ICC KYOTO 2022特別プログラム決定! 世界最高の技術をもつ鯖江で眼鏡を一貫生産する「ボストンクラブ」を見学しました

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ICC KYOTO 2022で予定している、最終日の特別プログラムの1つが鯖江ツアー。鯖江といえば日本一の眼鏡の産地、ツアーでは午前に「ボストンクラブ」を訪れます。デザインから部品からすべて日本製、地元製造の「ボストンクラブ」はどんな眼鏡を作っているのか? 創業者の小松原 一身さんにお話を伺いました。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回300名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2022は、2022年9月5日〜9月8日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


ICC一行が鯖江を再訪したのは4月。漆琳堂の内田 徹さんにカタパルト優勝記念の漆塗りの盾の出来栄えを見せていただくためでした。

その時に、内田さんにご紹介いただいたのがボストンクラブ。鯖江といえば眼鏡と連想される方が多いと思いますが、「純粋な鯖江産の眼鏡を買おうと思ったら、検眼できてレンズも買えるボストンクラブ」と内田さんが大推薦する眼鏡メーカーです。

産地 福井・鯖江のこと(JAPAN GLASSES FACTORY)

ボストンクラブとは

漆琳堂から車で約20分ほど、鯖江でも人目を引くモダンな建物のボストンクラブは、1984年創業。視力矯正のための眼鏡産業が1.0ならば、それがファッションのためとなった2.0の頃、バブル期の創業にあたります。

ショップ、ラボ、イベントなどに使用する多目的スペースがある2017年築の「ボストンクラブビルディング」

ICC一行を迎えてくださったのは、創業者の小松原 一身さん。25歳まではサラリーマン、その後、創業して以来30年、鯖江で眼鏡を作っています。ボストンクラブは工場を持たないいわゆるファブレスで、デザイン・企画・販売を行い、数十の提携工場と眼鏡を作っています。「最良品質」とホームページにあるところに、こだわりを感じます。

ボストンクラブ創業者の小松原 一身さん

日本国内で生産される眼鏡フレームの9割以上は鯖江産。近年は手頃な海外産のフレームや眼鏡が増えていますが、鯖江はグーグルグラスのチタン部分の製造などを担う高い技術を有しています。ここでしか実現できない技術があるという点では、iPhoneに日本の部品が使われているのと同様ですね。

産地の歴史 – 農閑期の副業から始まった眼鏡づくり –(鯖江メガネファクトリー)

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ボストンクラブという社名は眼鏡フレームの伝統的な形状「ボストン」型に由来します。

メガネ選びに必須!メガネフレームの種類や特徴(ピントル)

「ボストン」がおしゃれに敏感な人達に受け入れられたことから、眼鏡は機能にファッション性も求められるものになり、80年代当時は海外ブランドのOEM眼鏡が続々と発注され、鯖江も非常に潤っていたといいます。

地元企業がライセンスビジネスで大きな工場を作る一方、ボストンクラブは独自性を求めて、東京の数十のアパレルに企画を持ち込み、オリジナルの眼鏡を製造していきます。ファッションと連動する他にはない眼鏡を提案すると「眼鏡の歴史が変わったんです」と、小松原さんは言います。

やがてバブルは弾けて、ボストンクラブは1996年に「JAPONISM」という自社ブランドを立ち上げます。

OEMメーカーによる自社ブランドというのは近年の流れのように思えますが、OEMよりほぼコラボレーションといっていいブランドとの協業、自社ブランドと、時代を常に先取りしてきた結果、企業数は最盛期から半分になったという中で、事業を力強く成長させています。現在は銀座にも旗艦店があります。

ボストンクラブ創業者の小松原 一身さん

眼鏡のデザインデッサン画

1階の店舗とは別のフロアに、その自社ブランド「JAPONISM」の小さなミュージアムがあります。ボストンクラブは創業以来、鯖江市での一貫生産にこだわり続けており、ここではインハウスデザイナーのデザイン画や、提携工場と協力しながら作り上げるプロセスを知ることができます。

お話を聞いて驚いたのが、このシリーズでも最高ランクの「JN-1006」のフレームを作る工程です。

「冷間鍛造プレスといって、材料をそのまま、温めないでそのままプレスして切断する。鯖江はその技術を持っています。

製造の工程は、ポキッと折れたり、型が割れたりすることの繰り返しです。デザイナーがこんなことができないか?と提案して、職人さんたちがそれを実現しようとする。だから技術が凄いんです。産地では年間1万型以上作っています」

