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博報堂 monom 小野直紀さんのプレゼンテーションを2回シリーズでお届けします。(その1)は、ぬいぐるみに取り付ける、”おしゃべり”ボタン型デバイス「Pechat(ペチャット)」の概要についてお話し頂きました。ICCカンファレンス FUKUOKA 2017「カタパルト」IoT/ハードウェア特集 supported by Makuake プレゼンテーションの書き起こし記事です。是非御覧ください。
本記事で特集しております8分間のプレゼンテーションを行う「CATAPULT(カタパルト)」のプレゼンターを募集しております。「スタートアップ」「IoT/ハードウエア」「リアルテック」「カタパルト・グランプリ」の4カテゴリーで募集しております。ぜひ募集ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
Session 6B
CATAPULT(カタパルト) -IoT/ハードウェア特集-
Supported by Makuake
小野 直紀
博報堂
プロダクトデザイナー
博報堂のプロダクト・イノベーション・チーム「monom」代表。博報堂入社以来、広告、空間、インタラクティブと幅広いクリエイティブ領域を経験する中で、多数のプロダクト開発業務に従事。2015年に博報堂社内で、新しい生活体験を生み出すプロダクト開発をミッションとし「monom」を設立。これまでに、ボタン型おしゃべりスピーカー「Pechat」や手のひらサイズのロボットドール「iDoll」などを企画・開発。また、歌詞が見えるスピーカー「Lyric Speaker」、勉強したくなるスタディボード「Write More」などのプロダクトデザインを担当。さらに、社外ではデザインスタジオ「YOY」を主宰し、2012年より5年連続でミラノ・サローネに出展。その作品はMoMAをはじめ世界中で販売され、国内外で多数のアワードを受賞している。2015年より武蔵野美術大学非常勤講師。
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小野直紀氏(以下、小野) 博報堂で「monom」というモノづくりのチームに所属する小野といいます。
今日は、ちょっと小さいですが、この直径4.5センチのボタン型のデバイス、Pechat(ペチャット)について紹介させてください。
ぬいぐるみに取り付ける「おしゃべり」ボタン
まずは紹介ムービーをご覧ください。
▼動画の抜粋説明
ペチャットはぬいぐるみに付けるボタン型おしゃべりスピーカーです。
ボタン型のスピーカーとスマホを連動させてぬいぐるみにボタンを付けることで、あたかもぬいぐるみが喋っているかのように思えます。
アプリを操作することで、まるでぬいぐるみがお喋りしているかのように感じさせることができます
挨拶をしたり、盛り上げたり、なぐさめたり、ないしょばなしをしたり。
ぬいぐるみになりきってお喋りすることができます。
お任せモードなら声に反応して 自動であいづちやオウム返しをしてくれます。
さらに歌を歌ったり読み聞かせをしたり、子育ての様々なシーンで活躍します。
心を通わせるお喋りボタン「Pechat(ペチャット)」です。
▲動画の抜粋説明終わり
小野 今ご覧頂いたように、ペチャットというぬいぐるみに付けるボタンですが、昔からあるお気に入りのぬいぐるみに、お子様がお持ちの大事なぬいぐるみを「おしゃべりに」アップデートする、といったことができます。
歌を歌わせたり、お話を聞かせたりと色んな体験をさせることができる、といったプロダクトです。
ペチャット開発のきっかけ
これを作ったきっかけは、僕の姪の人見知りからでした。
僕が実家に帰り当時3才ぐらいの姪と遊んでいる時に、人見知りで全然僕になついてくれなくいので、あの手この手で姪に取り入ろうとした時に、たまたま姪が持っているぬいぐるみで近づいていくと姪がちょっと心を開き始めたことがあり、その時に着想しました。
昔からある、親がぬいぐるみを使って子どもをあやす、という子育ての原風景のようなものを現代のテクノロジーでアップデートできないかな、というきっかけで思いつきました。
ペチャットのベネフィットですが、お気に入りのぬいぐるみとお喋りできる魔法のような体験をお子さんに提供することができます。
一方で、親にとっては、親子の会話だけでは得られない愛しい子どもの表情や反応を引き出す、といったベネフィットがあると考えています。
博報堂本体として創業以来初となるデジタルデバイス
このペチャットを昨年(2016年)の12月9日に税込み4,990円で販売を開始しました。
博報堂は創業120周年ぐらいですが、実は博報堂本体としては創業以来初となるデジタルデバイスの製造、販売です。
世の中の反応として、まず、販売前にMakuakeさんでクラウドファンディングをやらせていただき、2,720人から1,500万円以上集めることができ、僕らとしては大成功でした。
ありがたいことに、(2016年)12月9日の発売当日に出荷分がその場で完売し、このように「大好評、メーカー品切れ中です」という状態になっていました。
同時に、アマゾンのカテゴリーで1位を獲得し、3倍以上の高値、1万数千円ぐらいの価格で販売する転売屋まで出現して、転売を止めたいけど止められない、ということもありました。
メディアに多数掲載され、販路を拡大
メディアでも多数取り上げていただき、「マツコの知らない世界」という番組で、マツコさんとペチャットがちょっと会話をするというシュールなシーンがあったり、「王様のブランチ」で綾部さんに使っていただいたり、「スッキリ」で近藤春菜さんが使ったりと、色んな方に使ったり触っていただきました。
▶編集注:Pechat は、Amazon、全国の販売店(販売店一覧)でお買い求めください。
これも昨日ですが、日経新聞で博報堂がなんでモノづくりをするのかということと、ペチャットをなぜやってるのかというところを大きく取り上げていただきました。
ペチャットがどこで買えるかというと、元々予約開始時はMoMAや蔦屋書店等11店舗でしたが、現在数百店舗に販路を拡大し、どんどん広げていっています。
使い方次第で色んな可能性が広がる
ユーザーの皆様の反応として、SNSでは沢山シェアいただいております。
スライドの子は、喜んでいる様子ですね。音に反応している形でしたが、大好きなぬいぐるみが喋りだして喜んでいます。
この子はもう少し大きい子で、誕生日プレゼントにペチャットをあげたようです。
色んなコメントや直接メールでメッセージをいただいたりします。
例えば「家族みんなに幸せな時間が流れました」、「今までクマを邪険に扱っていた息子が、ハグして遊んでる」、「今日は2つ目の昔話で爆睡」といったように寝付けに使っていただいていたりもしています。
変わった使い方でいうと、声に障がいのあるお子さんが「自分の声の代わりにペチャットを使っている」ということが起こっているようです。
ユーザーの使い方次第で色んな可能性が広がっていくと思っております。
僕等がペチャットを作る時、「4,990円で手に入る半歩先の未来」というコンセプトを置いていましたが、テッキー(ハイテク技術者)やガジェット好きの人ではなく、一般の主婦の方が手に取れる、そういう半歩先の未来を目指して作っています。
(続)
続きは 子どもがはじめて出会う、世界一優しいAIを目指す「Pechat」 をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/城山 ゆかり
【編集部コメント】
ICCスタッフの中にも、この「Pechat」を爆買いしている人が・・・。それはそうと、紹介ムービーで出て来る、Pechatに反応する子どもたちの表情が可愛すぎて涙が出そうだったので年を取ったんだなと思っています(榎戸)
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