環境情報学部卒。元アマチュアボクシングフェザー級全日本3位、長崎県長崎市生まれ、英国Cambridge市在住。
IHリフローによる“新型はんだ技術”で、電子部品実装を革新する「ワンダーフューチャーコーポレーション」
株式会社ワンダーフューチャーコーポレーションは、IHスポットリフロー技術による独自の電子基板作製を提供するベンチャー企業。従来のはんだリフロー(炉)では全体加熱を行うため耐熱性のある基板材料が求められ、電子基板の設計自由度に大きな制限を与えていた。同社のIHリフロー技術では、低耐熱材料上にダメージレスではんだ付けを行い、さらにスポットで多点同時にはんだ付けを行うことができる。曲面やPET素材、紙、布などに電子部品を実装することができるため、薄型・軽量のデジタルサイネージディスプレイや、IoTセンサ、5Gアンテナ、コネクテッドカーの樹脂軽量化など、次世代IoTを支えるあらゆるモノづくりへの可能性を秘める。IHフロー技術を独自の実装受託サービス(IH-EMS)を開始し、街の電信柱の曲面など様々なものを電子製品化する「フレキシブル・エレクトロニクス」の実現を目指す。
(プレゼンター)
福田 光樹
株式会社ワンダーフューチャーコーポレーション
代表取締役社長CEO
公式HP | STARTUP DB | LinkedIn
1987年成蹊大学工学部電気工学科卒。同年日製産業(現日立ハイテクノロジーズ)入社。日立製作所(出向、現ルネサスエレクトロニクス)にてマイコン設計を3年経験した後、マイコンの営業技術、営業として韓国12年、米国3年の海外赴任を経て、2013年にCASIO、EPSONで液晶事業を経験した2人のエンジニアと共に㈱ワンダーフューチャーコーポレーションを起業。起業後、樹脂製3Dタッチパネルを開発、基本特許を取得。樹脂製パネル上でのFPCB接合の必要性から、IHスポットリフロー装置を開発製品化。金属端子があれば、非耐熱材料上、高放熱材料上でのはんだ付けができる事から、今までできなかったことができる様になり、ものづくりの世界にパラダイムシフトを起こすべく、フレキシブルエレクトロニクス、自動車、5G、ウェアラブル他、多くの分野にPR中。現CEO。
表彰式
(終)
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編集チーム:小林 雅/花本 夏貴/横井 一隆/尾形 佳靖
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