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社長を否定できる健全な職場をどう作るか?【C16-1 #13】

ICCカンファレンス CONNECTION 2016「俺たちのHARD THINGS」

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これまでに配信した、経営に関する議論を総特集いたします。今回は、ICC Connection 2016 から、「俺たちのHARD THINGS」を15回に再編集してお届けします。15回シリーズ(その13)は、会場からの質問を受け付け、経営者の器が大きくなった経験を議論しました。是非御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。

「俺たちのHARD THINGS」の配信済み記事一覧

小林 それでは会場からの質問を受け付けたいと思います。

どなたか質問のある方はいらっしゃいますか。それではお願いします。

経営者の器が大きくなるとき

質問者1 法人と個人というところの線引きなどもみなさん価値観が違われたように見ておりましたが、結局は自分の器というものが広がっていかなければ会社も広がって行かないように思われます。

この「HARD THINGS」というのは器を広げるという意味でも良いことだと思うのですが、みなさんが最も「経営者としての器が広がった」と思うようなところはどこだったでしょうか。

小林 それでは吉田さん、お答えお願い致します。

吉田 私は先ほどお話した、役員それぞれが辞めそうになるという話の中でのことです。

ウチの副社長の成田は、本当に創業から二人三脚でお互い何の心配もせずに走っていた仲なのですが、直近のことなのですが、周囲から、「成田は辞めるという話があるらしい」ということを聞いたりしました。

成田 修造さん(株式会社クラウドワークス 取締役副社長 COO)

創業から今までそんな話は全然出たことがなかったのですが、ここまで来て「どうやら吉田さんと価値観が違うのではないか」というような話が周りから聞こえてきたのです。

副社長に経営の全てを任せる1ヶ月

その時に、いろいろ悩んで、悩んで、悩んで、取った手段というのが、会社に一切タッチしないということでした。

メールもしない、指示もしない、成田にすべて100%任せた。

今までしていたちょっとした記事のシェアなども指示に聞こえるみたいなので、それもやめました。

ですから、経営陣から何かメールが来て、「吉田さん、答えてください」という指示がない限り、何もしない。

私は成田を信じるので、成田がすべて考えてやってみてください、と言った。ですから地獄ですよ。

メールは見るので、指示はしたくなる。やむをえないので、『ウォーキングデッド』を見ていました。

(会場笑)

しかし、その時を経て成田と会った時には、完全に信頼関係は戻っていましたね。要は、成田としてシュミレーションで全部自分で1か月やってみた。

その中で、やはり吉田さんがいなければ駄目だというところと、自分がやった方が良いというところを、成田主導で決めたわけです。

参考資料:クラウドワークス成田さんがNo.1とNo.2の役割分担や信頼関係構築に関して議論した、こちらの記事もあわせてご覧ください。

この場合はスーパーパフォーマンスではなくて待つ立場ですね。組織が育つまで自分はしっかり構えている。

本当に戦で言えば、山の上でどんと座って待っているのです。進軍を待つように。そういう戦い方を覚えたというところは、とても器が大きくなったという感じがありました。

否定される経験が自分を成長させる

小林 スーパーパフォーマー高橋さんとしては、器が大きくなった瞬間というのはどうでしょう。

高橋 まず、すべて原因自分論で生きることというのはすごく大事だと思っています。

つまり、何が起きても、会社で社長をやっていたら、最終的に絶対トップの責任でしょう。

だから、「HARD THINGS」も日々ある困難も、全部自分がもたらしたということを前提に置いて生きるということを心がけています。

その上で、否定される経験というのがすごく自分を成長させるように思われます。

それは「HARD THINGS」もそうなのですが、たとえば年配の方からご指摘を受けるとか、部下から間違っていると意見を言われるとか、そういう否定される経験でしか人間は軌道修正していけないと思っています。

逆に、成功して「すごいね」と言われても「イエーイ」ということで終わってしまいますよね。

それでは全然意味がない。

ですから、まず精神的な部分で、自分にすべてが起因するから、自分が失敗や困難に対してこう立ち振る舞えていたらカバーできたのではないかとか、事前に回避できたのではないかというところを常に考えるようにする。

そして、何か自分が否定された時にそれを跳ね返してしまうのではなく、受け入れてなんとか自分の中で内省して、自分を変える努力をすることによって器というのは広がっていくのではないかと思っています。

社長が否定される健全な場をどう作るか?

