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ICC FUKUOKA 2025 カタパルト・グランプリに登壇した、オリゼ 小泉 泰英さんのプレゼンテーション動画【日本の食文化、麹菌発酵で世界の甘味料市場に挑戦する「オリゼ」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。
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【登壇者情報】
2025年2月17〜20日開催
ICC FUKUOKA 2025
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
小泉 泰英
オリゼ
代表取締役
公式HP | 公式X
1997年生まれ、埼玉県出身。宇都宮大学農学部 農業経済学科在学中から、発酵を活用したビジネスアイデアで、第5回とちぎアントレプレナー・コンテスト最優秀賞を受賞。その後、宇都宮大学発ベンチャーとして、株式会社オリゼの前身である株式会社アグクルを創業し、2018年より現職。「地球を発酵させる」をミッションに掲げ、発酵でより良い社会づくりを目指す。2020年にはインナービューティフードブランド「フードコスメORYZAE(オリゼ)」を立ち上げ、看板商品である砂糖不使用の「米麹グラノーラ」は累計150万食を突破し、楽天のグラノーラランキング1位を獲得。2024年9月には東京中目黒に初の直営店舗「ORYZAE SHOP TOKYO」をオープン。さらに、米国市場への進出に向けた米SAN-J International Inc.との業務提携を進め、ミッション達成に向けて事業拡大を加速させている。
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お米を発酵させてつくった日本発甘味料
小泉 泰英さん 私たちオリゼは、30年後に世界中で使われる甘味料を、お米を発酵させるだけで作っています。

なぜ、この事業を始めたのか。
それは、食、ものづくり、独自の文化という、日本が世界で勝つための条件が揃っていると確信したからです。

私は、日本が大好きです。

世界を巡る中で特に感じたのが、日本人の几帳面さです。

この几帳面さが、 豊かでおいしい食文化やおもてなし、丁寧なものづくりを生んだと思います。

かつてGDP世界第2位にまで成長した一因も、この几帳面さにあるのではないかと思っています。

地方経済が大企業の工場や研究所に頼っている現在
しかし、今はどうでしょう。
ITはアメリカ、 ものづくりは中国を中心としたアジアがリードしています。

人口減少と内需の縮小という現実の中で、グローバルで受け入れられる事業を作り、GDPを伸ばす必要があると感じました。

この危機感は、大学生の時に強く感じました。

私は宇都宮大学で学び、地方経済が大企業の工場や研究所に頼っている現実を目の当たりにしました。
このままではまずい、 新しい大企業が生まれなければ、地方から日本は衰退する、そう強く感じました。

私の夢は、地方から世界中の人の役に立つ社会を作ることです。

私はこれを、社会を発酵させると表現しています。
日本のローカル技術、発酵文化に着目
日本のローカル技術は、世界で評価されるビジネスに変わる可能性を持っています。
その一つが、数千年続く、米麹を中心とした発酵文化です。

私はこの発酵文化に大きな可能性を感じ、学生時代を米麹の研究に費やしました。

米麹は、味噌、醤油、日本酒などの原料として使われています。

お米と米麹だけで、はちみつと同等の甘さ
塩辛いというイメージを持つ人も多いかもしれませんが、私たちは、米麹を甘味料として再発明し、麹菌の意味を持つオリゼと名づけました。

オリゼは、100%お米を麹菌で発酵させた、天然の甘味料です。

はちみつと同等の糖度85度の甘さに、発酵で生まれる旨味が加わり、少量でも十分な満足感が得られます。
実際、アメリカではUMAMI SUGARと呼ばれています。

うれしい機能性をもつ甘味料
さらに、オリゼに含まれるレジスタントプロテインは、体脂肪の蓄積を防ぐ効果が確認されており、血糖値の急激な上昇を抑制する可能性についても、良い情報を今年発信できる予定です。