下にこの「JN-1006」の特設サイトのリンクをご紹介しますが、機能性と技術を極めたこの眼鏡、日本の美意識を形にしたような、まるで美術品のようなたたずまい。見るだけでもうっとりしてしまいます。

JAPONISM 「JN-1006」

手前の金属はまっすぐな棒状です

写真をよく見ていただくと、1本の棒が少しずつ曲がり、見覚えのある眼鏡のフレームの形に曲がっていくのが分かります。

「プレス工程で60工程あり、パーツをロウ付けしていません。普通なら切断して、1、2箇所ロウ付けしないとできないものを、プレスだけでやるんです」

1本の眼鏡が出来上がるまでにはプレスで60も含め、200の工程があるのだそう。作業は分業制で、ボストンクラブも高い技術を持つ職人がいる数十の提携工場と眼鏡を作っています。一方手頃な眼鏡は数十工程といいますから、その質の差は歴然です。

「将棋と一緒で、職人さんは50、100手先を読んで作っています。手抜きをしません。ひとつひとつやらないと眼鏡にならない。一見同じに見えるけれど違います」

ちなみに日本製の眼鏡と欧米製の眼鏡は形が違っていて、凹凸のある欧米の眼鏡は直線的なパーツでできていますが、フレームや鼻に当たる部分のパーツ、テンプルのカーブなど、日本製の眼鏡はアジア人の平面的な骨格にしっくりくるような形にしているのだそうです。

それが1日かけて過ごしても負担にならないという掛け心地につながるそうで、素材の軽さや柔らかさだけでない工夫と技術の結晶がボストンクラブの眼鏡なのです。

Eyewear Brand(BOSTON CLUB)

表は眼鏡現物、裏は図面が描かれていて、思わず見入ってしまいます

ミュージアムというとおり美しい展示のほかには、10万回開閉しても緩まない「ネジを使っていない眼鏡」の展示があったり、眼鏡に入っている部品がすべて見られたりと、小松原さんの解説を合わせてうかがうと、ICC風に言うならば”クラフテッドなものづくり”として眼鏡を見られるようになります。

CONCEPT(JAPONISM)

眼鏡というとフランス製、イタリア製なども人気がありますが、そのなかにはほとんどの工程が中国で、最後の仕上げのみフランスやイタリアでということも現在は多いそうです。

きっとご存知の方も多いと思いますが、この「JAPONISM」シリーズ、ちょっと検索してみると、「日本最高峰」「世界最高品質」「ついに入荷」といった言葉が合わせて表示されるほどの品質と、プロ筋からの評価の高さが伺えます。その品質に見合った価格で販売し、受け入れられていることも同時にわかります。

【BOSTON CLUB 】ボストンクラブについて掘り下げます(眼鏡工房AZ)…ネジを使わない「JAPONISM PROJECTION」シリーズの紹介など

チタン、竹、アセテート、どんな素材も美しいデザインに昇華

他のフロアには試作品を作る工房があり、3Dの切削機、レーザープリンターなどさまざまな工具や試作品を見ることができます。

アジア人の骨格に合ったものを作るための顔型もありました。ボストンクラブ直営店では、一人ひとりの要望に合わせたオーダーメイドのメガネフレームの製作も行っており、著名人のオーダーも多いのだそう。

ショップ内で漆琳堂の内田さんと

そんなボストンクラブの眼鏡は「一生メンテナンスできる。親から子どもに引き継ぐことができる」と小松原さんが、いとも当然のようにおっしゃったのが印象的でした。質の高いものを適正な価格で、修理しながらずっと使い続けることができる。これもまた、昨今のキーワードを先取りしているといえますよね。

気に入った1本を試着してポーズ

小松原さん、ご案内いただきましてどうもありがとうございました!

ICC KYOTO 2022の特別プログラムでは、このボストンクラブの見学ツアーを開催します。当日は午前にボストンクラブ、午後は漆琳堂の漆塗り体験という、鯖江づくしの1日になります。ぜひご期待ください。以上、鯖江から浅郷がお送りしました。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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