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日本橋に26部屋の宿泊型アート! 完成したばかりのBnA WALLを見学してきました【活動レポート】

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ICCサミット KYOTO 2019のCRAFTED NIGHTにて、ICCサミットの参加者たちに「アート作品の中に泊まる」という体験を提供したBnAが、日本橋に新しいホテルを完成させました。そのオープン前に、BnA田澤 悠さんにお招きいただき、見学したレポートをお伝えしたいと思います。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2021は、2021年2月15日〜2月18日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


1月下旬のある日、ICC一行は日本橋に完成したばかりというホテル、BnA WALLを見学に訪れました。BnAと聞いてピンと来た人もいらっしゃるかと思いますが、CRAFTEDカタパルトで登壇した田澤 悠さんの手掛けるアートホテルの最新バージョンです。

アーティストが作品=部屋を作り、その中に宿泊するという体験を提供しながら、アーティストに作品制作の場と利益の一部を還元するという仕組みはそのままに、今回は26部屋、三井不動産との協業です。京都でCo-Creation Nightを開催した、BnA Alter Museumが、さらにスケールアップしたホテルです。

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CRAFTED NIGHTがアートホテルをジャック! 非日常の共通体験は、いかなる学びをもたらすのか?【ICC KYO... 9月2日~5日の4日間にわたって開催されたICCサミット KYOTO 2019。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。今回はDAY2、9月4日の夜、BnA Alter Museumにて開催された招待制のイベント、CRAFTED NIGHT powered by LEXUSの模様をお伝えします。この夜、アートホテルを全館貸し切って行われたイベントの全容とは? ぜひご覧ください。

日本橋にアートホテル「BnA_WALL」が21年2月にオープン。YOSHIROTTENやSIDE CORE、BIENら23組のクリエイターが参加(美術手帖)

最寄り駅はいくつかあり、地下鉄だと半蔵門線の三越前、日比谷線の小伝馬町駅、JRの神田駅などが最寄り。西陣織の商社ビルを生かした全26部屋に、1階はバー、地下はイベントスペースといった作りになっています。

リクシルとのコラボで3Dプリンターで作った各フロアの模型タイル

入ってみると、すでに雰囲気むんむん。突き当りにあるバーカウンターが煌々と輝いています。

天井を見上げると、流木?珊瑚? 天地が逆転した感覚です。ここは海中なのでしょうか……。

入って右手には、BnAおなじみの巨大グラフィティ・アート。京都でも吹き抜け部分にありましたよね。アーティストが制作時に使ったと思われる、昇降するリフトが見えます。

1F ロビーですでに気になる要素満載ですが、まずはお部屋を見せていただきましょう。

客室を見学

ICC KYOTO 2019のCo-Creation Nightにご参加いただいた方は、お部屋見学ツアーや部屋飲み企画で覚えていらっしゃると思いますが、京都のBnA Alter Museumよりも、この日本橋は廊下が広く、行き来しやすいイメージです。見学したお部屋をご紹介しますね。

306号室 昼がみた夢 – daytime’s daydream –

Created by EVERYDAY HOLIDAY SQUAD

細長い部屋に入ると右手はベッド、左手はリビングとなっているスイートルーム。印象的なのは足元のタイルです。これは東京という街の記憶、たとえばマンホールなど路上や壁面を3Dスキャニングしたものをタイルに切削して写し取ったものだそうで、リクシルとのコラボによって制作されています。

フランク・ロイド・ライトが帝国ホテルを造ったときにタイルを制作したのがINAX(現リクシル)

右手のベッドルーム

左手はソファスペース。目線の正面にはスクリーンが設置されていて、座ったまま映画鑑賞も可能

303号室 SUSHI WARS

Created by 渡辺真子 a.k.a. Mako Principal

目がくらむ極彩色です

海外からも注目されている現代美術家でアイドルのマコ・プリンシパルが手掛けたツインルームです。赤く低い入り口を通り抜けると、ギラギラ・キラキラした空間にミラーボールが回っています。呆然と部屋を見つめるICC代表の小林 雅と田澤さん。ここで安眠は得られるのでしょうか。

芸術家とアイドルの境を越えるマコ・プリンシパルの魔法(i-D)

302号室 An Urban Nest

Created by Kanto Iwamura

上にはちゃんと眠れるロフトベッドとソファがあります

驚いて普通の写真を撮り損ねてしまったのですが、この部屋のテーマは「酔っ払って路上で寝てしまった人が身を寄せる街角」とでも言ったらいいのでしょうか。ビルの谷間、雨をしのぐ屋根の下、体がすっぽりはまるスペース……といったものをなぜかホテルの部屋で再現。妙に落ち着くところが本質を突いています。

