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Super Duper「HeY」は、AIを活用したチャット型多言語レストランメニューで“最高の旅行体験”を提供する(ICC KYOTO 2018)【文字起こし版】

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ICCサミット KYOTO 2018 スタートアップ・カタパルトに登壇した、Super Duper 鈴木 知行さんの【Super Duper「HeY」は、AIを活用したチャット型多言語レストランメニューで“最高の旅行体験”を提供する】プレゼンテーションの文字起こし記事をぜひご覧ください。

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。参加登録はICCサミット FUKUOKA 2019をご覧ください。

ICCサミット KYOTO 2018のプレミアム・スポンサーとして、IBM BlueHub様に本セッションをサポート頂きました。


【登壇者情報】
2018年9月4日〜6日開催
ICCサミット KYOTO 2018
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門
Supported by IBM BlueHub

(プレゼンター)
鈴木 知行
株式会社Super Duper
代表取締役

1999年 明治大学法学部法律学科卒。2002年 デジタルハリウッド e-producerコース修了。アラスカ、バンクーバー、ニューヨークでの生活を経て、「7&i グループ」のマーケティングに従事。その後は複数の外資系企業でマーケティング責任者をつとめる。2008年より「ロゼッタストーン」、2012年より「セレゴ・ジャパン」でテクノロジーを活用した教育サービスの日本展開に従事。個人、法人、教育機関に対してサービス拡大に貢献し「ロゼッタストーン」ではニューヨーク証券取引所への上場、「セレゴ・ジャパン」ではアプリ120万ダウンロード達成やYahoo! JAPANとの提携を実現。GoogleやAdobeが主催するグローバルイベントに登壇。 ad:tech tokyoでは複数のセッションでベストスピーカーに選出される。2015年にこれまでの経験を活かし、Travel、Food、Techをかけ合わせたソリューション開発会社Super Duperを起業。