私たちは、Oryzae-High Throughput Refinery技術という独自技術を持っており、現在、特許出願中です。

この技術により、米麹から高品質な甘味料を低コストで作り出すことを実現しました。
具体的には、選定した麹菌が生み出す100種類以上の酵素をコントロールし、味、糖度、機能性の最適なバランスを実現しています。
お手元に、オリゼとチョコペーストをご用意しましたので、ぜひお試しください。
▶︎編集注:審査員席には試食が配布されました。
白砂糖にも対抗できる価格
続いて、コストについてお話しします。

現状、1キロあたり500円ですが、 このプロセスで、2030年には1キロ200円まで下げることが可能です。
その結果、はちみつやメープルシロップはもちろんのこと、白砂糖にも十分対抗できる価格帯になります。
技術は弊社の研究チームに開発され、製造工程は複数に分けて、ブラックボックス化されています。

また、 提携工場では、規模に応じた設備投資を行い、ファブレスで、売れれば売れるほど利益が増える収益構造を実現しています。

今期の売上は5億円、2025年からコストダウンとアメリカを中心とした海外展開を加速させ、2030年には売上100億円、営業利益15億円を目指し、未来の味の素のような会社になっていきます。


年平均成長率7%の世界の甘味料市場
世界全体の甘味料市場は10兆円、そのうち天然甘味料は6,000億円の規模で、年平均成長率7%を見込んでいます。

さらに、甘味料が使われる加工食品市場も合わせると、50兆円の規模に達します。

B Corpも取得済み、オリゼの成長マイルストーン
まずは、はちみつやメープルシロップの代替として市場を形成しながら、コストダウンを進めます。

生産量は、現在の年間40トンから3年で500トンへと大幅に拡大します。
さらに、甘味料を使ったチョコペーストやジャムなど様々な製品展開で、用途の幅を広げます。

アメリカのシェフからの引き合いが増えており、まずは高い価値を感じるお客様に提供しながら、徐々にインフラとしての機能を強化していく予定です。

さらに、国内では50社しか取得していない、サステナブル認証B Corp(※)を2025年取得しました。
▶︎編集中:B Corpとは、非営利団体B Labが定めた国際的な認証制度。ガバナンス、従業員、コミュニティ、顧客、環境や社会に配慮した事業を行い、透明性や説明責任などといった、厳しい基準をクリアした企業に対して与えられる。

これにより、 グローバルで飛躍するための基盤が、いっそう整ってきています。
車にたとえれば、初期のオリザはレクサスのようなプレミアム感がありますが、 私たちが目指すのは、プリウスのような、世界のインフラとなる製品です。

米麹という日本独自の食文化と、日本人ならではの丁寧なものづくりがあれば、必ず世界で勝てるビジネスが実現できると信じています。

麹菌発酵の技術を、世界で評価されるビジネスへ
私は創業当初、「社会的にいいことはしているけど、ビジネスとしては成り立たないのでは?」や「大学生が作った技術なんて、そんなにすごいの?」と何度も言われました。

その度に、悔しさを感じました。

しかし、その悔しさを糧に、 7年という歳月をかけて、アイデアを確固たる技術基盤へと育て、社会的価値を高めながらも、稼げるビジネスに進化させてきたのです。

いよいよです、2025年、いや今日、今日こそが、オリゼが世界に羽ばたくDAY1となる日です。

この世界に絶対の正解はありません、だからこそ、自分自身の選択が未来を切り拓くのです。


皆さんは、どんな未来を望みますか?
社会を発酵させるという夢に向かって一歩踏み出した20歳の自分に、将来、ありがとうと言える瞬間がきっと訪れると信じ、行動しています。

この麹菌発酵というローカルな技術を世界に評価されるビジネスへと変える挑戦に、ぜひ、心を込めてご参加、ご支援ください。

私は、オリゼが日本から世界を変えると信じ、情熱を持って挑戦し続けます。

さあ、共に未来へ、一歩踏み出しましょう。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成