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ICC FUKUOKA 2026 新企画 – ネクストステージ・カタパルト グループAに登壇いただき3位に入賞した、AiCAN 髙岡 昂太さんのプレゼンテーション動画【虐待予防SaaSによる徹底した現場支援で、子どもを虐待から守る「AiCAN」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2026は、2026年3月2日〜3月5日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。
▶【速報】グランプリ出場は「find」「FerroptoCure」「AiCAN」! ネクストステージ・カタパルト グループA 結果詳細(ICC FUKUOKA 2026)
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【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 2A
新企画 – ネクストステージ・カタパルト グループA
Sponsored by EVeM
髙岡 昂太
AiCAN
代表取締役
公式HP | 公式X
教育学博士、臨床心理士、公認心理師、司法面接士
児童相談所の現場で、命に直結する支援判断と、限界まで疲弊した組織を見続けてきました。「なぜ子どもを守る仕事をしている人が、最も壊れやすい環境で働いているのか」——その問いを解くために、産総研AI研究センター発スタートアップとしてAiCANを創業。全国の自治体のエッセンシャルワーカー向けに、児童相談における虐待予防SaaSを展開しています。児童相談は日本でも世界でも、まだ誰も本気で産業化・基盤化できていない巨大市場です。私はこの領域を“社会課題”で終わらせず、日本から世界への社会インフラに仕上げます。
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髙岡 昂太さん 子ども虐待を解決する、エッセンシャルワーカー向け虐待予防SaaS を提供しております、AiCAN(アイキャン)の髙岡です。

よろしくお願いいたします。
子ども虐待を防ぐには、早期対応と予防が大事
こんなニュースをご覧になったことはありませんか?

神戸市で、6歳の男の子がスーツケースに閉じ込められて亡くなってしまった事件。
さらに、土浦市で、子供が洗濯機の中に入ってしまったのを放置して、亡くなってしまった事件。
毎年500人、これは本来防げたはずの子どもの虐待死の死者数です。

そしてその裏で、虐待死児童数の1,000倍になる50万件の相談が、児童相談所や警察、市区町村に来ています。
子ども虐待を防ぐには、早期対応と予防が非常に大事です。

児童相談所の課題は、業務効率化と専門人材育成
ただ、現場にはいくつか課題があります。
児童相談所が対応する件数は223,691件で、20年前に比べると19.2倍になっています。

これに対応する専門職(児童福祉司)の数は6,481人ですが、これは同様に20年前に比べると、たった5.2倍です。
さらに、現場ではまだ紙やFAXが主流になっていて、新人離職率は40%以上です。
民間企業の離職率は12~15%なので、3倍ほどです。
すなわち、人手が足りておらず高ストレスな環境で、子どもに会う時間を十分に取れないため、業務の効率化と見直しが必要な状況です。
さらに、この仕事には高い専門性が必要です。

虐待は密室で起きているので、調査がとても難しいです。
そして、自分の子育てを虐待だと疑われた保護者は当然激昂します。
また、現場では逼迫した状況で業務の専門性を高めようとしても、人材育成の時間がありません。
つまり、経験の浅い職員を、専門人材として育成することが課題になります。
業務効率化と専門人材の育成をワンストップで実現
この課題に対して私たちは、虐待予防ソリューションを提供しています。

職員に限られた専門知識であっても、AIとICT、そして伴走サポートによって難しい調査が実行でき、業務自体も効率化するというサービスです。
専用タブレットを、子どもの目の前で自治体職員様が使えるソフトウェアとして提供することで、機微情報も扱えます。
つまり、ICTとAIを用いて、業務効率化はもちろん、人材育成のためのユーザー支援、業務見直し(BPR)までワンストップで提供しています。

子どもの状態を写真で簡単に関係機関に共有可能
サービス内容を説明します。
もし右手に傷のある子どもがいたら、その場で写真を撮って、訪問先からすぐ関係機関に共有ができます。

今までは、デジカメで撮ってSDカード経由で共有していたのです。
専門の研修から対応の見直し・定着まで一貫支援
この右手に傷のある子どもに、どう話を聞くのかという点も含めて、専門の研修を行います。