「ICC KYOTO 2018 スタートアップ・カタパルト」の配信済み記事一覧


鈴木 知行氏(以下、鈴木) Super Duperの鈴木です。

本日は、我々が提供する、接客するAIメニュー「HeY」をご紹介します。

知らないメニューは、オーダーされにくい

何時間もかけて海外旅行に行ったときのことを想像してください。

例えば、ベトナムにしましょう。

皆さん、旅先でのご飯を楽しみにしていると思います。

「さあ食事に行こう」

そしてお店に入った時、こんなメニューが出てきたとします。

一応、写真もついていて英訳もされていますが、種類も多くて何が何だか分からないですよね。

では、こういうのはいかがでしょうか。

日本語になっています。

この中で何を食べたいか日本人に聞くと、皆さん、生春巻きばかりなのです。

誰もが「ベトナム料理といえば生春巻きだ」と思っています。

しかし実はこのお店で最もおすすめされている料理は、一番上にある「バインセオ」なのです。

人はどうしても、知っているものをオーダーしてしまいます。

旅の醍醐味が何か?と考えると、それは「そこでしかできない体験をすること」だと思います。

でも、それはすごく難しいことなのです。

実は、同じことが日本でも起きています。

次のメニューを見てください。

先ほどと同様、写真も出ていて、英訳もついています。

拡大すると次のようになっているのですが、外国人はこれを見て、先ほどの生春巻きみたいにすごい勢いでサーモンを頼みます。

なぜかというと、サーモンなら知っているからです。

ちなみにサーモンはこの中で一番安いネタです。

このことはぜひ、覚えておいてください。

実は、外国人旅行客のお客様単価は日本人の単価よりも低いのです。

これは横浜での調査結果です。

「爆買いがあっても、爆食が起きていない」

これは残念な結果です。

実はこれは飲食の世界だけではなく、インバウンド業界全体で起きている問題なのです。

次の右側のグラフは外国人旅行者消費の推移ですが、政府が掲げる2020年の8兆円という目標売上は、2兆円のショートの可能性があります。

僕らはこれをサーモンショックと呼んでいますが(笑)、この2兆円未達の状況を何とかしたいと思っています。

この目標を達成するためには、飲食が重要だと考えています。

飲食は旅行前の期待値が高い一方で、旅行後にがっかりしていることとしても1位なのです。

このギャップを埋めることができれば、売上が伸ばせると考えています。

HeYは「提案」と「飲食」を結び付けたAIメニュー

キーワードは「提案」だと思っています。

旅先で、ローカルの知識を誰もが引き出せるサービスが、我々の「HeY」というサービスです。

サービス名は、「へい、いらっしゃい」から取っています。

リアル店舗向けのリコメンデーションエンジンで、シェフやソムリエの仕事をパターン化し、データベースと連結して、お客様に提案をするサービスです。

店舗で、このようなツールを使って接客を行います。

重要なのは、これがただの外国語メニューではなく「提案してくれる」ものだという点です。

実際の使い方をご説明します。

アプリではないのでダウンロードは不要で、QRコードを読み込めば使い始められます。

お客様に対して、ちょっとしたインタビューをチャット形式で行い、提案をします。

紙のメニューは平面的ですが、チャット化すると立体的になります。

実際のデモ動画をご覧いただきたいと思います。

例えば、「せっかくこのお店に来たのだから、季節感のあるメニューを食べたいな」と思いながら使っていただくと、このように料理を絞り込むことができます。

「うなぎと湯葉の寿司」というのが下のほうに出てきます。

どんな料理なのか、どういう風に食べるのか、その料理に合うお酒、アレルギー情報などが全て分かります。

ただこれは、「アラカルト」で提案しているだけです。

全体の体験としては、先ほどの寿司だけ食べても面白くないですよね。

前後で何を食べるか、といった情報も大切です。

そこで上のボタンを押していただくと、今度は「テーマ」を選ぶことができます。

常連さん、肉をたくさん食べたい、パーティーのように騒ぎたい、ベジタリアン等々、テーマに合わせた提案も可能です。

「常連」というテーマを選ぶと、常連さんがどんな順番で何を食べているかが、音楽でいうプレイリストのように表示されます。

僕らはまさにプレイリストと呼んでいます。

お客様は詳細を閲覧し、その料理をカートに入れることができます。

カートに入れることで、誰が・いつ・どこで・何を食べたかというバスケット分析(※)も可能です。

▶編集注:バスケット分析とは、顧客がある商品を購入した際、同時に買われている商品が何かを分析すること。

月々4,980円で満足度・単価向上、接客コスト削減

これらは、実際のユーザーの声です。

「ペアリングがよかった」「ベジタリアンのメニューが便利だった」という評価を頂いています。

こちらは、プレイリストで食べて頂いた方の例ですが、この方は、イカの塩辛を食べています。

ただ、美味しくなくて残したようです(笑)。

一方の店舗側からは、「お客様満足度が上がった」という評価を頂いています。

重要なのは、翻訳機能を使ったり外国人スタッフを雇ったりしても、「そもそも日本酒のことが分からない」などの理由で解決できなかった多くの問題を、HeYは解決できているという点です。

数字で見てみると、お客様の満足度、およびお客様単価が上昇し、お店も楽になったという結果が出ています。

外国人旅行者向けにHeYを使って頂くと、最大5,000億円の経済効果産出が見込めます。

HeYは、24時間365日、何人でも同時に接客できますが、こういったスペックの従業員を雇うと人件費が高くなってしまいます。

ですが、HeYは月々4,980円で導入して頂けます。

現状のトラクションは、2018年6月のリリース後、まもなく100店舗導入に届くところです。

これまでは個別の店舗ばかりでしたが、地域でまとめて導入頂く実績も出てきています。

HeYは、観光における新産業とビジネスを創り出す

今後、オリンピックやワールドカップが日本で開催されます。

労働力不足が予想されるため、これは我々にとってチャンスだと考えています。

2020年までに5万店舗、2022年までに東南アジアを含めて10万店舗への導入を目標にしています。

多くの旅行者にリーチでき、HeYによって可処分時間を集めることができるようになります。

行列に並ぶ時間や、料理が来るまでの時間にリーチできるメディアがHeYということです。

そうなると、様々なビジネス展開が可能になります。

飲料メーカー向けにペアリングを広告として提供したり、小売向けにお土産情報を飲食後に表示するなど、決済にパスするためのサービスが可能になります。

我々Super Duperは、世界中のメニューをHeYにしていくことに取り組んでまいります。

2兆円のギャップを埋めるために、観光における新しい産業とビジネスを創っていきたいと思います。

ご清聴ありがとうございました。

(終)

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編集チーム:小林 雅/上原 伊織/尾形 佳靖/戸田 秀成/大塚 幸

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