リアルの体験価値こそ、ICCのコアバリュー。「ランチ体験」から始まる、運営スタッフの開催準備【ICC KYOTO 2020レポート】 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

リアルの体験価値こそ、ICCのコアバリュー。「ランチ体験」から始まる、運営スタッフの開催準備【ICC KYOTO 2020レポート】

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8月31日~9月3日の4日間にわたって開催されたICCサミット KYOTO 2020。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。第1回目は、その初日となる8月31日、運営スタッフによる会場設営の模様からお伝えします。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2021は、2021年2月15日〜2月18日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。


開催を決定した背景

メイン会場となるウェスティン都ホテル京都

ICCサミット KYOTO 2020が開催できるのか、それともできないのか。企画・運営を行うICCパートナーズ自体も2ヵ月間のリモート期間を経て、先行き不明な状況の中、前回2月の開催から半年間で再確認したことは、私たちの存在価値は、オフラインのイベント開催にあることだった。

オンラインイベントに転じることは、やろうとすればできるだろう。しかし、私たちはそれで価値を発揮できるのか? 私たちは今まで何を目指して、どういう場を創ってきたのだろうか? 登壇者・参加者の方々、運営スタッフは、何を求めて集まってきてくださったのだろうか?

対策をどれだけしたところで、感染症のリスクをゼロにすることは不可能だが、参加いただく方々の年齢層は幸い若い。感染症拡大の影響で、経済の失速が叫ばれるなか、私たちができることは何なのか?

私たちのスローガンは「ともに学び、ともに産業を創る。」。今こそ、ともに知見を寄せ合い、ともすれば弱まりそうな絆を深め、未来をCo-Creationしていくとき。オンラインでできることもあれば、オフラインでしかできないこともある。今回の開催を決定することは自明だった。

とはいえリスクは無視できない。感染者が爆発的に増えたら移動の禁止がかかるし、“エクストリーム・ディスカッション”がない限りICCサミットは成り立たないが、登壇者の方々には所属がある。さまざまなリスクと万が一の場合を考えて、会場や外部カメラマンの手配などは、キャンセル期限を通常より遅い、開催2週間前までの延長を交渉していた。

交渉をしつつも、会場環境の準備を進めていった。会場ではフェイスシールド/マスクをスタッフ含め全員着用し、十分な換気機能を供えたホテルに、さらに空気の流れを作るためにサーキュレーターを追加で導入、会場の各地に手指の消毒剤を配置し、毎日の来場時には検温と消毒を実施し、新しいフェイスシールドを配布、手洗いやうがいの推奨を、随時会場のアナウンスでも行うこととした。

プログラムとしては、人気セッションは満員となり、期待と熱気でさらに盛り上がるような事態が予想される。ランチやパーティ会場も混雑する。そこで、場外の特別プログラムを増やして人を分散させることとした。食事は、ビュッフェを廃止し、着席でのお弁当を提供する。交流するときは、フェイスシールドやマスクの着用を原則とする。これらは東京のオフィスで開催したワークショップなどでトライアル済みだ。

その結果、今回のICCサミット KYOTO 2020のプログラムは、過去最大に複雑なものとなっていた。

スタッフも参加者の体験をシュミレーション

運営スタッフは、毎回ありがたいことに多数の応募をいただいている。しかし今回はリスクをなるべく避けるために新規参加の人数を絞り、ベテランスタッフは特に、日中のメイン会場の運営に加えてさまざまな業務を兼任することになっていた。

たった4日間のイベントではあるが、2月のICCサミット FUKUOKA 2020までは、チームごとにチームビルディング・ディナーなどを開催していた。それも今回は、スタッフキックオフのイベントやワークショップの運営のみとなり、時勢を反映してオンラインミーティングが主となった。

どのチームも顔を合わせる前に、SlackやZOOMなどを活用して、かなりの量のコミュニケーションが図られていた。加えて開催2週間前から、チーム全員で検温をして報告をし、それすら楽しいチームビルディングとして活用されていた。

A会場チームで共有されていた検温を呼びかける投稿。その後運営チーム全体にも共有されていた
(引用元:藤子・F・不二雄 『ドラえもん』40巻189ページ 小学館 )

そんなスタッフたちが結集した、オープニング・パーティ当日の8月31日。通常ならば13時に集まって、そこから点呼と各チームのリーダーから意気込みが語られるが、今回はその1時間前の12時に集合した。