質問者1 否定してくれる人がいるところへ、わかっているのにあえて行けないということはありませんか。

高橋 たぶん何かを一生懸命やっていると絶対に否定される瞬間があると思っています。

吉田 どういう時に否定されるのですか。

例えば、社外取締役から否定されるとか。

高橋 社外取締役から「こういうふうに考えた方が良い」と言われることはあります。

吉田 もう少し具体的に教えていただけませんでしょうか。

高橋 社外取締役の方からですと否定の度合いは低いですね。

真正面からズバリと否定というよりは、斜めから受け入れやすい形でアドヴァイスをもらうことが多いです。

対して、役員などからは、定期的に面談などをするのですが、その場で「こういうところについては直してほしい」という話になります。

吉田 でも、役員がそれを言えるというのは健全ですね。

高橋 そうですね。

吉田 その場をどう作るかというところでしょう。

役員が社長に対して何か言えなくなると絶対に続かないでしょうから。

高橋 それについてを言うと、僕が普段関わっているメンバーから、半年に一回フィードバックをドキュメントで受けています。

社長の良いと思う点、改善して欲しいと思う点、というふうにして全部もらってます。

そして、改善して欲しい点がとてもたくさんあるのです。

田中 えらいですね。

高橋 そして、その一つ一つについて役員と膝を突き合わせながら、「俺はこれは納得する」「こう指摘されたけれど、俺は絶対そんなことはない」とか言ったりもします。

吉田 え、言うのですか。

高橋 言います。

吉田 なんでそこで抵抗するのですか(笑)。

高橋 いや、納得いかないこともありますでしょう。

吉田 ああ、納得いかないことについてですね。

高橋 ええ。向こうから見ればそうかもしれないけれど、こちらからすればそうではないということもありますから。

田中 大人ですね。僕は「俺にフィードバックするな」と言いますから。

吉田 え!

田中 360度評価のようなものは嫌いなのです。なぜフィードバックしてくるんだと。

僕は別に相手を否定するタイプではないし、我を通すタイプでもないのでそうなのかもしれません。すぐ直しちゃう。

だから、あまり、直してくださいなどとも言われたくもない。

高橋 でも、そういう場を設定してやると、絶対直してくださいというものが出てくると思いますよ。

田中 そうですか。

高橋 はい。僕も普段は言われないのですが、依頼時に「フィードバックは相手への贈り物です。だからしっかりあなたの思うことを、配慮を持って書いてあげてください」という風に書いて受け入れる姿勢を示すことで、いろいろな意見が出てくるようになります。

小林 良い言い方ですね。

田中 僕は絶対にやりませんね。

吉田 何だか、全然ワンマンではなくなったということですか。

高橋 いや、元々そうですよ。

田中 では僕の方がワンマンかもしれません。

吉田 昔はもっとスーパーパフォーマンスのイメージでしたが。

高橋 昔から、「もっと言って」というのはあったのです。

否定されてもっと成長したいので、もっとお互い言い合おうということで。

だから、自分も言うし、相手にも言うことを求めてきました。

吉田 いや、昔は絶対にもっと尖ってましたでしょう。

(会場笑)

高橋 いえ、昔からそうです。

ですから、昔も、人から言われてすぐに「それは違う」と否定するのは良くないと言われた時に、それを受け入れて答え方を変えるということをしたのです。

(続)

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/石川 翔太

▶続きは 経営チームメンバー間の信頼関係をどう構築するか? 

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【編集部コメント】

続編(その14)では、会場からの質問を受け付け、役員同士の良き関係性の作り方について議論しました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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