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取締役会、組織の課題を少人数でディスカッション! ICCアーカイブス特別企画、合同経営幹部研修を初開催

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7月19日、ICCパートナーズオフィスにて、「ICC合同経営幹部研修(ICCアーカイブス特別企画) 」が行われました。経営課題に直結する過去のセッションのアーカイブを見て議論をするという主旨で、発起人・マネーフォワードの金坂直哉さんの呼びかけで集まったのは、4社12人。その模様をレポートします。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月3〜5日 京都開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


ICCサミットのセッションは、すべて録画されてアーカイブとして保存されています。それを「ICCアーカイブス」として上映、終了後にディスカッションをするなどして活用していますが、その最新形が7月19日に開催された「ICC合同経営幹部研修(ICCアーカイブス特別企画) 」です。

そもそもマネーフォワードの金坂直哉さんが、自社の方々とアーカイブのコンテンツを観たいという希望があり、上映会をするのであれば、同じ企業規模・成長ステージの経営者・幹部(ICCサミット KYOTO 2019登壇者)の興味を持ちそうな方々にお声がけして、ともに観て、ディスカッションをしようということになりました。

そこで金坂さん発信で、ユーザベースとFOLIOの方々、そして上映セッションで登壇したシニフィアンの小林 賢治さんにもお声がけをし、豪華なラインナップでの合同経営幹部研修となりました。

2つのセッションの上映には、それぞれディスカッションタイムを設け、内容に応じた視聴者、参加者が出入りするというフレキシブルな形になりました。

名セッションの映像、登壇者も議論に参加

はじめに、この研修を企画したマネーフォワードの金坂 直哉さんが挨拶をしました。

金坂さん「みなさん今日はよろしくお願いいたします。最初はうちの役員メンバーだけでという話でしたが、せっかくの機会なので、情報交換も含めて皆さんで一緒にということになりました」

小林 賢治さん「なぜこの2つのセッションを選んだのでしょうか。ガバナンスが気になっているのですか?」

金坂さん「それもありますが、うちの役員メンバーで、過去のセッションの中で何を観たい?という議論をしたところ、この2つになりました。役員会や組織について学びたいと思っています」

小林 賢治さん「テレビのニュースなどでも、役員会が紛糾している話題をよく見かけますね。ベーシックな知識、どういう軸で考えるかを知っているのと、知らないのでは大きな違いがあります。そういう意味で、今回の上映会は参考になるのではと期待しています」

まずは1本目、オフレコセッションの「教えてほしい! 上場企業の取締役会の運営と社外取締役の実効性(シーズン1)」の上映です。モデレーターを務める琴坂さんの「このトピックはオフレコでないと語れません」という言葉でセッションが始まりました。それ故にセッションは記事化されていません。

<上映セッション その1>
ICCサミット KYOTO 2018
Session 6C
教えてほしい! 上場企業の取締役会の運営と社外取締役の実効性(シーズン1)

(スピーカー)
宇佐美 進典
株式会社VOYAGE GROUP
代表取締役社長兼CEO

岡島 悦子
株式会社プロノバ
代表取締役社長

小林 賢治
シニフィアン株式会社
共同代表

佐藤 光紀
株式会社セプテーニ・ホールディングス
代表取締役 グループ社長執行役員

(モデレーター)
琴坂 将広
慶應義塾大学
准教授(SFC・総合政策)

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上映が終わると、3つのテーブルに分かれた参加者たちのディスカッションタイムがスタートです。とくに盛り上がっているのは、セッションに登壇していた小林さんのテーブル。ボードを使った解説が盛り上がっていましたが、一体どういうことを話していたのでしょうか?

小林さん「マネーフォワードとユーザーベースの面白い特徴は、かなり毛色の違う2つの事業をお持ちのところ。事業が増えたときのポートフォリオ・コントロールは難しくなります。そのコントロールをどこのレイヤーで持つのかという話をしていました。

ほかに話したこととしては、戦略の議論をする取締役会がよくありますが、1、2時間で戦略を社外取締役が完全に理解するのは不可能です。

取締役会でおすすめの議題は、Googleカレンダーなどで社長の時間の使い方を見てみること。社長の時間の使い方が、役員会の意思と合っているかどうかを見てみるのです。

たとえば既存事業に5割、採用3割、新規事業2割の内訳で使っていたとして、本当はもっと内向きに割いてほしいのに外ばかりに割いているとか、もっとリスクをとってほしいのに、既存事業ばかりに使っているなどが見えてきます。