その情報によってどのくらい早く対応すべきかなど、組織のKPIモニタリングも含めて設定します。
振り返りも、私たちがお手伝いさせていただき、何の見直しが必要だったのか、定着させるには何が必要かまで一緒に考えます。
これだけであればただのPDCAですが、法律で決まった対応をする自治体業務が重要です。
全自治体で同じことをしなければいけないので、ユーザー同士で情報交換会を行い、ベストプラクティスを学び合えるラーニングコミュニティを運営しています。
このPDCAをひたすら丁寧に、時間をかけて、現場と子どものために行っています。
自動化できる部分については、何を調べるべきか、科学的な知見に基づいたチェックリストを用意しています。
それをもとにデータがたまってくると、「このケースは、この要素があるから、身体的虐待だけではなく性的虐待も疑わなくてはいけないのでは」という知見が得られます。

若手職員の何をすればいいのかという疑問に対しても、領域特化のAIエージェトを自社で構築し対応方針案を提案していきます。
業務は2.5倍速、チームで判断する空気感の醸成にも
サービスを導入いただいたことによって、子どもを守るための情報共有や記録作成が2.5倍速くなりました。

2.5倍速いというのは、単なる業務効率化にとどまらず、子どもと向き合う仕事に集中できるようになったことはもちろん、画面の向こうで上司に見守ってもらえることで心理的安全性を保ち、より良い判断ができるということです。
業務が変わったことによって、組織の文化や空気も変わっています。
すなわち、この2.5倍という数字は、より早く、スマートに、一人で抱え込んでいた業務を専門的なチームで判断する業務に変える改革ができたことを意味しています。
現在は17の自治体に導入
私たちのビジネスモデルは、GovTechとしてのSaaS提供です。

全国自治体にいるユーザーに、システム利用料を頂いています。
トラクションとしては、来期は30自治体でユーザー数2,000人、ARRは6億円を超える見込みです。

ただ、この数は、全国の想定ユーザーの0.2%でしかないため、まだ市場があります。
今、導入いただいている自治体は17です。(2026年3月時点)
これらの自治体にいる子どもの安全に貢献していきたいと思います。
同じ構造の課題へノウハウの横展開を目指す
マーケットについて、少しお話しさせてください。
自治体業務は法律に基づいているとお話ししました。
「この子、大丈夫かな?」と思う子どもが、保育園、幼稚園、小学校、病院などで見つかれば、最初に情報が行くのは市役所や区役所です。

軽度であれば、市役所に設置されている子ども家庭センターが対応します。
ただ、安全かどうか怪しい場合は、児童相談所にエスカレーションされ、子どもを守っています。
私たちはまず、今、子どもに安全を届けられる、法律による権限を用いて対応できる市区町村と児童相談所にサービスを展開していきます。
それによってインパクトを生み出し、結果、データが集まるので、シェアを高めることで、ドミナントで関係機関のユーザーを増やしていきたいと考えています。
実際、関係機関で働いている人は国内に100万人以上おり、国内市場は3,000億円あるのです。
虐待対応と近接領域のエッセンシャルワーカーのマーケットまで、拡大してお話しします。

子どもの虐待が起こっている家庭においては、夫婦間でDVがあったり、虐待を受けた子どもは中高生になると非行に走ったりすることがあり、場合によっては性暴力の被害者にも加害者にもなりやすかったりすることがデータで明らかになっています。
また、障害者や高齢者がいる場合は、彼らへの虐待も併発しています。
すなわち、今のプロダクトとノウハウを横展開できる素地があり、インパクトを生み出せます。
そしてこの問題は日本だけではなく、海外でも全く同じ構造の問題が起こっています。
だからこそ、グローバル展開することでインパクトとビジネスリターンの両方を実現させます。
専門家による徹底的な現場支援で、子どもたちが安全な世界へ
なぜ私たちは、これができるのか。

私たちは、子ども虐待対応の現場のドメイン知識をもとに、開発から課題解決までワンストップで対応する専門職チームだからです。
私たちが提供しているプラットフォームは、単なる業務効率化のプラットフォームではありません。

現場の温度感、面談の緊張、若手が手を震わせて上司に相談するというシーンを想定した上で、支援者を支援するという設計をし、組織の専門性向上に貢献しています。
さらに、異動で人が変わるからこそ、ワンストップで業務に落とし込める徹底的な現場支援をしています。
「すべてのこども達が安全な世界に変える」このサービスをさらに広めていくために、皆さんと共に前に進みたいと思います。

ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成


