審査員たちが太鼓判!明日の産業を担う10社が集結したカタパルト・グランプリ【ICC KYOTO 2019レポート】 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

審査員たちが太鼓判!明日の産業を担う10社が集結したカタパルト・グランプリ【ICC KYOTO 2019レポート】

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9月2日~5日の4日間にわたって開催されたICCサミット KYOTO 2019。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。今回は9月4日、強者たちのプレゼンバトル、「カタパルト・グランプリ」の模様をお伝えします。日本農業の内藤祥平さんが優勝を飾りましたが、他の9社のプレゼンの見どころも合わせてご紹介します。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は、2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。


プレゼンの実力、ビジネスともに充実した10社が集結

この日のA会場は、終日カタパルトというタイムテーブルが組まれていた。前回大好評を得てシリーズ化となった「CRAFTED カタパルト」、午後の3本は「メディカル&ヘルスケア」「アグリ&フード」「モビリティ&ロボティクス」という、新しい試みのジャンル斬りカタパルトとなっていた。

そしてこの日の朝イチを飾るのは「カタパルト・グランプリ」。「スタートアップ・カタパルト」から次のステージ、スケールに入った企業で、なおかつプレゼンの実力、ビジネスともに充実した企業10社が顔を揃える。

登壇企業の半分が、過去に登壇ずみではあるものの、5社は自薦/他薦によるエントリー。審査員も会場も、名人芸を見に来るようなリラックスした雰囲気ではある。とはいえ、気持ちのいい緊張感が朝の会場にはあった。

優勝者に贈られる豪華賞品を紹介

司会のICC小林 雅が、優勝賞品を紹介していく。

 

ファクトリエ賞 オーダーメイドのジャケット

山田さん「前回に続いて今回もと思って提供したのですが、前回のCRAFTED カタパルト2位になったらグランプリ出場権もあるということで、自分でも登壇することになりました。これはなんとしても優勝して、誰にもあげなくていいように頑張りたいです」

 

Foo Tokyo賞 ホワイトカシミヤ製のナイトガウン(男女兼用)

桑原さん「弊社の賞品でも最高傑作のホワイトカシミヤを使った、これ以上のものは作れないという品質のナイトガウンをプレゼントします。私も次のCRAFTED カタパルトに出るので挑戦する立場ですが、弊社の商品で気持ちよくなっていただければ」

オルビス賞 オルビスの化粧品10万円分やスキンケア商品

小林さん「オルビスにはメンズのスキンケア商品もあります。10万円分のポイントをプレゼントします」

AGS賞 よなよなエール1年分

廣渡さん「スタートアップ・カタパルトを昨日見ていて、レベルが非常に高いと思っていたのですが、私どもとしては、スポンサーさせていただいていることもあり、このカタパルト・グランプリからメジャーになる、すごい起業家を生みたいと思っています。

恒例ですが、優勝者には勝利の美酒に酔っていただきたい。AGSは堅い会社ですが、老若男女笑顔で喜んでいただけるのはお酒だと思っています。

よなよなエールをヤッホーブルーイング井手さんと協力して、1年分差し上げます。ビールピラミッドを作ってSNSで拡散いただきたいです!」

ICCパートナーズ 代表取締役 小林 雅

ICC小林「スタートアップ・カタパルトでは、真面目に真剣にと言っていますが、このカタパルト・グランプリでは、日本を代表する起業家になってほしいです。

自分は5年後、10年後にそうなるんだという気持ちで、頑張ってください。では司会の三輪さんにバトンタッチします」

三輪さん「それでは、日本を代表する起業家のみなさんからのプレゼンテーションをノンストップでお届けしたいと思います。準備はよろしいですか?」

10組のプレゼンターの見どころ

それから登壇した10組のプレゼンは、いずれも異業種ながら、実力が拮抗する素晴らしいものだった。個人的な視点となるが、それぞれの見どころをご紹介したい。

▶当日の中継映像と合わせて、ぜひご覧ください。

SNSでの表現力に再評価! オリジナルGIFを作れる「GIFMAGAZINE」

GIFMAGAZINE 代表取締役社長 大野 謙介さん

LINEのデフォルトアプリとしてインストールされていることから、プレゼン中にLINEを立ち上げてサービスを使ってみることを提案した大野さん。「GIFはオワコン」というイメージを一掃し、かんたんに自作できる楽しさを瞬時に伝えた。その結果、プレゼンそっちのけで作成に熱中する人の姿も見られた。

英会話学習の2大課題「選択」と「継続」を解決する「プログリット」

プログリット 代表取締役社長 岡田 祥吾さん

どの学校やサービスを選ぶのか、またどうやって継続させるかが鍵となる英会話学習。サッカー選手本田圭佑が1年以上一日も欠かさず勉強を続けているインパクト、人の心の弱さを押さえて継続できる仕組みをユーモアも交えてプレゼンした。緩急自在の飽きさせない展開に、観客の目は釘付けとなった。

