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「若者の力で、社会を変える 」社会起業家 e-Education 三輪 開人の挑戦

「最高の授業を世界の果てまで届ける」
「デジタル教育を国家の政策へ そしてバングラデシュから全世界へ」
「若者の力で、社会を変える 」

社会起業家 e-Education 三輪 開人さんの挑戦を是非ご覧ください。10分間のプレゼンテーション動画も是非ご覧ください。

登壇者情報
2016年2月17日開催
ICCカンファレンス STARTUP  2016
Session 2
「社会を変える起業家になる」

(プレゼンター)
三輪 開人
特定非営利活動法人 e-Education 代表理事

1986年生まれ。早稲田大学在学中に税所篤快と共にNPO、e-Educationの前身を設立。バングラデシュの貧しい高校生に映像教育を提供し、大学受験を支援した。1年目から合格者を輩出し「途上国版ドラゴン桜」と呼ばれる。大学卒業後はJICA(国際協力機構)で東南アジア・大洋州の教育案件を担当しながら、NGOの海外事業総括を担当。2013年10月にJICAを退職してe-Educationの活動に専念。14年7月に同団体の代表理事へ就任。これまでに途上国10カ国5000名の高校生に映像授業を届けてきた。

三輪開人氏(以下、三輪氏) みなさんこんにちは、NPO法人 e-Education代表 三輪開人と申します。開く人と書いて「かいと」と読みます。今日は皆さんの何かの扉を開ければと思っています。今日はよろしくお願いします。

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最高の授業を世界の果てまで届ける

「社会を変える起業家になる」ということで、私たちがどう世界を変えていきたいか、それは「最高の授業を世界の果てまで届ける」という、これによって世界を変えていきたいと思っています。

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私たちは発展途上国で教育支援をしています。始まりは、アジア最貧国と言われるバングラデシュという国でした。

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私は、バングラデシュには別の会社のインターンとして行きました。その時に会ったのが、税所篤快(さいしょ あつよし)という大学生になります。

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彼は、貧しい人たちのための銀行「グラミン銀行」、そして私はバックを作っている「マザーハウス」という会社でインターンをしていました。ただのバック屋さんと銀行屋さんだったはずなんですが、僕たちが関心を持っていた問題はこれでした。

「教育」ですね。全国に40,000人の先生が足りない。実際に、小学生だけではなくて、高校に至るまで、いたるところで先生不足の問題がありました。

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特に深刻だったのは高校なんです。みなさん小学校の授業は教えられるかもしれませんが、高校の数学や化学って教えられますか? 難しいですよね。実際に私たちが出会った村の高校生達はやっぱり先生に出会えてなかったんですよ。

「勉強したい」と中には泣きながら言ってくる子もいました。何故だか分かります? 自分のためだけではなくて、家族のためにいい大学行って、いい仕事を掴んで、家族みんなを幸せにするために大学に行きたい。でも、先生はいない。

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実際に私が見たのは、こんな光景です。

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見えますでしょうか。街灯の下に、子どもたちが一生懸命ボロボロになった教科書を、何回も声に出して読み込んでたんですよ。

ただ、その教科書は、物理・化学の教科書です。受かるわけないですよね。彼等だってそんなこと分かってるんですよ。ただ先生がいないから、よく分からない教科書を音読して、それでも大学に行けない。さあ皆さん、どうします?

中には正解をみなさんの体験で知ってる人も多いんじゃないでしょうか、これです。

東○ハイスクール。敢えて言いましょう、東進ハイスクールさんです。ちなみにこの先生ご存知の方、どれくらいいらっしゃいますでしょうか? この人、私の恩師なんですよ。

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大学生の頃にアシスタントをしていました。東進ハイスクールでどう映像を作り、どうやって教育を届けるのか、そういうことを私は東進ハイスクールを通じで、自分が受験生、浪人生だった頃も含めて6年間学んできました。

さあ、バングラデシュでどうやります? 林先生どこにいますかね。探しました。

実際には、税所篤快と私で、ファームゲートと呼ばれるバングラデシュの予備校街でこんな先生を見つけました。

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クドビッザハン。知ってるっていう方、手を上げてください。残念ながら、少ないですね。手をあげていらっしゃるのはe-EDUCATIONの講演会を聞いてくれた方だと思います。

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こういう先生の授業を、私たちは2ヶ月かけて撮影してDVDにして、

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先生のいなかった村に届けました。それから半年間僕らのDVD授業を見てもらって、

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さあいよいよ大学受験の挑戦。

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嬉しかったことに、半年間の予備校期間で、何と日本でいうここ東京大学、バングラデシュのダッカ大学に合格する人がでました。(会場から拍手)待ってました。そこじゃないんですよ、いいですか。

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私たち5年間で、今100人以上トップ大学に合格しています。ここで拍手があったら嬉しかった(会場から拍手)。ありがとうございます。

デジタル教育を国家の政策へ そしてバングラデシュから全世界へ

今、僕らの団体が実際に何をしているかというと、こういうデジダル教育を僕らビジネスのNGOサイドだけでなくて、国の政策にもしてもらいたい。

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そういうことで、僕たちは今、教育大臣と一緒に私たちの映像教育を全国に広めるような、そういう展開をしています。