ひび割れた土台もリアル。奥にはちょっとした傾斜も

壁の汚れはもちろん意図的

501号室 NEWTOPIA_TOKYO

Created by Ocho & Nigamushi Tsuyoshi

寝室の横にあるワーキングスペース、というより黄金の小部屋

ドアを開けて入るときは普通の部屋に見えたのですが……タイルで描いた横長アートの下にベッドがあります。シングルルームです。部屋は広々として見えますが、ところどころに気になる作品が妙な引力を持って置かれています。とくにこの上の写真の黄金の間。机もあり、田澤さんはオンラインMTGをここから行って相手に驚かれたそう。

この下にシングルベッドがあります

レトロなようなモダンなようなステンドグラス

高いところから見下ろしています。部屋のいたるところにステッカーなどあり

504号室 HARDCORE GAME ROOM

Created by magma

4面が違う絵柄の壁になっているツインルーム

床から壁からベッドカバーまで遊び心いっぱい、SNSなどで拡散されそうなインパクト大のこの部屋。壁のオセロは実際にはがして遊ぶことができ、壁面に取り付けられた鼻の一方の穴からはティッシュ、もう一方は照明のスイッチの紐がぶら下がっています。ボールはありませんが、バスケットゴールも5つあります。肉眼では見にくいですが、写真に撮ると人物像が見える壁も。

床にもペインティング

実際に動かして遊べる壁面オセロ

ボールはないがゴールはあり。サングラスは照明にもなっています

鼻からティッシュ。正面に回ると壁が顔の絵になっていたことがわかります

506号室 Float

Created by YOSHIROTTEN

ライト&サウンドの演出で雰囲気がガラリと変わります

一見何の変哲もないシンプルな白い部屋に見えますが、ウェブサイトで見ると部屋全体が赤・黄・緑・青・紫に染まり、音も出るという部屋です。シンプルにして異世界を感じられる、瞑想の部屋だそうです。

リビングスペースには座卓があります

407号室 The Room With A Pink Carpet

Created by Colliu

ポップかつ落ち着くインテリア

ほっとするようなサーモンピンク色の壁とカーペットが癒やしムードいっぱいのこの部屋は、荷物置きやクローゼットも別スペースを取ってあり、自宅のように寛げそうです。ミニマルにまとめられた家具やインテリアも、さりげないデザインがあって素敵です。

おしゃれな家具にも注目

406号室 The World After Five Minutes

Created by Youta Matsuoka (JONJON GREEN)

カオスなグラフィティの手前には、この配置のままの家具が置かれています

ドア近くにかけられたペンキのついたつなぎに不穏なものを感じていたら……案の定強烈でした!といっても、壁にかけられている巨大な写真を除いて、部屋はいたってシンプル。テーブルに掲示されているQRコードを読み取ると、真っ白な部屋に色が塗られて写真のような状態になる動画が映し出されます。「5分後」の世界はまったく違うものになりえるという、強烈なメッセージを感じます。

写真撮影時に使ったと思われるアーティストのつなぎ

使用前・使用後的な落差に浸ってください

地下のFactoryへ

地下には100人前後収容できる多目的スペースがあって、昨年はクリスマスパーティを行ったそうです。その名残りで”クリスマスツリー”が残っていました。

ファクトリー感あふれるクリスマスツリー

ツリーには、絵を描くときや部屋を造ったときに使ったと思われる工具が、オーナメントとしてぶら下げられていました。ライトアップもできるそうです。

壁画を描くときのリフトに乗る田澤さん。こういった巨大な絵を描くというアーティストは日本には多くないそうで、その作品プレゼンの場として、そして制作のオーダーが来たときにすぐ対応できるスキルを養う場として提供したいとのこと。

さきほど見た部屋の撮影で使われたソファーが、ここに置かれていました。

アーティストが制作に集中できるように寝泊まりする部屋も併設されていて、イベントスペースと思って見学していましたが、アーティストが作品を創るファクトリーでもあるようです。

京都のBnA Alter Museumからさらにパワーアップした感のあるこのBnA WALL。シックな外見からは想像もつかないような、クリエイティブな雰囲気と1階のバー(SHIBUYA OIRANが運営)の居心地のよさに、いつかICCもここでイベントをしたい!と夢が膨らんでしまいました。

VIP席からカフェ&バーを見下ろす

当初2021年2月オープン予定でしたが、現在の状況から実際のオープンは未定。BnAと三井不動産が仕掛ける日本橋エリアのアート供給計画、ICCも応援したいと思います。

田澤さん、見学させていただきどうもありがとうございました。以上、現場から浅郷がお送りしました。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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