サステナブルかつ家具に縛られる生活を開放する「クラス」

クラス 代表取締役社長 久保 裕丈さん

過去にカタパルト登壇経験のある久保さんは、順調にスケールしている家具のサブスクリプション事業の今をプレゼン。コスト4割減で出店を加速できるホテルなどの大型案件を紹介する一方、気軽な入れ替えで部屋をカスタマイズする69歳の例を紹介。修理補修や長期割引のメリットも打ち出した。初代バチェラー・ジャパンの主役でもあり、審査表に思わず「カッコいい」とメモる審査員も。

専門リサーチャーのお株を奪うSaaS型AI「XENO BRAIN」

xenodata lab. 代表取締役社長 関 洋二郎さん

主要経済誌1,000メディア1日5,000本のニュースを独自の自然言語処理で解析して、専門性、ニーズにあった分析を提供するXENO BRAINを紹介。人間のリサーチャーに代わって、ニュースの影響をスピーディに可視化するSaaS型AIの価値を訴えた。リサーチャーを雇う余裕のない企業、多岐に渡る分野のリサーチを必要とする企業にはかなり魅力的に映ったのではないか。

世界で日本の農産物を売るバリューチェーンを構築する「日本農業」

日本農業 代表取締役 内藤 祥平さん

現在が日本の農産業の生死の分岐点であるという危機感から、日本の農産物の輸出バリューチェーン構築、刷新、知財の活用により、産業構造の変革を訴えた日本農業。昨年は東南アジアへ1,000万個のりんごを輸出して国によっては過半数のシェアを獲得。今後は中国やインドなどへの横展開もにらむが、着実な成長と隙のない展開に、日本の農作物の高いポテンシャルを確信させられるプレゼンだ。

ラストワンマイル配送には、効率ではなく”最適化”「オプティマインド」

オプティマインド 代表取締役社長 松下 健さん

カタパルト常勝の松下さんが、今回はグランプリに挑戦。配送業務のラストワンマイルのルートの最適化サービス「Loogia(ルージア)」は、効率化だけでなく、駐車場と出入口の場所、ガソリンスタンド、EV車の充電スポットなど現場の環境も加味されている。その課題解決力の高さ、審査員が常に評価するポイントを、プレゼン動画からぜひ読み取っていただきたい。

ハンズフリーで仲間と繋がるコミュニケーションツール「BONX」

BONX 代表取締役CEO 宮坂 貴大さん

プレゼンターの宮坂さんはスノーボーダー。雪山のコミュニケーションでのスマホの不便さに着目し、ハンズフリーでコミュニケーションできる耳装着型デバイスを考案。衝撃製・防滴性を持ち、距離無制限で同時に最大10名とつながることができる。ANAの機内や建築・介護現場でもすでに導入されているといい、宮坂さんの「これがほしかった」という想いが伝わるプレゼンだ。

消費者の悩みを分かち合って作る自分処方のシャンプー「Sparty」

Sparty 代表取締役社長 深山 陽介さん

メーカーが提供する商品に消費者が合わせる現在のシャンプー市場。パーソナライズとUXでオペレーションやコミュニケーションなど5つの側面の設計から、データを活用し、消費者の悩みを分かち合う市場の創出を目指す。好評のサロン展開に続き、自社店舗やタレントを使ったマーケティングの新機軸も打ち出していく。プレゼン最後では、パーソナライズ市場の可能性が明示される。

食から彩りのある街づくり、自己実現を推進する「Mellow」

Mellow 代表取締役 森口 拓也さん

2018年2月のスタートアップ・カタパルトで優勝したMellowは、新たな問題意識を提示。街でチェーン店と高級店の二極化が進んで風景が画一化されていくことから、豊かな食文化と個性があふれた”ショップ・モビリティ”のフードトラックで街に彩りを加えることを訴えた。料理人の自己実現へのハードルを下げ、ナレッジを共有する仕組みづくりも含め、プレゼンを見て頷く審査員が多かった。

原材料作りに着手。小学生がコットンを育てる「ファクトリエ」

ライフスタイルアクセント 代表取締役社長 山田 敏夫さん

「汚れない白いコットンパンツ」「絶対に破れないソックス」など、技術と創意工夫にあふれた商品を展開するライフスタイルアクセント(ファクトリエ)。近年には原材料にも注目し、今年4月、山梨にコットンファームを設立。普段は地元の小学生たちがそれを管理し、ゆくゆくは収穫したコットンで作った体操服を着るといい、服を大切に着る心も養うメッセージが心を打つプレゼンだ。

まさに充実した10社のプレゼンを聞き終えて、審査員は審査表を前に首を捻っている。全体的な感想や、どの企業が印象的だったのか、スポンサーや審査員の声を聞いていくことになった。

世界のトップ10に入る、真の成長企業を目指せ

AGSコンサルティング 代表取締役社長 廣渡 嘉秀さん

廣渡さん「強烈な個性、アピールの10社でした。プロダクトサービスもさることながら、それぞれのキャラもあり、やはりカタパルト・グランプリは最高峰だなと思いました。すばらしいです。