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これまで、この活動を世界中に広めて、今では世界12ヶ国、8,000人近い子どもたちにこういう授業を届けてきました。

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若者の力で、社会を変える

本日、皆さんにお伝えしなきゃいけないことは、この私たちのミッションではないと思っています。私たちが伝えなければならないこと、それは「若者のちからで、社会を変える」です。

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若者の力で、もっと具体的に言いましょう、ここにいらっしゃる大学生の皆さんの力で社会を変えることができるんじゃないか、ということです。

ここから1人の大学生の話をします。

彼は、早稲田大学にいた佐藤建明という学生でした。さあ皆さん、質問します。こいつは天才だと思いますか、それともバカだと思いますか。バカだと思う方手を上げてください、というか出来ればみんな上げてください。そう、バカなんです。

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実際に彼は、本当にバカでした。何故バカか。僕らがe-Educationをやっていいという前に、彼はフィリピンに行ってたんです。

「立ち上げる準備ができてるので、許可をください」

こんなことを言ってくる学生でした。
ただ、彼が見つけてきた問題は、本物だったんですね。

フィリピンのミンダナオと呼ばれる所、それは「センドン」という非常に大きな台風が、東北の震災と同じ年に直撃して、更には紛争の跡地ということで、援助が届きにくいところだったんです。

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中には、こんな子どもがいました。この子何才に見えます?15才です。普通の子に見えますよね、普通の子ですよ、2才になる子どもがいるという点を除けば。

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フィリピンは当時台風が起こった時、結婚の制度もままならなかったので、家族を増やすために、法律もなかったので子どもを作らせたんですね、そうすると家族が増えるじゃないですか。そんなむちゃくちゃな課題が眠っている国でした。

でも、フィリピンの政府も頑張っていました。貧しい子たちが土日のどちらかだけ行けば卒業資格が得られる、日本でいう大検に近いオープンハイスクールというプログラムをやっていたんですね。

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ただこれには、土日ボランティアの先生に依存するシステムだったので、先生がいない、更にテキストも足りない。じゃあどうするか。

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バングラディッシュと同じです、映像受業を僕達は作りました。

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現地の教育局の方々と連携して、林先生もいないようなところなので、現地の先生たちと一緒に、私たちは映像教材を作りこみました。

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これを受けてくれたのは、本当に私たちが一番届けたかった真ん中、中央のお子さんを抱えながら僕らの授業を見てくれる、そういう子がどんどん出てきたんですよ。

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この活動は、教育省の人たちがもっとこれを広めようということで、研修を作ってくれ2014年、去年は2つの県の全ての学校で導入することが決まりました。

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更に、です。もう1つ嬉しいニュースが飛び込んできました。全国展開に向けて、法律が今国会を通ってついに施行が始まりました。見てください、この中に、コンピュータ・ベースドであったり、テレビジョンという言葉がありますよね。

「オープンハイスクールでデジタル教育を使うこと」これを全国に広めることが今法律になってるんです。

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こういった活動・貢献が認められて、佐藤建明は教育省の中に、多分日本人で初めてだと思いますが、職員証を持ったスタッフとして入りました。

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さあ、日本の大学生の皆さん。どこか他の国の法律を変える努力をしたことはありますか。若しくは、どこかの教育省の中で、いわゆるIDを発行してもらったことはありますか。こういうことができるのが、皆さん大学生が本当に持っている力なんですよ。

最後にもう一人だけ紹介したい学生がいます。

田才諒哉という学生です。

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彼は、私たちの団体で初めて、南米のパラグライという国に行ってくれました。

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実際に彼がたちあげようと思ったプロジェクトは実際には、1年間本当にトライ&エラーの連続でした。結果、プロジェクトを続けられないということで、彼は本当に悔しそうに日本に帰ってきたんですね。

でも、そんな彼が次の挑戦の場として、(クラウドファンディングの)READYFORで、国際協力を応援したいという強い気持ちを持って、今新しいプログラムを作っています。

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昨晩彼からメッセージが来たんですけど、「開人さん、これ成功させたら俺絶対南米に戻ります」ということを昨日語ってくれました。

最後にお伝えしたいことです。

「若者の力で社会は変わる。」

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これは今も変わらず信じ続けていることなんですが、この田才諒哉のように、最初の一歩を踏み出せるかどうか、 更に言えばそれを正解に出来るかどうか、こういうことを是非この場にいる皆さんに、今一緒に考えていただきたいと思います。

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もし挑戦したいという方がいたら、是非この後声をかけてください。どうもありがとうございました。

(終)

編集チーム:小林 雅/城山 ゆかり

Teach For Japan  松田 悠介さんの記事も合わせてご覧ください:「教室から社会を変える」社会起業家 Teach For Japan  松田 悠介の挑戦


e-Education三輪さんは2016年9月13日開催予定の「ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス2016」に登壇します。学生は参加費無料です。是非ご参加ください。

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