戦略を毎回話すのは、事務局にも負担が多すぎます。これならば議論しやすいし、ガバナンスも効かせやすいのでおすすめです」

小林さんは、さらに続けます。

「今の事業の重要性でボードメンバーに入れたとしても、5年後にそのままでいいかどうかはわかりません。そのころには違う事業が成長しているのに、全然違うメンバーが残っていることがありえます。そういうスタートアップをたくさん見てきました。それはやはり活力のない取締役会を生み出しますね」

ここでタイムアップとなった小林さんは退出。続いて2本目のセッションの上映会に入りました。次は役員だけにとどまらず、メルカリ、ラクスルを題材にとった「最強の組織戦略」のセッションです。

似た企業規模・成長ステージだから議論が深まる

<上映セッション その2>
ICCサミット KYOTO 2018
Session 2B
最強の組織戦略 ~メルカリ・ラクスルのすべて~

(スピーカー)
小泉 文明
株式会社メルカリ
取締役社長 兼 COO

松本 恭攝
ラクスル株式会社
代表取締役社長CEO

(モデレーター)
麻野 耕司
株式会社リンクアンドモチベーション
取締役

実体験に基づくTIPSが満載のこちらのセッションは、写メをとる方が続出。上映後のディスカッションでは、自分の組織に照らし合わせての議論は、評価制度や報酬、ジョブ・ディスクリプションにまで及んでいました。

甲斐さん「勉強になったという感想しかないです。ラクスルの松本さんがぶつかって解決してきた課題は、すべて現在、自分たちがぶち当たっている課題です。すごく自分ごと化して聞くことができました。

メルカリについては、シリアルアントレプレナーの集まりなので、もともと人事制度がしっかりしているのは有名です。1つ1つ紹介されていたノウハウも写真に撮りました。自分たちでも実行していきたいと思います」

金坂さん「メルカリは本当に参考になりました。紹介されていた、社内パネルディスカッションの裏側で経営システムを走らせる、というのをやってみたいと思いました。

同じテーブルの、FOLIOのリュウ シーチャウさんが前職でご経験があるという、新卒のハイポテンシャル人材を、優先的に育てていくということもやってみたいですね」

マネーフォワード竹田さん「人数多くなったから無理だろうとか、気づいてもやらないのは良くないと思いましたね」

ICC小林「プロダクトではやりきれても、組織でやらなかったりしますよね」

マネーフォワード竹田さん「どうしてもそういうところはふわっとしてしまいがちです。メモを取ったので、週明けからちゃんとやろうと思いました」

ユーザベース西川さん「僕、このセッションを1年前に生で見ていたのです。それで2つずつ持ち帰って実行しようと思ったものがあり、1年あればできるだろうと思っていたのですが、半分ぐらいしかできませんでした。

小泉さんのおっしゃっていた、人事制度をウェブサービスのA/Bテストのようにやるというのを、ダイバーシティマネージメントとして、ワーキングペアレンツのメンバーが楽しく働ける環境作りをするなかで試してみました。実際に定着できる制度もできました。オンボーディングでもできたことがありました。

できていないのはアルファとベータの進化の話です。新しい取り組みと強化したい取り組みがあるのですが、その2つの難易度はだいぶ違って、それを解像度高く評価することや、それを経営メンバーにフェアにすり合わせることができませんでしたね」

ーーーー

研修が始まる前に、ICC小林が「毎朝のようにICCアーカイブスを開催していますが、ライブでの体験価値と、録画を観て終わったあとに議論する価値は、全く違うという感想があります。ぜひ活用いただいて、奇譚のない意見の交換ができれば」とご挨拶させていただきました。

ICCには、実体験に基づいた学びの多い議論、過去のICCサミットのセッションでも色褪せない内容のアーカイブスがたくさん蓄積されています。記事で公開しているものもありますが、記事化ができないセッションの視聴も可能ですし、映像だと、よりインタラクティブな議論に発展する傾向があります。

今回のように自分たちだけでなく、登壇者の方や、他社とともにアーカイブスを見ることで、抱えている課題に対して、より建設的な議論や解決のヒントになることがあるかもしれません。ICCサミット参加者対象となりますが、企業内の研修など、学びやディスカッションの素材として、ぜひご活用いただければと思います。

こういったことができるのも、毎回、登壇者や参加者の方々が、真剣に議論していただいているからこそ。あらためて感謝とともに、次回ICCサミットでも、ともにあらたな財産となるコンテンツをCo-Creationして、企業、産業の発展につなげていければと思っています。以上、現場から浅郷がお送りしました。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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