しかしながら、皆さんは商売をされているわけで、ピッチ屋ではありません。こういうイベントを卒業して、本当の意味で成長する、上場する会社になっていくと思います。

真の成長企業になっていくのを支援するのがAGSの仕事で、それが私たちがカタパルトグランプリをスポンサーさせていただいている理由です。IPOの前後両方を、会計事務所として支援できます。

本当に素晴らしかったので、入賞2位〜4位の方にも、半年分のよなよなエールをお送りしたいと思います!」

ヤフー マーケティングソリューションズ統括本部 マーケティング本部長 井上 大輔さん

井上さん「BONXがワクワクしました。日本だけでなく、最初からグローバル展開という拡張性に、世界を獲っていけるワクワクを感じました」

DCM Co-Founder and General Partner 茶尾 克仁さん

茶尾さん「日本をもっとよくするという意欲が伝わって、フレッシュないい会社がたくさんあるなと思いました。お客さんをもっと喜ばせるという姿勢からの起業が多いので、このなかから1社と選べません。ほぼみんな成功するだろうと思いました」

Asia Africa Investments & Consulting 代表パートナー 椿 進さん

椿さん「登壇企業のほとんどが上場できると思いました。この中から、GAFAとかテンセントを超える会社が出ないと駄目ですね。世界のトップ10に入らないと!」

優勝は日本農業の内藤さんに決定

1位 日本農業 内藤 祥平さん
2位 Mellow 森口 拓也さん
3位 オプティマインド 松下 健さん
4位 BONX 宮坂 貴大さん

2位〜4位の発表が終わり、最後に内藤さんの名前が呼び上げられると、内藤さんはゆっくりと前に出た。動じていないように見える。

内藤さん「ピッチに出るのが初めてなので、終わった後いいのか悪いのか、感触がまったくわからなくて。やっている間は緊張していなかったのですが、今、急に緊張し始めました(微笑)」

日本を代表する企業になるための抱負を聞かれると、動じることなく内藤さんはしっかりと答えた。

内藤さん「プレゼンでも申し上げたとおり、日本の農産業はものの輸出だけでも、世界を狙えると思います。それに知的財産権を加えると、中国、南米、アフリカ、世界で見ると食は足りていなくて、課題が山積みなので、一大産業を日本の農業から作れれば面白いと思います」

内藤さんに、優勝賞品が次々と授与される。会場の空気が和んだのが、Foo Tokyoのプレミアムガウンの贈呈時。着てみます? と勧められ、内藤さんが羽織ると皇帝のような風格が漂い、壇上のプレゼンターたちからも歓声が上がった。

「最初はスタートアップ・カタパルトに応募した」

カタパルト・グランプリの終了後、あらためて審査員のマイネット上原さんに感想を伺った。

マイネット 代表取締役社長 上原 仁さん

上原さん「今までで一番レベルが高かったと思います。世界で戦えることをテーマにするのが、当たり前になってきていますよね。

シェアリングの概念でやろうとするものも多いですが、シェアリング×シェアリングでもあったりして、ここから突き抜けるものが多く出るのではと思います。

優勝した内藤さんについては、本物感に尽きるでしょう。特別なことをしているというよりも、1つ1つを洗練させて、貫いている、やりきるというところが、みなさんの心を奪ったように思います」

壇上から降りてきた内藤さんは、まだ呆然とした面持ちだ。日本農業の創業は2016年11月で、自分たちはまだまだだと思っていたようだ。

内藤さん「驚きました。せっかく出るなら勝ちたいとは思っていましたが……。

最初はスタートアップ・カタパルトに応募したのです。そこから小林さんと話すうちに、カタパルト・グランプリにどうかという話になりました。

すでに東南アジアではりんごの輸出シェア1位になっていますが、今後中国やインドにも拡大していければと思っています。品種の知的財産権の保護など、農業で日本と世界をつなぐようなありとあらゆるビジネスを提案していければと思っています。

私は農業しかわからないのですが、ICCサミットは、ITだけではなく産業をこれからどうしていくかを考えている方が多いので、他の産業のご先輩方に見ていただきたいなと思っていました。

これからですか? りんごの出荷シーズンが9月中旬から始まるので、これから青森に籠もって、りんごで実績を出すことを頑張っていきたいです。

ICCサミットは初参加ですが、事前にあったワークショップやイベントで、友だちが結構できました。京都に来ても飲み会などできて、楽しく過ごせているので、参加しておいてよかったです」

内藤さんはなんとこの日、すぐ後にある、CRAFTED カタパルト、アグリ&フードカタパルトの登壇、最終セッションのモデレーター役と、1日4セッションの登壇が予定されていた。

その意気込みを聞くと「せっかく優勝したので、次からのプレゼンもちょっと変えてみようかなと思っています。いろいろな機会をいただいて、小林さんに感謝です」と控えめに答えた。

緊張した、と言いながらコメントにあふれる余裕。貫禄が漂う新たなチャンピオンの誕生だ。次の登壇へ、誘導のスタッフが先導するあとを悠々と追いながら、内藤さんのピッチコンテスト初登壇は大勝利に終わったのだった。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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