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Googleに振り回される、ベンチャー企業の「事業あるある」【C16-1 #12】

ICCカンファレンス CONNECTION 2016「俺たちのHARD THINGS」

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これまでに配信した、経営に関する議論を総特集いたします。今回は、ICC Connection 2016 から、「俺たちのHARD THINGS」を15回に再編集してお届けします。15回シリーズ(その12)は、Googleの突然のアルゴリズム変更や無料ツールの提供で事業計画が狂うという、ベンチャー企業に起きがちな「HARD THINGS」についてお話しいただきました。ぜひ御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。

「俺たちのHARD THINGS」の配信済み記事一覧

小林 それでは次の「HARD THINGS」へまいりましょう。

高橋 2011年に、ウチはSEOの事業をかなり集中してやっていたのですが、Googleのアルゴリズムの手法がかなり変わって、今までやっていた手法が全然通用しなくなって成果がでなくなり、売上に大きな打撃を喰らったという話です。

小林 売上はどれくらい減るものなのですか。

高橋 この時は新規で取ってもいたので、そこまで減ってはいなかったですが、成長がほとんどありませんでした。

ただ、その時メンバーが良いチームになっていたので、しっかり支えてくれてカバーできました。

そして今は、これからGoogleがどんな方針変更をしようが絶対に成果を出し続けられるような状態に事業部全体としてなっているので、今後はこうしたことがもう起きないようにできていると思います。

そういう「HARD THINGS」です。

HARD THINGSも慣れるとHARDじゃなくなる

小林 それは良い話ではないですか。

高橋 つまり全然「HARD THINGS」ではないですね。

ただ、事業的には「HARD THINGS」でしたという話です。

小林 一つ目(全資金を投じて売上2万円)、二つ目(24人採用して21人離職)がありましたが、比べてどうですか。

高橋 最もハードだったのは、二つ目でした。

一つ目は「まあ、事業というのはそう簡単にうまく行かないよね」と言っていられました。

しかし、二つ目は絶対に行けると思い突っ込んで、むき身の状態で滅多切りにされた出来事でしたから、本当に辛かったです。

対して、この三つ目は全然余裕です。

もちろん、経営者の気持ち的には、ということですけれど。

現場がすごく頑張ってくれました。

小林 なるほど。それでは次へ行きましょう。

Googleが突然無料でやってきた

小林 同じようにGoogleですね。

田中 なぜだか、僕が「ぶっこむ」とGoogleとぶつかるのです。

そして、潰されないで何とかなっているのですが、これは嫌でした。

これも手元資金3分の1くらいを使ってソフトウェアを作ったのですが、作った後に「無料で出します」とYahooさんとGoogleさんが言ってきたのです。

これはどうすれば良いのかわからなくなって、思考停止になった。

でも、この事業もまだ生きているのです。

吉田 これは何の事業なのですか。

田中 タグマネジメントと言って、広告のタグをまとめて、さらにまとめることによって高速化するということをやっていたのです。

これも来ると思っていたのですが。

吉田 ワンタグのようなものですか。

田中 ワンタグのもう少し進化したようなものです。

ヤフータグマネージャーやグーグルタグマネージャーというものがあるのですが、ウチはずっとこれを開発していたのです。

「これが来る」と考えていましたから。

そして、結構開発して出来上がったら、また同じようなタイミングで「無料です」という話だった。

対して、われわれは有料プランです。当然、投資分を回収しなければならないので。

でもこれではどうしようもない。それで「終わりましたね」などと話をしていました。

ですが、「ハイエンドのモノを求める人がいるはずだから、ウチはハイエンドのところだけを狙いに行こう」と言って、結局まだ有料で続けています。

「もったいない」が残存者利益を生んだ

小林 また残存者利益があるということですか。

田中 はい。これはもう完全に償却も終わりつつあるというところです。

またもや残存者利益です。

もちろんまだ戦ってはいますよ。なので、途中ではあるのですが。

吉田 そのYahooやGoogleが無料でやると発表した時、社内のチームの雰囲気というのはどのようになるのでしょう。

田中 それはもう「終わった」という感じです。

小林 普通そう思いますよね。

高橋 それはニュースか何かで朝見るのですか。

田中 ええ、だから「こんな発表が出ていますが」などと言われるのです。

そして、「そうなんだ。終わったね」というふうになる。

吉田 それで社内の雰囲気が悪くなったりはしないのですか。

田中 でも、そこは「作ってしまったのだからもったいない」という感じです。

吉田 我々はわれわれなりに、ということですか。

田中 戦い方も結局、同じ土俵にやってきたのが、土俵をもう一つ別に作って、別のところで戦うしかないということでした。

だから、そういう戦い方をすれば良いというのが一つ。

それから、一回RSS広告の時にやっているので、「またもう一回やればいいのだ」ということで「終わった」ということだったのです。

高橋 でも、組織が一回域値を超えた困難を体験すると、次にそこそこの波が来ても全然大丈夫ということはありますね。

田中 全員頭おかしくなっているのです。

「もう一回やればいいじゃん」と言うと「そうですね」というふうになるのですから。

ですから、こういうことがあれば、しょうがないということですね。

(続)

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/石川 翔太

続きは 社長を否定できる健全な職場をどう作るか? をご覧ください。

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【編集部コメント】

続編(その13)では、会場からの質問を受け付け、経営者の器が大きくなった経験を議論しました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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