その理由は、来場者の方々が体験する、フェイスシールド着用下でのランチを自ら体験するためである。3種類あるお弁当を説明できるようにするためと、フェイスシールドがあって食事をするときは、無意識にどういう行動をするかを自ら体験し、注意点を学ぶためであった。

スタッフも一堂に会して全員着席ランチ

来場者と同じ3種類のお弁当を試食。お弁当はこのほかに京都らしい西京焼き弁当や牛丼など

当然ながら、フェイスシールドを着用したまま食べることはできない。メガネのツル部分を持って注意深く上に上げるか、空いているスペースに置くのか、置くときはどのようにしたらリスクを減らせるか。これから4日間一緒に過ごす仲間たちとランチを食べながら、運営の学びの体験はここから始まっていた。

お弁当ランチが終了すると、一人4つのフェイスシールド作りを行った。前夜にTHE SODOHで開催したスタッフの集まりでも作成していたが、来場者680名分にはほど遠く、また全員で作ってみることで、たとえばフェイスシールドのシートが外れてしまった場合に直せるようにするためだ。

箱から中身を出す人、保護シートを剥がして組み立てる人、完成品を数える人、ゴミを集める人、それぞれが自然に分業しながらシールドが作られていく。ランチとフェイスシールドで、あっという間に時間が過ぎ、1時のスタッフ全員集合時間となった。

「完全燃焼、これが最後のつもりでやりましょう!」

明らかに今までとは違う始まり。それは1時からのスタッフ点呼のあと、各リーダーから語られた言葉にも現れていた。

各会場の統括たち

C会場・4階統括金田さん「通常よりも臨機応変であることと、リスク意識を高めに持つことが今回特に求められていると思います。こういう状況下でオフラインに来てくださる方には、無事に終わればあとあとすごくいい体験になると思います」

B会場統括坂井さん「ゼロリスクではないと小林さんはいつも言っていますが、参加者も登壇者もそれをわかって来てくださっている。そのうえで、リターンのほうが大きいと考える、本気の方々が来てくださると思います。そういう方々と一緒に、最高のICCを作りたいと思います」

A会場統括福西さん「いつもよりも一層、一人じゃ絶対できないことをやっている、このICCサミットはすごく意味のあることをやっていると感じます」

スピーカー誘導チーム

受付チーム

メディア/サポートチーム

メディア統括・小杉さん「世の中では、この状況下でICCサミットをやるのか、と言う人がいると思います。必ず成功させて、その様子を世の中へ配信したいと思います」

ICC小林「最後、僕から一つあります。我々のカンファレンスは”エクストリーム・カンファレンス”といっています。一般的な用語ではなくて、エクストリーム・スポーツから来たものです。エクストリーム・スポーツの熱狂のように、朝から晩まで議論するとか、熱狂するとか、まさに同じような感覚であると思います。

こういう環境下でもやるしかないぞということで、オンラインイベントの選択肢もあるなかで、リアルな体験価値というのがコアバリューであると、それを失うぐらいならば、やらないほうがましであるということで、開催する判断をしました。

最後は開催するために、調べまくって、買いまくりました。みなさんの安全安心のために、投資をしています。総額300万円ぐらい投資して、来場者に全員フェイスシールド配るのも僕らのカンファレンスぐらいなので、ぜひ思い切ってやっていければと思います。

我々”エクストリーム・カンファレンス”でありますので、エクストリームにいきましょう!

重要なのは、今回が最後になるかもしれません。開催することでめちゃくちゃ叩かれて、二度とスポンサーしないと言われるかもしれません。

だから完全燃焼、これが最後のつもりでやりましょう!

もし叩かれても、僕は炎上するのに慣れています。叩かれるのは僕であり、皆さんではありません。責任は僕にあります。ぜひ皆さん、エクストリームにやりましょう。では最後に坂井さん、お願いします!」

坂井さん「ではみなさん、飛沫に気をつけてエクストリームに、ともに学び、ともに産業を創ろう! オー!」

会場の初統括を務める坂井さんの初々しい掛け声とともに、スタッフ全員が拳を突き上げた。

ICC小林「では4日間、エクストリームに行きましょう。準備が大事、結果が全て。必ず結果は出ます!」

各チームは持ち場に分かれ、会場設営の準備が始まった。

会場設営の準備開始

オンラインでのチームビルディングが功を奏してか、今回の運営チームはいつにも増して気合いが入っていた。午前中早々に集まり、実際にすでに設営準備をしていたチーム、運営マニュアルの読みあわせを行っていたチームもあった。

午前中から準備をしていた受付チーム

受付チームは東京からの準備で、登壇者・参加者が首から下げるネームプレートの準備は半分終わっていたが、午前中にすでに受付のテーブルができていた。

来場者を迎える受付チーム

受付では今回、検温・消毒とフェイスシールドの配布が、業務に加わる。どの順路ならスムーズに受付していただけるか、テーブルの配置はどこが適切か、最終日まで改善が加えられていた。

ホワイエでは展示ブースなどの設営が進められている。そのなかに、三星グループの岩田 真吾さんがいた。先ほどの運営スタッフに向けた小林の最後のあいさつをスタッフの後ろで聞いていたらしい。

岩田さん「LEXUSさんとのコラボ展示があるので早めにやってきて、偶然、先ほどの光景を見ていました。この舞台裏、いいじゃないですか!」

いつも運営スタッフに気さくに話しかけてくれる岩田さんは、思わぬ形で舞台裏を見て、運営スタッフが今回のICCサミットにかける想いを感じ取ったようだった。

前回CRAFTEDカタパルトで優勝したクスカの楠さんも自ら、展示する織り機を約3時間ほどかけて組み立てていた

ここからは写真を中心に、設営準備の模様をお伝えしよう。

A会場に集結した各会場運営チーム

壇上ではカタパルトの流れをチェック。ヤッホーブルーイングの井手さんのコメント映像を再生確認中

坂井さんが会場初統括を務めるB会場チーム

会場の音声、モニター、映像収録を担当するアークベルさんと打ち合わせするC会場チーム

オープンなD会場は、スピーカー誘導チームと打ち合わせ中

ワークショップなどが多く開催されるE会場

最も狭く気密性の高いF会場には、髪の毛が舞い上がるほどのサーキュレーターとジアイーノを導入

登壇者の会場誘導を連携して担当する誘導チームとスピーカー控室チーム

セッション中に残り時間を表示するボードなどを確認

スタジオでの登壇前撮影も、今回はフェイスシールドを着用

カタパルトのライブ配信を準備するスタッフ。今回はメディアチームとA会場の合同で担当

メディアチームと照明チェックに立ち会うC会場チーム

感染症対策などで膨大となった備品を管理するのも受付チーム

大量のマイクスポンジ(スピーカーが話すマイクヘッドにかぶせるカバー)も会場に到着している。これは、フェイスシールド装着でのディスカッションで、マイクがぶつかる音を拾ってしまうのを防ぐためと、感染症対策としてスピーカー毎に使い捨てするためだ。

オレンジ色のダクトの先につながっているのが、工事現場などでも使用されるハンディジェット

換気をより強力に行うため、混雑や密が予想される場所には、より強力な業務用ハンディジェットや排気ダクトまで持ち込んで配置した。

情報を集め、有効とされる様々な対策を行ったところでも、リスクはゼロにはならず、確率を下げることしかできない。スタッフも全員毎日検温と体調管理を行っているものの、無症状のまま参加していることもありえる。もし1人でも感染者がいたら、本当に次回はないかもしれない。

フェイスシールドとマスクをしながら各会場を見回っていると、いつものようには集中力が続かず、感覚が鈍く、話をするにも声を張らないといけない。パッと見で相手が判別できないこともある。取材するにはなかなかハードな4日間になりそうだ。

今年2月のICCサミット以降、時代や価値観の変わり目を感じることが多くなっているが、これもまた、慣れて、乗り越えたら何ということはないのだろう。ニューノーマル下での初めてのICCサミット。今回参加いただく680名の方々にとって、最高の場とは何か? 今だからこそ、産業を創るとは何か? 運営スタッフ一人ひとりが、考え、学び合い、実行する4日間が始まった。

(続)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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ICCパートナーズ(ICC Partners Inc.)は産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンファレンス「Industry Co-Creation サミット/ICCサミット」の企画・運営および新規事業創出・アライアンスなどのアドバイザー業務を行っています。